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[速報]ウルフアロンが決勝で加藤博剛破って初優勝、連覇狙った原沢久喜は準々決勝で苦杯・平成31年全日本柔道選手権

(2019年4月29日)

※ eJudoメルマガ版4月29日掲載記事より転載・編集しています。
[速報]ウルフアロンが決勝で加藤博剛破って初優勝、連覇狙った原沢久喜は準々決勝で苦杯
平成31年全日本柔道選手権
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決勝、ウルフアロンが加藤博剛から支釣込足「技有」

体重無差別で今年の柔道日本一を争う平成31年全日本柔道選手権大会が29日、日本武道館で各地区予選を勝ち抜いた精鋭42名(推薦選手3名を含む)が集って行われ、一昨年度大会2位で2017年ブタベスト世界選手権100kg級王者のウルフアロン(関東・了徳寺学園職)が初優勝した。

この日のウルフは出色の出来。本来の戦場である100kg級では2月のグランドスラム・パリ決勝に今月初旬の全日本選抜体重別決勝と意外な受けの脆さを見せたばかりだが、減量なしで臨んだ今大会は異次元級の強さを見せた。2回戦は新添悠司(近畿・大阪府警察)を切れ味抜群の内股「一本」、3回戦はしぶとさが売りの上田轄麻(東京・日本製鉄)を支釣込足「一本」に仕留めると、圧巻はここから。準々決勝は4度目の優勝を狙う王子谷剛志(旭化成)をGS延長戦2分14秒、低空の左内股「一本」で破り、準決勝は組み手の巧さと受けの強さが売りの2018年世界選手権100kg超級代表小川雄勢(東京・パーク24)をまさにその組み手で圧倒した末に、3度転がして一方的に展開を取る。このうち2度の投げはノーポイントだったが、3度目のケンケン大内刈を見事に決め切り3分28秒「一本」。全試合一本勝ちで決勝に進んだ。

決勝は今大会最年長選手の業師・加藤博剛(関東・千葉県警察)とマッチアップ。袖をクロスに、釣り手を片襟に、と互いに術を尽くした組み手争いの末、GS延長戦1分29秒についに捕まえて支釣込足「技有」で決着。念願の全日本選手権制覇を決めた。

連覇を狙った原沢久喜(推薦・百五銀行)は準々決勝で苦杯。この日好調の太田彪雅(東京・東海大4年)にGS延長戦まで粘られた末、集中力が一瞬切れた瞬間左袖釣込腰を食って「技有」失陥、これで万事休した。太田は続く準決勝の加藤博剛戦で左膝を負傷、動けなくなったところを加藤必殺の巴投「一本」に沈んだ。

高校3年生の斉藤立(東京・国士舘高3年)は2戦に勝利してベスト16入りも、加藤の腕挫腋固から繋いだ後袈裟固に捕まり「一本」で敗戦。惜しくも入賞には手が届かなかった。

ウルフアロン選手、加藤博剛選手、原沢久喜選手、斉藤立選手のコメント、および上位入賞者と全試合の結果は下記。

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優勝決定、観客席に向かって拳を握りしめるウルフアロン

ウルフアロン選手のコメント
「(-優勝おめでとうございます!)ありがとうございます。ずっと目標にしていた大会だったですし、一昨年は準優勝で、昨年は半月板を怪我して出場できず、その分思いが強くなっていました。本当に嬉しいです。この舞台に立てることを感謝して、沢山の人の応援を力にして戦いました。この大会では、減量もなく思い切り力が出せました。(-決勝戦を振り返って?)加藤選手に右引き手を絞らせてしまうと巴投が来るので、そこを徹底して絞らせないように試合を進めました。相手はベテラン選手なので試合が長引けば長引くほどスタミナで勝っている自分に有利になると思っていました。パワーの部分は問題にはならなかったので、組み手のスピードを意識して戦いました。(-王子谷剛志選手との準々決勝、小川雄勢選手との準決勝を振り返って?)前々大会の決勝戦で王子谷選手と戦った時は、相手に組まれたのに対してどう対応するか、という試合になってしまいましたが、今回は先に組んで自分から試合を組み立てることを意識しました。また、小川選手との試合も、相手の生命線の圧力が掛かる形を作らせないことを意識しました。投げられるような技がないと分かっていたので、むしろ間合いを取るよりも密着する方がリスクが少ないと考えて試合をしました。これからは100kg級に戻して力を発揮できるように対応していきたいです。世界の100kg級で勝つためには国内で100kg超級の選手にも負けていられないので、今回重い選手に勝ち切れたことは手応えになりました。平成は最高の形で締めくくることが出来たので、令和は最高のスタートで東京五輪に臨みたいです。」

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会場の度肝を抜いた一撃。準々決勝、加藤博剛が影浦心から開始16秒支釣込足で「一本」

加藤博剛選手のコメント
「最年長で決勝まで行けてしまって、若い選手に申し訳ないという気持ちです(笑)大会通じて自分の良い所は出せていたかとは思うんですが、この大会に向けて作った技は出せなかったです。また来年頑張って出場して試したいなと思います。どんな技かは、絶対決めたいので、内緒です(笑) (-ウルフ選手と戦っての感想は?)若い!元気!うらやましい!元気でガツガツ攻めてきて、自分はもう延長戦で消耗してしまって足が動かなくて、身体もひねれなかったです。(-斉藤立選手と対戦していかがでしたか?)17歳の若い選手にはまだまだ負けられません。酸いも甘いも知り尽くした、アダルトな柔道を思い知らせてやろうと。しかし、練習で相手をしたこともありますが、試合で組み合うとやはり高校生離れした力強さがありました。試合が終わって『先輩は偉大だろ!』と、あとは、『こんなんでめげるなよ』と声を掛けました。(これからの目標は?)棟田康幸先輩が15回出場で最多出場だと思うので、その記録を塗り替えながら成績も残していけたらと思います。柔道好きのファンの皆さんに面白い柔道を見せられたらいいかなと思いますね。(―最後に、決勝で巴投をGS延長戦まで我慢したのは作戦ですか?)はい!早い時間で投げると後がきついので、本戦は『指導』の取り合いで我慢して、1回投げれば終わるGS延長戦まで待ちました。」

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準々決勝、太田彪雅が原沢久喜から袖釣込腰「技有」

原沢久喜選手のコメント
「初戦から動きは良かったのですが、準々決勝では太田彪雅選手に先に組み手でいい所を持たれてしまって積極性を出し切れませんでした。『指導」を2つ先行しましたが延長戦に入ってから太田選手の方が我慢強かったかなと…。自分は最初から投げるつもりでいましたが、延長戦では投げに行くか、『指導』を狙うかはっきりしない時間が続いてしまった。今大会では『指導』狙いの柔道で勝ちを狙うのは難しいと考えていたので投げることを意識していましたが、あの場面では切り替えて『指導』を取りに行ってもよかったかもしれないですね。(-今回の収穫と今後の課題は?)三回戦までは投げて勝てたのはよかったと思います。厳しい組み手の相手を切り崩せなかったのは課題として、今後詰めなければいけないところです。これからは世界選手権に向けて海外試合のスピード感や審判の違いにも対応していきたいと思います。」

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3回戦、加藤博剛が斉藤立から後袈裟固「一本」

斉藤立選手のコメント
「(-初めての全日本選手権の舞台をどう感じたましたか?)入場するときに自分の名前が呼ばれた瞬間、身体の中からバーンと何かが弾けるように湧き上がってきましたた。この舞台で勝てたらどんなに気持ちいだろうと、そう思いました。(-試合を振り返って?)加藤博剛選手との試合は自分の知識不足と経験不足が敗因だと思います。想定を超えた強さではなかったかなと。東京都予選から手首を怪我していて、練習すればするほど悪化していくことに葛藤がありました。十分な調整が出来ていなくて、練習を詰めていればもっといい結果が出せていたと思うので、そこはすごく悔しいです。自分はこれまで寝技を全然やってこなかった。やっていたら加藤選手の寝技にも対応できたかもしれません。教えてもらうだけでなく自分で気づいていかないといけない。加藤選手に試合が終わって、『先輩は強いだろ!』と言われました…悔しかったです。収穫としては、最初動きが固かったのを意識して動くことでいつも通りの柔道を取り戻せたことです。(緊張してていましたか?)分からないです、普段緊張したことがないので。(-東京五輪出場は厳しい状況ですが?)そこはもう切り替えています。今は課題が沢山あるのでそれを潰していくことに集中していきたいです。」

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初優勝のウルフアロン

【入賞者】
(エントリー42名)
優 勝:ウルフアロン(関東・了徳寺学園職)
準優勝:加藤博剛(関東・千葉県警察)
第三位:太田彪雅(東京・東海大4年)、小川雄勢(東京・パーク24)
第五位:原沢久喜(推薦・百五銀行)、影浦心(推薦・日本中央競馬会)、王子谷剛志(推薦・旭化成)

【1回戦】
前田宗哉(関東・自衛隊体育学校)○GS横四方固(GS1:19)△村上拓(東海・愛知県警察)
石内裕貴(九州・旭化成)○GS反則[指導3](GS0:51)△上川大樹(中国・広島刑務所)
斉藤立(東京・国士舘高3年)○大内刈(2:39)△加藤大志(北海道・北海道警察)
影野裕和(四国・愛媛県警察)○優勢[有効・肩車]△本間稔永(東北・山形県警察)
下和田翔平(関東・京葉ガス)○GS足車(GS4:36)△北野裕一(東京・パーク24)
佐藤正大(関東・自衛隊体育学校)○背負投(0:22)△藤本英謙(東北・青森県警察)
郡司拳佑(九州・旭化成)○GS内股巻込(GS1:18)△河坂有希(四国・愛媛県警察)
春山友紀(関東・自衛隊体育学校)○GS有効・大腰(GS1:19)△瀧田真太郎(北海道・北海道警察)
七戸龍(九州・九州電力)○GS反則[指導3](GS1:45)△大町隆雄(中国・山口県警察)
辻本拓記(近畿・兵庫県警察)○優勢[技有・大内返]△北山彰(北信越・石川県警察)

【2回戦】
原沢久喜(推薦・百五銀行)○内股(2:58)△澤建志郎(北信越・石川県警察)
前田宗哉(関東・自衛隊体育学校)○GS技有・大外刈(GS1:02)△中村剛教(近畿・大阪府警察)
飯田健太郎(東京・国士舘大3年)○GS有効・小外刈(GS1:37)△大辻康太(近畿・桐蔭横浜大教)
太田彪雅(東京・東海大4年)○GS有効・移腰(GS0:23)△石内裕貴(九州・旭化成)
加藤博剛(関東・千葉県警察)○GS小外掛(GS2:29)△上林山裕馬(九州・福岡県警察)
斉藤立(東京・国士舘高3年)○合技[大内刈・崩袈裟固](4:01)△黒岩貴信(近畿・日本製鉄)
影浦心(推薦・日本中央競馬会)○優勢[技有・隅落]△影野裕和(四国・愛媛県警察)
垣田恭兵(九州・旭化成)○GS小外掛(GS1:16)△下和田翔平(関東・京葉ガス)
王子谷剛志(推薦・旭化成)○GS小内刈(GS0:23)△中野寛太(近畿・天理大1年)
一色勇輝(東京・日本中央競馬会)○GS大外刈(GS1:04)△佐藤正大(関東・自衛隊体育学校)
ウルフアロン(関東・了徳寺学園職)○内股(1:18)△新添悠司(近畿・大阪府警察)
上田轄麻(東京・日本製鉄)○GS隅落(GS0:27)△郡司拳佑(九州・旭化成)
小川雄勢(東京・パーク24)○GS反則[指導3](GS0:23)△古居頌悟(東海・愛知県警察)
尾原琢仁(九州・旭化成)○GS反則[指導3](GS6:11)△春山友紀(関東・自衛隊体育学校)
佐藤和哉(東京・日本製鉄)○GS反則[指導3](GS1:47)△七戸龍(九州・九州電力)
熊代佑輔(東京・ALSOK)○GS技有・大外刈(GS4:47)△辻本拓記(近畿・兵庫県警察)

【3回戦】
原沢久喜○内股(2:39)△前田宗哉
太田彪雅○GS大内返(GS2:31)△飯田健太郎
加藤博剛○後袈裟固(1:50)△斉藤立
影浦心○優勢[技有・払巻込]△垣田恭兵
王子谷剛志○優勢[技有・袖釣込腰]△一色勇輝
ウルフアロン○GS支釣込足(GS1:49)△上田轄麻
小川雄勢○GS反則[指導3](GS1:08)△尾原琢仁
佐藤和哉△GS反則[指導3](GS1:43)△熊代佑輔
※両者反則負け

【準々決勝】
太田彪雅○GS技有・袖釣込腰(GS4:33)△原沢久喜
加藤博剛○支釣込足(0:16)△影浦心
ウルフアロン○GS内股(GS2:14)△王子谷剛志
小川雄勢○不戦△

【準決勝】
加藤博剛○巴投(3:36)△太田彪雅
ウルフアロン○大内刈(3:28)△小川雄勢

【決勝】
ウルフアロン○GS技有・支釣込足(GS1:29)△加藤博剛


撮影:乾晋也/辺見真也

※ eJudoメルマガ版4月29日掲載記事より転載・編集しています。

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