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田島中がライバル五條東中を破り初優勝・第32回近代柔道杯中学生柔道大会女子の部即日レポート

(2019年3月25日)

※ eJudoメルマガ版3月24日掲載記事より転載・編集しています。
田島中がライバル五條東中を破り初優勝
第32回近代柔道杯中学生柔道大会女子の部即日レポート
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初優勝の田島中学校A

第32回近代柔道杯中学生柔道大会は23日、24日の両日、上尾市の埼玉県立武道館で開催され、50チームがエントリーした女子の部は田島中学校A(埼玉)が初優勝を遂げた。

田島中Aは初日の予選リーグを順調に勝ち上がると、最終日は決勝トーナメントを1回戦で二見中(兵庫)に2-0、準々決勝で五條東中Bに2-0、準決勝で夙川学院中(兵庫)に2-0といずれも快勝で決勝進出。迎えた決勝は、12月の黒潮旗とサニックス旗で1勝1敗のライバル五條東中A(奈良)と対戦。0-1のビハインドで迎えた大将戦で森静玖が相手のエース大場桜萌の反則を誘いスコアを1-1のタイに戻すと、代表戦で池田湖音が川上梨奈を「指導1」の僅差で下し優勝を決めた。

また、今大会では予選リーグ2位のチームによる二部トーナメント、予選リーグ3位のチームによる三部トーナメントが行われ、二部トーナメントでは田島中B(埼玉)、三部トーナメントでは上北中(青森)がそれぞれ優勝した。

決勝の戦評と田島中・鈴木達也監督のコメント、入賞者及び決勝トーナメント1回戦のスコアと準々決勝以降全試合の対戦詳細は下記。

取材・文:原輝地/eJudo編集部
撮影:辺見真也

※エントリー50チーム。先鋒と次鋒は体重66kg以下、中堅は81kg以下、副将以降は無差別。国際柔道試合審判規定(2018.4~)および「少年大会特別規定」採用、勝敗の基準は「技有」もしくは「指導2」差以上。

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五條東中・川上梨奈が隅返で田島中・池田湖音を攻める。

【決勝戦評】

田島中A ①代-1 五條東中A
(先)池田湖音×引分×川上梨奈
(中)水間仁子△内股透(0:11)〇荒川清楓
(大)森静玖〇反則[DH](1:20)△大場桜萌
※相手の内股の軸足を内側から刈ったため。
(代)池田湖音〇優勢[僅差](1:00)△川上梨奈

先鋒戦、田島中・池田湖音が左、五條東中・川上梨奈が右組みのケンカ四つ。試合は終始川上ペース。川上は引き手で襟、釣り手を背中に回す「ケンカ四つクロス」の形を作るとすかさず隅返で池田を蹴り上げ、スムーズに寝技に移行。試合時間3分間をほぼこの流れ一つで支配する。しかし捨身技と寝技が中心の組み立てゆえに攻勢を評価されにくかったか、1分41秒に奪った「指導1」以上のリードは得られず。この試合は引き分けに終わる。

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五條東中・荒川清楓が田島中・水間仁子の内股を透かして一本勝ち。

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五條東中・大場桜萌は田島中・森静玖の内股の軸足を内側から刈る反則行為で、痛恨のダイレクト反則負け。

続く中堅戦は、田島中・水間仁子が右、五條東中・荒川清楓が左組みのケンカ四つ。試合開始直後、互いに引き手を先に袖で持ち合うと、水間が釣り手を上から背中に入れて右内股に飛び込む先制攻撃。しかしこれに荒川が内股透で反応すると、水間は自らの技の勢いそのままに一回転して畳に沈み「一本」。試合時間僅か11秒、荒川が見事な内股透で貴重な、そして大将にエースの大場萌桜が座る布陣を考慮すると決定的ともいえる1点を挙げる。

大将戦は、「一本」あるいは相手の反則による勝利を挙げなければ次に繋ぐことの出来ない田島中・森静玖と、一本負け以外ならそのままチームの優勝を決められる立場の五條東中・大場桜萌の対戦。大場はここまで厳しい組み手と足技で盤石の柔道を見せており、森にとっては非常にハードルの高いミッションが設定された形。

この試合は森が左、大場が右組みのケンカ四つ。とにかく攻めるしかない森は開始とともに左のクロス内股で大場を跳ね上げ先制攻撃。続く展開でも、両襟の左内股から左小内刈と繋いで大場を攻め立てる。しっかりと地に足をつけて柔道をするタイプの大場は、森に右脚を跳ね上げられ続け徐々に焦りの色が見え始める。森の攻勢が評価され大場に「指導1」が与えられた直後の1分28秒、森がまたもや先んじて左内股を仕掛けると、大場が腰の入れ合いに応じようと出した右脚が森の左内股の右軸足を内側から刈ってしまう。主審が試合を止め、映像を確認した上でこれにダイレクト反則を宣告することとなり、大場の反則負けが決定。森が執念の攻めで大場の反則を誘った格好、これでスコアは1-1のタイとなり、勝負は代表戦へともつれ込むこととなった。

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田島中・池田湖音が五條東中・川上梨奈の一本背負投を隅落で捲る

先程引き分けで終わった先鋒同士の代表戦は、田島中・池田が左、五條東中・荒川が右組みのケンカ四つ。池田は先に釣り手で襟を突くと、荒川のクロス組み手を警戒して両手で相手の釣り手を押さえてから引き手を袖に移し替え、すかさず左背負投に潜って先手をうつ。さらに池田はそのまま荒川のフィールドといってもいい寝技で攻めこむ気迫を見せる。そして次の展開、やや気圧された川上が組み際に低く左一本背負投に潜ると、待ち構えた池田が隅落で捲り返す。これにポイントは与えられなかったが、主審は一旦試合を止めると合議を招集。主審が映像を確認し試合場内に戻ると、下された判定は荒川の両膝を畳に着いての左一本背負投に対する「指導」。池田の技の効果を巡る合議と思われる流れであったためやや意外な結末ではあったが、ともあれこの「指導」により試合は決着。僅差の優勢勝ちで池田が代表戦を制し、田島中の初優勝が決まった。

システマチックに練られた五條東中の柔道を攻略することは困難。試合後、田島中・鈴木達也監督が「先日の高校選手権でOBOGが見せてくれた、自分以上の力を出す戦い方が彼らの力になった」と語ってくれた通り、気迫で相手の型を打ち破った田島中の選手達の戦いぶりに拍手を送りたい。

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悲願の初優勝を決めた田島中の3名

【入賞者】
(エントリー50チーム)
優 勝:田島中学校A(埼玉)
準優勝:五條東中学校A(奈良)
第三位:夙川学院中学校(兵庫)、淑徳中学校A(東京)

一本勝ち大賞:森静玖(田島中A)
優秀選手賞:白金未桜(夙川学院中)、徳田和華(淑徳中A)、荒川清楓(五條東中A)、大場桜萌(五條東中A)、池田湖音(田島中A)、森静玖(田島中A)

田島中・鈴木達也監督のコメント
「優勝は狙っていました。金目中、夙川学院中、五條東中と強豪が揃って参加していたので厳しい大会でしたが、サニックス旗も黒潮旗も2位でシルバーコレクターという認識を周りにも選手にも植え付けるのは嫌だったので、今大会で優勝出来てほっとしています。(-優勝できた要因、チームの強みを教えてください。)女子部員10人全員が、毎日心を合わせて頑張ってきたのが何よりだと思います。寝技や、技の切れ味など、それぞれの長所や個性を大事にして指導して来ました。今年のチームは頑張り切れる選手が多く、ともすれば、頑張りすぎてしまうところがあるので、こちらでコントロールするところは気を付けていたのですが、そういう選手達の努力が優勝につながったと思います。今日は先日高校選手権で男子無差別王者になったOBの高橋翼(作陽高2年)が応援に駆けつけてくれたのが選手達の力になりました。また同じ大会でOGの山口さき(埼玉栄高2年)も自分の力以上のものを発揮してチームに貢献する姿を後輩たちに見せてくれました。観戦した選手達も感じるものがあって今日この結果につながったのではないかと思います。(-次の目標は?)全中で優勝出来るように頑張ります。」

【決勝トーナメント1回戦】

夙川学院中(兵庫) 3-0 丘中A(長野)
金目中A(神奈川) 2-1 川口西中(埼玉)
田島中A(埼玉) 2-0 二見中(兵庫)
五條東中B(奈良) 2-1 修徳中(東京)
五條東中A(奈良) 3-0 大刀洗中(福岡)
金目中B(神奈川) 2-0 高川学園中B(山口)
東松山北中(埼玉) ①代-1 望海中(兵庫)
淑徳中A(東京) 2-0 守山中(滋賀)

【準々決勝】

夙川学院中 ①代-1金目中A
(先)白金未桜〇反則[指導3](1:58)△島田栞那
(中)伊藤南風×引分×青木心音
(大)吉井なつみ△合技(3:00)〇酒井類
(代)伊藤南風〇GS反則(GS0:19)△青木心音

田島中A 2-0 五條東中B
(先)池田湖音×引分×座波星音
(中)水間仁子〇小内刈(1:19)△上野明日香
(大)森静玖〇払巻込(0:44)△齋藤愛実

五條東中A 1-0 金目中B
(先)川上梨奈×引分×佐々木冴来
(中)荒川清楓〇合技(2:30)△竹下綾香
(大)大場桜萌×引分×佐藤連

淑徳中 ①代-1 東松山北中
※記録を確認中です。判明次第WEB版に反映致します。

【準決勝】

田島中A 2-0 夙川学院中
(先)池田湖音×引分×白金未桜
(中)水間仁子〇合技(1:54)△伊藤南風
(大)森静玖〇小内刈(1:37)△吉井なつみ

五條東中A 3-0 淑徳中A
(先)川上梨奈〇優勢[技有]△森近颯
(中)荒川清楓〇優勢[技有]△徳田和華
(大)大場桜萌〇合技(2:47)△近松麻耶

【決勝】

田島中A ①代-1 五條東中A
(先)池田湖音×引分×川上梨奈
(中)水間仁子△内股透(0:11)〇荒川清楓
(大)森静玖〇反則[DH](1:20)△大場桜萌
※相手の内股の軸足を内側から払ったため。
(代)池田湖音〇優勢[僅差](1:00)△川上梨奈

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