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DVD評「岡野功のバイタル柔道」

(2016年10月19日)
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いまだ指導DVDの最高峰、「すぐ道場で試してみたい」情熱を掻き立てられる傑作

対象者:指導者、競技者

※ eJudoメルマガ版10月19日掲載記事より転載・編集しています。
DVD評「岡野功のバイタル柔道」
いまだ指導DVDの最高峰、「すぐ道場で試してみたい」情熱を掻き立てられる傑作
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第1作「私の得意技」より

対象者:指導者、競技者
販売元:岡野エンタープライズ
制作年:2012年(DVD版)
実演・指導:岡野功
収録時間:Disc1 72分、Disc2 125分
価格:14,040円(税込み) 
(書籍、サイン色紙つきの「コンプリートセット」19,290円)
お買い得度:★★★★★ 5.0

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柔道史上に燦然と輝く技術指導書の金字塔、岡野功氏「バイタル柔道」の映像版。映像化から20年近く、待望のDVD化が為されてから既に4年が経過したが、内外ともに膨大な数が出揃った柔道DVDのラインナップの中でもその出来と有用性はいまだ群を抜く。本サイト内のDVD評「お買い得度」更新のためにこのたび全編を見直したが、2016年秋現在でも唯一の「星5つ」作品として自信を持って推す次第だ。

改めて驚かされるのは氏の衝撃的なまでの技の切れ味。五輪、世界選手権、全日本選手権を制した選手時代のフィルム(貴重な映像がふんだんに使用されている)は当然として、指導者としてこのDVD映像を収録したときには既に50代であったことを考えればもはや人間技とは思えない。「本物」たちばかりが揃った最盛期の日本を勝ち抜くにはこれだけの異能、そして錬磨が必要だったのだとまたもや唸らされた次第だ。

というわけで、技個々のアイデアの面白さ、考え方はもちろんのこと(この発想の方法論だけでも現役選手には多大な刺激になるかと思われる)、最大の見どころは氏による実演。技を支える理屈、明快な実施手順といちいち勉強になるものばかりだが、氏の一挙手一投足にはそれを遥かに超える情報量と説得力がある。評者もかつて見た時には気付けなかったポイントをいくつも見出してあらためて感じ入った次第、センスのある現役修行者や指導者であればなおのことであろう。観察力が上がれば上がるほど、感応力があればあるほど有用という奥行きのある作品である。

掬投や独特の大外返など現在のIJFルールでは「足取り」として禁止されている技術も含まれるが、それらそのままでは使えない技術ですら、体捌きや足捌き、タイミングの取り方に動きのスピードと学べるものは数多く、「動き」そのものがいちいち凄まじい説得力。繰り返しになるが、観察眼のある人であればあるほど、センスのある人であればあるほど、インプット出来る情報量は段階的に増える。「この技術は一応知っているから」と早送りすることなど到底不可能。単なる「知識」や「理解」には収まらない、本物の技を体験できる貴重な作品だ。それでいて、ある世代以上の柔道家にありがちな解説の曖昧さは皆無。淀みのない喋り、的確な語彙と明確な論理展開にはあらためて唸らされる。

ご存知の通り氏は五輪、世界選手権を制したのみならず中量級ながら体重無差別の、それもジャンル全体の競技力が最高潮にあった時代の全日本選手権で3年連続決勝に進出、2度の優勝を果たしている伝説的な柔道家。そしてあくまで無差別で戦うことを目指して磨き上げた技と方法論は「組み合って投げる」ことを志向した現在の競技ルールにはむしろ噛みあう。組み手争いに溺れすぎて「失われた十年」を過ごした経緯のある日本柔道、その時代の波をくぐってしまった指導者たちには改めて「いま効く技」を考え直す機会になるのではないか。

第1作(「私の得意技」)では書籍で紹介した氏の得意技を中心に実演解説。代名詞である右背負投や右小内刈のほか、背負投フェイントで仕掛ける出足払や数々の後の先の技などのハイテクニックが画面狭しと繰り広げられる。あるトップ選手に「(この作品を)50回以上は見返した」とのエピソードをお聞きしたことがあるが、幾度も繰り返される氏の技を見続けるだけで頭の中に「良い動き」が定着し、上達する効果も十分見込めるのではないだろうか。

第2作(「柔道指導上達法」)では「技を作る」観点からの練習方法の紹介と解説が為される。評者は2013年の取材時に氏から「本物の柔道家を作る“スケジュール”を考え続けている」とどのような順番で何を修行すれば最終的にもっとも高い位相に達するかというカリキュラム研究の一端をお聞きしたことがあるが、その志向は既にこの時点で明確に表れている。「一人打ち込み」や「技の受け方」など、上達の重要な柱でありながら他作であまり紹介されていない方法論を、それもトップレベルの実演で学ぶことが出来ることも大きな注目ポイントだ。また、そもそも「良い柔道とは」という命題をここまで明確に定義づけた指導テキストは今に至るも見たことがない。指導者は間違いなく必見である。

このDVD版では、かつて別々にリリースされていたこの2作に加えてドキュメンタリー編の「柔道家 岡野功 柔道にかけた情熱」(TV等では権利関係でなかなかお目に掛かることのできない貴重な試合映像が満載である)までが1セットとなっており、他作の相場を考えればちょっと信じがたいほどに贅沢。

何より素直に格闘者としての知的興奮、そしていますぐ道場に立って試してみたいという情熱を激しく掻き立てられる秀作である。選手も指導者も「今こそあれを見るべき」という機会はこの先幾度も訪れるのではないか。数少ない「誰もが手元に携えておくべき」との評価を与えておきたい作品である。


評者:運営者

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■ DVDの内容
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第1作「私の得意技」より

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第2作「岡野功の柔道指導上達法」より

「私の得意技」

「立技編」 40分
相四つの場合:
- 横に移動して背負投
- 背負落
- 背負投げ→小内刈
- 「捨身小内刈り」
- 左一本背負投のフェイントから左小内刈
- 左一本背負投
- 「二段小外刈」
- 「足持ち大内刈」
- 掬投
- 相手の大外刈→掬投
- 大外返
- 「体落返」
ケンカ四つの場合:
- 背負投
- 小内刈
- 背負投→小内刈
- 左一本背負投
- 相手の大内刈→左一本背負投(1)
- 相手の大外刈→左一本背負投(2)
- 相手の内股→一本背負投(1)
- 相手の内股→一本背負投(2)
- 相手の肘を中に絞り込んで一本背負投
- 相手の肘を振り上げて一本背負投
- 「二段小外刈」(1)
- 「二段小外刈」(2)
- 背負投のフェイント→出足払
- 相手の内股→横車
- 相手の内股→横に倒す
- 相手の内股→谷落
- 大外返

「固技編」(32分)
相手が仰向けの時足の方から攻める:
- 立ち姿勢から
- 腰についた姿勢から
- 下半身の制し方
- 相手が後ろ帯と握ってきた時
- 相手がうつ伏せになろうとする時
- 腕がらみ又は三角絞めなどに変化する
相手がうつ伏せの時の攻め方:
- 頭の方から突っこみながら首を絞める
- 自分から下になって絞める
- 膝でつぶし仰向けにして抑える
- 脇下を逆手に握って返す
- 後ろにまわりこんで腰を折って抑える
自分が仰向けで下から攻める場合:
- 膝を蹴って腕固め
- てこの原理を使って首を絞める
- 肩越しに足を相手の足にフックして横四方固
自分がうつ伏せの状態から攻める場合:
- 相手が前方から腕をすくってきた時
- 肩車式
- 相手が右膝を立てている時
- 相手が右膝を着いている時
- 横倒しの状態から前方に倒して肘関節をきめる
- 横倒しの状態から前方に回転させて抑え込み
- 横倒しの状態から後方に倒して肘関節を極める
- 相手が前方から脇下に腕を入れてきた時
- 相手が横から脇下に腕を入れてきた時
- 自分から体を入れかえて肘関節を極める


「岡野功の柔道指導上達法」 80分

「前編」

- 良い柔道とは
- 継ぎ足と歩み足
- 出足払
- 燕返
- 送足払
- 小内返
- 大内返
- 体落返
- 連続技の選び方
-崩し方

打ち込み
- 実戦に即した打ち込み
- 交互打ち込み
- 左右の変形に構えさせて打ち込む
- 三人打ち込み
- 一人打ち込み

捨て稽古
裸稽古

「後編」

攻撃のための体さばき
- 縦移動
- 自分が下がる場合
- 相手を追い込んでかける場合
- 横移動
- 釣り手の方に動いた場合
- 引き手の方に動いた場合
- 円運動
- 自分を支点にして相手が動く場合
- 足を踏みかえて入る
- 相手を支点にして自分が動く場合

ケンカ四つの特殊な攻め方
- 大外刈り
- 大内刈りからの連絡技
- ダブルフェイント→内股

相四つ後の先
- 相手の大外刈→一本背負投
- 相手の大外り→払腰
- 相手の前技→一本背負投
- 相手の前技→回り込んで内股/払腰

足のふりあげ動作
- 内股
- 払腰
- 小内刈
- 谷落
- 膝車
- 足持ち大内刈り

軸足のふみかえ
- 内股/払腰
- 相手が釣り手の方に動いた時
- 相手が引き手の方に動いた時
- 釣り手の使い方

技をかけるチャンス
- 相手の動きはなにかける
- 相手が技をかけて戻った時
- 自分が技をかけて戻りはなにまたかける
- 相手が技をかけてきた時
- 相手のチグハグな歩行をとらえて

受け・防御
- 受け方の基本
- 内股/払腰の受け方
- 大外刈の受け方
- 背負投の受け方
- 一本背負投の受け方
- 袖釣込腰の受け方
- 体落の受け方
- 背負投の返し方
- 内股の返し方


「柔道家 岡野功 柔道にかけた情熱」 46分

収録内容

1963年東京国際スポーツ大会(優勝)
大学時代の激しい稽古
1964年東京オリンピック(優勝)
1965年リオデジャネイロ世界選手権(優勝)
得意技紹介(現役時代の映像。背負投げ、一本背負投、小内刈、横車など。)
天理大学での修行
1967年全日本選手権(優勝)
1967年日ソ対抗柔道(ミシチェンコに敗れる)
1968年全日本選手権(決勝で松阪猛に敗れる)
1969年全日本選手権(優勝)
引退後に正気塾発足し後進を指導
流通経済大学での指導の様子

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