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【DVD評】国士舘中学柔道部 伝統の技術 川野流柔道育成術

(2015年2月2日)
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トップ育成機関・国士舘中における「実戦の基本」

対象者:指導者

※ eJudoメルマガ版2月2日掲載記事より転載・編集しています。
【DVD評】国士舘中学柔道部 伝統の技術 川野流柔道育成術
トップ育成機関・国士舘中における「実戦の基本」
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対象者:指導者
制作:ティーアンドエイチ
指導・解説:川野成道
制作年:2015年
メディア:DVD4巻組
収録時間:145分(第1巻40分、第2巻57分、第3巻45分、第4巻43分)
お買い得度(編集部評):★★★★☆ 4

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Video Review

名門国士舘中学校柔道部を率いて、幾度も生徒を全国制覇に導いた若き指揮官・川野成道氏による初の指導DVD。T&H社による、兄弟である作陽高監督・川野一道氏との「川野ブラザーズ」による連作企画の「国士舘中学編」である。

4巻全体を貫くテーマは「実戦の基本」と位置づけるべきであろう。
「実戦の基本」とは国士舘中が志向する「勝つ柔道」の基本であり、それはとりもなおさず、小学生、中学生が稽古をしてもなかなか成果を挙げられない「あと一歩」に対する効果的なアプローチということだ。

視聴してみてその特徴を挙げると、

1.一貫して「大きな技」の育成を志向していること
2.一貫して、体幹の強さと高い運動能力の育成を志向していること。
3.基礎運動で育てた力と技術を、「取る」段階で組み合わせていく、メソッドの進行が明確であること
4.選択する技術、使用する言葉、達成の段階など中学生にあるべき「枠」が明確であること
5.「この練習で一か月後には技の切れが全く変わってくると思います」など、経験に裏打ちされた言葉の説得力の高さ

というところか。

1に関して。中・高・大と「負けない」ことがアイデンティティと思われがちな国士舘柔道であるが、将来を見据えた柔道と技を作るというエッセンスが全編に満ちているのは、特筆すべきポイントだ。近年の国士舘中が、決してスターではない選手をメキメキと鍛え上げて全国の舞台で戦う戦士に鍛え上げていること、そしてそれとともに攻撃型の好選手を次々輩出していることもうなずける秀作である。一頃組み手の厳しさの印象が強すぎた国士舘中柔道であるが、切らず、持ったまま、持たせたまま仕掛ける技の養成にこだわる様には唸らされるものがあった。

言葉の整理の明確さもこの作品のみどころの一つ。多くのことを同時に処理することが難しい中学生世代に対し、ポイントを絞ること、伝わりやすい語彙を選択することという普段の成道氏の指導における取捨選択がそのまま現れており、同カテゴリの指導者にとって括目すべき内容であると同時に、イコールそれがDVD視聴の際の見やすさに繋がっている。解説だけではなく必ず生徒が実際に稽古する場面が収められているのも本シリーズの特徴であるが、その際川野監督が掛ける「言葉」のポリシーをぜひとも感じてもらいたい。

全巻見逃せない内容ばかりの濃密な作品であるが、「大きな技を作る」ことを目当てにすべき少年指導者にはDisc1を、勝負のステージにある中学生以降の指導者には57分を費やしているメインディシュというべきDisc2と、Disc4を特にお勧めしたい。

目次を見て頂いてもわかる通り、その技術選択の確かさのみならず、実施の際の到達段階やメニューの組み合わせのバランス、本数にまで踏み込んだ、「使える」(ただし指導者向けの)DVDということになる。文句なしの秀作である。

川野監督が巻末に放つ「選手の長所をしっかり見つけてあげることが指導者の責任」という言葉は重い。多人数を対象にこの発見を為すにはルーチン稽古ではない多角度からのアプローチが必要だが、それを十分為さしめるだけの質と量の方法論が国士舘中には揃っている。それが再確認できるDVDでもある。

4巻それぞれに、一言ずつ評を試みたい。

■ Disc1 「寝技の補強・打ち込み」(40分)
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Review
「寝技の補強」は、技術習得とともに身体能力の養成を濃く企図している。実施場面の川野監督が生徒に掛ける「言葉」に特に注目してもらいたい。
打ち込みメニューの場合分けは、それぞれが国士舘中が志向する「大きい技」「獲れる技」の必要要素を明示したものに他ならない。それぞれ理由、目当て、実施のポイントに注意点、効果、適正量が的確に語られており、メモを取らずにはいられない濃い内容。時間単位あたりの重要情報の出現度は一般的な柔道指導DVDを遥かに超える。小、中、高、道場指導者とどのカテゴリの指導者にも勉強になるかと思われる。

【DVDの内容】
◎寝技の補強
◎打ち込み(大内刈り、背負投げ)
 ・大きく足を振り上げて相手に当たる打ち込み
 ・相四つの打ち込み
 ・喧嘩四つの打ち込み
◎打ち込み(応用)
 ・3人打ち込み(背負投げ、大外刈り)
 ・移動打ち込み
 ・移動打ち込みの応用

■ Disc2 「負けないための技術」(57分)
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Review
これぞ国士舘、というタイトルの第二巻。負けないため、と称してはいるが対処療法のリアクション芸では全くなく、自分の柔道を貫くための戦術的基本、勝つためのベースを作るための能動的アクションの解説だ。内容の濃さゆえ、それぞれに関する言葉の厚さは他巻を圧するものがある。中学生向けということで単なる技術解説に留まらず、ワークショップ的な限定練習など段階を踏んだ「覚えさせ方」まで踏み込んでいるのもありがたい。

【DVDの内容】
◎柔道着の握り方
 ・軽量級と重量級
 ・重量級 相四つの場合
 ・重量級 喧嘩四つの場合
 ・軽量級 相四つの場合
 ・軽量級 喧嘩四つの場合
◎受けのさばき
 ・相四つの場合 ・喧嘩四つの場合
◎組み手
◎組み手争い
 ・足技
◎崩すための足技
◎一本を取る足技
 ・小内刈り ・大内刈り
◎つなぐ足技
 ・足払い ・背負投げ~小内刈り ・大外刈り~支え釣り込み足

■ Disc3 「試合をつくる寝技」(45分)
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Review
国士舘といえば寝技。他巻同様、全てを開示するわけではなくオーソドックスなものを選択してはいるがそのポリシーが十分うかがえるものとなっている。むしろ次のステップに繋がるもの、応用が利くものを選んだメニュー構成も指導DVDとしては高く評価すべきだろう。相手の反攻に対する想定のきめ細かさ、そしてそれが手順にきちんと食ってくるあたりには、メソッドを練り上げる過程も垣間見えて面白い。各項目とも、言葉の厚さとポイントの指摘の正確さは他巻同様。ただし「寝技の国士舘」の奥義伝承というところまで期待値を上げてしまうとやや食い足りない印象もあり。
【DVDの内容】
◎横四方の入り方
◎足の抜き方
◎防御の姿勢から攻めの姿勢に逆転
◎引き込み返し(国士舘返し)
◎立ち技から寝技への流れ
◎寝技にもっていくパターン

■ Disc4 「技の応用・実践稽古」(43分)
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Review
取り味、というところに特化した、勝つための直線的なアプローチを収めた第4巻。ただし「技の応用」で取り上げる技は、決して細かく勝ちを拾いに行く枝葉の技術ではなく、あくまで「投げ切る」ことを目的としている。「国士舘は基本しか教えない、あとは自分で考えさせる」という川野監督の言葉は非常に重いが、その「考えさせる」ため、「長所をみつけるため」の礎となる教科書の提示という印象だ。実用度は極めて高い。「身につかせる」ための稽古方法まで踏み込むところも他巻同様。

【DVDの内容】
◎技の応用
 ・背負投げ ・大外刈り ・体落とし ・内股
◎乱取り
 ・立ち技の乱取り ・寝技の乱取り
◎スタミナを養う稽古
 ・技かけ ・引っ張り回し ・取ったらすぐ投げる ・ロープトレーニング

評者:eJudo編集部

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※ eJudoメルマガ版2月2日掲載記事より転載・編集しています。

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