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【DVD評】作陽高校柔道部 川野一道の指導ノウハウの結晶

(2015年2月2日)
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地方から「普通の子」が頂点を狙うには?強豪・作陽高の育成を一挙紹介する158分の大作

対象者:指導者

※ eJudoメルマガ版2月2日掲載記事より転載・編集しています。
【DVD評】作陽高校柔道部 川野一道の指導ノウハウの結晶
地方から「普通の子」が頂点を狙うには?強豪・作陽高の育成を一挙紹介する158分の大作
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対象者:指導者
制作:ティアンドエイチ
指導・解説:川野一道
制作年:2015年
メディア:DVD3巻組
収録時間:158分(第1巻48分、第2巻72分、第3巻38分)
お買い得度(編集部評):★★★★☆ 4.5

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Video Review

2011年インターハイ、2013年インターハイで2位入賞を果たしすっかり全国屈指の強豪として定着した作陽高校柔道部、その指揮官である川野一道監督による指導DVD。川野成道氏「国士舘中学柔道部 伝統の技術」と併せた「川野ブラザーズ」コラボ企画としてT&H社から同時発売された。

既にジャパンライム社から傑作DVD「寝技のレシピ」を上梓している一道氏の今回の企画は、作陽高校の稽古の実際の公開と、詳細な解説。「国士舘中~」と比べると明らかに実戦向けのレベルの高い内容となっている。

内容は圧巻。作品中で語られている通り、附属中もない、スーパーな競技成績を残した子だけが集まるわけでもない地方の学校がどうやって全国の強豪と戦っていくかというノウハウがギッシリ詰まっている。あの、入った選手の体があっという間に骨から太くなるさま、体の強さ、組み手の上手さ、勝負どころでの決めの良さ、粘り、重量級とは信じがたいステップワークの良さ、思い切った仕掛けに一発の勝負技と、作陽高がその最終段階である「高三の夏」に見せる姿に直接繋がる秘密がまさにここにあるという感じだ。「寝技のレシピ」が、自身が強者であることを前提に相手を逃さない立ち→寝→抑え込みのシナリオ分岐という玄人向けの内容であったことと比べると、よりわかりやすく直線的に「作陽の強さの秘密」にアプローチしたものと言えるだろう。

そして圧倒的な思考量と熱意が、作陽の躍進を支えていることが改めてよくわかる作品でもある。その指導語彙の的確さと豊富さにも普段の思考量の多さは十分に伺われるが、最終巻の巻末、一道監督の高校生活いかにあるべきか、部活動いかにあるべきか、子どもの将来いかにあるべきか、武道いかにあるべきかという熱いトークこそ、作陽の強さの芯であることは間違いない。そこまで含めた、全巻セットでの視聴をぜひお勧めしたい。

■ Disc1 「作陽高校の練習・前篇」(48分)
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Review
「アップ」「崩しと決めの練習」「打ち込み」と見出し自体は何の変哲もないが、内容はポリシーの固まり。アップは体幹、瞬発力、反応、そこに特化した運動でないと鍛えられない部位の筋肉と作陽メソッドの実戦に必要な要素から帰納して考えられており、「崩し」「決め」、そして打ち込みのバリエーションは全編を貫く「知っていること出来ることは違う」という大テーマに則って実施の実際まで事細かに示されている。「投げた後に静止を要求するのはなぜか」「静止を実現するために要求されるものは何で、なぜそれが必要か」など、ポイントのピックアップとその解説はいちいちが示唆に満ちている。全編通して解説の濃いDVDだが、3巻通じて目指すもの、要求するものに一貫性があるのでどれも非常にわかりやすい。必見だ。

【DVDの内容】
◎アップ ◎崩しと決めの練習 ◎打ち込み(反復、持ち上げ、3人打ち込み)

■ Disc2 「作陽高校の練習・後篇」(72分)
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Review
72分を費やした、この3巻組のメインとなる巻。
「投げ込み」における連続技の選び方、フェイントの掛け方はまさしくあの「夏の作陽」そのもので超実戦的。「組み手」は新ルールを十分意識して練れており、「受けのさばき」は精緻な説明、嘘のない分析を、わかっていてもなかなか出来ない動きをどう体に染みつかせていくかという「稽古」にまで昇華しているところが素晴らしい。そして乱取り。組んだ状態の乱取りはただやらせるだけでは意味がない。「急に動きが悪くなったり、力強さがなくなるというチームがあるかもしれないが、これは当たり前」と川野氏は喝破する。乱取りはメソッドの集大成であり、組んで柔道をするためのノウハウを基礎稽古で固めて来ているからこそ、そのパーツを組み合わせた攻防を試す場として「乱取り」が成り立つという氏の理屈に、思わず青ざめてしまう指導者も多いのではないだろうか。もっともおすすめする巻だが、イコール、第1巻を視聴していなければ意味の薄い巻でもある。

【DVDの内容】
◎投げ込み ◎組み手 ◎受けのさばき
◎乱取り稽古 ◎追い込み稽古

■ Disc3「試合に向けた取り組みと各種トレーニング」(38分)
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Review
後半のトレーニング指導も非常に面白いが、わけても特筆すべきは前半部、生徒に作らせる柔道ノートの「実際」。試合展開の記録、自己分析、指導者によるチェック、再現と、要求されるのは専門記者真っ青の精緻さである。とかく精神論とルーチンワーク、建前に陥りがちな「柔道ノート」であるが、ここでの選手と指導者双方の「嘘の無さ」が作陽の躍進を支えているといっても過言ではないのではないだろうか。単にデータ云々ではなく、考える癖をつけさせる指導、なんのかんので2年半しかない高校時代の経験値を、あたかもその倍、3倍試合をしたがごとく高める丁寧な思考アプローチには改めて感心させられた。
後半も、「作陽がもっとも重視する」(一道氏)タイヤ引きトレーニングの紹介もあり非常に面白い。どれを利用するかを判断すること自体にもトータルの理解が必要で、重ねて、全巻セットでの視聴をお勧めしたい。

【DVDの内容】
◎試合に向けての研究・反復・組み立て練習
◎道場で行なうトレーニング
◎体育館で行なうトレーニング

評者:eJudo編集部


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※ eJudoメルマガ版2月2日掲載記事より転載・編集しています。

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