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岡田弘隆「柔道足技を極める」

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強者の組み手と使える足技、
新ルール試行下の「いま」こそ見ておくべき傑作DVD

監修・実演:岡田弘隆
出演:法兼真・小倉大輝
対象者:指導者・中上級者
販売元:クエスト
制作年:2013年
メディア:DVD
収録時間:第1巻90分、第2巻75分
定価:2巻セット11200円、1巻ごと5880円(税込)
お買い得度(編集部評):★★★☆☆ 3.5

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Video Review

世界選手権に2度(1987年エッセン大会78kg級、1991年バルセロナ大会86kg級)優勝、現在は筑波大学柔道部の総監督を務める岡田弘隆氏による指導DVD。タイトルには氏の技術の代名詞である「掛け倒す小内刈」を想起させる「足技」を冠して、実用性の高い技を明快な言語と切れ味鋭い実演で解説している。

このDVDの特徴は以下だ。

・高いレベルで通用する、攻撃のための組み手の提示
・「岡田スペシャル」などの特徴的な技の解説
・「右足を踏み出して掛ける左内股」「片襟を差して掛ける大外刈」などの実用性の高い応用技の解説


まず組み手であるが、これが非常に面白い。この章だけで独立した指導DVDになりうる出来である。

通りいっぺんの原則論でなく、相四つ横変形で釣り手を噛み殺してくる相手、手数を稼ぐべくケンカ四つクロス(Vol.1「片襟・片袖を取られた場合」)で組んでくる相手、引き手で襟・釣り手で奥襟を握って圧を掛けてくる相手など現在のハイレベル大会で頻発する形に関する具体的な解が例示されておりまことに実用度が高い。国際大会レベルの選手でも学ぶものがかなり多いのではないだろうか。

強者の組み手、自分が投げるための組み手であることがこれらの技術を貫くバックボーンであり、自身が威力のある投技を備えていることを前提に「組み合う時間を長くして投げを狙う」という発想で構成されていることが大きな特徴。闇雲に切ったり手先の組み手争いに時間を費やすのではなく、たとえ組み負けた状態からでも最短距離で自分の形に持ち込む、あくまで技を仕掛けて投げるという視点に立った技術が紹介されている。相手の形への対応が見出しとなっている組み手もすべてこのポリシーに貫かれており、チャプタータイトルである「チャンピオンの組み手」という看板に偽りなし。

もうお分かりの通り、このメソッドは本年(2013年)2月から試行中の「組み合う」新ルールの採用を踏まえたものである。具体的な技術としての有効性の高さはもちろん、足取り禁止、両手での切り離し禁止、切り離した後の防御禁止という条件の中でどう戦うかという「考え方」の示唆にも富んでいる。新ルール下の組み手指導映像は間違いなくこれが本邦初で、この点だけでもこの作品はマストバイ。選手・指導者としての実績ではなく、国際審判として活躍し、ルールの運用決定のプロセスに濃く関わった岡田氏ならではの、「机上の空論」ではない選手目線のメソッドをぜひ体感してもらいたい。

使える組み手解説DVDとしてはこれまで「朝飛道場 指導用柔道着で選手を育てる」が解説の密度、実用度ともに群を抜いていたが、この岡田組み手はそれのメソッドはあきらかに違う系列に属し、かつ実用度も非常に高い。現時点の2巨頭と呼べるこの2つを比べてみると組み手技術の現在地、そして組み手に関する「考え方」のアプローチいかにあるべきかということが良くわかるのではないだろうか。

次に、「岡田スペシャル」の解説。有名な「掛け倒す小内刈」であるが、その価値はそもそもの発想者である氏自らの実演・解説であるということに尽きる。亜流の変形技術や見よう見真似の技も増えてきたが、開発から普及までつぶさにこの技を見続けて来た氏が指摘するポイントの数々(そしてやってはいけないことの数々)はやはり説得力がある。というよりもオリジンである岡田氏のいちいちの動作それ自体がそのままポイントであると言って良いかもしれない。特に書籍等を参考に導入してみたがなかなか上手くいかないという向きにはぜひ視聴をおすすめしたい。

最後に、応用性の高い技術の解説。「右足を踏み込んで掛ける左内股」などまさしく「業」というべき技術レベルの高い(しかし美しい)ものから、導入自体のハードルは比較的低いと思われる「不十分な引き手で掛ける小外刈」など発想勝負のものまで技の難易度はまちまちだが、いずれも現代柔道の文脈の中でハッキリ「使える」技でありラインナップは粒ぞろい。特に内股と大外刈の練り込みぶりには特筆すべきものがある。

審判、そして指導者として一線で活躍する氏は単に技を提示するだけでなく、その技術が現在の技術体系の中でどの位置にあるかということを背景に織り込んで解説しており、一言で言って非常に見やすい。

筑波大学で教鞭を取る氏の言語は明晰で論理的、柔道DVDにありがちな
論の前後や重複、枝分かれがなく聞きやすい。当たり前であるが発想の土台が一貫しているため紹介する技術の多さに比して理解がしやすいというのも大きな特徴だ。映像ソフトとしてはもう少しテロップでその解説をフォローしたほうがわかりやすいのではという気もしないではないが、そのそもの解説が理合、ポイント、ネガティブファクターと非常に整理されており、この点ストレスは最小限と言っていいだろう。

技術指導DVDの評価は、どの技術が自分に向いているか、そしてその感性に「刺さる」かという個人的嗜好に左右される部分が大きいので一概には言えないが、これを除いて技術の汎用性の高さと質の高さ、解説のわかりやすさ、現代競技の文脈の中での実用性の高さという客観的な視点だけからしても、少なくとも評者は本作を現時点での2013年度柔道技術DVDのベストワンと評したい。

「足技」をタイトルに冠した点冒頭に「掛け倒す小内刈」を想起させると書いたが、実は足技解説に絞ったという製作意図にも氏のポリシーがある。

Vol.1の巻末にわざわざ解説の時間を設けている通り、岡田氏の組み手のポリシーは「組み合う時間を長くして投げを狙いにいく」ことであり、その話の中では『「組み手に妥協するな」というステレオタイプの指導では試合自体がまともに成立せずよってこちらが投げる機会が減少する』旨の主張も為され、「勝つためには妥協も必要、相手にも持たせて(自分はより良い形)で持つ」というある意味柔道競技の本質を突いた言葉まで発せされている。

相手に持たせる中で、場合によっては相対的に「自分の良い形」を作り上げていくというこの発想にあっては、組み手は、必ずしも最終着地点である万全の形にあるわけではない
よって色々な組み手から常に仕掛けられる技が必要でそれが「足技」であるというのが氏の説明だ。一歩踏み込んで咀嚼すると、現代柔道でいかに勝利を得るべきか、その命題を紐解くカギが「足技」にあるということであろう。

よって応用技の解説もこの組み手の発想と技術に沿っている。もちろん1巻ごとの視聴でも十分に価値ある作品であるが、この点に鑑みてぜひ2巻続けての視聴をお勧めしたいところである。技術の有効性は時代の流れ、カウンター技術のトレンドに大きく影響されるところもあるが、その点からするとまさしくその旬は新ルール試行下の「今」。永続不変の高い技術を紹介したDVDではあるが、いま、この時点にあってこそ必見の作品と評したい。


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■DVDの内容■

※=eJudo注

■Vol.1(収録時間90分)

【チャンピオンの組み手】

●組み手に対する考え方
●相四つの組み方
 ・一気に両手で握る
 ・奥襟を持たれた場合 (※相手が引き手で襟、釣手で奥襟を握って圧力を掛けてくる場合)
 ・釣り手を落とされている場合
 ・横を向いた相手との組み方
 ・変形の相手と組む①
 ・変形の相手と組む②
●ケンカ四つの組み方
 ・釣り手の取り方
 ・引き手の取り方
 ・片襟・片袖を取られた場合(※「ケンカ四つクロス」)、奥襟を取られた場合
 ・相手が襟を隠している場合

●大柄な相手と組む

【大外刈】

●基本の大外刈 (相四つ)
●半身の相手に掛ける 相四つ (※相四つ横変形)
●相手がアゴを乗せてくる 相四つ (※相四つ横変形で釣り手を噛み殺された場合)
●片襟を取って掛ける 相四つ (※相四つで釣り手の袖を殺された場合)
●内股・払腰のステップで掛ける 相四つ
●ケンカ四つで掛ける

【大内刈】

●基本の大内刈 相四つ
●奥襟を持って掛ける 相四つ
●ケンカ四つで掛ける

【小外刈】

●基本の小外刈 ケンカ四つ
●不十分な引き手で掛ける ケンカ四つ
●相四つで掛ける

■Vol.2(収録時間75分)

【小内刈】

●基本の小内刈 相四つ・左組み
●圧力をかけて掛ける 相四つ・左組み
●引き手を取りながら掛ける ケンカ四つ
●相手の支釣込足を足で切り返して掛ける 相四つ
●抜きあげて刈り倒す (※「岡田スペシャル」)
●片襟を取って掛ける 相四つ (※釣り手を落とされた場合)

【支釣込足】

●基本の支釣込足
●ケンカ四つで掛ける
●内股をフェイントに掛ける ケンカ四つ
●大外刈をフェイントに掛ける 相四つ
●釣り手を握り替えて掛ける 

【内股】

●基本の内股
●右足を踏み出して掛ける 左相四つ
●ケンカ四つで掛ける
●大外刈をフェイントに掛ける

【足技を磨く】
●足払の練習
●大内刈の練習
●大外刈の打ち込み
●内股の打ち込み
●内股の一人打ち込み

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