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※eJudo携帯版「e柔道」6月3日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本柔道選手権マッチレポート
準々決勝~決勝 2/3


準決勝

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写真:穴井開始早々の左体落が
豪快に決まり「一本」
穴井隆将○体落(0:14)△石井竜太

穴井左、石井は右組みのケンカ四つ。
相手に先に釣り手を与えまいと、互いに襟を隠しながら、石井は前へ。
穴井やや下がりつつ、引き手を持つなり石井の前進に合わせて釣り手を左片襟に叩き込みながら左体落。

引っかかった石井の体がもんどり打って宙に浮く。穴井すかさず引き手を強く引き込んで回旋を加え、体を浴びせると石井の巨体地響きを立てる勢いで畳にめりこみ文句なしの「一本」。試合時間は僅か14秒。

穴井、人差し指を立てて腕を激しく振りたて、笑顔を見せながら自ら拍手する大仰なパフォーマンスで喜びを表現。穴井、ここに至って本領発揮、いかにも穴井らしい見事な一本勝ちで決勝進出決定。

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写真:垣田が左袖釣込腰で
攻める
原沢久喜○内股(4:02)△垣田恭平

垣田が左、原沢が右組みのケンカ四つ。
原沢が上から釣り手で奥襟を掴み、垣田は下から突いていなしながら応戦。
垣田が低い左背負投。原沢が立ったまま捌くと立ち上がって再度左背負投を試みるが原沢これもなんなく捌く。

原沢が圧を掛け、垣田は再び場外に向かって左背負投を仕掛けるが体を回した瞬間に引き手が切れてしまい「待て」。経過時間は30秒。

原沢再び圧力。垣田2回ひざを着きかけるが持ち直し、1分20秒過ぎには思い切り左袖釣込腰。深く入ったかに見えたが原沢の懐が深く垣田は距離を詰められないまま空回り、しかし引き付けた袖を橋頭堡に立ってもう1度掛け直して「待て」。

経過時間は1分25秒、ここで原沢に「指導」が宣告される。原沢はしかし表情を崩さず、一礼して再び試合に没入。

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写真:垣田が原沢の右内股を透かし「技有」
奮起した原沢、奥襟を得たところから右内股。ややあって再び二の矢の右内股を放つ。
しかしこれは一発目で間合いを測っていた垣田の術中。垣田頭を下げながら高空で足を上げて見事にこれを透かし、自らの勢いで大きく崩れた原沢に体を浴びせて内股透「技有」奪取。経過時間は1分44秒、場内は大歓声。

再開後、奥襟を深く叩いた原沢が内股フェイントの右小外掛を見せるが垣田はしっかり距離を取って動ぜず。頭を下げた垣田に対して距離を詰めることが難しいと見た原沢は釣り手で肩越しに帯を掴むが、嫌った垣田はバックステップを踏んで巧みに場外に逃れ「待て」。経過時間は2分15秒。

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写真:原沢の右釣腰は「待て」の後で
ノーカウント
原沢、右内股にフェイントの右小外掛を放つがいずれもモーションを切る間に垣田が離れてしまい利かず。原沢は両襟で圧力を掛ける作戦に切り換え、間合いを詰めながら前へ。小外掛、大外刈と放つがやはり足を振り上げる動作の間に垣田が一歩下がってしまい重心を捕まえることが出来ない。

それでも連続攻撃を止めない原沢、再び釣り手で上から帯を掴むと腹を突き出して右釣腰。両足で踏ん張るこの技は垣田透かしようがなく、思い切り宙を舞って背中から畳に叩きつけられる。
しかしこれは場外の「待て」の直後でノーカウント。ここで垣田に「極端な防御姿勢」の判断で「指導1」が宣告される。経過時間は3分17秒。

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写真:原沢が右釣腰、垣田が裏投で
切り返したところから双方が体を浴びせあう
先ほどの技に感触を得た原沢は右内股、右小外掛に引き続いて再び右釣腰。しかし強気の垣田は早速対応、左小外刈から足を高く上げて裏投で切り返しを試み、双方崩れて「待て」。

原沢、前へ。垣田は釣り手を突いて防戦。
4分過ぎに原沢が前技の構えから腰を切っての右大内刈。垣田は場外に押し出されて「待て」。経過時間は4分6秒。

打開を狙った垣田が釣り手を横から回して原沢に抱きつく。原沢は帯を持って右釣腰。垣田再び相手に絡ませた左足を高く挙げての裏投を放つが、原沢空中で身を捻って切り返し、浴びせ返して「待て」。

経過時間は4分38秒。この攻防の後、双方なかなか畳から立ち上がれず疲労が明らか。

垣田は巴投から腕挫十字固に繋いで時間を消費。「待て」が掛かったときには経過時間4分44秒、残り時間はあと僅か1分16秒。

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写真:原沢の右内股「一本」
原沢は引き手で襟、釣り手で奥襟を持って圧力。原沢は小外掛、垣田は再三見せている裏投の構えで牽制しながら試合が進む。

残り1分、再び原沢が釣り手で上から帯を捕まえ、腹を出して右釣腰。裏投を狙う垣田が腰を抱きに踏み込んだところで一旦両者は拮抗。垣田に腰を「捕まえさせた」原沢はここでギアを上げ、垣田の頭を前に抱きこむように右内股。完全に腰を捕まえられ、頭を下げさせられた垣田は逆らう術がなく、足を高く上げて耐えようとした姿勢のまま縦に一回転、文句なしの「一本」。

原沢、苦戦しながらも最後は爆発力を見せ付けて決勝進出決定。

引き手争いに持ち込まれそうになったら両襟で圧、踏み込む度に離れられるとなれば肩越しに帯を持って距離を固定、内股透を狙ってくるなら足を上げずに両足を踏みしめての釣腰で力の逃げ場をなくし、最後は裏投を狙う相手にまず釣腰で腰を抱かせ、完全に密着してからの内股で投げ切った。

背中越しに帯を掴む組み手は1分過ぎに試み、これに垣田が過剰反応して場外に逃れたことで手ごたえを得たもの。「待て」となった場外での釣腰「一本」はこの背中越しに掴む組み手という布石があってのもので、さらにこの先に、釣腰に対して2度裏投を狙って相手が食いついてきたという反応を受けて、釣腰で一旦腰を抱かせてからの内股という終着がある。「技有」ビハインド以降の原沢の戦い方には明確なストーリーがあった。新人らしからぬその強気と技の威力は勿論、準々決勝の棟田戦同様、「試合の中で戦い方を見つける」原沢の勝負勘の良さを改めて見せ付けた勝利であった。

結果決まった決勝のカードは、

穴井隆将 - 原沢久喜

となった。


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