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※eJudo携帯版「e柔道」8月30日掲載記事より転載・編集しています。

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全国中学校大会女子個人戦レポート 2/3

村井惟衣、先手に徹してカデ王者鈴木伊織を破る
57㎏級

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写真:決勝に進んだ村井
決勝に進出したのは村井惟衣(広陵中・奈良)と鈴木伊織(大成中・愛知)の2人。

村井は初戦から先手、先手の柔道でペースを掴む。1回戦は栗田ひなの(足利第一中・栃木)に「有効」優勢、2回戦の島谷真央(中広中・広島)と3回戦の肥田木梨恵(宮崎北中・宮崎)戦はともに「指導2」の優勢勝ち、準々決勝と準決勝はそれぞれ櫻井眞子(六角橋中・神奈川)と泉雅子(田島中・埼玉)に僅差の判定勝ち。泥臭く技を積み重ねて決勝の畳まで辿りついた。

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写真:準々決勝を戦う鈴木
全日本カデ王者、前々日の女子団体戦の優勝メンバーでもある鈴木は、疲労のためかこの日動きがいまひとつ。それでも2回戦の山下優光(舞鶴中・鹿児島)に「有効」優勢で初戦を突破、3回戦は佐々木愛(四倉中・福島)に袖釣込腰で一本勝ち(2:57)したものの、準々決勝の村上栞菜(夙川学院中・兵庫)戦はGS延長戦を戦い切っての僅差判定勝ち、準決勝は斉藤百湖(修徳中・東京)から「有効」と、地力と勝負どころを見抜く目の良さで、今回も順当に決勝進出。

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写真:鈴木が大外刈崩れの左背負投、
村上が掬投で応じる
決勝は村井が左、鈴木が右のケンカ四つ。
序盤は探りあい、引き手争いから鈴木が両襟を持ち、右内股を仕掛けるが村井に潰されて伏せる。

45秒を過ぎたあたりから村井が吹っ切ったように左内股、左背負投と連発。いずれも決まる気配は漂わず鈴木は都度釣り手側への隅落、あるいは掬投に切り返してキッチリ止めるが、あまりにも技を受けすぎ、1分17秒鈴井に「指導1」が宣告される。

危機を感じた鈴木は左袖を両手で握った右袖釣込腰、しかし低く畳に向かって仕掛けたこの技は簡単に潰れてしまう。村井の先手志向の攻撃に対し、同じく先手の封殺を狙って低く掛け潰れる技で鈴木が応じたこの一手で、試合の位相は先手の取り合い、仕掛けあいに固定される。

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写真:村上の低い背負投、
鈴木は体落から内股に連絡して対抗するが
自らも潰れる
先手志向をお互いが察知、互いの思惑がさらにそれを加速する構図となり試合は先手の技の打ち合い。
村井の左袖釣込腰、内股巻込を鈴木は掬投で迎え撃ち、自らも右袖釣込腰で仕掛けては潰されるというまことに差がつけにくい展開のまま本戦は終了。試合はGS延長戦へ。

延長戦になるとお互いの疲労も相まって、斬れない刀で殴りあうかのようなこの掛け合い、潰れ合いは常態化。お互い組み合うなり1発ずつ掛けては相手が返しを狙い、自身は畳に伏せるシークエンスの連続。その中で、左背負投、左袖釣込腰と組んでから掛けるまでの決意が早い村井の手数がやや上回る。

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写真:お互い掛けては潰れる様相は
最後まで変わらず
残り40秒を切り、展開を変えようとした鈴木が右大腰、しかしこれは村井が軸足を回しこんだ左内股に吸収して展開を終える。

残り20秒を過ぎ、最後のラッシュを掛けたい両者は「はじめ」の声とともに勢い良くり寄るが、鈴木の片襟を差した右背負投に村井が片手の左背負投で応じるなど、お互いが自分の技で展開を終えることに腐心したまま試合は終了。

旗は村井の手数を評価して3本が紅に揃う。村井、僅差3-0でこの試合を制し、全国大会初優勝を決めた。6戦して投技のポイントが「有効」ひとつという粘り勝ちの優勝、消耗戦を勝ち抜いての日本一だった。

決勝は先手の掛け数志向の村井に対し、不調ゆえかこの日は初戦から一貫して視野の狭かった鈴木がこの掛けつぶれ合いに応じ、これでお互いの意思が加速、試合は泥沼化した。

2人の技術レベルは決して低くなかった。しかし、試合自体はお互いが負けることを恐れたまま4分半を消費したという印象で、中学カテゴリという育成の場、その最高峰の全国大会決勝という舞台としてはやや物足りない一番だった。

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写真:優勝の村井惟衣
【入賞者】
優勝:村井惟衣(広陵中・奈良)
準優勝:鈴木伊織(大成中・愛知)
第3位:泉雅子(田島中・埼玉)、斉藤百湖(修徳中・東京)
敢闘賞:中島瑠久(白糠茶路中・北海道)、櫻井眞子(六角橋中・神奈川)、舟久保遥香(富士学苑中・山梨)、村上栞菜(夙川学院中・兵庫)

村井惟衣選手のコメント
「うれしいです。今日はきれいな柔道を心がけて試合に臨んだんですが、試合が進むごとに勝ちを意識した試合になってしまいました。準々決勝で今まで負けてきた選手に勝って、それで波に乗れました。先生方に教えてもらったことが実践できました。昨年優勝した山口凌歌先輩にメールで励ましてもらってすごく力になりました。先生にも先輩にも勝つことで感謝が伝えたかったのでうれしいです。インターハイで優勝するのが次の目標です」

【準々決勝】
泉雅子○優勢[有効]△中島瑠久
村井惟衣○GS僅差△櫻井眞子
斉藤百湖○優勢[有効]△鈴木伊織

【準決勝】
村井惟衣○GS僅差△泉雅子
鈴木伊織○優勢[有効]△斉藤百湖

【決勝】
村井惟衣○GS僅差△鈴木伊織


鍋倉那美が嶺井美穂との頂上対決制す
63㎏級

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写真:準々決勝を戦う嶺井、組むなり攻撃、
この試合も固技で
あっという間の一本勝ちだった
全日本カデ王者の嶺井美穂(東松山南中・埼玉)と、団体戦の圧勝優勝を牽引した大成中のエース・鍋倉那美(大成中・愛知)が同居するこの階級は今年度の個人戦の目玉。
大方の予想と期待に違わず両者は決勝に進出。それも、両者がオール「一本」という圧倒的な勝ち上がりだ。

徹底マークを受けた嶺井は、投げを警戒する相手を崩しては早々に得意の寝技に持ち込むという手堅い展開で「一本」の山を築く。2回戦で森下優香(野坂中・広島)から袈裟固(1:51)、3回戦で井澤泉紀(小杉中・富山)から払腰(0:14)、準々決勝は宮宇地朱菜(沖学園中・福岡)を横四方固(0:29)、準決勝も三浦裕香理(天王南中・秋田)を横四方固(1:22)といずれも早い時間で一本勝ち。地力の強さ、それを生かした組み立てが光る勝ち上がりだった。

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写真:3回戦、
鍋倉は強豪佐藤みずほから山嵐ばりの
払腰「一本」、この試合も秒殺だった
一方の鍋倉の勝ち上がりはまさに「奪一本ショー」。2回戦は崎山瑞希を(箕島中・和歌山)を僅か5秒で内股「一本」、3回戦の佐藤みずほ(藤村女子中・東京)も16秒で払腰に切って落とし、準々決勝の石井優里(苫小牧和光中・北海道)は24秒の内股、準決勝も佐々木ちえ(出雲第一中・島根)を相手に14秒の内股「一本」とまさしく圧勝。4戦合計59秒、平均試合時間14秒という素晴らしい内容で決勝の畳へと駒を進めてきた。

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写真:鍋倉、足を高く上げて嶺井の内股を捌く
嶺井、鍋倉ともに右組みの相四つ。
お互いガッチリと組み合い、嶺井は右内股、鍋倉が掬投で受け止めて両者潰れる。嶺井なおも右内股、鍋倉これを受け止めて内股返を狙うが同体で崩れ落ちて「待て」。48秒。

1分30秒、釣り手を押し込んで前に出た鍋倉、片襟を差した右背負投。嶺井バランスを崩すがポイントにはいたらず。
嶺井は右大内刈に右内股と放つが鍋倉はいずれも掬投に捕まえて両者の体勢は拮抗。受け止め方の動作にも鍋倉の地力の強さが感じられ、手数はやや嶺井優勢も試合の印象は拮抗。

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写真:鍋倉が嶺井を掬投で大きく浮かす。
この試合でもっとも印象の強い攻防
嶺井は右釣り手を伸ばして前に、ここに鍋倉が思い切った右内股。この日4つの「一本」を奪っているこの技も嶺井はしっかり受け止めて耐え、崩れず。

試合は終盤。嶺井が両襟を持って激しく上下にあおると鍋倉は畳に崩れ伏せる。
この展開に勢いを得た嶺井、思い切った右の小外刈。しかし鍋倉はこれを捕まえると掬投で縦に投げ返す。両者の体は大きく宙に浮き、嶺井は辛うじて腹ばいで耐える。ポイントこそなかったが、ここまでで最も大きく試合が揺れた攻防、鍋倉にとっては大きな印象点。

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写真:延長戦終盤は鍋倉が攻め込む
試合はそのままGS延長戦へ。
延長も同様の展開で、嶺井が右大内刈に右内股で展開を引っ張り、鍋倉はこれを返しながら前に出るという構図。40秒過ぎの嶺井の右大内刈は、鍋倉耐えながら左手で相手の刈り足を押さえて止める。

嶺井の組み際の内股で鍋倉がバランスを崩した残り40秒以降から、鍋倉が右内股で数度嶺井のバランスを崩し、延長戦終盤は鍋倉のペース。
残り数秒、嶺井の右内股を鍋倉が掬投で切り返す姿勢を見せたところで終了ブザー。両雄相譲らず、試合の決着は旗判定に委ねられる。

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写真:激戦は鍋倉の勝利で決着
旗は分かれ、2本が鍋倉、1本が嶺井を支持。勝者は鍋倉に決まった。

おそらくは本戦終盤の掬投の印象、そして延長戦終盤の鍋倉の攻勢が効いての裁定だが、どちらに旗があがってもおかしくない、互いが意地をかけて攻めあう好試合だった。

鍋倉は全日本カデ王者嶺井を倒して堂々の優勝、団体戦との2冠を達成。
結果、そしてそれ以上にその「投げ」に特化した戦いぶりはインパクト十分、今年度の全中の主役と規定してよい活躍だった。

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写真:優勝の鍋倉那美選手
【入賞者】
優勝:鍋倉那美(大成中・愛知)
準優勝:嶺井美穂(東松山南中・埼玉)
第3位:三浦裕香理(天王南中・秋田)、佐々木ちえ(出雲第一中・島根)
敢闘賞:宮宇地朱菜(沖学園中・福岡)、荒木穂乃佳(姫路灘中・兵庫)、小柳穂乃果(琴海中・長崎)、石井優里(苫小牧和光中・北海道)

鍋倉那美選手のコメント
「決勝は後半少し息があがってしまいました。判定はどちらにあがるかわからない、『自分のほうに来い』と思っていました。審判に勝敗を委ねるのではなく、内股で投げて勝つのが次の目標です。嶺井選手にはカデで1回負けている(僅差)ので、こちらは挑戦者の気持ちでやれました。得意技がしっかりあるのが自分の強み、谷本歩実さんのような『一本』が獲れる柔道がやりたいです。63kg級は強い人がいっぱいいますが、今のところはこの階級でずっとやっていくつもりです」

【準々決勝】
嶺井美穂○横四方固(0:29)△宮宇地朱菜
三浦裕香理○GS僅差△荒木穂乃佳
佐々木ちえ○優勢[指導2]△小柳穂乃果
鍋倉那美○内股(0:24)△石井優里

【準決勝】
嶺井美穂○横四方固(1:22)△三浦裕香理
佐々木ちえ○優勢[指導2]△鍋倉那美

【決勝】
鍋倉那美○GS僅差△嶺井美穂


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