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【プレビュー】あす21日に皇后盃全日本女子柔道選手権、素根輝と朝比奈沙羅の頂上対決に注目

(2019年4月20日)

※ eJudoメルマガ版4月20日掲載記事より転載・編集しています。
あす21日に皇后盃全日本女子柔道選手権、素根輝と朝比奈沙羅の頂上対決に注目
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素根輝と朝比奈沙羅の激突が最大のみどころ
※写真は昨年度大会準決勝

体重無差別で女子柔道日本一を決める第34回皇后盃全日本女子柔道選手権大会があす21日、全国の予選を勝ち抜いた精鋭37名が横浜文化体育館(横浜市)に集って開催される。

最大のみどころは、連覇を狙う素根輝(環太平洋大1年)と、一昨年度大会王者・朝比奈沙羅(パーク24)の激突。朝比奈は昨年のバクー世界選手権78kg超級で金メダルを獲得している現役世界王者だが、激しく追い上げる素根に直接対決4連敗中。11月のグランドスラム大阪準決勝では背負投「技有」、4月6日の全日本選抜体重別選手権決勝では小外刈「技有」と2度続けて投げられており、もはや負けることは許されない。一方初の世界選手権個人戦代表(※昨年は団体戦代表として参加)を目指す素根にとっても、東京世界選手権(8月25日~9月1日、日本武道館)の78kg超級日本代表最終選考会を兼ねるこの大会は絶対に負けられない戦い。状況からすれば78kg超級には「2枠目」の行使が濃厚とみられるが、今大会の直接対決は、東京五輪代表決定までの「序列」を決定づけかねない大一番となる。

組み合わせ上、直接対決の実現は決勝となる。かつて組み手と圧力で素根を封じ「指導」差で勝ち続けていた朝比奈、選抜体重別では長い時間戦い続けることでこの朝比奈の釣り手の圧力を剥がして投技の刃を入れた素根、双方がどのような作戦で臨むかに注目である。

日程とTV放送予定、各ブロックのみどころと勝ち上がり展望は下記。

日時:2019年4月21日(日)
会場:横浜文化体育館
日程:会場11:00、開会11:30
TV放送:NHK総合 16:00~17:30
チケット情報:→全日本柔道連盟ウェブサイト
組み合わせ:→全日本柔道連盟ウェブサイト

【Aブロック展望】

連覇を狙う推薦選手・素根輝(環太平洋大1年)のブロック。1回戦では70kg級の小林幸奈(龍谷大4年)、3回戦では学生カテゴリの注目選手・佐々木ちえ(東京学芸大3年)の挑戦を受け、ベスト8ではリオ五輪銅メダリスト山部佳苗(ミキハウス)との戦いが濃厚。山部は強敵だが、素根としては圧を食いにくいケンカ四つであること、また選抜体重別での双方のパフォーマンス(山部は1回戦で朝比奈沙羅に払巻込「技有」で敗退)を補助線とすると、素根の勝ち上がり自体は揺るがないと見る。

【Bブロック展望】

昨年度大会3位の井上舞子(警視庁)がシード位置に座っているが、井上は関東地区予選で70kg級の高校生朝飛真実(桐蔭学園高3年)に内股「一本」で敗れており、勝ち上がり予想の軸には据え難い。このところ戦いぶりいまひとつも、東京都予選を制している稲森奈見(三井住友海上)の勝ち上がりを予想しておくべきだろう。
昨年1年生でインターハイ70kg級を制した桑形萌花(夙川高2年)の出来にも注目。2回戦からの登場であるが相手は吉岡優里(札幌刑務所)あるいは鶴岡来雪(コマツ)といずれも軽量、なんとかここを勝ってベスト16で稲森の胸を借りたい。

【Cブロック展望】

昨年驚きの決勝進出、8月の全日本実業個人選手権決勝で山部佳苗を破って優勝した冨田若春(コマツ)が推薦選手としてシード位置に座った。

勝ち上がりの行方以上に、みどころが多いブロック。まず52kg級のもと世界王者、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの中村美里(三井住友海上)が東京予選を勝ち抜いて堂々の初出場。対戦相手は、三井住友海上を経て今春から東海大に入学した昨年の世界ジュニア78kg超級王者・児玉ひかる(東海大1年)だ。児玉は身長173センチ体重110キロの本格派、一方の中村は157センチで現在56キロ、体重別でも繊細な組み立てを旨とした技巧派だ。圧を食いやすい相四つということもあり中村の展望は明るくないが、体重別ではなかなか見ることができないであろう、中村の対大型戦における技術の「幅」に注目。若い本格派重量級の児玉、軽量で技巧派のベテラン中村という構図は非常に面白い。

ブロック最下段には初出場の高校生・朝飛真実が配置。全日本柔道選手権に出場した祖父の速夫氏、父親の大氏に続く、史上初の親子三代続けての「全日本」出場である。朝飛は70kg級の選手だが前述の通り関東予選では昨年3位で体重98キロの井上舞子を内股「一本」に仕留めており、3月の全国高校柔道選手権では体重差をものともせずに無差別で優勝を果たしている。そのパワーと、体格差を乗り越えてあくまで「投げる」技術がどこまで通用するかみもの。初戦は出場5回目のベテラン菅原歩巴(久慈東高教)、勝てば一学年上のインターハイ最重量級の覇者・高橋瑠璃(山梨学院大1年)との対決が待ち受ける。

負傷で試合から離れていた冨田が昨年のようなパフォーマンスを見せればベスト4勝ち上がり有望、対抗馬は児玉と見る。児玉の資質は、かつて勝利していた素根輝や朝比奈に勝るとも劣らないもの。おっとり型の児玉が自身をどこまで高く買えるかが、こちらは闘志むき出しの戦いが看板の冨田との勝敗のカギを握る。

【Dブロック】

推薦選手・朝比奈沙羅のベスト4勝ち抜けはほぼ確実。初戦はたびたび大熱戦を演じて来た山本沙羅(福井県スポーツ協会)が相手だが、所属変更後の山本は、その強気の柔道の源泉である「力」が落ちている印象、かつてのような戦いを期待するのは難しいだろう。下側の山では初戦に組まれた講道館杯78kg超級王者・秋場麻優(環太平洋大4年)と髙山莉加(三井住友海上)の戦いがみもの。誰とやっても煮え切らない試合に持ち込んで勝利してしまう秋場の不思議な「状況を取る力」が、ノーガードの打ち合いを旨とする78kg級で世界トップクラスの力を持つ髙山とかち合った時にどんな化学反応が起こるのか。

トーナメント最下段に配された大辻瑛美(旧姓金子・自衛隊体育学校)は、29日の全日本柔道選手権に出場する康太氏と併せて、史上初の、夫婦揃っての「全日本」出場。初戦は井上愛実(JR九州)とマッチアップする。

※ eJudoメルマガ版4月20日掲載記事より転載・編集しています。

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