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【レポート】素根輝が朝比奈沙羅破って3連覇、78kg級は世界王者濵⽥尚里が優勝して混沌収める・平成31年全日本選抜柔道体重別選手権第1日女子レポート

(2019年4月16日)

※ eJudoメルマガ版4月16日掲載記事より転載・編集しています。
素根輝が朝比奈沙羅破って3連覇、78kg級は世界王者濵⽥尚里が優勝して混沌収める
平成31年全日本選抜柔道体重別選手権第1日女子レポート(63kg級、70kg級、78kg級、78kg超級)
取材・文:古田英毅/eJudo編集部
撮影:乾晋也

→第1日女子全試合結果(eJudoLITE)
→選抜体重別プレビュー
→女子第1日速報ニュース
→世界選手権代表発表速報

■ 63kg級・田代未来が強さ見せつけ優勝、順当に世界選手権代表の座掴む
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63kg級1回戦、田代未来が幸田奈々から隅落で2つ目の「技有」

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1回戦、鍋倉那美が瀬戸口栞南から引込返「技有」

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準決勝、山本杏が残り32秒で鍋倉から袖釣込腰「技有」

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残り10秒を切り、鍋倉が執念の巴投「技有」で追いつく

(エントリー8名)

【決勝まで】

決勝に進んだのは田代未来(コマツ)と、鍋倉那美(三井住友海上)の2人。トーナメント配置は世界選手権銀メダリストの田代が第1シード、ワールドマスターズ準優勝の鍋倉が第2シード。欧州シリーズを勝ち残った現状の1番手と2番手が順当に決勝まで残った形となった。

田代の勝ちあがりは順調そのもの。1回戦では幸田奈々(帝京科学大4年)を相手に1分56秒左小外掛「技有」、直後の2分6秒には隅落「技有」を追加して快勝。準決勝は粘りが身上の佐藤史織(ミキハウス)という難敵との対戦であったが、僅か33秒、左内股と袈裟固の合技「一本」で勝負を決めた。佐藤は前戦で昨年の覇者・能智亜衣美(了徳寺学園職)を総試合時間7分に迫る消耗戦の末に「指導2」対「指導3」で退けて持ち味を見せつけたばかり、田代の強さがひときわ際立つこととなった。

鍋倉は1回戦で瀬戸口栞南(山梨学院大3年)から57秒大内刈「技有」、1分34秒引込返「技有」と連取してこちらも快調な滑り出し。続く準決勝では山本杏(パーク24)とマッチアップした。山本は1回戦でグランドスラム大阪の覇者・土井雅子(JR東日本)を 1分11秒に奪った巴投「技有」で退け、勢いに乗ってのベスト4入り。

この試合は鍋倉が右、山本が左組みのケンカ四つ。鍋倉は右内股を連発、思い切りの良い右一本背負投も繰り出して攻勢だが、最終盤の3分28秒に山本の左袖釣込腰を食って思わぬ「技有」失陥。残り時間は32秒、これまでの攻防を見る限り山本は鍋倉の技をしっかり見切っており、率直に言って投げが決まる予感は僅少。もはや勝敗の行方決したかと思われたが、鍋倉はあきらめない。逃げ切りに入った山本が残り22秒で偽装攻撃の反則を犯して「指導2」が与えられたとみるや、続く展開で巴投に飛び込む。本来追いかける展開での捨身技はご法度。これも耐えられたかと思われたが、山本は動揺があったか下がりながら受けて棒立ち。鍋倉あくまで粘って力を籠め続け、山本を横倒しに倒して奇跡的な「技有」奪回。本戦4分はこのままタイスコアで終了したが、こうなれば試合の趨勢は明らか。GS延長戦1分0秒、山本に3つ目の「指導」が与えられて試合終了。鍋倉がぶじ決勝へ生き残ることとなった。

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田代が鍋倉の右払腰を隅落に捉える

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体を乗り込ませて回し切り「技有」

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リードを得たまま危なげなくタイムアップ。田代が優勝を決めた。

【決勝】

田代未来○優勢[技有・隅落]△鍋倉那美

田代が左、鍋倉が右組みのケンカ四つ。田代は両手で右、左と手繰って素早く左釣り手で横襟を確保。次いで引き手を得ると腰を切りながら踏み込んで左大内刈に出、鍋倉が潰れて「待て」。
田代今度は釣り手で袖を抑えて左小外刈から入るが、鍋倉しのいで引き手で襟、釣り手で奥襟を確保すると思い切りよく得意の右内股一撃。田代が首を立てたまま耐えると、勢いそのまま、いったん戻るなり二の矢の右払腰を叩きこむ。しかしこの間にも田代は間合いをしっかり詰めており、相手の作用足を空転させる形で隅落。鍋倉縦回転に頭から畳に落ち、映像チェックを経てこの技に「技有」が宣告される。この時点で試合時間は44秒。
田代以後も着実な組み手で前に出、鍋倉をじわりと下げ続ける。59秒には鍋倉に片手の咎による「指導」。奮起した鍋倉奥襟を叩いて猛然と前に出るが一進一退の組み手争いに嵌ってなかなか山場を作り切れず。逆に2分53秒には位置取りを誤って場外で2つ目の「指導」を失う。鍋倉ペースを上げに出るが、田代は組み手の形を変えながら機を見て小外刈を打ち返して陣地を譲らず。残り1分、鍋倉が田代の小外刈をきっかけに思い切った右内股を放つが田代崩れず両者場外に歩き出でる形で攻防は終息、「待て」。残り36秒、鍋倉再度の突進は田代が押しとどめ、次いで鍋倉が抱きついて放った右内股もたたらを踏んで場外まで逃れて大過なし。この時点で残り時間は18秒。田代奥襟を叩き、あるいは両袖を絞って鍋倉に最後のラッシュを掛けさせず、そのまま試合は終了となった。前2戦に続いて、田代の強さ際立った一番であった。

欧州シリーズ終了の段階で実質世界選手権の代表は田代に決していたかと思われるが、この優勝でもはや異論をさしはさむ余地なし。大会終了後の強化委員会で今年も田代の世界選手権進出が決まった。

上位入賞者と田代未来選手のコメント、全試合の結果は下記。

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63kg級入賞者。左から優勝の田代未来と2位の鍋倉那美。

【入賞者】
優 勝:田代未来(コマツ)
準優勝:鍋倉那美(三井住友海上)

田代未来選手のコメント
「コマツの皆さんの、沢山の応援を力に変えて戦うことが出来ました。ありがとうございました。なかなか最後まで勝ち切れなくて悔しい思いをしていたのですが、もう弱い自分には負けたくないという気持ちで練習しています。8月の武道館で、アグベニュー選手を倒して優勝出来るように、頑張ります。」

【1回戦】
田代未来(コマツ)○合技[小外掛・隅落](2:06)△幸田奈々(帝京科学大4年)
佐藤史織(ミキハウス)○GS反則[指導3](GS2:52)△能智亜衣美(了德寺学園職)
鍋倉那美(三井住友海上)○合技[大内刈・引込返](1:34)△瀬戸口栞南(山梨学院大3年)
山本杏(パーク24)○優勢[技有・巴投]△土井雅子(JR東日本)

【準決勝】
田代未来○合技[内股・袈裟固](0:33)△佐藤史織
鍋倉那美○GS反則[指導3](GS1:00)△山本杏

【決勝】
田代未来○優勢[技有・隅落]△鍋倉那美

■ 70kg級 大野陽子が2連覇、決勝で新添左季にリベンジ果たす
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準決勝、大野陽子が朝飛七海をパワーで圧倒

【決勝まで】

欧州シリーズ派遣の栄を受けた第1シードの大野陽子(コマツ)と第2シードの新添左季(自衛隊体育学校)の2人が順当に決勝進出。連覇を狙う大野、その大野にグランドスラム大阪で完勝している新添という2強によって今年の体重別日本一が争われることとなった。

大野は初戦で青柳麗美(コマツ)と大消耗戦。ともに「指導2」を失って迎えたGS延長戦3分48秒、左内股「一本」を奪ってこの競り合いを制すると、準決勝は朝飛七海(桐蔭横浜大2年)を力で圧倒。2分56秒の間に3つの「指導」を積み重ね、ぶじ決勝の畳へと辿り着くこととなった。大学2年生になったばかりの朝飛は初戦で榎谷有里(JR九州)と「技有」を奪い合う大熱戦、榎谷得意の抱きつき攻撃を大内刈で刈り取って「一本」と素晴らしい出来であったが、大野のパワーと練れた組み手の前には為す術がなかった。

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準決勝、新添左季が田中志歩を攻める

一方の新添は初戦で西願寺里保(コマツ)を1分53秒の足車「一本」に仕留めて順調なスタートだったが、田中志歩(環太平洋大3年)を畳に迎えた準決勝は苦戦。この試合は1分8秒、田中が新添の左移動に合わせて思い切り左内股を打ち込んで「技有」先制。ビハインドの新添は直後の、すぐさま攻め返さねばならないはずの大事な時間帯に手先で組み手を争う愚を犯し「指導」も失うという非常にまずい流れ。このまま時間が過ぎれば試合はどうなるかわからなかったが、しかし2分7秒には新添が隅落で「技有」を取り返し、様相は打ち合い。以後しばらくは双方が横変形にずれて膠着。新添にこれを打破する手段は薄いかに見えたが、3分13秒の組み際に田中がまっすぐ奥襟を叩きにいく失策。新添呼び込みながら左払腰、まともにその力を受けた田中吹っ飛んで「一本」。新添、乱打戦を制してぶじ決勝へ。

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新添は釣り手を低く殺されたまま強引に左払腰、大野は肘を制して止め返す

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新添が下がりながらの膝車で片脚になると、大野そのまま左足を踏み込んで隅落

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新添体側から落ちて「技有」

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大野が新添にリベンジを果たした

【決勝】

大野陽子○GS技有・隅落(GS3:21)△新添左季

ともに左組みの相四つ。11月のグランドスラム大阪では新添が組み負けた体勢をものともせずに引っこ抜き、払腰「技有」に隅落「技有」で完勝しているカード。新添は自信満々に引き手で襟、釣り手で奥襟を叩いて前へ、大野はいったん頭を下げてその釣り手を噛み殺して横変形で対峙。新添は大野に釣り手を下げさせたまま、反時計回りに呼び込む動きで投げ一発を狙う。いったん両者が離れ、新添が両手で組み付くと大野露骨に嫌い1分2秒「取り組まない」咎で大野に「指導」。以後も新添が一気に組まんとし、大野がこれに抗して先んじて引き手で袖を絞り、釣り手で奥襟を狙うという展開が続く。組み手争いが続くことで駆け引きに長じた大野有利の形が次第に増え始めるが、新添はたとえ奥襟を許しても無理やり首を立てて頭を上げ、試合は拮抗。新添は引っ掛けるような左大外刈を見せるが一貫して釣り手を低く噛み殺されているため効かず、2分53秒には攻めの止まった新添にも「指導」。スコアはここでタイとなる。組み手に腐心していた大野このあたりから技が出始め、右一本背負投、膝裏への小外刈、さらにゆすり出して大外刈フェイントの支釣込足などを見せ徐々に攻勢。試合はこのままGS延長戦へ。

延長戦が始まるなり、奮起した新添が左払腰。釣り手を落とされたまま肘を上げて無理やり放った一撃だが、大野がこの釣り手をしっかり落として回転を止め「待て」。大野の組み手の前に形が作れない新添は駆け引きを止めて一気に奥襟を叩きに行くが大野あっさり掌を当てて防ぎ、続いて襲った新添の払腰もまたもや釣り手を締めて抑え潰す。しかし大野の側も攻め手を欠き、GS2分7秒には双方に「取り組まない」咎による「指導2」が宣告されるに至る。

当然ながら試合は加速。横変形から大野は思い切った左内股、新添は左大外刈と、大技の応酬が1ターン。新添一気に奥襟を狙うがまたもや大野が掌を当てて防ぎ、奥襟を叩き返して頭を下げさせると膝車で蹴りながらゆすり出す。延長3分を越えたここで、新添が組み負けたまま膝車。しかし大野の圧力が効いたまま仕掛けたため下がりながら掛ける形となってしまい、大野が押し込むと片脚で大きくバランスを崩す。大野がその残った右脚の後方に左足を踏み込み、ハンドル操作で捩じり倒すと新添転がって体側から落ちる。いったん「待て」が宣せられたが映像チェックの結果この技に「技有」が認められて試合は終了。粘り強く戦った大野がワンチャンスを生かして優勝を決めた。組み手の巧拙が展開を分けた試合であったが、決定打は常に前に出続けた大野の強気であった。

大野は2連覇達成。既に世界選手権代表には新井千鶴(三井住友海上)が内定しており、他階級の状況からも昨年1度世界選手権を経験している(銅メダル)大野の「2枠目」選出は厳しい状況。しかしモチベーションを落とさず、為すべき仕事をしっかり為した大野は見事。1度完敗している新添をこの大舞台で退けた執念は素晴らしかった。

一方の新添は強さ明らかも、やはり戦いぶりに理が足りず。力を生かすための技術的な幅、状況を見極める戦術眼が欲しい。地力は間違いなく世界王者級、この先成長の方向をどのように定めるかに注目したい。

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70kg級入賞者。左から優勝の大野陽子、2位の新添左季。

【入賞者】
優 勝:大野陽子(コマツ)
準優勝:新添左季(自衛隊体育学校)

大野陽子選手のコメント
「一試合一試合、しっかり勝ちにこだわって、絶対に勝つんだという強い気持ちで戦いました。どんな小さなチャンスでも自分のものに出来るように戦って、それが最後の『技有』に繋げられたのだと思います。今年1年がすごく大きな年になると思うので、もう一度世界の舞台で戦って、新井選手と決勝戦を戦えるように頑張りたいと思います。」

【1回戦】
大野陽子(コマツ)○GS内股(GS3:48)△青柳麗美(環太平洋大4年)
朝飛七海(桐蔭横浜大2年)○大内刈(4:00)△榎谷有里(JR九州)
新添左季(自衛隊体育学校)○足車(1:53)△西願寺里保(コマツ)
田中志歩(環太平洋大3年)○上四方固(2:12)△市川香代子(宮城県警察)

【準決勝】
大野陽子○反則[指導3](2:56)△朝飛七海
新添左季○払腰(3:13)△田中志歩

【決勝】
大野陽子○GS技有・隅落(GS3:21)△新添左季

■ 78kg級 濵田尚里が世界選手権以来のタイトル獲得、今年も代表入り果たす
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準決勝、濵田尚里が泉真生に引込返

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そのまま抑え込んで「一本」

【決勝まで】

女子7階級、どころか男女14階級合わせてもっとも代表争いの先が見えないカオスの中にある78kg級。代表候補者全員が世界の頂点に座る力を持ちながら出来不出来の波があまりに激しく、3次予選終了時で絶対的なアドバンテージを得たものは皆無。現行制度化ではもはや珍しい、この大会の勝敗がそのまま代表の行方を決める可能性が高い階級だ。

上側のブロックから決勝に進んだのは第1シード、昨年バクー世界選手権で金メダルを獲得した濵田尚里(自衛隊体育学校)。初戦は鈴木伊織(環太平洋大4年)を横四方固「一本」で下し、準決勝では前戦で昨年の覇者・髙山莉加(三井住友海上)をすさまじい内股「一本」で破っている泉真生(コマツ)とマッチアップ。泉は3月のグランドスラム・エカテリンブルクでも強敵を次々なぎ倒して優勝を飾っておりまさに上り調子、一筋縄ではいかない戦いかと思われたが今日の濵⽥は強し。得意の引込返で強引に寝技に引きずり込み、絡まれた脚を引き抜いて横四方固。力で力を制す迫力の「一本」でぶじ決勝への勝ち上がりを決めた。

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1回戦。泉真生が前年度の覇者髙山莉加を内股「一本」に仕留める。髙山は昨年上半期の強さを持続出来ず。

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注目の準決勝、佐藤瑠香が梅木真美を攻める

逆側の山の準決勝では今シーズン鍔迫り合いを繰り広げて来た梅木真美(ALSOK)と佐藤瑠香(コマツ)の、ライバル2人の戦いに注目が集まった。梅木は初戦で梅津志悠(三井住友海上)を僅か1分22秒の崩上四方固「一本」で屠り去り、佐藤は伸び盛りの世界ジュニア王者・和田梨乃子(三井住友海上)をGS2分21秒内股透「一本」に仕留めてこの対決が実現。

梅木が左、佐藤が右組みのケンカ四つ。32秒梅木に意外な偽装攻撃の「指導」が与えられるが、梅木は奥襟を叩いて佐藤の頭を下げさせ、脚をぶつけるように左内股を打ち込んで佐藤を場外に追いやる。1分24秒、梅木の奥襟を抱きついて耐えた佐藤がそのまま場外に出てしまうミスを犯し、「指導」。これでスコアはタイ。以後も梅木の前に出る勢いを佐藤が止め切れないという大枠の構図が続き、3分18秒には梅木の奥襟圧力を佐藤が上体を屈したまま耐え続け、消極的の咎で「指導2」を失ってスコア上後がなくなる。梅木は左内股に、明らかに「指導」奪取を意識した「ケンカ四つクロス」の内股と攻めを積み、もはや勝敗の趨勢決したかと思われた。

ところがここで梅木が決め切れず試合がGS延長戦に進むと、徐々に様相が変化。佐藤がまるでそうすることを決めていたかのように前に出始め、拮抗続くもGS40秒過ぎから突如堰が切れたように流れは佐藤に傾く。佐藤は右体落を連発し、GS1分9秒には梅木にも2つ目の「指導」。本戦では攻める自体で防壁を築いていた梅木だが、圧力の減退によっていきなり本丸が剥き出しになってしまった印象。佐藤右体落に大内刈と粛々技を積み、主審はGS2分13秒ついに梅木に「指導3」を宣告。決勝には佐藤が進むこととなった。佐藤は体力勝ち、本戦終盤に一気に試合を決めるべきだった梅木は痛恨の敗戦。

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決勝、濵田が強引に引込返。佐藤は上体を曲げられまいと後方に踏ん張る

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濵田が大内刈に連絡すると佐藤たまらず崩れて「技有」

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佐藤攻めるも濵田しっかり残り時間を戦い切り、タイムアップ。

【決勝】

濵田尚里○優勢[技有・大内刈]△佐藤瑠香

濵田、佐藤ともに右組みの相四つ。始まるなり佐藤が右小内刈の形で足元を蹴り崩し、濵田が膝を着いて「待て」。濵⽥手堅く左構えで引き手を得んと接近するが、佐藤は先に引き手で右袖を掴むとこれをギリリと絞り落として離さず、釣り手で奥襟を掴んで一方的に組む。濵⽥たまらず巴投に潰れていったんリセット、「待て」。以後も佐藤は徹底的に濵⽥の釣り手の袖を絞り、ここが生命線とばかりにこの一点は決して譲らず。濵⽥は落とされた右釣り手を無理やり力勝負で揚げて、あるいは肘を折って距離を作ってと手立てを尽くすがどうしても切れず、なかなか自分の形で組むことができない。

しかし1分15秒、濵田は佐藤の右大内刈をきっかけに絞られた釣り手をいったん切り離すと時計回りに体を捌き、奥襟を叩きながら大内刈。次いですぐさま釣り手を肩越しに変えて背中を叩き、ここから得意の引込返に打って出る。予期した佐藤が背筋を立てて濵田は一瞬相手にぶらさがる格好。次のアクションが勝負どころだが、濵田は万力のような力で佐藤の上体を無理やり屈曲させんと試み、応じた佐藤はなんとあたかも背筋力測定のように踏ん張って背筋を再び立てんとする。力に力で対抗した形だが、これだけはやってはいけなかった。引込返のために足を揃えて相手の股中に突っ込んでいた濵⽥がこれをいったん退き、右大内刈に連絡すると後方に踏ん張っていた佐藤は耐えようもなく真裏に落下。これは「技有」。
奮起した佐藤は奥襟を叩き、濵田たまらず膝を屈する。主審はこの攻防を受けて1分53秒濵田に偽装攻撃の咎で「指導」。濵⽥は引き手で襟を持って前進、佐藤が左袖釣込腰を見せると後帯を掴んで引きずり回して無理やりリセット。試合時間2分を過ぎ、佐藤は奥襟を叩いて濵田の頭を下げさせ、唸る勢いで右大外刈を仕掛けて本格的な反撃開始。濵⽥徐々に陣地を失い、残り58秒には片襟の咎で「指導2」の宣告を受ける。あと1つの「指導」で逆転となる佐藤は奥襟を叩いて右内股を放つが割り切った濵田すぐさま潰れて伏せ「待て」。危機を感じた濵田は以後奥襟とクロス組み手を織り交ぜて組み手争いで時間の消費を図る。早く攻めたい佐藤だが、この濵田の釣り手を両手で切り離してしまい残り25秒痛恨の「指導」失陥。以後も片襟を握った上下のゆすりで濵田の膝を着かせて押し込み、さらに片襟の大外刈に肘抜きの左背負投と攻め続けるがあまりにも時間が足りない。この左背負投が止まったところでタイムアップ、濵田が「技有」優勢で勝負を決めた。

濵田は世界選手権の戴冠以降タイトルがなかったが、この日の優勝で全てを収拾。大会後の強化委員会で、2年連続となる世界選手権日本代表に選ばれた。

上位入賞者と濵田のコメント、全試合の結果は下記。

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78kg級入賞者。左から優勝の濵田尚里、2位の佐藤瑠香。

【入賞者】
優 勝:濵田尚里(自衛隊体育学校)
準優勝:佐藤瑠香(コマツ)

濵田尚里選手のコメント
「寝技だけでなく立技も練習して来ていたので、決まって良かったです。(-世界王者になってからは追われる立場になりましたね?)あまり気にしないで、出る試合をひとつひとつ勝つという気持ちでやってきました。世界選手権にまた出て、優勝できるように頑張りたいと思います。立技と寝技、両方使いながら勝ち上がれれば良いなと思います。頑張ります。」

【1回戦】
濵田尚里(自衛隊体育学校)○横四方固(3:24)△鈴木伊織(環太平洋大4年)
泉真生(コマツ)○内股(3:40)△髙山莉加(三井住友海上)
梅木真美(ALSOK)○崩上四方固(1:22)△梅津志悠(三井住友海上)
佐藤瑠香(コマツ)○GS技有・内股透(GS2:21)△和田梨乃子(三井住友海上)

【準決勝】
濵田尚里○横四方固(2:53)△泉真生
佐藤瑠香○GS反則[指導3](GS2:13)△梅木真美

【決勝】
濵田尚里○優勢[技有・大内刈]△佐藤瑠香

■ 78kg超級・素根輝が3連覇、決勝では朝比奈沙羅を再び投げる
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1回戦、朝比奈沙羅が山部佳苗から払巻込「技有」

【決勝まで】

決勝に進んだのは優勝候補に挙がる朝比奈沙羅(パーク24)と素根輝(環太平洋大1年)の二強。大会通じた一大テーマである「朝比奈vs素根」の大一番がぶじ実現することとなった。

第1シードに配された現役世界王者・朝比奈の勝ち上がりは順調。山場と目された初戦ではリオデジャネイロ五輪銅メダリスト山部佳苗(ミキハウス)とマッチアップ。残り21秒、山部が「腰絞め」のチャンスを得るも掛かりが甘く「待て」。以後は一進一退も、GS延長戦53秒に朝比奈が強引な払巻込で回し切り、「技有」確保で終戦。続く準決勝は講道館杯王者秋場麻優(環太平洋大4年)を粛々追い詰めて、GS延長戦1分4秒に3つ目の「指導」を得、「指導3」対「指導1」の反則累積で勝利確定。

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1回戦、素根輝は児玉ひかるに苦戦

一方の素根にも初戦で山場あり。かつて苦手にしていた世界ジュニア王者・児玉ひかる(東海大1年)という高いハードルが待ち構えていた。左相四つの児玉が右構えから引き手で襟を掴む一手目を徹底すると素根には上背の差を克服する明確な手段がなく、1分5秒には双方に「指導」。素根は引き手を絞り、体を反り返して児玉の手を切り離しては右袖釣込腰を放つが児玉はほぼまったく崩れず。素根、2分12秒には袖口を絞った咎で2つ目の「指導」も失ってまさかのビハインド。もしまかり間違って頭が下がる絵が続けば、「指導3」で終戦という危うい状況である。それでも素根は粘り強く袖釣込腰で攻め、3分27秒児玉にも2つ目の「指導」。素根は小内刈、大内刈と意地の攻めを続けて試合は拮抗のままGS延長戦へ。

延長も児玉が右構えからの手堅い組み手にこだわり、上背のない素根は綱渡りが続く。それでも巻き込み動作による切り離しからの左大内刈、左大外刈に支釣込足様の蹴り崩しと必死に技を積み、徐々に児玉の陣地を下げる。GS1分15秒、素根の蹴り崩しに児玉が潰れたところで主審が試合を止め、「指導3」を宣告して素根の勝利が確定。素根は動きが重く、あまり調子が良いとは見受けられなかった。

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準決勝、素根が稲森奈見から左足車「技有」

素根、続く準決勝ではこの日動きの良い稲森奈見(三井住友海上)と対戦。この試合はケンカ四つ、素根は両襟からの左小外刈で攻め、稲森は片手の左技で抗するが1分58秒双方に消極的との咎で「指導」。2分51秒、稲森に2つ目の「指導」が与えられると素根やや加速、残り31秒に左足車で稲森の落ち際を捕まえて「技有」獲得。残り7秒に右一本背負投で潰れてしまい偽装攻撃の「指導」1つを失うが、なんとかこのまま試合を終えてぶじ決勝へ駒を進めることとなった。

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決勝、素根が大内刈で潰れてしまい、朝比奈は腹で圧してにじり出る

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素根は左背負投も朝比奈の前に釣り手を握り切れず外巻込の形になってしまい、朝比奈たびたび返しかかる。

【決勝】

素根輝○GS技有・小外刈(GS4:55)△朝比奈沙羅

朝比奈が右、素根が左組みのケンカ四つ。朝比奈は両襟からスタートして圧を掛け、素根は釣り手で上から肘を入れて対抗。しかし朝比奈の圧力が勝る印象、素根は35秒に斜めから左大内刈を入れるが膝を屈して自ら潰れてしまい、朝比奈が背筋を伸ばし、立ったまま腹を顔に押し付ける形でにじり圧して「待て」。

朝比奈は奥を叩き、引き手で襟を掴んで前へ。素根は釣り手を脇、次いで上とたびたび替えて持ちどころまだ定まらず。朝比奈が両襟で前に出て腰を切る牽制を呉れると、素根はたまらず膝を屈して潰れ「待て」。朝比奈は「はじめ」が掛かると大きく声を出してここまでの展開に手ごたえありの様子。支釣込足で崩しながら引き手の袖を確保する巧さを見せ、一方の素根は勝負技の左背負投に入ろうとするも朝比奈の釣り手の圧の前に襟を持った釣り手があっさり切れてしまい、払巻込様に腕を上から抱え込む対大型戦では効かぬ危うい形に連絡、すぐに止めて立ち戻る。展開は朝比奈有利、しかしこちらも技は出ておらず、1分55秒双方に消極的の咎で「指導」。

朝比奈浅いながらも引き手の袖を掴むと、釣り手の手首を立てるなり払腰。素根に引き手を切らせて立ち戻ると両襟を掴む。この自らの浅い払腰を組み手に利用する朝比奈の手立ては続き、続く展開で素根がフェイントの左小外刈を見せると片手の払腰に身を翻して応じ、立ち戻る動きで引き手の袖を持つ巧さを見せる。素根は朝比奈の圧に耐えながらじっくり前進、残り46秒この試合初めて勝負技の左背負投に入り込むが朝比奈が身を翻して力の圏内から抜けると足がついていかず、膝を着いて崩れて「待て」。素根今度は小外刈で前に出て再び左背負投を仕掛けるがまたもや朝比奈の釣り手の圧の前に釣り手があっさり切れてしまい、外巻込の形で腕を抱き込む形に連絡して「待て」。背負投ならば利くが、巨体の朝比奈はこの形では崩せず、どころか後の先の一撃を食う可能性が高い。素根は苦しいところ、ここで試合はGS延長戦へ。

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延長戦、素根が左背負投で朝比奈の膝を着かせる。このあたりから試合の流れは完全に素根へ。

延長戦、素根は釣り手を突きながら前に出て二段の小外刈で朝比奈を崩しに掛かる。しかし朝比奈は奥襟を持っての右内股で素根を外まで歩かせ、続く展開では両襟でガッチリ圧力。素根は釣り手を高く保って左背負投を放つがやはり襟を掴み切れず放してしまい、左外巻込の危うい形でお茶を濁さざるを得ない。50秒、素根に2つ目の「指導」。奮起した素根は幾度か左背負投を見せるがやはり釣り手が切れて払巻込の形で潰れることが続き、やや危なっかしい試合運び。しかし勝機訪れたかに見えた朝比奈もここで詰め切れず。勝運激しく両者の間を揺れ動く時間帯となる。

GS2分39秒、前に出た素根が一計を案じ、相手の右襟を両手で握って左背負投。この試合初めて全回転、かつ深く入った担ぎ技に場内が沸く。この一撃がどうやら試合を動かし始め、かつて投げられた記憶がよみがえったか、焦った朝比奈は釣り手を低く殺された状態にも関わらず浅く右払腰。いったん釣り手を上げる動作を入れてはいたが、引き手も釣り手も甘いこの技は効かず、素根がその戻りに左小外刈を合わせると朝比奈の巨体グラリと大きく崩れる。素根は釣り手を締めて首を拘束したまま膝を伸ばして飛び込み、朝比奈はいったん尻餅、ここから腹ばいに伏せる二段アクションでぎりぎりの回避。「技有」が宣告されてもおかしくない勢いの一撃に場内大いに沸く。

これは映像チェックの結果ノーポイントとなったが明らかに試合の流れは素根へ。朝比奈が両襟で圧を呉れると素根はまたもや上から抱き込んでの外巻込という危うい選択を為すが、朝比奈返し損ねて「待て」。朝比奈の焦りと、徐々に弱まる釣り手の拘束力につけ込んで素根は加速、思い切った肘抜きの左背負投を放ち、いったん止まったこの技を押し込み直して朝比奈に膝を着かせる。大歓声沸きあがる中、GS3分34秒朝比奈に「指導2」。直後素根は釣り手で突いておいて左背負投。朝比奈の釣り手の緩みを見て取った素根にもはや躊躇はなし、思い切り入り込んだこの一撃に朝比奈大きく浮き上がり、腹ばいに畳に落ちる、素根はさらに肘抜きの左背負投をもう一発、次いで右一本背負投も見せていまや完全に試合を掌握。

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朝比奈の右払腰の戻りに素根が左小外刈

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背中を押し付けて決め切り「技有」

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素根はこれで選抜体重別3連覇

素根が釣り手を突いて前に出ると、朝比奈は場外際に詰まる。いったん試合を切るべきと判断した朝比奈、単純に前技で外に出ては危険と支釣込足を入れていったん体を開き、次いで右払腰へと繋ぐ。しかしこの支釣込足の間にも素根は前進、押し込まれた朝比奈の払腰は下がりながらの技となり、間合いが詰まったまま相手の前で横腹を晒すもっとも弱い形となってしまう。素根は左小外刈を朝比奈の奥足に入れてパチンと止めると、もう一段前に出ながら必殺の刈り込み。しかし前段の左足を当てられた時点で既に朝比奈の体は大きく仰け反り崩れており、素根は両手の拘束を利かせて朝比奈の体を畳に押し付ける万全のフィニッシュ。朝比奈の支釣込足、払腰、応じた素根の前に出ながら小外刈とここまでがまさに流れるように展開。

朝比奈の大きな体がまさに崩落、背中から真っ逆さまに畳に落ちて主審は「技有」を宣告。形と勢いを勘案すれば「一本」が妥当かと思われるが、試合終了の事実に変わりはなし。素根の強烈な小外刈「技有」を以て熱戦決着、素根は選抜体重別3連覇の偉業を達成することとなった。

素根はこれで当面の敵・朝比奈に4連勝。この日を含めて2回連続で「投げて」勝利しており、初の世界選手権代表に向けて道のりまことに順調である。ただしこの日の柔道には課題も一杯。特に、3戦して2試合「指導」を先行されるという攻めの遅さの払拭はまさに急務。上背のない素根が「作り」に時間が掛かるのは構造的に致し方ない部分もあるが、国際大会の場でこれだけの長時間にわたって試合を続けさせてくれることはありえない。見た目いつ「指導」を与えられてもおかしくないこの上背で、ビハインドを負いながら大型選手と対峙する展開は危険すぎる。この課題の払拭ない限り、いかに直接対決で朝比奈に勝っても、五輪代表争いは最後まで揉めることになるはず。先に「指導」を得て、早い段階で有無を言わせず決着。この最後の宿題にぜひ直線的に、最短距離でアプロ―チしてもらいたい。

朝比奈について。決勝を見る限り、実は力の絶対値においてはまだまだ朝比奈の方が上ではないかと見受けられる場面も多々あった。担ぎ技の保有という素根の技術的アドバンテージはもちろんだが、それ以上に、試合展開を見る目、的確な行動を弾き出す戦術眼の部分で素根の後塵を拝し、その差が「投げる」「投げられる」という見た目大きな結果に帰結していると見る。

ひとつの例として。2017年グランドスラム東京において、朝比奈は「指導3」奪取であっさり素根を寄り切っているのだが、その際、「指導2」奪取後に朝比奈は素根の釣り手を抱え込んで殺す「閂」組み手を敢行、これで何もできなくなった素根を追い詰めて勝利している。しかし以後素根相手にこの組み手を試みる場面はさほど見られず、この日も一度この形が出来上がったのだが、朝比奈は自身の攻めを優先したかあっさり上からに持ち替えて素根の釣り手を懐内で自由に運動させてしまうこととなった。素根が朝比奈戦で頼るべきは結局のところ左の担ぎ技ひとつで、これがなければ周辺の技も効かない。もっとも恐れているのはこの担ぎが打てずに「指導」が重なるスタティックな展開であり、朝比奈に投げられることではない。互いに投げを打ち合うような「際」のある動的な展開はむしろ素根には望むところのはずだ。となれば朝比奈の側は少なくともオプションとしてこの形を使って素根の釣り手を殺すことに全力を傾ける時間帯があってもいいと思うのだが、試合が煮詰まると判断の切れ味が明らかに鈍る。朝比奈はこの日、特に技を使っての組み手確保という部分で巧さを見せていたし、失点した場面でも単純に外に出るのではなくいったん支釣込足を入れるなど、技術的、発想的な上積みも見せていた。しかし対素根戦における朝比奈の勝利を考えるなら、一種つまらない試合を演じての「指導3」奪取が現状もっとも現実的。足し算だけで勝とうとするのではなく、引き算の戦術、相対的な優位を作るための引き出しを繰り出すべきだった。自分の攻めを殺してでも素根をそれ以上に封殺して試合を塩漬けるべき時間帯、攻めに出るべき時間帯、としっかり判断して戦えば十分勝利がありえたのではないか。前半の優位を以後の展開に生かすだけの、戦術眼がなかった。

恐るべきは朝比奈が正常な判断力を失う、そのメンタルパニックの兆候を的確に見破り、これぞの場面でラッシュを掛けて流れを持ってきてしまう素根の戦術眼の高さということでもあるのだが、2017年の世界選手権決勝でユー・ソン(中国)の掛け潰れを偽装攻撃と一人合点して看過し、今年のグランドスラム・デュッセルドルフ(ドイツ)でイダリス・オルティス(キューバ)の攻撃をこれも同じく敢えてスルーした結果「指導3」を受けた、朝比奈のここ一番の戦況判断に難があることはやはり指摘せざるを得ない。逆に言えばこの部分をクリア出来ればその絶対値の高さはやはり脅威。海外勢に対して体格で負けず、力で力を制する戦いが出来る日本選手は現状朝比奈だけだ。この先の研鑽に期待したい。

ほか、超級選手で注目したいのは児玉ひかる。最大のライバル朝比奈に連勝中の素根にとって、この先面倒なのはむしろこの選手ではないだろうか。左相四つで上背があり、投げの切れ味も抜群、かつて素根に勝利しているという相性的な刷り込みもある。私見だが、素材の良さでは朝比奈や素根に勝るとも劣らないものがあるのではないか。朝比奈には自分を高く買う力があり、素根には女子超級選手には珍しい負けず嫌いの「意地」がある。フィジカルエリートが揃う最重量級にあって、この2人を抜けた存在に押し上げたのは実はなによりも、このメンタル的な資質の高さだ。児玉が朝比奈のように自分の才能を信じられれば、素根のような意地を持てれば(この日素根戦の勝敗を分けたのはこれ1つの差であったと感じる)、将来代表争いに加わる可能性は十分あるのではないか。当たり前のように世界ジュニアを制したこの大物のこれからにも、大いに注目しておきたい。

入賞者と素根のコメント、全試合の結果は下記。

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78kg超級入賞者。左から優勝の素根輝、2位の朝比奈沙羅。

【入賞者】
優 勝:素根輝(環太平洋大1年)
準優勝:朝比奈沙羅(パーク24)

素根輝選手のコメント
「3連覇、嬉しいです。直接対決で勝つことが大きなアピールになると思っていたので、なにがなんでも勝つという気持ちで臨みました。東京五輪に出たいという気持ちは誰にも負けないと思います。金メダルを獲れるように頑張ります。」

【1回戦】
朝比奈沙羅(パーク24)○GS技有・払巻込(GS0:53)△山部佳苗(ミキハウス)
秋場麻優(環太平洋大4年)○GS技有・隅落(GS0:31)△粂田晴乃(筑波大3年)
素根輝(環太平洋大1年)○GS反則[指導3](GS1:15)△児玉ひかる(東海大1年)
稲森奈見(三井住友海上)○GS反則[指導3](GS2:32)△井上あかり(JR東日本)

【準決勝】
朝比奈沙羅○GS反則[指導3](GS1:04)△秋場麻優
素根輝○優勢[技有・体落]△稲森奈見

【決勝】
素根輝○GS技有・小外刈(GS4:55)△朝比奈沙羅

※ eJudoメルマガ版4月16日掲載記事より転載・編集しています。

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