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【プレビュー】代表権の行方ほぼ見えた階級多数、みどころは2枠目巡る綱引きと『体重別日本一』の行方・平成31年全日本柔道体重別選手権大会男女14階級展望

(2019年4月4日)

※ eJudoメルマガ版4月4日掲載記事より転載・編集しています。
代表権の行方ほぼ見えた階級多数、みどころは2枠目巡る綱引きと『体重別日本一』の行方
平成31年全日本柔道体重別選手権大会男女14階級展望
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今年も福岡の地で体重別柔道日本一が決まる。
※写真は30年大会開会式

今年の体重別日本一決定戦、平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会(4月6日~7日、福岡国際センター)の開催がいよいよ今週末に迫った。組み合わせを見るだけでも胸躍る、全階級全ブロックに強者が詰まって「穴」などありようもない世界最高峰レベルの豪華なトーナメント。大会のプレビューとして、各階級の展望を簡単に記してみたい。

周知の通り、この大会は最重量級を除く男女6階級の東京世界選手権(8月25日~9月1日、日本武道館)日本代表最終選考会を兼ねる。とはいえ、現行制度では代表を争う権利のある選手は第3次予選のワールドツアー欧州シリーズ2大会(グランドスラム・パリ、グランドスラム・デュッセルドルフ)に派遣されたものに絞られており、このシリーズまでの結果をもって既に代表権の行方が実質決まってしまっている階級も実はかなりある。少なくとも、ここに派遣されなかった選手は今回「体重別日本一」の称号に挑戦する権利はあるが、今年の世界選手権日本代表に選ばれるチャンスはない。

というわけでこの恒例の「ひとこと展望」は二つの観点で語る「ふたこと」という構成になる。ひとつは各階級ごとの代表権の帰趨と、「2枠目」(男女とも代表は7階級に9人、複数派遣は1階級2人まで)行使の可能性について。もう1つは体重別日本一を巡るトーナメント自体のみどころについてである。

各階級評に入る前に、全体像として。これは「読み」の域に入ってくるが、昨年の実績と第3次予選までの成績(および階級によっては周囲との成績の差、ターゲット選手との対戦歴)からおそらく60kg級髙藤直寿(パーク24)、66kg級阿部一二三(日本体育大4年)、73kg級大野将平(旭化成)、81kg級藤原崇太郎(日本体育大3年)、100kg超級原沢久喜(百五銀行)、女子48kg級渡名喜風南(パーク24)、57kg級芳田司(コマツ)、63kg級田代未来(コマツ)は極めて有力、というよりほぼ既に代表権を手中に収めていると見ておいて良いのではないだろうか。100kg級のウルフアロン(了徳寺学園職)も限りなくこれに近い位置にある。現実的にこのメンバーを外すのはもはや難しく、たとえ今大会1回戦で負けても、欠場があったとしても、この立場はそうそう揺らがないと考える。代表争いのみどころは、どの階級に2枠目行使が為されるのか、そしてその条件節として誰がどのような成績を収めるのか、である。

2枠目選定について。強化の考え方は色々あろうが、ざっくり2つの方針が考えられる。

1つは、2020年東京五輪における勝利を第一に考え、「バックアッパー」(ライバル)の養成を優先すること。これは複数同時強化を進めて必ずライバルを置くことでその階級のレベルアップを図るというこれまでの強化方針に則るとともに、第1候補がたとえば負傷で離脱したときに、それに代わる候補がいない(経験値が不足している)という取り返しのつかない事態を避けるための極めて現実的な、ドライな戦略でもある。この場合、第2候補が「世界選手権を経験しているかどうか」が非常に大きいはず。いきなり五輪の大舞台に放り込むのはリスクが大きすぎる。となると投資先として浮上するのは、これぞという成績を残した実力者がおり、かつまだその選手が世界選手権を経験していない階級。たとえばアジア大会の覇者で第3次予選のグランドスラム・デュッセルドルフでも優勝している飯田健太郎(国士舘大3年)がいる100kg級、昨年のグランドスラム大阪で阿部一二三を倒して以降国際大会全勝中の丸山城志郎(ミキハウス)がいる66kg級(丸山はもはや第1候補級の成績であるが)、女子ならこれもアジア大会を制し世界選手権金メダリストの朝比奈沙羅にもっか3連勝中の素根輝(環太平洋大1年)がいる78kg超級などが有力である。続いて、周囲の状況や今大会の出来などの厳しい条件節をつけた上で、佐々木健志(ALSOK)の81kg級を挙げておくべきか。

もう1つの考え方は、あくまで今年の世界選手権における勝利を優先すること、そしてそれとほぼ同義であるが徹底的に現時点の実績から2枠目を割り出す「フェアネス」に大きく重心を傾けること。この場合、既に2度世界選手権を経験している(2018年バクー世界選手権銅メダル)がここまで選考大会全勝中の永山竜樹(了徳寺学園職)の60kg級、グランドスラム・パリで復活優勝を果たした橋本壮市(パーク24)の73kg級、2017年度世界王者にしてグランドスラム・パリの同国決勝を制している志々目愛(了徳寺学園職)のいる52kg級が有力。おなじくもと世界王者でグランドスラム・パリで復活Vを果たした近藤亜美(三井住友海上)の48kg級、昨年の世界選手権銅メダリストで同じくパリで素晴らしい内容で優勝した大野陽子(コマツ)とワールドマスターズ王者の新添左季(自衛隊体育学校)のいる70kg級も視野に入ってくるだろう。

男子はこの2ついずれの観点からしても66kg級丸山城志郎の派遣は極めて濃厚。となると考え方として「60kg級あるいは73kg級」か、それとも100kg級かという価値観上の綱引きが選考のみどころということになる。女子は現体制の特徴としてなにより「フェアネス」を重視する傾向があるということを考えて情勢を読んでいくのが良いだろう。

いずれ、変数としての選抜体重別の成績が重要なことは言うまでもない。上記は候補者全員がしっかり、それも素晴らしいパフォーマンスでこの大会に勝った場合を想定している。それぞれの選手がどんな戦いを見せてくれるか、非常に楽しみだ。

[文責]
前文・男子7階級:古田英毅
女子7階級:小林大悟/eJudo編集部


■60kg級 髙藤直寿欠場、永山竜樹は人事を尽くして選考を待つ

第1シード:髙藤直寿(パーク24)※欠場 → 市川龍之介(東海大3年)に変更
第2シード:永山竜樹(了徳寺学園職)

世界選手権代表争いの権利者は前述の通り髙藤直寿と永山竜樹の2名。

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