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「吉と出るか凶と出るか失敗を恐れず挑戦、『吉』なら我々を止められるチームはない」第41回全国高等学校柔道選手権女子有力校インタビュー 夙川学院高・松本純一郎監督

(2019年3月16日)

※ eJudoメルマガ版3月16日掲載記事より転載・編集しています。
「吉と出るか凶と出るか失敗を恐れず挑戦、『吉』なら我々を止められるチームはない」 
第41回全国高等学校柔道選手権女子有力校インタビュー 夙川学院高・松本純一郎監督
第41回全国高等学校柔道選手権団体戦有力校インタビュー、女子は夙川学院高・松本純一郎監督に話をお聞きした。

夙川学院は大会2連覇中。今大会は3連覇を狙う立場だが、先鋒枠に絶対のエース阿部詩を擁した一昨年、中堅枠の金知秀と大将枠の吉峰芙母絵で堅陣を張った昨年(※阿部詩は出場せず)までとはやや様相が異なる。優勝候補筆頭に挙がる富士学苑高(山梨)、大将に米川明穂を擁する藤枝順心高(静岡)と、招待試合シリーズの直接対決で敗れた2校に「挑む」ポジションで迎える大会だ。大将を務める70kg級インターハイ王者桑形萌花をはじめ、登録選手は全員が1年生。いかなる準備と構えを以て、大会に臨むのか。

聞き手:古田英毅

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夙川学院高・松本純一郎監督

―いよいよ大会が迫ってきました。1年生中心のチームですが、堂々の第2シード評価。3連覇の偉業に挑む立場でもあります。チームの雰囲気はいかがですか?

近畿ブロック大会も優勝して、勢いはかなり上がってきましたね。

―3月3日の皇后盃近畿予選では1年生エースの桑形萌花選手が2位入賞。率直に驚きました。

あの日、桑形はそれは強かったですよ(笑)。あれだけレベルの高い皇后盃予選で、それもちゃんと投げて勝ってくるんですね。70kg級の選手ですから今大会の大将(体重無差別枠)としては小柄なんですが、重量級相手にもまず「指導」を取って、そして投げて、ちゃんと試合を終わらせる手立てと力を持っています。

―中堅の畑田暁菜選手、先鋒の山﨑笑佳選手はいかがですか?

畑田はこれまでは力負けする場面もあったんですが、今は組み手で捌いたり足技を打ったりして、圧を掛けられても体勢を崩さずに背筋を正すことが出来るようになってきました。もともと寝技の選手で芯がしっかりしている。最近は立ち姿勢から寝技にパッと移る、早い攻めに磨きがかかってきました。山﨑、先鋒枠はウィークポイントのはずだったんですが近畿大会は全勝。立ち振る舞いにも戦いぶりにもキャプテンの自覚が出てきました。

―上り調子ですね。特に先鋒枠の山崎選手が好調なのは大きいのでは。

とはいえ52kg級枠は、他のチームが物凄く強いので。全体として私たちはまだ頂点を狙うような戦力のチームではないです。10の力を頑張って20にして、それでもやっとたどりつくかどうかわからない、というところ。若いチームで、おととしの阿部詩、去年の金知秀のような絶対的な存在もいないですし。

―その、10の力を20にする戦いのカギは?

役割をしっかり理解して、必要な行動を取れるかどうかですね。相手は高校生、回りを見渡しても3人全員が物凄く強いチームというのは、いない。そう考えると実は相手によって、試合によってやるべき仕事は違うわけです。自分たちの戦力だけを考えればうちは後ろ2枚が必ず取るのがベースになるわけですが、いま必要な「仕事」をしっかり見極めて、止めるときは止める、そして何よりも、取りに行かなければならない場面ではリスクを冒しても『一本』を獲りに行く。どうゴールに飛び込むか、やらなければいけない場面でそれが出来るかです。

―優勝候補筆頭は富士学苑高。夙川学院さんも参加した黒潮旗、水田杯、若潮杯の3大会全てで優勝しています。

何度も合同稽古をしていて、選手同士もお互いのやり方をよくわかっている、手ごわい相手です。率直に言ってチームの力では向こうが上です。ただ、あの日本武道館の独特の雰囲気、しかも当たるとしたら決勝ですから、これは何が起こるかわかりません。うちは気持ちの強い選手が揃っているので、攻めることで流れを掴みたいですね。

―大将戦では桑形選手と黒田選手、あるいは平野選手との対戦ですね。

まさにそこがいま言ったような試合。体格や力に劣るとも、性格や気持ちの強さで何かを起こしたい試合ですね。準決勝で戦う可能性が高い藤枝順心高も米川(明穂)選手という強い選手が大将にいますが、これも同じと思います。

―2連覇した去年も、気持ちの強さで流れを持ってきましたね。

まさにその通りです。去年は金、吉峰(芙母絵)が強いチームと言われていましたが。勝利をもたらしたのは先鋒の村川実葉瑠の頑張りでした。彼女が僅差の優勢まで抑えて来たことが、優勝に繋がりました。今年は若いチームで、計算するところも我慢するところも全員が1年生。その若さが吉と出るか凶と出るかですが、もし吉に出れば私たちを止められるチームはありません。

―いいですね!1年生チームゆえに思い切った試合が出来る、これは相手チームにとっては間違いなく怖いと思います。

凶に出る可能性もありますけどね(笑)

―この後、大会までのスケジュールを教えてください。

3年生も参加してくれてずっと詰めた稽古をしてきましたので、稽古は変わらずやりますが、今は気持ちを詰めていくことを重視する段階ですね。17日の午前に調整稽古をして午後に移動です。稽古なども大学にお世話になるのですが、宿舎まで、富士学苑さんと一緒ですよ(笑)

―最後に一言、大会に掛ける意気込みをお願いします。

昨年まで2連覇しましたが、毎年変わらず、立場はあくまで挑戦者。富士学苑さんが優勝候補の筆頭ですが、こちらは若さを全面に出して、失敗を恐れずに挑戦し、「事件」みたいなことを起こしてみよかな、と思います。

―ありがとうございました!



※インタビューは3月14日に行われました

※ eJudoメルマガ版3月16日掲載記事より転載・編集しています。

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