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羽賀龍之介の復活なるか、90kg級の田嶋剛希は2回戦でもと世界王者マイドフに挑む・グランドスラムエカテリンブルク2019最終日男子プレビュー

(2019年3月17日)

※ eJudoメルマガ版3月17日掲載記事より転載・編集しています。
羽賀龍之介の復活なるか、90kg級の田嶋剛希は2回戦でもと世界王者マイドフに挑む
グランドスラムエカテリンブルク2019最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)
■ 90kg級・2017年に活躍した選手が大集合、田嶋剛希は2回戦で元世界王者マイドフに挑戦
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グランドスラム大阪に続き、これがシニア国際大会2戦目となる田嶋剛希

(エントリー26名)

新興勢力が中心だった2月の国際大会から顔ぶれが少し変わり、今回は2017年シーズンに活躍した選手を中心とした構成となった。第1シードは昨年の本大会の覇者で連覇を狙うアレクサンダー・クコル(セルビア)。ほか、2017年ブダペスト世界選手権で決勝を争ったネマニャ・マイドフ(セルビア)とミカイル・オゼルレル(トルコ)、さらにベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)、ウシャンギ・マルギアニ(ジョージア)と、リオデジャネイロ五輪直後を思わせる名前が揃っている。

ここに日本から挑戦するのは、2017年世界ジュニア選手権王者の田嶋剛希(筑波大3年)。田嶋は昨年11月のグランドスラム大阪でシニア国際大会初出場を果たしたが、結果は初戦(2回戦)でオゼルレルに敗退という厳しいものだった。一度弾き返された世界の壁への再挑戦。勝ち上がれば2回戦で元世界王者のマイドフ、準々決勝でグヴィニアシビリとオゼルレルの勝者と対戦予定となっている。非常に過酷な組み合わせだが、国内大会で田嶋が見せている力を考えれば十分勝負ができるはず。臆することなく、自信を持って戦って欲しい。

ほか、注目選手としては前述のグヴィニアシビリを挙げておきたい。同選手は2015年に若干19歳でワールドマスターズに優勝、同国のヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)との競合を避けるためにリオデジャネイロ五輪には100kg級で参加したが、ここでも7位に入賞している。五輪後には階級を本来の90kg級に戻していよいよ時代到来かと思われたものの、ここから少しずつ失速。昨年はついにワールドツアーの優勝がないまま1年を終えてしまった。一方代表争いのライバルでありウシャンギ・マルギアニ(ジョージア)は安定して結果を残しており、このままでは東京五輪出場も危うい状況。果たしてこのまま沈んでしまうのか、戦い慣れたメンバーが揃った今大会の戦いぶりに注目だ。

【プールA】
第1シード:アレクサンダー・クコル(セルビア)
第8シード:イェスパー・シュミンク(オランダ)
有力選手:エドゥアルド・ベットーニ(ブラジル)、イワン・ヴォロベフ(ロシア)

【プールB】
第4シード:ノエル・ファンテンド(オランダ)
第5シード:ウシャンギ・マルギアニ(ジョージア)

【プールC】
第2シード:ネマニャ・マイドフ(セルビア)
第7シード:ベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)
有力選手:リー・コツマン(イスラエル)、ミカイル・オゼルレル(トルコ)
日本代表選手:田嶋剛希(筑波大3年)

【プールD】
第3シード:イスラム・ボズバエフ(カザフスタン)
第6シード:ラファエル・マセド(ブラジル)
有力選手:ニコラス・ムンガイ(イタリア)、フセン・ハルモルザエフ(ロシア)、ミハイル・マルチタン(モルドバ)

■ 100kg級・2015年世界王者羽賀龍之介が背水の陣に臨む
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羽賀龍之介は優勝するしかない状況

(エントリー30名)

非常に人材が豊富な本階級、今大会も常の例に漏れず実力者が所狭しと詰め込まれたレベルの高いトーナメントが組まれた。さすがにパリ大会やデュッセルドルフ大会に比べれば少々見劣りするものの、グランドスラムの名を冠するに十分な豪華メンバーが揃っている。

日本代表は2015年アスタナ世界選手権王者の羽賀龍之介(旭化成)。羽賀は昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフで左肩を脱臼、治療のために手術を受け、昨年10月の講道館杯で畳に復帰した。同大会の成績は2位、続いて出場したグランドスラム大阪は3回戦敗退に終わっており、ライバルのウルフアロン(了徳寺学園職)と飯田健太郎(国士舘大2年)が結果を残し続けていることを考えると、今大会はまさに崖っぷちに立たされての戦いとなる。

組み合わせは初戦から息つく暇もない強豪との連戦。1回戦で2017年世界ジュニア2位のアルマン・アダミアン(ロシア)、2回戦で先月のグランドスラム・デュッセルドルフ3位のラウリン・ボーラー(オーストリア)、そして準々決勝でトマ・ニキフォロフ(ベルギー)とシリル・マレ(フランス)の勝者と対戦することとなる。復調の程度、そして実力以上に、羽賀の東京五輪出場に懸ける気持ちの強さが試される戦いになるだろう。許される結果は優勝のみ。かつてのような、豪快な内股で次々強豪を切り伏せる羽賀の勇姿をもう一度見せて欲しい。

【プールA】
第1シード:ペテル・パルチク(イスラエル)
第8シード:イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)
有力選手:オニセ・サネブリゼ(ジョージア)

【プールB】
第4シード:トマ・ニキフォロフ(ベルギー)
第5シード:ラウリン・ボーラー(オーストリア)
有力選手:レオナルド・ゴンサルヴェス(ブラジル)、シャディー・エルナハス(カナダ)、シリル・マレ(フランス)、アルマン・アダミアン(ロシア)
日本代表選手:羽賀龍之介(旭化成)

【プールC】
第2シード:マイケル・コレル(オランダ)
第7シード:キリル・デニソフ(ロシア)
有力選手:ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)、ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)

【プールD】
第3シード:ルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)
第6シード:ニイアズ・ビラロフ(ロシア)
有力選手:アーロン・ファラ(オーストリア)

■ 100kg超級・小川雄勢と太田彪雅が出場、両者ともに最初の山場は初戦
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小川雄勢は再浮上のきっかけをつかみたい

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太田彪雅は初戦で斉藤立を倒したザアリシヴィリとマッチアップ

(エントリー23名)

現在階級の主流となっている「アスリート体型」の選手は少なく、どちらかというとアンコ型が揃ったトーナメント。第1シードには昨年躍進を遂げたウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)が座った。ここに挑む日本代表選手は、小川雄勢(明治大4年)と太田彪雅(東海大3年)の2名。

小川は初出場となった昨年のバクー世界選手権において3回戦敗退。それ以降も、グランドスラム大阪が2回戦敗退、グランドスラム・デュッセルドルフが5位と、気づけば2018年のグランドスラム・パリ大会から数えて4大会続けてのメダルなし。世界選手権での敗戦は不可解な判定によるものだが、さすがに今回負けると後がない状況だ。今大会の組み合わせは初戦(2回戦)に最初の山があり、ロシアの若手2枚看板の一角、タメルラン・バシャエフ(ロシア)との対戦が組まれた。バシャエフは担ぎ技を主体とした、組み負けながらでも自分の柔道ができるタイプの選手。圧殺攻勢は効きにくいと思われ、小川にとっては厳しい戦いが予想される。「指導3」による勝利の多い小川だが、投げを狙いに行く勇気が重要なポイントになるはずだ。

一方の太田も1回戦に山場が設定されており、昨年の世界ジュニア王者ゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)を畳に迎える。斉藤立(国士舘高2年)を小外掛「一本」で破った選手と言えば、覚えておられる方も多いだろう。今大会がワールドツアー初参戦ながら、パワーは既に階級上位レベルに達していると思われる。この力自慢を組み手のコントロールが上手い太田がどのように捌くのか。勝敗を抜きにしても楽しみな一番だ。

【プールA】
第1シード:ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)
第8シード:ヴラダト・シミオネスク(ルーマニア)
有力選手:ベクボロト・トクトゴノフ(キルギスタン)、アントン・クリヴォボコフ(ロシア)

【プールB】
第4シード:ステファン・ヘギー(オーストリア)
第5シード:タメルラン・バシャエフ(ロシア)
日本代表選手:小川雄勢(明治大4年)

【プールC】
第2シード:ダヴィド・モウラ(ブラジル)
第7シード:ユーリ・クラコヴェツキ(キルギスタン)
有力選手:スヴェン・ハインル(ドイツ)、バトトルガ・テムーレン(モンゴル)、ルスラン・シャハバゾフ(ロシア)

【プールD】
第3シード:ラファエル・シウバ(ブラジル)
第6シード:オール・サッソン(イスラエル)
有力選手:アントン・ブラチェフ(ロシア)、ダニエル・アレルストルフェル(ジョージア)、ゲラ・ザアリシヴィリ(ジョージア)
日本代表選手:太田彪雅(東海大3年)

文責:小林大悟/eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版3月17日掲載記事より転載・編集しています。

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