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日本勢はいずれも予選ラウンドに大きな山場、最注目は主役級が勢揃いの90kg級・グランドスラムデュッセルドルフ2019最終日男子プレビュー

(2019年2月23日)

※ eJudoメルマガ版2月23日掲載記事より転載・編集しています。
日本勢はいずれも予選ラウンドに大きな山場、最注目は主役級が勢揃いの90kg級
グランドスラムデュッセルドルフ2019最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)
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文責:小林大悟/eJudo編集部

■ 90kg級・世界大会レベルの超豪華トーナメント、村尾三四郎は試練の配置引く
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現役世界王者のニコロス・シェラザディシヴィリが参戦

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急成長中の村尾三四郎、組み合わせはこれ以上ないほど厳しい配置。

(エントリー62名)

今大会の最注目階級。現役世界王者のニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)を筆頭に、イワン=フェリペ・シルバ=モラレス(キューバ)、ミハイル・イゴルニコフ(ロシア)、ガク・ドンハン(韓国)ら階級の主役たちが勢揃い。選手リストの上から下まで強豪がぎっしりと詰まった、世界大会に劣らないレベルのトーナメントが組まれた。序盤戦から好カードが目白押しとなっており、トイレに立つ間も惜しいほどだ。

ここに日本から挑むのは、グランドスラム大阪3位の新鋭、村尾三四郎(桐蔭学園高3年)。当初はベイカー茉秋(日本中央競馬会)との同時派遣であったが、ベイカーが右脚の負傷により欠場となったため、高校生ながら1人代表の重責を負うこととなった。村尾が引いた位置は、2回戦でダヴィド・クラメルト(チェコ)、3回戦でガク、4回戦でイゴルニコフと、トップ選手に連勝せねば敗者復活戦にも進めない過酷なもの。世界選手権優勝レベルの実力が必要な山だ。ここを勝ち上がるのは至難の業だが、村尾のここ半年の急成長ぶりを思い出すと、期待せずにはいられない。

国内の90kg級は現在のところ集団から抜け出した選手はおらず、全員にチャンスがある状況。村尾としてはここで経験を積むとともに1つでも多く勝ち、首脳陣にアピールしたいところだ。どのような結果になったとしても、何かしらの収穫を得て日本に帰りたい。

また、当初エントリーしていたリオデジャネイロ五輪銅メダリストのチェン・シュンジャオ(中国)は出場取り消し。2週間前のグランドスラム・パリでまさかの初戦敗退に終わり、先週のヨーロッパオープン・ローマでも7位に終わっていた。

【プールA】
第1シード:ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)
第8シード:ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)
有力選手:エリアス・ナシフ(レバノン)、イェスパー・シュミンク(オランダ)

【プールB】
第4シード:ガク・ドンハン(韓国)
第5シード:ミハイル・イゴルニコフ(ロシア)
有力選手:ダヴィド・クラメルト(チェコ)、アヴタンディル・チリキシヴィリ(ジョージア)、ロイク・ピエトリ(フランス)、ヤホル・ヴァラパエウ(ベラルーシ)
日本代表選手:村尾三四郎(桐蔭学園高3年)

【プールC】
第2シード:アレクサンダー・クコル(セルビア)
第7シード:コムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)
有力選手:ダヴラト・ボボノフ(ウズベキスタン)、オーレリアン・ディエス(フランス)、マーカス・ナイマン(スウェーデン)、マルク・オーデンタール(ドイツ)、ヨアキム・ボットー(ベルギー)、ノエル・ファンテンド(オランダ)

【プールD】
第3シード:イワン=フェリペ・シルバ=モラレス(キューバ)
第6シード:ママダリ・メディエフ(アゼルバイジャン)
有力選手:エドゥアルド・トリッペル(ドイツ)、ザッカリー・バート(カナダ)、リー・コツマン(イスラエル)、ラファエル・マセド(ブラジル)

■ 100kg級・強豪が大量参戦、飯田健太郎は初戦からマレとマッチアップ
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飯田健太郎は初戦でシリル・マレとマッチアップ

(エントリー58名)

90kg級には劣るものの、こちらも各国の強豪が大勢参加した超豪華トーナメント。バクー世界選手権ファイナリストのチョ・グハン(韓国)、ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)を始め、同大会のベスト8から5名が顔を揃えた。それ以外にも世界大会で表彰台を狙うレベルの選手が揃っており、トーナメントのレベルは極めて高い。

ここに送り込まれる日本代表は、アジア大会王者の飯田健太郎(国士舘大2年)。初戦からシリル・マレ(フランス)、ベスト16で第1シードのリパルテリアニとマッチアップという厳しい位置を引いてしまったが、実力を出し切ることができれば優勝の可能性も十分にあるはずだ。国内のライバルであるウルフアロン(了徳寺学園職)は2週間前のグランドスラム・パリで2位を獲得しており、差をつけられないためには最低でも表彰台に上がっておきたい。飯田はここのところ力負けと評されても仕方がない形での敗戦が続いており、パワーはすぐには強化できないまでも、不用意な密着を避けて戦うことができるかがポイントとなるだろう。

【プールA】
第1シード:ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)
第8シード:トマ・ニキフォロフ(ベルギー)
有力選手:シリル・マレ(フランス)、ダニエル・ムケテ(ベラルーシ)、グリゴリ・ミナシキン(エストニア)
日本代表選手:飯田健太郎(国士舘大2年)

【プールB】
第4シード:ラマダン・ダーウィッシュ(エジプト)
第5シード:ルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)
有力選手:ホセ・アルメンテロス(キューバ)、シェラリ・ジュラエフ(ウズベキスタン)、カイハン・オズチチェク=タカギ(オーストラリア)、カズベク・ザンキシエフ(ロシア)、イワン・レマレンコ(UAE)、ゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)、ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)

【プールC】
第2シード:チョ・グハン(韓国)
第7シード:ベンジャミン・フレッチャー(アイルランド)

【プールD】
第3シード:ジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)
第6シード:エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
有力選手:ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)、イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)、ラウリン・ボーラー(オーストリア)、リヤエス・ブヤクブ(アルジェリア)

■ 100kg超級・原沢久喜は準々決勝でウルジバヤルとのリベンジマッチ、小川雄勢は3回戦で同タイプの親玉シウバと対戦
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原沢久喜は復調気配、グランドスラム・パリでは「一本」連発で決勝まで進んだ

(エントリー37名)

アジア勢を中心としたトーナメント。ラファエル・シウバ(ブラジル)らワールドツアー常連のトップ選手も参戦しており、グランドスラムとして十分に面目の立つ陣容となっている。

日本からここに参加するのは、原沢久喜(フリー)と小川雄勢(明治大4年)の2名。原沢は2週間前のグランドスラム・パリに続いての出場。同大会では久々に豪快な内股「一本」を披露するなど復調の気配を見せており、今大会でもそれを持続させたいところ。組み合わせ上の最初の山場は初戦(2回戦)のユーリ・クラコヴェツキ(キルギスタン)。軽快な動きと技の切れ味が売りの曲者だが、投げによる具体的なポイントで退け、以降の流れを作りたい。準々決勝ではバクー世界選手権で敗れたウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)と対戦する可能性が高く、ここはなんとしてもリベンジを果たしておきたいところ。パリ大会で見せたような積極的に投げを狙う攻撃的柔道ができさえすれば、遅れを取ることはないはずだ。

一方の小川は、3回戦で自身と同じ圧殺タイプの親玉シウバと対戦予定。体格を利して圧を掛けることを柔道の基本とする小川が、自身よりも大きく組み手も上手いシウバを相手にどう戦うのか。これまで課題として挙げ続けてきた、具体的な投げ技の保有がどこまでできているのか、その真価が問われることになるだろう。もしここで負けてしまえば敗者復活戦に進むこともできず、それは代表レースにおいて大きく後退することを意味する。普段はマイペースで鷹揚な戦いぶりが目立つ小川の、覚悟を感じる戦いぶりに期待したい。

ほか、海外勢ではイナル・タソエフ(ロシア)に注目したい。この選手はタメルラン・バシャエフ(ロシア)とともに売出し中のロシア期待の若手。バクー世界選手権団体戦での戦いぶりを見る限りではこちらの方が本命と思われ、今後日本勢の有力なライバルとなること間違いなしだ。

【プールA】
第1シード:ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)
第8シード:ロイ・メイヤー(オランダ)
有力選手:ダニエル・アレルストルフェル(オーストリア)、ロイ・メイヤー(オランダ)、ユーリ・クラコヴェツキ(キルギスタン)
日本代表選手:原沢久喜(フリー)

【プールB】
第4シード:ヘンク・フロル(オランダ)
第5シード:ウシャンギ・コカウリ(アゼルバイジャン)
有力選手:アンディー・グランダ(キューバ)、アントン・クリヴォボコフ(ロシア)、ヤキフ・ハモー(ウクライナ)、ヨハネス・フレイ(ドイツ)

【プールC】
第2シード:キム・スンミン(韓国)
第7シード:ステファン・ヘギー(オーストリア)
有力選手:マチェイ・サルナツキ(ポーランド)、イナル・タソエフ(ロシア)、ベクボロト・トクトゴノフ(キルギスタン)、スヴェン・ハインル(ドイツ)、ナイダン・ツヴシンバヤル(モンゴル)

【プールD】
第3シード:ラファエル・シウバ(ブラジル)
第6シード:ベクムロド・ウロズボエフ(ウズベキスタン)
有力選手:レヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)、ファイセル・ヤバラー(チュニジア)
日本代表選手:小川雄勢(明治大4年)

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