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大野将平と海老沼匡の同国決勝なるか、81kg級は復活を期す藤原崇太郎の出来に注目・グランドスラムデュッセルドルフ2019第2日男子プレビュー

(2019年2月23日)

※ eJudoメルマガ版2月23日掲載記事より転載・編集しています。
大野将平と海老沼匡の同国決勝なるか、81kg級は復活を期す藤原崇太郎の出来に注目
グランドスラムデュッセルドルフ2019第2日男子プレビュー(73kg級、81kg級)
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文責:小林大悟/eJudo編集部

■ 73kg級・大野将平と海老沼匡の同国決勝に期待、海外勢は新旧勢力のしのぎ合いに注目
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アジア大会とグランドスラム大阪に勝利、いよいよエンジンの掛かってきた大野将平

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大野と大阪大会の決勝で激戦を繰り広げた海老沼匡

(エントリー58名)

ヨーロッパを中心に強豪が多数参加して中核を形成。そこに日本とモンゴルの強国2つが加わって、シリーズ最重要大会の一であるグランドスラム・デュッセルドルフの名に相応しい豪華なトーナメントが組まれた。現役世界王者のアン・チャンリン(韓国)は出場を回避したものの、かなり魅力的な陣容となっている。

日本から送り込まれたのは、グランドスラム大阪で決勝を争った大野将平(旭化成)と海老沼匡(パーク24)の2名。ともにノーシード配置から大会をスタートすることとなる。

優勝候補筆頭の大野はプールCに配され、2回戦でトハル・ブトブル(イスラエル)、3回戦でヴィクトル・スクヴォトフ(UAE)、準々決勝でルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)と対戦予定。スクヴォトフは足技一発のある怖い相手だが、近頃は良いパフォーマンスを見せておらず、大野の強さと練度を考えればまず遅れをとることはないはず。それ以外の選手は、飛び道具があるタイプではないため力関係が順当に結果に反映されるはず。余裕を持って勝利できるだろう。大野らしい真っ向から相手を投げつける、豪快な柔道に期待したい。

一方の海老沼は大野とは逆サイドのプールBに配された。組み合わせ上最初の山は2回戦のマルセロ・コンティーニ(ブラジル)戦。ここを乗り越えると次戦でガンバータル・オドバヤル(モンゴル)とマッチアップすることになる。この選手は階級を代表するパワーファイターではあるが、柔道自体は正統派、海老沼とは良い意味で柔道が噛み合うはず。このところ自身の身体能力を御し切れずに自滅するパターンが散見されるのが気がかりだが、これさえなければ十分に突破可能だろう。

大野、海老沼ともに、2回戦以降は息つく暇もない強豪との連戦となるが、実力だけで考えれば十分に決勝進出が可能なはず。ともに講道学舎出身の先輩後輩同士、揃って決勝まで勝ち上がり、グランドスラム大阪で見せたような好試合を見せてほしい。

ほか、ロンドン−リオ期にトップを張ったオルジョフ、ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)らの旧勢力と、アルチュール・マルジェリドン(カナダ)、トミー・マシアス(スウェーデン)、ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)らリオデジャネイロ五輪後に力を伸ばした新勢力による「席の奪い合い」にも注目したい。ここのところ成績の面では両者の立ち位置は逆転しており、オルジョフらにとってはここが踏ん張りどころ。果たして東京五輪まで息が保つのか、それともその前に世代交代が起こるのか。今後の階級の流れを、ひとつ大きく規定する大会になりそうだ。

【プールA】
第1シード:ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)
第8シード:ムサ・モグシコフ(ロシア)
有力選手:カン・ヒョンチョル(韓国)、アルテム・ホムラ(ウクライナ)

【プールB】
第4シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)
第5シード:アルチュール・マルジェリドン(カナダ)
有力選手:マルセロ・コンティーニ(ブラジル)、ギヨション・ボボノフ(ウズベキスタン)、ヴァジム・ショーカ(ベラルーシ)、アンソニー・ツィング(ドイツ)、ギオーム・シェヌ(フランス)
日本代表選手:海老沼匡(パーク24)

【プールC】
第2シード:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
第7シード:トハル・ブトブル(イスラエル)
有力選手:ヴィクトル・スクヴォトフ(UAE)
日本代表選手:大野将平(旭化成)

【プールD】
第3シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第6シード:ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)
有力選手:イゴール・ヴァンドケ(ドイツ)、フェルディナンド・カラペティアン(アルメニア)

■ 81kg級・復活期す藤原崇太郎の出来に注目
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バクー世界選手権で銀メダルを獲得した藤原崇太郎

(エントリー58名)

世界大会の優勝を狙える実力者が20名以上おり、大会の度に表彰台の顔ぶれががらりと変わる最激戦区81kg級。そのあまりの過密ぶりに常であれば勝ち上がりの予想は困難なであるが、今大会はトップ層の参加が少なく、珍しく非常に穏やかなトーナメントとなっている。陣容のレベルは、正しく(ここ2年の81kg級ではなく、本来あるべきレベルの)グランプリといったところ。

日本代表は藤原崇太郎(日本体育大2年)。藤原は10月の全日本学生体重別団体優勝大会で左肘を脱臼。グランドスラム大阪を欠場しており、今大会が復活を目指す、負傷後初試合である。トーナメント全体の層の薄さにも助けられ、ベスト8までは強豪との対戦はなし。この序盤戦でしっかりと試合の感覚を取り戻し、アンリ・エグティゼ(ポルトガル)が勝ち上がって来るであろう準々決勝に備えたい。世界選手権でも奇跡的に強豪の影が薄いプールに配された藤原であるが、あの強運いまだ継続中の感あり。しっかりチャンスを生かしたい。

国内の代表争いでは、佐々木健志(筑波大4年)が藤原不在時にグランドスラム大阪、ワールドマスターズとビッグタイトルに2連勝。しかし、2週間前のグランドスラム・パリでは不用意な大外刈の自爆によりまさかの初戦敗退に終わっている。藤原としてはライバルが躓いたこのタイミングで勝ち星を上げ、4月の全日本選抜体重別選手権に向けてプレッシャーを掛けておきたいところ。まずは初戦、藤原の調子のほどに注目だ。

海外勢ではグランドスラム・パリで優勝、地元開催の今大会に堂々の第1シードで臨むドミニク・レッセル(ドイツ)に注目したい。この選手は組み手の管理と巧みな間合いの出し入れをベースに「見せ技」のみで相手を追い詰め、後の先で仕留めるという、かなり特殊な戦法を用いる。試合の中で自ら技を仕掛ける場面はほとんどなく、それでいながら「指導」は失わないという不思議な選手だ。パリ大会を制して勢いに乗っており、地元開催の今大会でも上位進出が期待される。この選手の試合を見る場合には、ぜひこの「攻撃を演出する」技術に注目して欲しい。

【プールA】
第1シード:ドミニク・レッセル(ドイツ)
第8シード:アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)
有力選手:イ・センス(韓国)、モハメド・アブデラル(エジプト)

【プールB】
第4シード:藤原崇太郎(日本体育大2年)
第5シード:アンリ・エグティゼ(ポルトガル)
有力選手:エドゥアルド=ユウジ・サントス(ブラジル)、クリスティアン・パルラチ(イタリア)

【プールC】
第2シード:アスラン・ラッピナゴフ(ロシア)
第7シード:ニャムスレン・ダグヴァスレン(モンゴル)
有力選手:アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)、ウラジミール・ゾロエフ(キルギスタン)、エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)

【プールD】
第3シード:マティアス・カッス(ベルギー)
第6シード:イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)

※ eJudoメルマガ版2月23日掲載記事より転載・編集しています。

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