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最注目はスター揃い踏みの100kg級、新王者ツシシヴィリ参戦の100kg超級と日本勢に個性派揃った90kg級も必見・グランドスラム大阪2018最終日男子プレビュー

(2018年11月25日)

※ eJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。
最注目はスター揃い踏みの100kg級、新王者ツシシヴィリ参戦の100kg超級と日本勢に個性派揃った90kg級も必見
グランドスラム大阪2018最終日男子プレビュー(90kg級、100kg級、100kg超級)
文責:林さとる/eJudo編集部

■ 90kg級・バクー銀メダリストのシウバ=モラレスが参戦、迎え撃つ日本勢はベイカー茉秋ら強力布陣
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講道館杯では五輪を彷彿とさせる勝負強さを見せたベイカー茉秋

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背負投の威力抜群の田嶋剛希。国際舞台でも力を発揮できるか。

(エントリー39名)

リオデジャネイロ五輪以降、81kg級と同様に混戦模様が日に日に強まる本階級。海外勢の顔ぶれは決して豪華とは言い難いが、第1シードに入ったバクー世界選手権2位のイワン=フェリペ・シウバ=モラレス(キューバ)を筆頭に、ブダペスト世界選手権王者のネマニャ・マイドフ(セルビア)と同2位のミカイル・オゼルレル(トルコ)、大物食いが売りのエドゥアルド・トリッペル(ドイツ)らいずれも一癖ある面白い選手が顔を揃えた。

迎え撃つ日本勢は、リオデジャネイロ五輪金メダリストで講道館杯を抜群の出来で制した勝負師ベイカー茉秋(日本中央競馬会)、片手背負投を中心とした技一撃の威力が売りの2017年世界ジュニア選手権王者・田嶋剛希(筑波大3年)、ここ一番での爆発力で勝負する今年のグランドスラム・パリの覇者・向翔一郎(ALSOK)、講道館杯で高校生ながら大躍進の3位入賞を果たした大器・村尾三四郎(桐蔭学園高3年)と、個性派打ち揃った魅力的な布陣。実力だけでなく柔道そのもので魅せることの出来る選手たちが揃っており、勝敗を越えて見ごたえのある戦いを見せてくれるはずだ。ファンには存分に柔道の妙味、その大きな魅力である勝ちに至るルートの多様さを味わってもらいたい。

国内の代表レースは本命なき大混戦。今夏のバクー世界選手権には長澤憲大(パーク24)が出場して銅メダルを獲得したが、その戦いぶりは代表争いに絶対のアドバンテージをもたらすまでのものではなく、加えて膝の怪我のために今大会を欠場している。今回の代表4名に長澤を加えた5名全員に東京世界選手権代表の可能性が残されており、今大会はまさに運命の分かれ道。我こそが、と目の色を変えての熱戦に期待したい。

【プールA】
第1シード:イワン=フェリペ・シウバ=モラレス(キューバ)
第8シード:ノエル・ファンテンド(オランダ)
有力選手:ミカイル・オゼルレル(トルコ)
日本代表選手:田嶋剛希(筑波大3年)

【プールB】
第4シード:イスラム・ボズバエフ(カザフスタン)
第5シード:エドゥアルド・トリッペル(ドイツ)
日本代表選手:村尾三四郎(桐蔭学園高3年)

【プールC】
第2シード:ネマニャ・マイドフ(セルビア)
第7シード:ラファエル・マセド(ブラジル)
有力選手:イェスパー・シュミンク(オランダ)
日本代表選手:向翔一郎(ALSOK)

【プールD】
第3シード:ウシャンギ・マルギアニ(ジョージア)
第6シード:ダヴィド・クラメルト(チェコ)
有力選手:セオドロス・ツェリディス(ギリシャ)
日本代表選手:ベイカー茉秋(日本中央競馬会)

■ 100kg級・ウルフアロン、羽賀龍之介、飯田健太郎のスター3名が久々に共演、台風の目はベテランの味光る熊代佑輔とオーストラリア国籍取得の高木海帆
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2017年世界選手権の覇者ウルフアロン

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復帰戦の講道館杯で決勝まで進んだ羽賀龍之介

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アジア大会に優勝して上り調子の飯田健太郎

(エントリー42名)

世界大会3年連続銀メダル(90kg級時代含む)のヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)に表彰台の常連マイケル・コレル(オランダ)、バクー世界選手権3位のルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)、階級屈指の業師ジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)と、階級上位の強豪が多数来日、グランドスラムの名に恥じない魅力的なトーナメントが組まれることとなった。

これだけでも見どころとしては十分すぎるほどだが、本階級のメインはこれら豪華陣容の海外勢ではなく、2017年4月の選抜体重別選手権以来久々に主役が一同に会することとなった日本勢。今大会からついにウルフアロン(了徳寺学園職)、飯田健太郎(国士舘大2年)、羽賀龍之介(旭化成)のスター3名による東京五輪を賭けた三つ巴の戦いが開始されることとなる。

実績では既に世界を制している羽賀(2015年)とウルフ(2017年)が勝っているものの、両者はともに故障によって今シーズン前半の大会を全て欠場。復帰後も羽賀が講道館杯2位、ウルフがバクー世界選手権5位に終わっており、まだ結果、内容とも本調子とは言えない状況。一方の飯田は実績でこそ劣るものの、8月のアジア大会では直後のバクー世界選手権で金メダルを獲得したチョ・グハン(韓国)を圧倒して優勝を飾るなど成長著しく、現在乗りに乗っている。

ドローの結果、(他の選手を考えずに配置だけを考えればだが)羽賀とウルフが準決勝、その勝者と飯田が決勝で対戦することとなった。実現すればいずれもファン垂涎の注目試合。決して容易に勝ち上がれる陣容ではないが、是非とも直接対決まで勝ち進んで雌雄を決してもらいたい。この段階で東京五輪の代表がほぼ決まってしまうというようなことはないが、今回の第1ラウンドの結果が今後の流れを大きく規定することは間違いない。誰がスタートダッシュを切るのかに注目だ。

この3名以外で注目したいのは昨年来好調、ついにグランドスラム大阪まで辿り着くこととなった熊代佑輔(ALSOK)と、五輪出場のためにオーストラリア国籍を取得、今大会が移籍後の初陣となる高木海帆(オーストラリア)。両者ともに既にベテランながら十分上位戦に勝ち上がるだけの力を持っており、台風の目となる可能性大だ。

【プールA】
第1シード:ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)
第8シード:ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)
有力選手:ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)、ミハル・ホラック(チェコ)、アルマン・アダミアン(ロシア)
日本代表選手:羽賀龍之介(旭化成)

【プールB】
第4シード:ベンジャミン・フレッチャー(アイルランド)
第5シード:ウルフアロン(了徳寺学園職)
有力選手:グリゴリ・ミナシキン(エストニア)、オドバータル・ハンガル(モンゴル)、キム・ジェユン(韓国)

【プールC】
第2シード:マイケル・コレル(オランダ)
第7シード:飯田健太郎(国士舘大2年)
有力選手:カイハン・オズチチェク=タカギ(オーストラリア)、アントン・サヴィツキー(ウクライナ)、エリヘムバツ(中国)

【プールD】
第3シード:ジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)
第6シード:ルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)
有力選手:アーロン・ファラ(オーストリア)、ダニエル・ディチェフ(ブルガリア)、イワン・レマレンコ(UAE)、
日本代表選手:熊代佑輔(ALSOK)

■ 100kg超級・新王者ツシシヴィリが初登場、分散配置の日本勢4名はそれぞれプール内に山場アリ
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最重量級の新世界王者ツシシヴィリ

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原沢久喜ら日本勢が迎え撃つ

(エントリー27名)

バクー世界選手権で10年ぶりとなる最重量級新王者に輝いたグラム・ツシシヴィリ(ジョージア)が初めて日本の畳に登場。両袖を絞り込む独特のフォームから左右の袖釣込腰を仕掛まくる重量級らしからぬスタイルで昨年ブレイク、多くのフォロワーを生んで100kg超級に「担ぎ技」新時代を築いた、まさしく競技トレンドの最先端を走っている選手だ。他にもヨーロッパ王者ルカシュ・クルパレク(チェコ)、世界選手権3位のウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)ら、世界ランクトップ10のうち8名(8位の影浦含む)がトーナメントに名を連ねており、大会最終日を飾るにふさわしい超豪華陣容となっている。

迎え撃つ日本勢はバクー世界選手権で代表を務めた原沢久喜(フリー)と小川雄勢(明治大4年)に、アジア大会代表の王子谷剛志(旭化成)と講道館杯王者の影浦心(日本中央競馬会)を加えた4名。国内の100kg超級は昨年のブダペスト世界選手権でメダルなし、絶対王者テディ・リネール(フランス)が欠場した今夏のバクー世界選手権でも原沢が3位、小川が3回戦敗退と国際シーンでの存在感を失っており、なんとしても今大会で優勝者を出して東京五輪に向けた再建の嚆矢としたいところだ。

日本勢4名はきれいにプールが分かれて配置されたが、各選手プール内に強力なライバルがおりベスト4に進出するだけでも大仕事。プールAの原沢は2回戦でバクーで敗れたウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)の強化版とも言うべきモンゴルの英雄ナイダン・ツヴシンバヤル(モンゴル)とマッチアップ。続く準々決勝では王者ツシシヴィリに挑戦と、担ぎ技を使いこなす強敵との連戦をこなさなければならない。

プールBに配された王子谷はこちらも2回戦でアジア大会で敗れたキム・スンミン(韓国)、次戦で今年のヨーロッパ選手権2位で袖釣込腰を得意とするタメルラン・バシャエフ(ロシア)と一筋縄ではいかない強敵との戦いが続く。

4名のなかで最も厳しい配置を引いた小川雄勢はなんと2回戦で早くも昨年決勝を争ったルカシュ・クルパレク(チェコ)と対戦、こころ乗り越えてもベスト8ではラファエル・シウバ(ブラジル)と対戦せねばならない。クルパレクとシウバはともに小川同様組み手の圧を柔道のベースとする超大型選手であり、勝ち抜けたとしても消耗は必至だ。

一方、最も戦いやすい位置を引いたのが影浦。1回戦で韓国の新星キム・ミンジョン(韓国)、準々決勝でウルジバヤルと短躯で担ぎ技を主体とする似たタイプとの戦いが続くが、どちらも影浦のほうが練度が高く、4名のなかで唯一「勝ち上がり自体は揺るがない」と言い切れる配置だ。

プールごとの様相について述べて来たここまででお分かりの通り、今大会は予選ラウンドから世界大会決勝ラウンドクラスの好カードが目白押し。果たして日本勢は勝ち上がれるのか、そして勝ち上がって東京世界選手権に向けて一歩先んじるものが現れるとすればそれはいったい誰なのか。日本への王座奪還に向けた各選手の気迫のこもった戦いに期待したい。

【プールA】
第1シード:グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)
第8シード:ユーリ・クラコヴェツキ(キルギスタン)
有力選手:ヘンク・フロル(オランダ)、ナイダン・ツヴシンバヤル(モンゴル)
日本代表選手:原沢久喜(フリー)

【プールB】
第4シード:ステファン・ヘギー(オーストリア)
第5シード:キム・スンミン(韓国)
有力選手:タメルラン・バシャエフ(ロシア)
日本代表選手:王子谷剛志(旭化成)

【プールC】
第2シード:ルカシュ・クルパレク(チェコ)
第7シード:ラファエル・シウバ(ブラジル)
有力選手:スヴェン・ハインル(ドイツ)
日本代表選手:小川雄勢(明治大4年)

【プールD】
第3シード:ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)
第6シード:影浦心(日本中央競馬会)
有力選手:アンディー・グランダ(キューバ)、ダニエル・アレルストルフェル(オーストリア)、キム・ミンジョン(韓国)、ルスラン・シャハバゾフ(ロシア)

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