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平成30年度講道館杯全日本体重別選手権大会展望②第1日女子(70kg級、78kg級、78kg超級)

(2018年11月2日)

※ eJudoメルマガ版11月1日掲載記事より転載・編集しています。
平成30年度講道館杯全日本体重別選手権大会展望②第1日女子
(70kg級、78kg級、78kg超級)
文責:林さとる/eJudo編集部

■ 70kg級・強豪多数の激戦階級、若手選手の出世争いに注目
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第1シードは田中志歩

(エントリー30名)

グランドスラム大阪進出決定選手:新井千鶴(三井住友海上)、大野陽子(コマツ)、新添左季(山梨学院大4年)
グランドスラム大阪出場権残枠:「1」

東京五輪の代表争いでは世界選手権を2連覇した新井千鶴(三井住友海上)が他の選手を一歩も二歩もリードしている状況。新井は国内大会、とりわけ大野陽子(コマツ)を苦手としているが、仮に直接対決で敗れることがあっても簡単に序列上の差が埋まることはないだろう。現在のところこの2名にアジア王者の新添左季(山梨学院大4年)を加えたところまでが東京五輪の代表争い圏内。今大会の参加者にあと2年(厳密には1年半)でここに割って入るような選手は見当たらず、となれば若手選手による出世争いが本階級の主な観戦ポイントと考えて良いだろう。

グランドスラム大阪の出場権は既に上記の3名に与えられており、残る枠は僅か1つ。今大会には昨年大会2位の田中志歩(環太平洋大2年)を筆頭に、西願寺里保(コマツ)、朝飛七海(桐蔭横浜大1年)、新森涼(コマツ)、嶺井美穂(桐蔭横浜大3年)、池絵梨菜(国士舘大4年)、青柳麗美(環太平洋大3年)、杉山歌嶺(桐蔭横浜大3年)と、めぼしい名前を挙げるだけでもこれだけの若手選手が出場している。このなかから誰がその椅子に座るのか。それともヌンイラ華蓮(了徳寺学園職)、前田奈恵子(JR東日本)らベテラン勢が改めて存在感を示すのか。五輪の代表争いという意味では見どころが少ないものの、トーナメントのレベル自体は7階級のなかでも随一。多くの熱戦が見られるはずだ。

【Aブロック】
田中志歩(環太平洋大2年)のベスト4進出がほぼ確実。朝飛真実(桐蔭学園高2年)と桑形萌花(夙川学院高1年)の高校生対決が2回戦で実現する可能性があり、その場合にはこれも面白いカードだ。

【Bブロック】
勝ち上がりの候補は西願寺里保(コマツ)。西願寺は2回戦で池絵梨菜(国士舘大4年)と当たり、ここを勝ち抜くと嶺井美穂(桐蔭横浜大3年)と安松春香(ALSOK)の勝者との対戦が濃厚。

【Cブロック】
朝飛七海(桐蔭横浜大1年)とヌンイラ華蓮(了徳寺学園職)が2回戦でマッチアップ。この試合の勝者がそのままベスト8に勝ち上がると思われる。勝ち上がり予想は朝飛。

【Dブロック】
前田奈恵子(JR東日本)、青柳麗美(環太平洋大3年)、新森涼(コマツ)、杉山歌嶺(桐蔭横浜大3年)と有力選手が詰め込まれた激戦区。勝ち上がりの予想は困難。

■ 78kg級 最大のトピックは髙山莉加の優勝なるか、梅木真美は準決勝で緒方亜香里とマッチアップ
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実力ナンバーワンの評もある髙山莉加

(エントリー26名)

グランドスラム大阪進出決定選手:濵田尚里(自衛隊体育学校)、佐藤瑠香(コマツ)
グランドスラム大阪出場権残枠:「2」

バクー世界選手権では濵田尚里(自衛隊体育学校)が優勝を飾ったものの、戦いぶりの不安定さを見る限りまだ絶対的な存在とは言い難い。アジア大会を制した佐藤瑠香(コマツ)も陣容の薄さを考慮すればシステム上代表権を得たに過ぎず、現状本階級は全員に等しくチャンスがある状況と言えるだろう。今大会に残されたグランドスラム大阪の出場枠は2つ、前述の2名にここに座る2名を加えた4名で、これから2年間(厳密には1年半)東京五輪の代表を争うことになる。

今大会における最注目ポイントは髙山莉加(三井住友海上)の優勝なるか。高山はマイラ・アギアール(ブラジル)に連勝するなど今年に入ってから一貫して素晴らしいパフォーマンスを見せており、純戦力では濵田を抑えてナンバーワンとの評もある。その意味では東京五輪の本命はむしろ髙山だと言うことも出来るだろう。今大会は組み合わせにも恵まれ、準決勝で当たる泉真生(山梨学院大4年)と梅津志悠(三井住友海上)の勝者以外に決勝までこれといった山場はなし。逆側の山を勝ち上がってくるであろう梅木真美(ALSOK)にも勝利して、勢いに乗ってグランドスラム大阪に乗り込みたい。

【Aブロック】
髙山莉加(三井住友海上)の勝ち上がりが確実。

【Bブロック】
勝ち上がり候補は泉真生(山梨学院大4年)。しかし、泉は初戦(2回戦)で松延祐里(JR東日本)、ベスト8で梅津志悠(三井住友海上)と戦わねばならないタフな組み合わせ。学生体重別団体での淀んだ戦いぶりを見る限り、途中での脱落は十分ありえる。

【Cブロック】
梅木真美(ALSOK)の勝ち上がりが濃厚。ベスト8でマッチアップする大学の後輩鈴木伊織(環太平洋大3年)に粘られる可能性はあるが、勝敗が揺れることはないだろう。

【Dブロック】
和田梨乃子(三井住友海上)と緒方亜香里(了徳寺学園)が2回戦で激突。和田は世界ジュニアを制すなど近頃成長著しいが、まだ緒方の相手は厳しいと見る。勝ち上がりは緒方。

■ 78kg超級 優勝候補は児玉ひかる、最大の山場は冨田若春との準々決勝
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世界ジュニアに優勝、再びシーンに戻って来た児玉ひかる

(エントリー29名)

グランドスラム大阪進出決定選手:朝比奈沙羅(パーク24)、素根輝(南筑高3年)
グランドスラム大阪出場権残枠:「2」

東京五輪の代表争いは、バクー世界選手権王者の朝比奈沙羅(パーク24)とアジア大会王者の素根輝(南筑高3年)に絞られたと見て間違いない。今大会で誰が優勝したとしても今年1年の国際大会での実績はないに等しく、残る2年(実質1年半)で序列を逆転することは難しいだろう。

優勝争いの軸は第1シードの稲森奈見(三井住友海上)に、世界ジュニア王者児玉ひかる(敬愛クラブ)と皇后盃2位の冨田若春(コマツ)の3名。最近の各選手の戦いを見る限りでは最有力は児玉だが、ベスト8で早くも冨田との対戦が組まれている。もちろんこれが序盤戦の最注目カード。Cブロックの陣容を見る限り、この試合の勝者がそのまま決勝に勝ち上がる可能性が高く、直接的にグランドスラム大阪の代表を決める試合と考えてよいだろう。

【Aブロック】
稲森奈見(三井住友海上)の勝ち上がりを予想。調子が万全であれば大きな問題なくベスト4まで勝ち上がるはずだ。

【Bブロック】
昨年の王者井上あかり(環太平洋大4年)の山。ベスト8で山部佳苗(ミキハウス)と橋本朱未(コマツ)の勝者を迎え撃つことになる。派手な勝ち方は難しいだろうが、試合運びと組み手の巧さから井上勝利と予想。

【Cブロック】
田知本愛(ALSOK)が欠場。山本沙羅(福井県スポーツ協会)の勝ち上がりを推したいところだが、近頃の山本のパフォーマンスの停滞を考えると難しいかもしれない。学生王者の秋場麻優(環太平洋大3年)がしぶとい柔道で勝ち上がるのではないだろうか。秋場は1回戦で藤原恵美(大阪府警察)の対戦が組まれており、ここが最初の山場。

【Dブロック】
実力者が詰め込まれた激戦区。児玉ひかる(敬愛クラブ)はベスト8までは無風だが、冨田若春(コマツ)は1回戦で井上舞子(淑徳大4年)、2回戦で井上愛美(JR九州)と戦った後、3回戦で児玉と対戦することになる。消耗具合も考慮して、ここは児玉の勝利と予想したい。

※ eJudoメルマガ版11月1日掲載記事より転載・編集しています。

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