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【eJudo’s EYE】ワールドツアー欧州シリーズ女子日本代表19人「採点表」

(2019年2月27日)

※ eJudoメルマガ版2月26日掲載記事より転載・編集しています。
【eJudo’s EYE】ワールドツアー欧州シリーズ女子日本代表19人「採点表」
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久々のタイトル獲得となった近藤亜美

男子に続き、グランドスラム・パリ(2月9日~10日)とグランドスラム・デュッセルドルフ(22日~24日)終了時点での、東京世界選手権女子日本代表候補選手の採点を試みたいと思う。評価の基準は、「自身がなし得る仕事をなしたかどうか」。寸評とともにお読み頂きたい。

文責:古田英毅/eJudo編集部

■48kg級

近藤亜美 6.0
評価:↑
成績:グランドスラム・パリ優勝


全試合一本勝ちで優勝。昨年5月のグランプリ・フフホト以来実に4大会を挟んで、久々のタイトルである。決勝では12月のワールドマスターズ決勝で「秒殺」を食らったディストリア・クラスニキ(コソボ)からこれぞ近藤という鮮やかな小内刈で一本勝ち。強敵との対戦はこの試合のみであったが、この「締め」の絵が何より良かった。準決勝までの対戦相手は一線級とは言い難かったが、講道館杯やグランドスラム大阪での「投げ切れず自信を失い、抑え切れず体力を失う」悪循環を考えれば次元の違う出来。アジア大会決勝以降どうしても噛み合わなかった歯車が、ようやくあるべきところに復した大会であった。この間の葛藤、これからのキャリアに決して無駄ではないはず。ただし、この沈下と復活がそれぞれ何を因にしてのものであるかは明確に言語化しておく必要があるかと思われる。近藤は天才肌、払腰一発が注目を浴びた時期もあったが、大きく言えばその特徴は技術そのものにはなく、曰く言語化しがたい「勝負強さ」をテコに出世した選手である。何を理由に沈んだのか、何を獲得することで復したのか、今大会、外野の目からは「速い寝技への移行」を志向していることは見て取れたが、これを繰り返して結果を出すうちにメンタルが復した、という観察を越えた、明確な技術的上積みを見出すことはできなかった。おそらくそれは内面にあるもの、本人の中では「これまでと違う」ポイントは明確になっているかと思われるが、今後安定した強さを発揮するため、この間の葛藤をキャリアに確実に生かすため、そしてとにかくこの復調を継続するため、しっかりした自己検証に期待したい。

遠藤宏美 4.0
評価:↓
成績:グランドスラム・パリ3回戦敗退


3回戦敗退。リオ五輪から3年連続世界大会で銅メダルを獲得しているガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)を相手に粘り強く戦っていたが、小外刈「技有」を奪われてシナリオ崩壊。残り3秒、飛び掛かって大内刈の形で作用足を畳に落とした瞬間に浮技一撃を食って一本負けを喫した。線が細く、小内刈と担ぎ技を軸に戦うクラシックな軽量級タイプの遠藤がパワー派揃う国際戦線で戦うには、徹底して状況を積み上げる必要がある。「指導」を先行することをベースに戦わないといけないわけだが、パワー派ガルバトラフにこれを壊されるともう追いかける術はなかった。良くも悪くも「破れ」の少ない柔道の構造の弱点を見せてしまったと言える。ガルバトラフはあまりの試合出場の多さゆえか、今シリーズは疲労が目立っていったいに不調。相手が悪かったというエクスキューズは今回に限っては成立し難い。粘り強く踏みとどまっていた代表戦線からは、これで実質脱落となった。

渡名喜風南 6.5
評価:↑
成績:グランドスラム・デュッセルドルフ優勝


圧勝。集中力高く、動き鋭く、隙を見せぬまま全試合一本勝ち。全ての試合、全ての局面で空間を支配し続け、ただの一瞬も相手に希望を与えなかった。水準以上の敵との対戦はこれまで日本勢に1勝8敗と分が悪い韓国の新1番手候補カン・ユジョン(※ただしこの1勝は2017年アジア選手権で渡名喜の反則負けで献上したもの。渡名喜が「技有」2つを先行しながら今でいう「ブリッジ一本」で逆転を許した)のみであったが、それがどうでもよくなるほどの、そして前々週の近藤亜美の感動的な復活Vが霞んでしまうほどの圧倒的な勝ちぶりであった。こちらは得意の寝技を生かすべく、「寝から立ち」への先鋭化という明らかな上積みもあった。決勝はカンから大内刈「技有」に引込返「一本」といずれも立ち際の技で相手を置き去り。ルール解釈での最前線である「寝から立ち」をもっとも効果的に使っているのはどうやら実は日本勢なのだが、この評価に大きく寄与したのがこの渡名喜の、寝と立ちの境目のない戦型であった。今シリーズにおける48kg級世界では頭一つ抜けた強さ、現在この階級はダリア・ビロディドの「一強」構図と見て間違いないのだが、実は「1(ビロディド)―1(渡名喜)―続くグループ」なのではないか、渡名喜はビロディドの存在なくばおそらく圧倒的な王者として君臨したであろう、思わずそう思ってしまうほどの素晴らしい強さであった。この先は、ターゲットが明確な状況で「自分のやりたいこと」を上積みするのではなく、「特定の相手を倒すための選択的行動」を的確に割り出し、実行する知性と遂行力の有無が問われる。

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※ eJudoメルマガ版2月26日掲載記事より転載・編集しています。

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