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【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第67回

(2018年12月17日)

※ eJudoメルマガ版12月17日掲載記事より転載・編集しています。
【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第67回
人間は、日々、それからそれへと継続的に生じてくる出来事に忙殺されている。始終そういう生活をしていると、目前のことにのみ追われて、全体の見渡しがつき難くなる。
eJudo Photo
嘉納治五郎師範(中央)
武徳殿にて
資料提供 公益財団法人講道館
copyright:Kodokan Judo Institute

※写真の無断転載および転用を厳に禁じます

出典:「夏期の柔道について」
柔道6巻8号 昭和10年8月 (『嘉納治五郎大系』2巻289頁)

「心」をあらわす立心偏「忄」に亡くす「亡」と書いて「忙しい」。
2018年も師走に入り、ますます忙しい日々を過ごしている読者の方が多いのではないでしょうか。そんな皆様におくる今回の「ひとこと」です。

師走に限らず、目の前にやらなければならないことが多いと、そちらに労力や時間を割いてしまいます。それが本当に大切なことなら良いのですが、やならければいけないからと言って必ずしも重要なものとは限りません。1日の終わりに「今日は朝からずっと忙しかったけど、何をしたかと言うと・・・」ということがありませんか。

他の人からの依頼など予定外のことに対応しているときに起こりがちなことです。相手の都合にあわせて、その都度対応しているうちに、本当にするべきこと、したいことが出来なくなる。それが積み重なっていくとどうなるでしょうか。
 <その時々の処置は誤らないにしても、大局から見ると間違ったことをするようになる>と師範は言います。そして、そのようなことにならないためにも<方針を定め、それに基づいて、その時々の仕事を進める>ように師範は続けます。

この<方針を定める>。日々、忙殺されている人はそんな暇ないと思われるでしょう。実際、師範は長期にわたる夏期休暇において、方針を定めるよう述べています。では、方針を定めるのは夏期休暇のみなのでしょうか?筆者は、ここでいう夏期休暇の間に方針を定めるというのは、見直しも含んでいるのではないかと思います。つまり4月なり1月なりに立てた方針に対して、問題がないか等をチェックして、何かあれば方針を改めて考え直す。つまり中間チェックみたいなものではないかと思います。

一度しかない人生です。有意義に過ごし「生まれ甲斐ある人」になるためには、まさに日々精力善用することが必要です。そして、日々の努力が、一生の目的に繋がらなければなりません。そのために、「したいこと」と「したくないこと」、「やるべきこと」と「やらないこと」等を明確にし、線引きするための基準として方針を定める。これが非常に重要なことではないでしょうか。
忙殺された日々を全力で過ごすことも大切ですし、がむしゃらにすることにより生まれる結果があることも事実です。ですが、目前のことに追われて、本当に大事なことや、やりたいことを見失わないように、方針を定めると同時に、自分がその方向に向かっているのか、見直す時間も時々は設けたいものです。
 
2018年もそろそろ、終わりです。
1月に様々な抱負や計画を立てた人も多いでしょう。結果はいかがでしょうか?怠惰で達成出来なかった人は論外ですが、一生懸命すごしたのに、達成出来なかった人は、この目前のことのみ追われて、全体の見渡しがつかなかったためではないでしょうか。
 師走の忙しい日々ですが、本当の意味で、充実した日々を過ごすため、新しい年の方針を今から考えてみませんか。

※読みやすさを考慮して引用は『嘉納治五郎大系』から行っています。

著者:元 敏季(ハジメ・トシキ)
1975年生まれ。柔道は中学校から始め、大学までは競技を中心に行うが、卒業論文を機に柔道の文化的側面に関心を持ち、大学院へ進学。凡そ10年、大学院・研究機関に所属するも、研究とは異なる分野の仕事に就き現在に至る。ライフワークとして嘉納治五郎に関する史料を蒐集・研究し、その成果を柔道振興のため発信しようとしている。

※ eJudoメルマガ版12月17日掲載記事より転載・編集しています。

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