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【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第62回

(2018年9月24日)

※ eJudoメルマガ版9月24日掲載記事より転載・編集しています。
【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第62回
多くの人に零砕時間の利用の出来ないのは、一(ひとつ)はちょうどそれほどの短時間になし了(おわ)るべき適当の仕事を見いださないからである。
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嘉納治五郎師範
資料提供 公益財団法人講道館
copyright:Kodokan Judo Institute

※写真の無断転載および転用を厳に禁じます

出典:『青年修養訓』  明治43年12月 (『嘉納治五郎大系』7巻133頁)
 
前回の記事で、「精力善用」という理念が技の原理探求の成果と言われていることを紹介しました。ところが、あまり知られていませんが、「精力善用」にはもう1つのルーツがあります。
師範の学生時代、根詰めて勉強をしているように見えないのに、成績が良い友人がいたそうです。不思議に思い、その友人を観察したところ、ちょっとした空き時間を無駄にせず、上手に利用していることに師範は気づきました。そして、この出来事が後の「精力善用」成立に影響を与えたと書き残しています。

このような経緯も踏まえると、時間を無駄なく使う、ということも、当然「精力善用」に含まれるでしょう。日常生活において、たびたび発生する隙間時間をいかに使うかということも考えなければいけません。

にもかかわらず、僅かな時間を無駄にする人が多いと師範は述べますが、その理由を、短時間に終わる適当な仕事を見付けることが出来ないからとしています。目の前にあるのは、僅かな時間ですから、その時間を超えるような長時間かかることが出来ないのは当然です。
 では、どのような仕事が良いのでしょうか? 師範は連絡のない機械的な仕事を撰ぶのが良いと言います。連絡がない、つまりその時だけで完結する、なおかつあまり複雑ではないもの、と筆者は理解しています。ちなみに、師範は「新語の訳解・筆記物の整理・復習等」をあげています。

ただ、こういった仕事は、隙間時間が出来たときに「さぁ、何をしようか」と考えるようでは時間がなくなってしまいます。師範の言う<短時間で終わる仕事を見つけられない>状態です。
筆者自身は、緊急性はなく、短い時間で出来、役立つようなことをあらかじめ、いくつか選んでおき、それをリストとして持って歩いています。
師範はここまでは言っていませんが、隙間時間を活用する上で参考になればと思います。

僅かな時間でも有効に使うことを重要とする師範の思い、おぼろげながら伝わったと思うのですが、最後にもう一つ、師範の言葉を紹介して今回の「ひとこと」を終わりたいと思います。

せめて1日に1時間だけ(隙間時間を有効に使って:筆者註)多く利用することが出来るとすれば、50年の間に18000余時を得るわけで、その時間は、中学より大学を卒業するまでの授業時数よりもなお多いのである。


※読みやすさを考慮して引用は『嘉納治五郎大系』から行っています。

著者:元 敏季(ハジメ・トシキ)
1975年生まれ。柔道は中学校から始め、大学までは競技を中心に行うが、卒業論文を機に柔道の文化的側面に関心を持ち、大学院へ進学。凡そ10年、大学院・研究機関に所属するも、研究とは異なる分野の仕事に就き現在に至る。ライフワークとして嘉納治五郎に関する史料を蒐集・研究し、その成果を柔道振興のため発信しようとしている。

※ eJudoメルマガ版9月24日掲載記事より転載・編集しています。

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