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【バクー世界柔道選手権2018特集】予想通りの大混戦、藤原崇太郎は強豪少なき空白地帯に配されてベスト8進出濃厚・男子81kg級直前展望

(2018年9月22日)

※ eJudoメルマガ版9月22日掲載記事より転載・編集しています。
【バクー世界柔道選手権2018特集】予想通りの大混戦、藤原崇太郎は強豪少なき空白地帯に配されてベスト8進出濃厚
男子81kg級直前展望
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日本代表は藤原崇太郎

エントリーは65名。「概況×有力選手紹介」で示した予想からの、シード選手配置の変更はなし。

階級のトップグループがほとんど横一線に並び、大会の度に勝ったり負けたりを繰り返している本階級。絶対的な強者の不在、各選手の実力が伯仲していること、そもそも強豪の数が非常に多いことなどの理由により、他階級に比べるとシード枠の重要性はあまり高くない。その一方でドロー結果がトーナメントに与える影響は非常に大きく、同じメンバーで抽選をやり直しただけで全く違う大会になると言っても過言ではないだろう。

ドローの結果、有力選手は比較的均等に分散。プールCの密度が低いものの、全体としては非常にバランスのとれたトーナメントが組まれることとなった。戦力的な分布としてはプールAのメンバーのレベルが最も高いように思われるが、プールBとプールDはその分有力選手の「数」が多く、全体としての勝ち上がり難度は同程度と見る。相性から勝ち上がりをシミュレートしたところ今回は比較的シード選手に有利な組み合わせとなっており、陥落の可能性が高いのはプールDのドミニク・レッセル(ドイツ)くらい。ただし、「シード選手が優位で、事前予測においては陥落の可能性が低いと言わざるを得ない」のは普段のワールドツアーでも事情は同様、毎度その通りに進んでいないからこその「戦国時代」である。下記のプールごとの展望をご覧いただければ分かる通り、シナリオ分岐のポイントがあまりにも多く、この戦力拮抗の81kg級においては形上の序列(シード)が破綻することがむしろ前提。選手のコンディション次第で結果が大きく変わる可能性が高く、まずは序盤戦、各選手の調子の程に注目したい。

日本代表の藤原崇太郎(日本体育大2年)が置かれたプールCは前述の通り4つのプール中唯一の空白地帯、ベスト8までに対戦せねばならない相手も3回戦のアルファ=オウマ・ジャロ(フランス)に4回戦のサミ・シュチ(ベルギー)と他の山に比べればかなり戦いやすい組み合わせとなっている。直近の大会における藤原の戦いぶりを見る限り、準々決勝進出は極めて現実的なレベル。ここで対戦するフランク・デヴィト(オランダ)は階級屈指のパワ―ファイターだが戦術選択に難があり、ハイレベルな組み手技術を持つ藤原にとってはむしろ御し易い相手のはず。ここを勝ち上がり、ベスト4でリオデジャネイロ五輪王者のハサン・ハルモルザエフ(ロシア)に挑戦したい。

有力選手の配置、各プールのひとこと展望は下記。

【プールA】
第1シード:サイード・モラエイ(イラン)
第8シード:マティアス・カッス(ベルギー)
有力選手:エティエンヌ・ブリオン(カナダ)、アンリ・エグティゼ(ポルトガル)、ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)、イ・センス(韓国)、エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)

上側の山は強豪が高密度で詰め込まれた最激戦区。サイード・モラエイ(イラン)、エティエンヌ・ブリオン(カナダ)、アンリ・エグティゼ(ポルトガル)、ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)、イ・センス(韓国)らによってベスト8の僅か1枠が争われるという恐怖の山だ。4回戦の予想カードはモラエイ対イ。両者は8月のアジア大会でも対戦しており、その際はモラエイが勝利している。イは非常に完成度の高い韓国型の担ぎ技ファイターだが、地力があって組み際の勝負も得意としているモラエイの攻略は難しいはず。今回もモラエイの勝利と予想する。

下側の山からはマティアス・カッス(ベルギー)の勝ち上がりがほぼ確実。よって準々決勝のカードはモラエイ対カッス。昨年のグランプリ・ハーグではカッスが左一本背負投「一本」で勝利しているが、これはカッスがシニアに出始めた時期であり、相互に相手の情報を得た状況ではモラエイ有利と予想する。

【プールB】
第4シード:オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)
第5シード:アスラン・ラッピナゴフ(ロシア)
有力選手:エドゥアルド=ユウジ・サントス(ブラジル)、アレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)、イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)、アントニオ・エスポージト(イタリア)、ヴェダット・アルバイラク(トルコ)、スルジャン・ムルヴァイエヴィッチ(モンテネグロ)

こちらも上の山に有力選手が集中。まずは2回戦でオトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)とエドゥアルド=ユウジ・サントス(ブラジル)、3回戦でアレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)とイヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)の対戦が組まれており、4回戦はこのそれぞれの勝者によって争われる可能性が高い。勝ち上がりの第一候補はオトゴンバータル。このなかでは地力で頭一つ抜けており、柔道のスタイルも事故の少ない寝技を主体としたもの。安定感の高さからも、事前予測としての「推し」は妥当かと思われる。

下側の山はアスラン・ラッピナゴフ(ロシア)とヴェダット・アルバイラク(トルコ)の一騎打ちと言って良い状況。スルジャン・ムルヴァイエヴィッチ(モンテネグロ)は既にピークを過ぎておりアルバイラクの相手にはならないだろう。アルバイラクは腰技系の選手であり、このタイプを得意とするラッピナゴフ勝利と予想したい。

よって準々決勝はオトゴンバータル対ラッピナゴフ。後の先狙いのラッピナゴフは圧殺が主戦武器であり、手数戦法のオトゴンバータルとは相性が悪いと思われる。ここはオトゴンバータルの勝利と予想したい。

【プールC】
第2シード:フランク・デヴィト(オランダ)
第7シード:藤原崇太郎(日本体育大2年)
有力選手:モハメド・アブデラル(エジプト)、アルファ=オウマ・ジャロ(フランス)、サミ・シュチ(ベルギー)

ベスト8のカードはフランク・デヴィト(オランダ)対藤原崇太郎(日本体育大2年)と予想。デヴィトは4回戦で同タイプのモハメド・アブデラル(エジプト)との対戦が予定されており、勝敗が揺れるとすればここ。デヴィトと藤原の内容予想については全体の展望を参照されたい。

【プールD】
第3シード:ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)
第6シード:ドミニク・レッセル(ドイツ)
有力選手:ロビン・パチェック(スウェーデン)、ディダル・ハムザ(カザフスタン)、ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)、シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)、アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)、サギ・ムキ(イスラエル)、ジャック・ハットン(アメリカ)

ベスト8への勝ち上がり候補はハサン・ハルモルザエフ(ロシア)とサギ・ムキ(イスラエル)。ハルモルザエフは初戦(2回戦)でロビン・パチェック(スウェーデン)、3回戦でディダル・ハムザ(カザフスタン)、4回戦でヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)と息つく暇なく有力選手と対戦することとなるが、ペナウベルまでの2名は正直なところ小粒。それほど消耗するとも思われず、ペナウベル戦でも実力差を正しく反映する形で勝利出来るはずだ。

下側の山のムキは初戦(2回戦)でアッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)とマッチアップ、ウングヴァリは昨年好調だったが今年は8月のグランプリ・ブダペストにしか出場しておらず、かつそこでのパフォーマンスも決して良いものではなかった。まずムキが敗れることはないだろう。となればシード選手ドミニク・レッセル(ドイツ)との試合が唯一の山場だが、組み手と後の先が戦術の主体であるこの選手は、両袖で左右の袖釣込腰を仕掛けられるムキにとって戦い難い相手ではないはず。試合巧者のムキ勝利を推す。

よって準々決勝のカードはハルモルザエフとムキ。地力の差からハルモルザエフ勝利と予想する。この選手はケンカ四つを得意としており、右組みのムキは戦い易い相手のはず。ムキが両袖の形を徹底出来るようであれば、僅かだがアップセットの可能性もあるだろう。

※ eJudoメルマガ版9月22日掲載記事より転載・編集しています。

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