PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

【バクー世界柔道選手権2018特集】18歳阿部詩がオール一本勝ちで初優勝、決勝は志々目愛との日本人対決を制す・バクー世界柔道選手権2018女子52kg級即日レポート

(2018年9月21日)

※ eJudoメルマガ版9月21日掲載記事より転載・編集しています。
【バクー世界柔道選手権2018特集】18歳阿部詩がオール一本勝ちで初優勝、決勝は志々目愛との日本人対決を制す
バクー世界柔道選手権2018女子52kg級即日レポート
→特設ページ・バクー世界選手権2018完全ガイド

文責:古田英毅/eJudo編集部
Text by Hideki Furuta

eJudo Photo
初優勝を決めた阿部詩は18歳。昨日17歳で優勝したダリア・ビロディドに続いて、女子は2日連続で十代のチャンピオンが誕生することとなった。

eJudo Photo
決勝、阿部詩が志々目愛から内股「一本」。

アゼルバイジャン・バクーで行われている世界柔道選手権2018、競技日程2日目の21日は男子66kg級、女子52kg級の男女それぞれ1階級の競技が行われ、52kg級は阿部詩(夙川学院高3年)が初優勝した。66kg級では兄の阿部一二三(日本体育大3年)が連覇を決めており、日本勢初の世界選手権兄妹同時優勝となった。

阿部詩、この日の出来は抜群。組み合わせにも恵まれた序盤戦はカロリナ・ピンコフスカ(ポーランド)を43秒の右袖釣込腰「一本」、ファビアン・コッヒャー(スイス)からは内股「技有」に1分27秒の右袖釣込腰「一本」、ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)をいわゆる「舟久保固め」から1分20秒崩袈裟固「一本」と早い時間での勝利を連発。しかし圧巻はむしろ難敵とマッチアップしたこれ以降で、準決勝では面倒なアモンディーヌ・ブシャー(フランス)が潰れたところからの立ち際を狙い、木村政彦ばりの腕緘。このまま内腿を蹴って回す「腕緘返し」の形で3度回して「参った」を引き出し僅か26秒の「一本」。決勝では前年度王者の志々目愛(了徳寺学園職)をGS延長戦の末に鮮やかな内股「一本」で斬り落とした。

投げ一発の強さを売りに出世した阿部であるが、この日は寝技でも極めてテクニカルなフィニッシュホールドを連発。立って良し寝て良しの完成度の高さはもちろん、高校3年生にして「成長を続けないと生き残れない」と引き出しを増し続ける、その意識の高さが際立つ勝利だった。

志々目も決勝までは水準以上の出来。組み合わせは阿部よりも厳しかったが、トーナメント最大の山場と目された準々決勝のナタリア・クズティナ(ロシア)戦を内股「技有」で勝ち切る。準決勝もこの日好調で「表」の目で現れたエリカ・ミランダ(ブラジル)を内股「技有」で下したが、阿部の勢いの前に屈した格好。決勝は阿部のフィールドである両袖の絞り合いに敢えて突っ込んで小外刈を狙ったが、阿部が「指導3」による勝利を取り消されて動揺したチャンスの時間帯に勝負し切れず。立ち直った阿部の内股一撃を食って王座から陥落した。

3位にはブシャーとミランダ、いずれも阿部に敗れた2人が入賞。ブシャーは3位決定戦でシャーリーン・ファンスニック(ベルギー)を唯一最大の得意技である肩車に捉え「技有」を得てメダル獲得。ミランダは同国の後輩ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)を僅か18秒の片手絞「一本」で下した。

日本勢2人以外では今大会最強と目されたクズティナは志々目に敗れて回った敗者復活戦でファンスニックに敗退。大枠優位に試合を進めていたが中盤腰車で崩され「技有」失陥、以降は追いかける立場にも関わらずこれが最大の武器とばかりに隅返を繰り返すばかりで相手にとっては脅威レベル低し。変わらぬ膂力の強さは示したが、全試合通じて状況に応じた戦術を採れない、融通の利かなさが印象に残った大会だった。

入賞者、阿部詩選手のコメントと全試合の結果、メダルマッチ3試合および日本代表選手全試合の戦評は下記。

eJudo Photo
52kg級メダリスト。左から志々目、阿部、ミランダ、ブシャー。

【入賞者】
(エントリー45名)

1.ABE, Uta (JPN)
2.SHISHIME, Ai (JPN)
3.MIRANDA, Erika (BRA)
4.BUCHARD, Amandine (FRA)
5.PEREIRA, Jessica (BRA)
6.VAN SNICK, Charline (BEL)
7.PRIMO, Gefen (ISR)
8.KUZIUTINA, Natalia (RUS)

阿部詩選手のコメント
「自分が一番の目標にしていた世界一だったので、すごく嬉しいです。(―決勝は途中で相手に「指導3」が入った場面がありました)あそこで終わったと思ってちょっとホッとしてしまったのですが、すぐに切り替えなければと思って戦いました。(―内股が決まった瞬間はどうでしたか?)今年一番嬉しかったです。(―兄妹での優勝について)自分の優勝もそうなのですが、この大会は2人で優勝することが目標だったので、すごく嬉しいです。(―お兄さんの準決勝は見ていた?)見ていてひやひやしました。決勝に上がることが決まってからは、自分が先に優勝して勢いをつけようと思って頑張りました。(―日本に帰ったら何をしますか?)1週間くらい休みます(笑)」

【1回戦】
ウー・シュウゲン(中国)○合技[内股透・崩上四方固](3:15)△ツイ・シュクキ(香港)
ユリア・カザリナ(ロシア)○合技[袖釣込腰・小内返](1:53)△パク・ダソル(韓国)
オデッテ・ジュッフリダ(イタリア)○不戦△クリスティン・ヒメネス(パナマ)
カロリナ・ピンコフスカ(ポーランド)○優勢[技有・大内刈]△アナ・ペレス=ボックス(スペイン)
ファビアン・コッヒャー(スイス)○崩上四方固(2:49)△エカテリーナ・グイカ(カナダ)
チュイ・ングエン(ベトナム)○GS反則[指導3](GS0:44)△エモケ・クネティグ(ハンガリー)
アンドレア・キトゥ(ルーマニア)○合技[小外掛・袈裟固](2:41)△ブリリス・ガマラ=カルバハル(ペルー)
レカ・プップ(ハンガリー)○GS技有・外巻込(GS0:59)△ベティーナ・テメルコワ(イスラエル)
マリアナ・エステヴェス(ポルトガル)○袈裟固(2:14)△サリマタ・フォファナ(コートジボワール)
イレム・コルクマズ(トルコ)○合技[大外刈・上四方固](3:30)△クセニヤ・ダニロヴィッチ(ベラルーシ)
カトリ・カッコ(フィンランド)○GS技有・小内巻込(GS0:13)△ジャミラ・シウバ(カーボベルデ)
ペトラ・ナレクス(スロベニア)○優勢[技有・隅返]△イム・ソンシム(北朝鮮)
チェルシー・ジヤイルズ(イングランド)○崩上四方固(1:20)△ブヤンヒシグ・プレヴスレン(アゼルバイジャン)

【2回戦】
アモンディーヌ・ブシャー(フランス)○合技[内股・浮落](1:56)△ウー・シュウゲン(中国)
ヨアナ・ラモス(ポルトガル)○外巻込(3:10)△マデレーヌ・ルビンスタイン(ノルウェー)
アンジェリカ・デルガド(アメリカ)○反則[指導3](3:37)△ユリア・カザリナ(ロシア)
ジェファン・プリモ(イスラエル)○小外掛(3:13)△オデッテ・ジュッフリダ(イタリア)
阿部詩○袖釣込腰(0:43)△カロリナ・ピンコフスカ(ポーランド)
ファビアン・コッヒャー(スイス)○反則[指導3](3:24)△ファティマ=ザーラ・エル=コラチ(モロッコ)
ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)○崩上四方固(1:24)△チュイ・ングエン(ベトナム)
ティンカ・イーストン(オーストラリア)○優勢[技有・背負投]△ガンボルド・ガンツェツェグ(モンゴル)
ナタリア・クズティナ(ロシア)○優勢[技有・大腰]△アンドレア・キトゥ(ルーマニア)
エヴェリン・チョップ(スイス)○GS技有・大内刈(GS0:06)△レカ・プップ(ハンガリー)
志々目愛○合技[内股・袈裟固](1:15)△マリアナ・エステヴェス(ポルトガル)
アガタ・ペレンク(ポーランド)○GS上四方固(GS1:09)△イレム・コルクマズ(トルコ)
エリカ・ミランダ(ブラジル)○合技[外巻込・大内刈](2:36)△カトリ・カッコ(フィンランド)
ペトラ・ナレクス(スロベニア)○大内刈(2:35)△ジャシラ・フェレイラ(モザンビーク)
シャーリン・ファンスニック(ベルギー)○合技[隅返・袖釣込腰](1:49)△チェルシー・ジヤイルズ(イングランド)
ビシュレルト・ホルロードイ(モンゴル)○合技[浮技・横四方固](1:54)△グルノザ・ジエワ(ウズベキスタン)

【3回戦】
アモンディーヌ・ブシャー(フランス)○反則[指導3](3:46)△ヨアナ・ラモス(ポルトガル)
ジェファン・プリモ(イスラエル)○優勢[技有・浮落]△アンジェリカ・デルガド(アメリカ)
阿部詩○袖釣込腰(1:27)△ファビアン・コッヒャー(スイス)
ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)○GS腕挫十字固(GS0:36)△ティンカ・イーストン(オーストラリア)
ナタリア・クズティナ(ロシア)○一本背負投(1:01)△エヴェリン・チョップ(スイス)
志々目愛○合技[大内刈・内股](2:48)△アガタ・ペレンク(ポーランド)
エリカ・ミランダ(ブラジル)○反則[指導3](2:51)△ペトラ・ナレクス(スロベニア)
シャーリン・ファンスニック(ベルギー)○優勢[技有・浮技]△ビシュレルト・ホルロードイ(モンゴル)

【準々決勝】
アモンディーヌ・ブシャー(フランス)○優勢[技有・肩車]△ジェファン・プリモ(イスラエル)
阿部詩○崩袈裟固(1:20)△ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)
志々目愛○優勢[技有・内股]△ナタリア・クズティナ(ロシア)
エリカ・ミランダ(ブラジル)○合技[抱分・内股](1:27)△シャーリン・ファンスニック(ベルギー)

【敗者復活戦】
ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)○優勢[技有・内股]△ジェファン・プリモ(イスラエル)
シャーリン・ファンスニック(ベルギー)○優勢[技有・腰車]△ナタリア・クズティナ(ロシア)

【準決勝】
阿部詩○腕緘(0:26)△アモンディーヌ・ブシャー(フランス)
志々目愛○優勢[技有・内股]△エリカ・ミランダ(ブラジル)

eJudo Photo
3位決定戦、エリカ・ミランダの片手絞「一本」。

eJudo Photo
ムラ気で一時は代表離脱すら噂されたブシャーは、48kg級で参加した2014年チェリャビンスク大会以来の銅メダル獲得。

【3位決定戦】
エリカ・ミランダ(ブラジル)○片手絞(0:18)△ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)
ミランダが左、ペレイラが右組みのケンカ四つ。開始直後、ミランダは釣り手で背中、引き手で襟を確保。股中の左体落でペレイラを伏せさせるとすかさず脚を抱えて「腰絞め」に移行する。完璧に絞めが入ってペレイラすぐさま「参った」を表明。試合時間僅か18秒、ミランダが3位入賞を決めた。

アモンディーヌ・ブシャー(フランス)○優勢[技有・肩車]△シャーリン・ファンスニック(ベルギー)
ブシャーが右、ファンスニックが左組みのケンカ四つ。試合が始まるなりブシャーが両手で袖口を持っての右背負投を仕掛けるが、技が抜けて自ら伏せてしまい「待て」。この試合、ファンスニックは片手状態が得意なブシャーを警戒し、一度両襟の右相四つで組み合ってから左組みにスイッチする手順を徹底。20秒過ぎからは右相四つで袖を絞り合う膠着状態が続く。1分3秒、ファンスニックが左釣り手を奥襟に持ち替えたタイミングでブシャーが横移動から送足払。ポイントには至らなかったが、ファンスニックの体が一瞬中に浮く強烈な一撃。これに焦ったファンスニックは続く展開で相手の釣り手方向に横移動しなが両手で前傾しながら組み付くミスを犯す。懐にポッカリと空間が生まれ、かつ力の方向は肩車で投げるべき釣り手側。ブシャーがこれを見逃がすはずもなく、1分21秒、得意の肩車に潜り込み「技有」。さらに1分38秒にも同様の形から肩車を仕掛けて相手を畳に這わせ、試合は一方的なブシャーの流れ。しかし試合時間2分を超えるあたりからファンスニックが冷静さを取り戻しはじめ、2分9秒には左釣り手で相手の背中深くを抱えて思い切り浮技を放つ。ブシャー大きく崩れて伏せ「待て」。この技を受けたブシャーは以降慎重になり、2分58秒には取り組まない咎による「指導」失陥。どうやら流れを掴んだファンスニックは加速。3分10秒には左釣り手で背中越しに帯を得て再度の浮技、ブシャーは空いている右手を畳に突いて辛うじて失点を回避する。しかし結局この技がファンスニック最後の見せ場。以降はブシャーの厳しい組み手の前に距離を詰めることが出来ず、そのまま試合終了を迎える。今季好調のブシャーが3位を確保。

eJudo Photo
決勝、阿部の内股「一本」

【決勝】
阿部詩○GS内股(GS0:53)△志々目愛
阿部が右、志々目が左組みのケンカ四つ。阿部がいきなり右袖釣込腰、かわした志々目が左内股で応じ、僅か5秒の間に双方が得意技を出しあうというロケットスタート。
以後序盤は阿部が優勢、引き手を抱き込んで志々目に半ば右組みを強いては、右袖釣込腰を放って投げに掛かる。1分4秒志々目に消極的との咎で「指導」、続くシークエンスでは片襟の咎で「指導2」が与えられる。
1分40秒過ぎから志々目が釣り手で袖を絞り込み、阿部が応じて両袖で止め合うこととなる。主審2分11秒に試合を止めて、双方に袖口を絞り込んで膠着した咎で「指導」を宣告。これで阿部は「指導1」、志々目は「指導3」。阿部思わず拳を握りしめるが、主審はこれが試合を決める反則裁定であることを失念していた模様。インカムを通じて副審と相談し、志々目の側への反則を取り消す。この絞り合いを誘引したのは志々目の側であり、不可解な裁定。
このあたりから志々目が釣り手で袖を絞り込んでは左小外刈を放ち、様相にやや変化あり。いったん勝利を確信してしまった余韻が体に残るのか阿部は組み手の形が甘くなり、志々目の内股を食いかねない中途半端な位置関係で構える時間帯が増え始める。平素両袖ではあまり技がない志々目であるが、どうやらこの袖を絞っての左小外刈を武器として懐に呑んで来た模様。試合はそのままGS延長戦へ。
延長戦も志々目が袖を絞り、絞り合いからの技が得意な阿部の技が意外に効かずというこの構図が続くが、GS56秒に様相一変。阿部が組み際に引き手で袖、釣り手で肩の内側を引っ掴んで右内股に打って出る。作用足をまず股中に差し入れ、次いで軸足を送り込むと作用足を高く跳ね揚げる二段攻撃。釣り手を体落様に畳んだ強烈な一撃、志々目はまず垂直に上がり、次いで回旋しながら畳に落ちる。動作の起こりから決めまでまさに一瞬、主審が高々右手を挙げて「一本」を宣告。阿部は世界選手権初優勝。

eJudo Photo
2回戦、阿部がカロリナ・ピンコフスカから袖釣込腰「一本」

eJudo Photo
3回戦、阿部がファビアン・コッヒャーから袖釣込腰「一本」

【日本代表選手勝ち上がり】

阿部詩(夙川学院高3年)
成績:優勝


[2回戦]
阿部詩○袖釣込腰(0:43)△カロリナ・ピンコフスカ(ポーランド)
開始早々ピンコフスカが巴投で一旦展開を切るが、以降はほとんど抵抗なし。阿部は引き手で袖を抱き込むと、釣り手で浅く袖を掴んで右袖釣込腰。背負投様に肘を曲げて深さを確保、綺麗に投げ切って「一本」。

[3回戦]
阿部詩○袖釣込腰(1:27)△ファビアン・コッヒャー(スイス)
阿部が右、コッヒャーが左組みのケンカ四つ。開始早々掛け潰れたコッヒャーに偽装攻撃の「指導」。コッヒャーは手先を交互に繰り出し、さらに「ケンカ四つクロス」からの組みつぶしを企図してと完全な粘戦志向。阿部落ち着いてまず釣り手で袖を絞り落とし、引き手を得ると釣り手を高く引き上げて右内股、しっかり決め切って1分9秒「技有」。
コッヒャーは下から右のアッパー、上から左のスイングの形で腕を振って組み手の一手目を優位に進めんとするが、阿部巧みに両袖を得ると打点高く右袖釣込腰。背を反らして耐える相手としばしの我慢比べの末、思い切り投げ切って「一本」。

[準々決勝]
阿部詩○崩袈裟固(1:20)△ジェシカ・ペレイラ(ブラジル)
両者右組みの相四つ。開始19秒、双方が両袖を絞り合う形から阿部が相手に絞らせたまま両袖の右内股を仕掛けて先手を取る。40秒、阿部がまず引き手、次いで釣り手で袖を捕らえて腰を入れるとペレイラは膝を着いて過敏に反応。阿部はそのまま押し込んで正面に着くとすかさず寝技に移行。素早く腹包みで捲り、いわゆる「舟久保固め」で20秒を抑え切って一本勝ち。阿部、隙を見せずに準決勝進出決定。

[準決勝]
阿部詩○腕緘(0:26)△アモンディーヌ・ブシャー(フランス)
阿部が左引き手で右袖をがっちり握ると、ブシャーは明らかに嫌気して切り離しに掛かる。しかし阿部はあくまで離さず、右袖釣込腰に入らんと腕を纏めるとブシャー怖がって潰れる。阿部はその立ち際に食いつき、腕を捉えて「腕緘返し」。相手の腕が伸びて引込返としては間合いが遠かったが、阿部はあくまで肘を極めにいくことで相手を逃がさず。腕を固めての引込返というよりは回転しながらの腕緘、ブシャーの腕を伸ばし極めたまま内腿を蹴って回転し続け、3度回したところで縦四方固。この際肘がガッチリ極まり、ブシャー間を置かず「参った」。僅か26秒で試合終了。

[決勝]
阿部詩○GS内股(GS0:53)△志々目愛(日本)
※前述のため省略

eJudo Photo
準決勝、志々目がエリカ・ミランダから内股「技有」。突然眼前からその姿が消えうせたかのような高速の一撃だった。

志々目愛(了徳寺学園職)
成績:2位


[2回戦]
志々目愛○合技[内股・袈裟固](1:15)△マリアナ・エステヴェス(ポルトガル)
志々目が左、エステベスが右組みのケンカ四つ。志々目11秒に左内股、揚がった高さ自体で相手が崩れた体、そのまま押し込んで「技有」。28秒にエステベスが釣り手で背中を叩くと志々目左内股で迎え撃って崩し、そのまま寝勝負に持ち込んで以降は二度と立たせず。絡まれた脚を引き抜いて崩袈裟固、さらに袈裟固と歩を進めて合技「一本」。

[3回戦]
志々目愛○合技[大内刈・内股](2:48)△アガタ・ペレンク(ポーランド)
志々目が左、ペレンク右組みのケンカ四つ。志々目はまず左内股、続いてケンケンの左小外刈で突進するが勢いつきすぎたか畳から足が離れてしまい、場外際でペレンクが右背負投を合わせると逆側に抜け落ちる形で崩れる。10秒ほど試合が継続したところで映像チェックが入り、これはペレンクの「技有」。この時点での経過時間は31秒。
リードを得たペレンクは巴投に潰れ、左一本背負投でぶらさがって早くも時間消費の逃げ切り態勢。志々目しかし落ち着いて組み手を作り、相手を下げながら無造作に左内股。足を差しこむなりケンケンで追うと3歩追わぬうちにペレンク左後隅に崩落、1分19秒「技有」。1分41秒にはペレンクに偽装攻撃の「指導」。志々目は左小外刈で追い詰めてプレッシャーを掛け、2分45秒には左内股。今度は時計回りに回旋を呉れ「技有」、合技「一本」で試合終了。

[準々決勝]
志々目愛○優勢[技有・内股]△ナタリア・クズティナ(ロシア)
志々目が左組み、クズティナは本来右組みで左技を仕掛ける選手だが、志々目対策かこの試合はほとんど全ての場面で左に組んで対峙。クズティナが隅返に右大腰で攻め、一方の志々目はしっかり袖を掴んでまず組み手の優位確保を目指す。50秒、志々目が袖を織り込んでクズティナを場外に送り出すが、志々目の側に袖口を絞り込んだ咎で「指導」。続いて1分14秒にはクズティナに首抜きの「指導」、さらに1分38秒には双方に「取り組まない」咎で「指導2」が与えられ早くも場が煮える。クズティナは背中を抱えて、あるいは脇下を絞り込んで隅返に引込返と捨身技を狙うが、2分39秒左構えで組み付いた瞬間カウンターで志々目の左内股が閃き「技有」。以後志々目は両袖に持ち込んで、相手の足元を蹴り崩すことを徹底。クズティナの突進を止め、隅返には左小内刈を合わせて譲らず。そのままタイムアップまで辿り着く。

[準決勝]
志々目愛○優勢[技有・内股]△エリカ・ミランダ(ブラジル)
志々目、ミランダともに左組みの相四つ。志々目やり取りの中で組み手を作ると素早く左内股。外から見ている立場からも「突如視界から志々目が消えた」と戸惑う鋭さ、一瞬で志々目の頭は畳スレスレ、その足は天井へ。ミランダは対応出来ずひっくり返り、32秒「技有」。以後志々目は引き手で脇を突き、折を見てのケンケン内股や大内刈で無理せず追加点のチャンスを探る。やや相手を見過ぎたか1分57秒には「指導」失陥、3分7秒には「取り組まない」咎で「指導2」を失うが大勢には影響なし。残り34秒に寝勝負に持ち込むと「舟久保固め」で捲り返す。柔術の心得がある模様のミランダは自らの足を手で握って深く絡みつくが、リードを得ている志々目にはかえって好都合。このまま時間を使い、「待て」が掛かったときには残り時間2秒。再開とほぼ同時に「それまで」が宣せられて、志々目の決勝進出が決まった。

[決勝]
志々目愛△GS内股(GS0:53)○阿部詩(日本)
※前述のため省略

※写真は権利者の許諾を得て掲載しています

→特設ページ・バクー世界選手権2018完全ガイド

※ eJudoメルマガ版9月21日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.