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アジア大会柔道競技2018・日本代表全選手採点表

(2018年9月18日)

※ eJudoメルマガ版9月18日掲載記事より転載・編集しています。
アジア大会柔道競技2018・日本代表全選手採点表
eJudo編集部・評

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73kg級は大野将平が優勝

【個人戦】

60kg級 志々目徹 5.0
残念ながら優勝以外に「実」のない大会、そして立場での金メダル逸では内容を超えて高い評価は出来ない。ベテランの志々目がアジア大会「銀」で得られるものは決して多くはないのだ。大会初日に全体の流れを作るような覇気のある試合が出来なかったことも(これは志々目の戦い方の特徴でもあるので少々厳しい評価ではあるが)、残念。

66kg級 丸山城志郎 5.0
絶対に勝たねばならない大会だったが、アン・バウルとの決勝は力を出す前に集中力を欠いて「ポカ負け」。大学の先輩大野将平はここぞの勝負では全方位的に隙を埋め、良いところを出す以上に実は「ミスをしない」極めて厳しい戦いを自身に課している。技一撃の強さという相似の特徴を持つ丸山であるが、大野から学ぶべきはむしろこちらではないだろうか。丸山が勝利すれば以降の男子代表の戦いの流れはまったく変わった可能性もあり、相当に残念な一番だった。阿部一二三のライバル養成が必須課題である日本代表にとっても非常に痛い一敗

73kg級 大野将平 7.0
リオデジャネイロ五輪後もっとも大事な大会で、過たず以後もっとも高いパフォーマンスを披露。「わかっている」としか言いようがない。アン・チャンリンとの決勝では総試合時間11分を越える試合を、畳にしがみつくような粘りで戦い切った。互いに疲労し切った延長戦、アンは幾度も波状攻撃的に山場を作りに来たが、大野は都度体の芯から力を引っ張り出すような大技で投げに掛かってあくまで譲らず。これが単に「アジアのタイトル」を決める試合ではなく東京五輪に向けた最大の分岐点であること、勝たねば以後の舞台が不利になるどころか五輪後ここまでの来歴までも込みで「負債」を抱えて批判されかねない自身の立場、眼前の敵であるアンが世界選手権にも出場する代表争いの「水準点」になり得る存在であること、全てを理解し切った上で、「要領よく勝とうとすれば全てを失ってしまう」「死力を尽くさねばならない」と論理的に結論づけた、そういう戦いだった。審判の拙さにより勝負を伸ばされた上、決着の「技有」判定が物議をかもすこととなったがこれは本人の責任ではまったくない。勝利の価値は比類なし。

81kg級 佐々木健志 4.0
長所を出そうとした結果の捨身技「自爆2連発」。これぞ佐々木らしさの発露とポジティブに見ることももちろん出来るであろうがそれはそれ、完全な格下相手に、それも連敗を喫してアジアの5位という事実は重い。アクシデントは常にありうるものだが、失敗1回ならメダルに手が届く現行制度下で、前段の結果を踏まえた上で臨んだはずの3位決定戦でミスを段重ねした戦いぶりはまったくいただけない。こちらが理解する「佐々木らしさ」を、ちょっと振り切っていた。代表の中では若く、「やり直し」がきく立場であることが救い。思い切りの良さはそのままに、髙藤直寿のようなアクセルの踏み加減をコントロールできる選手に羽化してほしいもの。力は間違いなく世界のトップレベル、講道館杯からの出直しをしっかり栄養にしてほしい。

90kg級 ベイカー茉秋 5.0
左肩負傷の中、組み手の詰将棋とオートマティズムのみというほぼ「乱取り」状態の戦いできっちり3位入賞は立派。この状態でガク・ドンハンとあれだけの戦いが出来ることも驚異だが、それでも結果は結果である。ベイカーの実績と立場からすれば、物足りな過ぎると言わざるを得ない。まずはしっかり怪我を治してほしい。

100kg級 飯田健太郎 6.5
優勝はもちろん、難敵チョ・グハンという世界的な基準点をしっかり乗り越えたことで加点。チョが短躯のパワー型、かつ粘戦志向のダーティファイターという飯田がかねて苦手にしていたタイプであることも、成長を示すものとして大いに評価したい。審判が拙く決着までかなりの時間が掛かってしまったが、試合内容はほぼ一方的だった。最後に投げを決めれば完璧だったが、チョの思わぬ逆襲の可能性と縺れたときにどう裁くかわからない主審のレベルの低さを警戒したか、アクセル敢えて踏み込み過ぎず。これは無理からぬところか。

100kg超級 王子谷剛志 4.0
一発反則負けで畳を去り、以降の出場権も失ってメダルに手が届かず。レポートでも書かせて頂いた通り、主審のレベルが低いとわかっている状況で、しかもダーティファイトへのリテラシーが高い韓国チームのキム・スンミン相手に、それも組み負けて陣地を譲りながら「グレーゾーン」の袖釣込腰(片腕で、相手の腕を肩に掛ける)という選択は、それが「実際に極まっていたか」を超えた悪手。そこまでの戦いも一言で言ってパッとせず、世界選手権代表の2人を追撃するような内容ではなかった。

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57kg級決勝、玉置桃の「韓国背負い」が決まる。

48kg級 近藤亜美 5.5
48kg級は今大会の女子では唯一世界に通じるレベルの階級。優勝を逃したことで他選手と点数に差をつけることにはなってしまったが、ガルバトラフに勝っての2位という結果は相応に評価されるべきだし、決勝もどちらかというとジョン・ボキョンの出来が異常であったというアスペクトの方がより強かったように思われる。ただし、自身のチャンスの後のエアポケットに決定的な技の侵入を許したこと、そのあとの意外な引き上げ(泣いていた)と、近藤最大の長所である「勝負師」的な個性に揺らぎが見えたことは気に掛かる。実際にそうであることはもちろん「近藤は勝負師、絶対に油断出来ない」という外面的演出は、今度世界を戦う上で大きなアドバンテージになると思うのだが。階級と対戦相手のレベルの高さに配慮し、その上でこの点を割り引いての評価。

52kg級 角田夏実 6.0
優勝してしっかり仕事を果たした。今回のアジア大会の陣容ではこの点数はマックスに近い評価である。グランドスラム大阪に向けて態勢整った戦い。

57kg級 玉置桃 6.5
女子の他階級と違うのはまず、この階級に世界王者ドルジスレンが参加していたこと。直接対決こそなかったが、世界チャンピオンがエントリーした大会で優勝したことは高く評価されるべき。また、「ビハインドを投技で逆転」した決勝がこれまでの玉置を一段超える出来であったことも大いに買いたい。追撃が利くだけの作りと投げがあることを示したことは以後に向けて大きい。この点数は個人戦の評価だが、団体戦ではクォン・ユジュンに勝ち切っており、これも高く評価したい。世界王者いる中で優勝し、モチベーション下がりがちな団体戦で、専任で連れてこられた世界選手権表彰台クラスの選手に勝ち切る。躍進の大会であった。この後の展開次第では、芳田司を逆転することも十分あり得るのではと素直に思わされた。

63kg級 鍋倉那美 6.0
これも「しっかり優勝して仕事を果たした」という評価。序盤の「秒殺」の組み立ての粗さが気に掛かるところだが、これは実力差を踏まえて最短距離を選択したとこの段階では考えておきたい。陣容からして、評価としては最高点。

70kg級 新添左季 6.0
論理的な展開策と打開策に欠けるという課題は払拭出来ずも、しっかり優勝という結果は持ち帰った。地力はやはり図抜けていた。角田、鍋倉同様結果に対するマックスの点数である。

78kg級 佐藤瑠香 6.0
敵ゼロの大会。佐藤は全試合一本勝ちで優勝と出来ることをすべてやり遂げたが、相手のレベルに鑑みればやはりこれがマックスの評価である。キャリアを通じて勝負どころでことごとく勝ち切れない佐藤だが、これまで冬季の国際大会では様々なタイミングが嵌ってことごとく好成績。今回もこれで得た国内ランキングポイントをテコに「選ばないわけにはいかない」という体での選考、敵なき大会で優勝してあっさりグランドスラム大阪出場の権利も手に入れた。代表になり、世界大会で優勝して日本のグランドスラムで勝つという「第一人者優位のスパイラル」が用意されている現行制度であるが、一段下の「国際大会に出られる選手が優位で居続けられるスパイラル」に嵌っている面白い存在かもしれない。このアドバンテージに嵌っているという意味では、第一代表以上。

78kg超級 素根輝 6.5
しっかり優勝。世界選手権で表彰台以上の力を持つキム・ミンジョンを投げて勝ったことで加点。周囲の事情を受け入れての金鷲旗大会強行出場などここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかったが、今年度上半期最大のミッションをしっかり達成した。顔色変えず淡々勝利に歩を進めるその様、高校生とはとても思えない風格あり。ただし同時に、身長の低さという前提条件としてのハンデが絵としてはっきり見えた大会でもあった(現象面においては、今大会は「時間を食う」というレベルでの表出に留まったが)。分析力と思考力も高い素根、以後も今まで以上にしっかりこの点を踏まえて、以後の戦い方を確立してほしい。

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優勝の日本チーム

【団体戦】

舟久保遥香 6.0
2試合一本勝ちで結果としてはほぼ完ぺきな仕事。対戦相手のレべルは高くなかったが「しっかり力を出した」という評価になる。ピンチもあったが、獲れる力関係の相手は絶対に逃がさない寝技の取り味と安定感、という長所をきちんと見せてくれた大会だった。世界を戦う上では、キャリアの最後まで逃れられない「格上相手の戦い」にどういう解法を見出せるかが今後の課題。

田中志歩 6.0
2試合出場、2つの一本勝ち。対戦相手はいずれも強者ではなかったが、これもしっかり仕事を果たしたという評価になる。一段キャリアのレベルを引き上げんという、強化の期待に応えた大会だった。

山本沙羅 3.5
1戦1敗。相手は世界的な強者キム・ミンジョンではあるが、前日個人戦を決勝まで戦って肉体的にも精神的にも半ば「あがり」の相手に、それも双方「指導2」を失うという消耗戦で先に自分から膝を着いてしまうという終わり方は残念の一言。力関係はともかく、このためにわざわざ連れてこられた1試合、そして大「金星」対象のキム・ミンジョンが陥落寸前という状況にあって精神的な高揚が見られなかったことが勝ち負けを超えて決定的に残念。バックグラウンドの熱量の高さが試合に伝わらない、「不導体」タイプであるとの烙印を押されても仕方がない試合であった。女子重量級は毎年各学年あまねく相応の人材が輩出されているが「やさしい」「背景を背負って戦えない」選手がほとんどで、長い期間を掛けてほとんど淘汰されていく。強化が求めているのは技術的な仕上がりや体格的資質以上にこれを乗り越えるメンタルと知性のある存在のはず。その中にあって、代役とはいえこの晴れ舞台に抜擢を受けながら、この日本女子重量選手の弱点を「モロ出し」した山本の戦い方は、繰り返すがまことに残念。強化委員会がピックアップの責任を問われかねない(このあたりも理解して戦って欲しかった)内容と結果だった。

小林悠輔 5.5
ガク・ドンハン戦は常の判定ならば「指導3」で小林の勝ち。延長戦の「待て」の際にはガクが早々に負けを悟ってガックリ膝に手を置く一方的展開であった。審判の拙さで金星を逃した格好。他戦をしっかり勝ってチームに貢献した結果からも、ガク戦の素晴らしい内容からも高得点で報いたいところであるが、結果は結果ということでこの点数に留めた。

海老沼匡 5.5
これも小林と相似。アン・チャンリン戦は延長戦の「一本」失陥直前までは完全な海老沼ペース、いつ投げが決まってもおかしくなく「海老沼はこんなに強いのか」とあらためて唸らされた、むしろ評価が一段上がる内容であったが結果は結果である。チームへの多大な貢献(2勝という貢献はもちろん、大野が個人戦で大消耗したなか、海老沼という軸の存在は日本チームにとってまことに大きかった)とアン戦の好内容、そして勝負どころで一敗という厳しい事実を勘案すると、この評価は妥当かと思われる。

影浦心 6.0
最大の勝負どころである韓国戦で決勝点を挙げた、日本優勝の立役者。「キムがレギュレーションを勘違いしていた」「ゆえに意図的に消極試合を演じたのではないか」との評価がちらほら聞こえるが、影浦とキムの柔道的相性を考えれば試合内容はむしろ予想通り。キムとて勝てる相手と踏めば当然それに沿った行動を採ったはずで、あの試合は影浦の完勝。個人的には、キムがどう考えていたにせよ、あの試合の結果は変わらず結局影浦の勝利に終着したこと確実と勘違いしている。韓国の得点計算云々の主張を超えて、影浦は強かった。

※ eJudoメルマガ版9月18日掲載記事より転載・編集しています。

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