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知的障がい者柔道の全日本大会が初開催、力尽くした真剣勝負に大きな拍手・第1回全日本ID(知的障がい者)柔道選手権大会レポート

(2018年9月17日)

※ eJudoメルマガ版9月17日掲載記事より転載・編集しています。
知的障がい者柔道の全日本大会が初開催、力尽くした真剣勝負に大きな拍手
第1回全日本ID(知的障がい者)柔道選手権大会レポート
取材・文:林さとる

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Fリーグ第6試合、大浦敬汰が長谷川大智から豪快な右内股「一本」

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開会式に臨む選手たち

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休憩時間には選手、役員も参加してダンスで大盛り上がり

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試合終了後には観客役員が全員揃って記念撮影

第1回全日本ID(知的障がい者)柔道選手権大会が17日、日本文化大學立志館(東京都八王子市)で開催され、北は宮城から南は広島、年齢も16歳から49歳までと非常に幅広い層の総勢35名(男子29名、女子6名)が日頃鍛えた柔道の技を競い合った。

今大会は、昨年ドイツで第1回世界知的障がい者柔道選手権大会が行われたことをきっかけに、今年から新たに設立された知的障がい者柔道振興部会が中心となり、全柔連の主導のもと企画されたもの。前日の16日には交流練習会も開かれ、その際に行われたクラス分けに基づく計9つのクラスでリーグ戦が行われた。クラス分けは柔道の技能や体格などを総合的に判断して行ったとのこと。開会式では現在世界選手権のためにアゼルバイジャン入りしている山下泰裕全日本柔道連盟会長からのビデオレターが流され、「本大会は柔道を通じて友だちを作り、お互いを理解し、尊重し合うことによって新たな柔道の輪を作る大会。皆さんがいきいきと輝かれますことを、心から期待します。」とのエールが送られた。

大会はゲストである柔道芸人あいすけ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)のユーモアを交えた司会進行のもと終始和やかな雰囲気で進められ、休憩時間に行われた日本文化大の学生よるダンス披露では、選手やあいすけ、会場係が飛び入り参加でともにダンスを踊る一幕も見られた。試合でも健常者に引けを取らない良く練られた技が頻出するハイレベルな戦いが繰り広げられ、技が決まる度に会場に詰めかけた300人近い観客から歓声や拍手が送られた。

今大会のルールはIJFの現行ルールに、第1回世界知的障がい者柔道選手権大会の規定と前日に指導者との話し合いで決められた申し合わせ事項を加えたもの。国内初の試みとあって多少の混乱はあったものの、大きな問題はなく全日程の競技が行われた。今大会の主なルールの内容は下記。禁止行為があった場合にも即座に「指導」は与えられず、1回目は口頭での説明が行われ、2回目から「指導」が与えられる。

・試合時間は3分
・勝敗の決定基準は「一本」、「技有」、「指導」差2による僅差、旗判定
・捨身技、巻き込み技は禁止
・膝を着いた状態で相手を真後ろに倒すことは禁止
・寝技において関節技、絞技、三角技、頸部を圧迫するような固め技を施すことは禁止
・両膝が畳に着いた状態での投技、両袖を持っての投技、逆背負投、技を仕掛けたあとに相手の上に倒れることは禁止

山下泰裕・全日本柔道連盟会長と濵名智男・知的障がい者柔道振興部会長、優勝者3名のコメント要旨、入賞者と全試合の結果は下記。

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山下泰裕全柔連会長からのビデオレター

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濵名智男・知的障がい者柔道振興部会長

山下泰裕・全日本柔道連盟会長のコメント
「全日本柔道連盟の山下泰裕でございます。現在世界選手権、そして理事会出席のためアゼルバイジャンのバクーに来ています。そのため、誠に残念ながら本日の大会には出席出来ません。ビデオレターで一言ご挨拶させていただきたいと思います。本日は日本で初めてとなる第1回全日本知的障がい者柔道大会が、このように盛大に、また多くの皆様のご参加を頂いて開催されますことを大変喜ばしく思います。今大会の実現に向けてこれまでご尽力頂いた関係者全ての方々に深く感謝を申し上げます。さて、全日本柔道連盟は今年度から教育普及・MIND委員会を新しく発足させました。そして、このなかに知的障がい者柔道振興部会を設立いたしました。障がい者を含めて柔道に親しむ多くの皆様に柔道の楽しさや魅力をより一層感じていただき、柔道というスポーツを通して交流の輪を広げていただけますよう、これからも部会はもとより全柔連が一丸となってご支援する所存でございます。私は常々柔道は若者や競技者だけのものではない、男女を問わず子供から大人、お年寄り、様々な障がいのある方まで親しむのが本来の柔道であると思っております。その根本理念はやはり人作り、人間教育としての柔道です。『柔道 For All』という夢に向け、これからも全力で邁進していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。海外での障がい者柔道の取り組みは日本よりも進んでおります。今後は日本での障が者の柔道普及に努めることはもちろんのこと、海外との柔道を通した交流も是非実現させたいと考えております。本日ご参加の選手の皆様、保護者の皆様、そして日頃から障がい者柔道をご指導いただいている指導者の皆様、本大会は決して強さや競技を競うだけのものではありません。柔道を通じて友だちを作り、お互いを理解し、尊重し合うことによって新たな柔道の輪を作る大会でございます。皆さんがいきいきと今大会で輝かれますことを、心から期待しております。がんばりましょう。最後になりましたが、是非『柔道 For All』という言葉を合言葉に、本大会が成功裏に終わりますことを祈念いたしまして、簡単ではありますが私の挨拶に変えさせていただきます。ありがとうございました。」

濵名智男・知的障がい者柔道振興部会長のコメント
「(―クラス分けについて)昨日の合同練習を見て、性別と柔道の技能別にリーグを分けました。(―開催の経緯について)昨年10月にIJF主導で知的障がい者の世界大会が行われ、今年の8月にはヨーロッパ選手権も開催されました。IJFが世界大会を開く以上は我々もというのが開催のきっかけです。国内の知的障がい者柔道の流れとちょうど合致したことや、山下(泰裕)さんが全柔連の会長に就任されたとも理由の一つです。(―ルールについて)基本はIJFの現行ルール。そこに第1回世界知的障がい者柔道選手権の規定と今大会独自の申し合わせ事項を加えました。(―知的障がい者柔道のについて)全国の柔道場、中体連、高体連にアンケートを取ったところ、55所属、66名の選手がいることがわかりました。まだまだ調査から漏れている選手もいると思います。今回は把握できている選手のうち、16歳以上の選手を対象としました。まだ指導法や大会運営、ルールなど詰め切れていないことはたくさんあります。今回の開催は試行的な位置付けですね。(―大会を計画し始めたのはいつごろ?)今年の1月からです。全柔連のなかで始まった指導者講習会からです。海外視察なども行いました。とりあえず、まずは集まって試合をやってみようという感じです。来年以降も毎年続けていきたいですね。まだ正式には決まっていないのですが、今後は2年に1度世界大会を行う予定になっています。日本からも選手を派遣したいと考えています。(―指導する難しさについて)難しいと感じたことはありません。子どもたちに普通に教えるのと同じ。ただ頚椎が弱いなどの障がいを抱えている子もいるので、それを把握することが重要です。」

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各リーグの優勝者

大浦敬汰選手のコメント
「良かったです。皆が応援してくれました。思い切り力が出せた。皆にも柔道をやってほしいです。」

福田歩美也選手のコメント
「昨日は緊張してちょっと寝られませんでした(笑)。まだ課題があります。(―どんな課題?)自分の組み手から技を掛けることです。(―今後の目標は?)また次の大会でも優勝したいです。」

高江州ケンゾウ選手のコメント
「(―昨日の練習後はどのように過ごした?)大城(たけお)選手をどう倒すかずっと考えていました。やったことはイメージトレーニングと打ち込みですね。普通のことしかしていません。練習は多いときで週に5回やります。普段は火、木、金。土日もたまに高校生と練習しています。練習ではあまり勝てないです。技を失敗することもありますが、これは試すつもりでやっています。(―今日の戦いはどうだった?)まだまだですね。(―今後の目標は?)世界大会に出場して優勝することです。」

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Aリーグ入賞者、左から宮下、竹上、杉浦。

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Aリーグ第2試合、竹上公明子が杉浦成美から右大外刈「技有」

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Bリーグ入賞者、左から小林、小泉、岡、兵後。

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Bリーグ第1試合、小泉裕が小林陸から右大外刈「一本」

■Aリーグ
(エントリー3名)

【入賞者】
優 勝:竹上公明子(愛知・名古屋介護系柔道部)
準優勝:宮下友紀(神奈川・SON神奈川)
第三位:杉浦成美(大阪・わらしべ会)

【リーグ戦結果】
竹上公明子○大外刈(0:26)△宮下友紀
竹上公明子○合技[大外刈・大外刈](0:44)△杉浦成美
宮下友紀○大外刈(0:14)△杉浦成美

①竹上公明子:2勝0敗
②宮下友紀:1勝1敗
③杉浦成美:0勝2敗

■Bリーグ
(エントリー4名)

【入賞者】
優 勝:小泉裕(山梨・明生館道場)
準優勝:小林陸(神奈川・濵名道場)
第三位:岡伸弥(大阪・わらしべ会)
第四位:兵後光洋(広島・スペシャルオリンピックス日本広島)

【リーグ戦結果】
小泉裕○大外刈(0:15)△小林陸
岡伸弥○優勢[技有・内股透]△兵後光洋
小泉裕○不戦△兵後光洋
小林陸○大外刈(2:50)△岡伸弥
小林陸○不戦△兵後光洋
小泉裕○払腰(0:16)△岡伸弥

①小泉裕:3勝0敗
②小林陸:2勝1敗
③岡伸弥:1勝2敗
④兵後光洋:0勝3敗

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Cリーグ入賞者、左から近藤、髙部、福村、元永。

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Cリーグ第2試合、髙部勇翔が元永匠から右大外刈「一本」

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Dリーグ入賞者、左から山塚、岸野、清水。

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Dリーグ第3試合、岸野文音が山塚綾乃から小外刈「技有」

■Cリーグ
(エントリー4名)

【入賞者】
優 勝:髙部勇翔(神奈川・濵名道場)
準優勝:近藤優樹(愛知・みよし市柔道会)
第三位:福村翼(神奈川・冨吉道場)
第四位:元永匠(広島・五月が丘柔道クラブ)

【リーグ戦結果】
近藤優樹○優勢[判定3-0]△福村翼
髙部勇翔○大外刈(0:49)△元永匠
髙部勇翔○優勢[技有・体落]△福村翼
近藤優樹○優勢[判定2-1]△元永匠
髙部勇翔○大外刈(1:31)△近藤優樹
福村翼○優勢[技有・大外刈]△元永匠

①髙部勇翔:3勝0敗
②近藤優樹:2勝1敗
③福村翼:1勝2敗
④元永匠:0勝3敗

■Dリーグ
(エントリー3名)

【入賞者】
優 勝:岸野文音(和歌山・打田柔道スポーツ少年団)
準優勝:山塚綾乃(大阪・大浜柔道クラブ)
第三位:清水瑚都(神奈川・濵名道場)

【リーグ戦結果】
岸野文音○内股返(0:06)△清水瑚都
山塚綾乃○優勢[技有・横四方固]△清水瑚都
岸野文音○合技[小外刈・袈裟固](0:21)△山塚綾乃

①岸野文音:2勝0敗
②山塚綾乃:1勝1敗
③清水瑚都:0勝2敗

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Eリーグ入賞者、左から小野、福田、厩本、五十嵐。

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Eリーグ第2試合、福田歩美也が厩本拳伍を右背負投で攻める

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Fリーグ入賞者、左から稲葉、大浦、長谷川、梶沼

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Fリーグ第1試合、大浦敬汰が梶沼滋から大外刈「一本」

■Eリーグ
(エントリー4名)

【入賞者】
優 勝:福田歩美也(神奈川・海老名市柔道協会)
準優勝:小野優貴(宮城・南郷柔道スポーツ少年団)
第三位:厩本拳伍(滋賀・甲南高等養護OB会)
第四位:五十嵐尊(神奈川・泉柔会)

【リーグ戦結果】
五十嵐尊○優勢[僅差]△小野優貴
福田歩美也○優勢[判定3-0]△厩本拳伍
小野優貴○優勢[判定2-1]△福田歩美也
厩本拳伍○内股(1:09)△五十嵐尊
福田歩美也○一本背負投(2:32)△五十嵐尊
小野優貴○小外掛(2:56)△厩本拳伍

①福田歩美也:2勝1敗
②小野優貴:2勝1敗
③厩本拳伍:1勝2敗
④五十嵐尊:1勝2敗
※内容差により順位を決定

■Fリーグ
(エントリー4名)

【入賞者】
優 勝:大浦敬汰(和歌山・西部柔道クラブ)
準優勝:稲葉乃知(静岡・しずはたスポーツクラブ)
第三位:長谷川大智(神奈川・濵名道場)
第四位:梶沼滋(大阪・わらしべ会)

【リーグ戦結果】
大浦敬汰○大外刈(0:19)△梶沼滋
稲葉乃知○合技[大外刈・袈裟固](0:44)△長谷川大智
大浦敬汰○上四方固(3:00)△稲葉乃知
長谷川大智○不戦△梶沼滋
稲葉乃知○不戦△梶沼滋
大浦敬汰○内股(0:42)△長谷川大智

①大浦敬汰:3勝0敗
②稲葉乃知:2勝1敗
③長谷川大智:1勝2敗
④梶沼滋:0勝3敗

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Gリーグ入賞者、左から大城、高江洌、濵田、阿部、武田。

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Gリーグ第4試合、高江洌ケンゾウが武田克己から右大内刈「一本」

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Hリーグ入賞者、左から福田、藤田、重安、寺尾。

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Hリーグ第5試合、藤田大貴が福田蓮太郎から強烈な右払腰「一本」

■Gリーグ
(エントリー5名)

【入賞者】
優 勝:高江洌ケンゾウ(三重・河芸柔道クラブ)
準優勝:大城たけお(滋賀・甲南高等養護OB会)
第三位:濵田王子朗(神奈川・横須賀市柔道協会)
第四位:阿部竜樹(神奈川・海人柔道クラブ)
敢闘賞:武田克己(滋賀・甲南高等養護OB会)

【リーグ戦結果】
高江州ケンゾウ○優勢[判定3-0]△大城たけお
阿部竜樹○優勢[技有・大外刈]△武田克己
濵田王子朗○合技[大外返・袈裟固]△大城たけお
高江州ケンゾウ○大内刈△武田克己
阿部竜樹○優勢[判定2−1]△濵田王子朗
大城たけお○横四方固△武田克己
高江州ケンゾウ○内股△阿部竜樹
濵田王子朗○優勢[判定3-0]△武田克己
大城たけお○大外刈△阿部竜樹
高江州ケンゾウ○袈裟固△濵田王子朗

①高江州ケンゾウ:4勝0敗
②大城たけお:2勝2敗
③濵田王子朗:2勝2敗
④阿部竜樹:2勝2敗
⑤武田克己:0勝4敗
※内容差により順位を決定

■Hリーグ
(エントリー4名)

【入賞者】
優 勝:藤田大貴(滋賀・甲南高等養護OB会)
準優勝:福田蓮太郎(大阪・大浜柔道クラブ)
第三位:重安猛司(奈良・新庄柔道クラブ)
第四位:寺尾帆高(神奈川・濵名道場)

【リーグ戦結果】
藤田大貴○合技[大内刈・後袈裟固](0:28)△寺尾帆高
福田蓮太郎○上四方固(0:35)△重安猛司
福田蓮太郎○合技[大外刈・横四方固](3:00)△寺尾帆高
藤田大貴○支釣込足(0:07)△重安猛司
藤田大貴○払腰(0:15)△福田蓮太郎
重安猛司○払腰(1:29)△寺尾帆高

①藤田大貴:3勝0敗
②福田蓮太郎:2勝1敗
③重安猛司:1勝2敗
④寺尾帆高:0勝3敗

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Iリーグ入賞者、左から髙橋、福田、池田。

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Iリーグ第3試合、福田柊悟が髙橋一司から内股透「技有」

■Iリーグ
(エントリー3名)

【入賞者】
優 勝:福田柊悟(大阪・大浜柔道クラブ)
準優勝:髙橋一司(岐阜・各務原柔道協会)
第三位:池田祐一(大阪・わらしべ会)

【リーグ戦結果】
福田柊悟○袈裟固(0:55)△池田祐一
髙橋一司○合技[内股・袈裟固](1:02)△池田祐一
福田柊悟○優勢[技有・内股透]△髙橋一司

①福田柊悟:2勝1敗
②髙橋一司:1勝1敗
③池田祐一:0勝2敗

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