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激戦66kg級は木戸清孝が初優勝、81kg級は丸山剛毅が復帰果たした永瀬貴規を下す・第48回全日本実業柔道個人選手権大会男子8階級レポート

(2018年9月13日)

※ eJudoメルマガ版9月13日掲載記事より転載・編集しています。
激戦66kg級は木戸清孝が初優勝、81kg級は丸山剛毅が復帰果たした永瀬貴規を下す
第48回全日本実業柔道個人選手権大会男子8階級レポート
取材・文:林さとる/eJudo編集部
撮影:坂口美貴

■ 男子22歳未満・大西勇気がカテゴリ最終年で戴冠、決勝は平山知義に逆転勝ち
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22歳未満決勝、大西勇気が平山知義から右大内刈「技有」

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大西は右背負投「技有」も追加して勝利を決める

(エントリー59名)

【決勝まで】

大西勇気(東レ)と平山知義(新日鐵住金大分)の2人が決勝に進出。

大西は2回戦からの登場。まず荒木翔太(了徳寺学園職)に袈裟固「一本」(1:45)で勝利すると、以降は3回戦で白田隆裕(セントラル警備保障)に上四方固「一本」(1:35)、準々決勝で佐藤誠(戸髙鉱業社)に背負投「技有」、準決勝で森優心(アドヴィックス)に背負投「技有」という勝ち上がり。

対する平山は1回戦で泉雅大(日亜化学)に払巻込「一本」(1:53)、2回戦で菊地優充(了徳寺学園職)に合技「一本」(1:46)、3回戦で亀崎謙太(アドヴィックス)に合技「一本」(0:36)、準々決勝で前山倖希(ダイコロ)に小外掛「一本」(0:08)、準決勝で永松優輝(新日鐵住金君津)に抱分「一本」(0:47)と一本勝ちを実に5つ続けての決勝進出となった。

【決勝】

大西勇気(東レ)○合技[大内刈・背負投](3:11)△平山知義(新日鐵住金大分)

右相四つ。体格に勝る平山が奥襟を狙うが、大西これを凌ぎつつ23秒に片手の右背負投。さらに右一本背負投、右袖釣込腰と技を重ね、1分5秒、平山に消極的の「指導1」。ここまでは完全に大西のペースだが、しかし直後の1分27秒、大西の右背負投を平山が裏投に切り返す。ぶら下がるように放ったこの一撃は「技有」。
一転してビハインドを負うことになった大西は一段ペースを上げ、1分37秒に打点の高い右一本背負投。豪快な一撃だったが、これは抜けてしまい背中を着かせるには至らない。2分を過ぎた辺りから大西が勝負に出て、両者がっぷり四つに組み合う形が出現。胸を着けて大内刈を狙う大西にカウンターの裏投を狙う平山という構図で緊張感のある攻防が展開される。2分53秒、大西が両袖の形を作り、右小内刈から右大内刈に技を繋いでついに「技有」獲得。さらに直後の3分11秒には片襟の右背負投で逆側に抜き落とし投げて「技有」を追加する。これで合技「一本」、大西が思い切りの良い柔道で逆転優勝を飾った。

入賞者および優勝した大西選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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22歳未満優勝の大西勇気

【入賞者】
優 勝:大西勇気(東レ)
準優勝:平山知義(新日鐵住金大分)
第三位:森優心(アドヴィックス)、永松優輝(新日鐵住金君津)

大西勇気選手のコメント
「今までこの大会では2位、3位が多かったのですが、今回4回目の出場で初優勝出来ました。体力面と技の切れの強化を図ってきたことが勝因だと思います。決勝はずっと出せていなかった足技を出すことが出来て、その勢いのまま最後まで行けました。来年からは体重別。階級は73kg級を考えています。」

【準々決勝】
大西勇気(東レ)○優勢[技有・背負投]△佐藤誠(戸髙鉱業社)
森優心(アドヴィックス)○横四方固(1:56)△木下征也(赤穂YAWARAクラブ)
平山知義(新日鐵住金大分)○小外掛(0:08)△前山倖希(ダイコロ)
永松優輝(新日鐵住金君津)○合技(3:33)△吉良豪太(戸髙鉱業社)

【準決勝】
大西勇気○優勢[技有・背負投]△森優心
平山知義○抱分(0:47)△永松優輝

【決勝】
大西勇気○合技[大内刈・背負投](3:11)△平山知義

■ 60kg級・青木大が2連覇達成、決勝で同僚の竪山将を破る
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60kg級準決勝、竪山将が大島優磨から体落「一本」

(エントリー52名)

【決勝まで】

青木大と竪山将、パーク24の同僚2名が決勝に進出。

青木は2回戦から登場するとまず林浩平(日本エースサポート)にGS延長戦での隅返「技有」(GS0:43)で勝利。続いて3回戦で林隼輝(不二熱学サービス)に巴投「一本」(1:44)、準々決勝で宮川太暉(東日本旅客鉄道)に合技「一本」(3:19)、準決勝で米村克麻(センコー)にGS延長戦での巴投「技有」(GS1:13)でそれぞれ勝利して決勝進出を決める。

対する竪山は1回戦で石井真悟(笑顔道整骨院グループ)を合技「一本」(2:11)で下すと、2回戦では石川裕紀(了徳寺学園職)に横四方固「一本」(GS1:27)で勝利。以降は3回戦で平原佑多(府中刑務所)を「指導3」反則(2:50)、準々決勝で田中崇晃(ALSOK)を内股「技有」で破ってベスト4進出。最大の山場となったこの試合で大島優磨(旭化成)を体落「一本」(2:40)で退けて決勝へと駒を進める。

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60kg級決勝、青木大が竪山から延長戦で巴投「技有」

【決勝】

青木大(パーク24)○GS技有・隅返(GS1:58)△竪山将(パーク24)

同門対決は青木が右、竪山が左組みのケンカ四つ。リーチで勝る青木が背中を持って釣り手を突きながら前進、場外際の攻防で相手が押し返してきたところに隅返を狙い、竪山が左内股や左背負投で凌ぐという構図。1分44秒、竪山に消極的の「指導」。しかし、これ以降は竪山が押し込まれながらも先に技を出して「指導」失陥を防ぎ、結果としてポイントの変動がないまま本戦の4分間が終わる。勝負はGS延長戦へ。

延長戦でも大枠の様相は変わらず、青木優位も得点の気配は僅少。GS1分32秒には両者に片手の「指導」が与えられる。これで竪山は「指導2」、形上後がなくなってしまう。直後のGS1分58秒、青木が背中深くを抱いて右方向への隅返。両足を使って相手を最後までコントロールし切ったこの技は「技有」。ケアシステムによる確認が行われるも結果は覆らずそのまま決着。青木が見事2連覇を達成した。

入賞者および優勝した青木選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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60kg級2連覇の青木大

【入賞者】
優 勝:青木大(パーク24)
準優勝:竪山将(パーク24)
第三位:米村克麻(センコー)、大島優磨(旭化成)

青木大選手のコメント
「去年は怪我があったり、一度勝った相手に負けたり、ずっと指導していた後輩に負けたりと色々ありました。それがあって今があるなと、そう感じています。決勝は同門対決ですたが、持久戦には自信がありました。自分は切れる技や『一本』を取れる技がない。その分研究をして、そして技を磨いて勝負しようと思っています。ここからです。」

【準々決勝】
青木大(パーク24)○合技(3:19)△宮川太暉(東日本旅客鉄道)
米村克麻(センコー)○払腰(1:45)△椿龍憧(ALSOK新潟)
大島優磨(旭化成)○縦四方固(0:48)△竹内文汰(OGAWA警備)
竪山将(パーク24)○優勢[技有・内股]△田中崇晃(ALSOK)

【準決勝】
青木大○GS技有・巴投(GS1:13)△米村克麻
竪山将○体落(2:40)△大島優磨

【決勝】
青木大○GS技有・隅返(GS1:58)△竪山将

■ 66kg級・木戸清孝が優勝、激戦階級を見事制す
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66kg級準決勝、木戸清孝が浅利昌哉を巴投で攻める

(エントリー78名)

【決勝まで】

決勝に勝ち上がったのは髙上智史(旭化成)と木戸清孝(天理大学クラブ)。

髙上は2回戦で竹根佳風(新日鐵住金大分)を縦四方固「一本」(1:24)で下して大会をスタート。3回戦で山本歩夢(VILLAGE)に「指導3」反則(3:53)、4回戦で尾﨑裕介(デンソー)に肩固「一本」(2:20)、準々決勝で柴田悠輔(大牟田クラブ)に合技「一本」(3:34)でそれぞれ勝利してベスト4入り。準決勝の相手は昨年度の優勝者、橋口祐葵(パーク24)。髙上はこの強敵との大一番を相手のダイレクト反則(0:28)で勝ち上がり、決勝の畳へと辿り着く。

一方の木戸も2回戦から登場。阿部敬介(ダイコロ)を合技「一本」(2:24)で破ると、以降は3回戦で花川了(スポーツひのまるキッズ協会)に腕挫十字固「一本」(1:57)、4回戦で北村翔(日本生命)にGS延長戦での背負投「技有」(GS1:06)で勝利してベスト8へと勝ち上がる。準々決勝の髙市賢悟(旭化成)戦は不戦勝ち、準決勝では実力者の浅利昌哉(ALSOK)にGS延長戦での「指導3」反則(GS5:29)で競り勝って決勝進出を果たす。

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66kg級決勝、木戸が髙上智史から左袖釣込腰「技有」

【決勝】

木戸清孝(天理大学クラブ)○優勢[技有・袖釣込腰]△髙上智史(旭化成)

右相四つ。組み手争いから試合が始まり、40秒に髙上が片手の右背負投。木戸がローリングからの抑え込みを狙うが52秒に「待て」が掛かり、同時に木戸に消極的の「指導1」が与えられる。続く展開、両者ほぼ同時に組み手を作るが、釣り手を絞られた髙上は不十分な位置を嫌ってこれを離してしまう。木戸このタイミングを見逃さず鋭く反対に腰を切って左袖釣込腰。走るようにして投げ切って決定的な「技有」獲得。リードを奪われた髙上は追い上げを図って勢い良く組み付くが、そこに右内股を合わせられいきなり出鼻をくじかれてしまう。さらに2分14秒には片手の咎で「指導」も失陥。これ以降は木戸が巴投を用いて巧みに凌ぎ続け、残り11秒に木戸に消極的の「指導2」が与えられるも時すでに遅し。髙上の肩車の戻り際に木戸がカウンターの巴投を仕掛けたところでタイムアップ、木戸の初優勝が決まった。

入賞者および優勝した木戸選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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66kg級優勝の木戸清孝

【入賞者】
優 勝:木戸清孝(天理大学クラブ)
準優勝:髙上智史(旭化成)
第三位:橋口祐葵(パーク24)、浅利昌哉(ALSOK)

木戸清孝選手のコメント
「今大会は減量が上手くいき、ストレスを感じることなく戦えました。しっかり組んで思い切って投げる、天理の柔道が出来たと思います。山場は準決勝の浅利(昌哉)選手との試合。過去に全日本ジュニアの決勝で負けたことがあり、今回もGS5分近い試合になりました。集中して戦い、リベンジすることが出来ました。66kg級は強い選手が多いです。身近なところでは丸山城志郎先輩。少しでも近づけるように頑張りたいです。」

【準々決勝】
橋口祐葵(パーク24)○背負投(1:56)△藤沢大志(名古屋刑務所)
髙上智史(旭化成)○合技(3:34)△柴田悠輔(大牟田クラブ)
浅利昌哉(ALSOK)○反則[指導3](3:59)△島達人(筑波ユナイテッド柔道)
木戸清孝(天理大学クラブ)○不戦△髙市賢悟(旭化成)

【準決勝】
髙上智史○反則(0:28)△橋口祐葵
木戸清孝○GS反則[指導3](GS5:29)△浅利昌哉

【決勝】
木戸清孝○優勢[技有・袖釣込腰]△髙上智史

■ 73kg級・岩渕侑生が優勝、2年ぶりのタイトル奪還果たす
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73kg級準決勝、岩渕侑生が中村一那から左一本背負投「技有」

(エントリー112名)

【決勝まで】

六郷雄平(了徳寺学園職)と岩渕侑生(センコー)が決勝に進出。

六郷は1回戦で永井陽平(三菱ケミカル)に内股「一本」(0:56)、2回戦で野地礼一(新日鐵住金君津)に背負投「一本」(0:56)、3回戦で日紫喜裕貴(東レ名古屋)に合技「一本」(0:29)、4回戦で西岡和志(京葉ガス)に合技「一本」(3:55)、準々決勝で石黒亮太(自衛隊体育学校)に小内刈「技有」、準決勝で茅野圭祐(センコー)に腕挫十字固「一本」(0:39)という勝ち上がり。

一方の岩渕は2回戦から登場するとまずは谷口太三(まるや接骨院)に背負投「技有」で勝利。以降は3回戦で井上涼太(京葉ガス)に横四方固「一本」(1:36)、4回戦で長原毅弥(金沢刑務所)に腕挫十字固「一本」(3:25)、準々決勝で鈴木誠(東京拘置所)にGS延長戦での小内刈「技有」でそれぞれ勝利してベスト4入りを決める。準決勝ではこの日好調だった中村一那(パーク24)を合技「一本」(1:48)で撃破して決勝進出決定。

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73kg級決勝、岩渕が六郷雄平に左一本背負投

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走りながら投げ切り「一本」

【決勝】

岩渕侑生(センコー)○一本背負投(1:54)△六郷雄平(了徳寺学園職)

右相四つ。激しい組み手争いから試合がスタート。42秒に六郷が両手で釣り手側の襟を持った背負投に潜り込み、反対に抜き落としてあわやポイントという場面を作るが、ここは岩渕が腹這いで凌いでポイントなし。岩渕そのまま相手の頭側に回り込んで「横三角」から抑え込みを狙う。捲ることには成功するも、六郷が足を絡んで凌ぎ切り「待て」。この時点で経過時間は1分27秒。続く展開、1分42秒に六郷が左足車、受けた岩渕は崩れながらもこれを耐えると、その流れのまま左の一本背負投に飛び込む。腕の拘束は甘かったが前方に走りながら押し込み、相手の上を転がって技の評価を一段上げると主審は「一本」を宣告。岩渕が2年ぶりのタイトル奪還に成功した。

入賞者および優勝した岩渕選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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73kg級優勝の岩渕侑生

【入賞者】
優 勝:岩渕侑生(センコー)
準優勝:六郷雄平(了徳寺学園職)
第三位:茅野圭祐(センコー)、中村一那(パーク24)

岩渕侑生選手のコメント
「(タイトルを)奪還する気マンマンでした。減量も上手くいき、調子も良かったです。それでも、講道館杯で勝たなきゃ意味がない。今日は消極的にならないところが良かったと思います。講道館杯はオール一本勝ちで優勝したいです。」

【準々決勝】
六郷雄平(了徳寺学園職)○優勢[技有・小内刈]△石黒亮太(自衛隊体育学校)
茅野圭祐(センコー)○GS大内刈(GS0:42)△清水健登(パーク24)
岩渕侑生(センコー)○GS技有・小内刈(GS0:30)△鈴木誠(東京拘置所)
中村一那(パーク24)○GS技有・背負投(GS1:12)△佐藤雄哉(日本エースサポート)

【準決勝】
六郷雄平○腕挫十字固(0:39)△茅野圭祐
岩渕侑生○合技(1:48)△中村一那

【決勝】
岩渕侑生○一本背負投(1:54)△六郷雄平

■ 81kg級・丸山剛毅が優勝、復帰戦の永瀬貴規を決勝で破る
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81kg級準々決勝、永瀬貴規が春山友紀から右内股「一本」

(エントリー90名)

【決勝まで】

決勝進出者は永瀬貴規(旭化成)と丸山剛毅(パーク24)。永瀬は昨年8月のブダペスト世界選手権で膝を負傷してから1年ぶりの大会出場。

永瀬は2回戦で小崎亮輔(judo3.0)に横三角からの崩上四方固「一本」(1:54)、3回戦で帆高純平(九州電力)に横三角からの崩上四方固「一本」(1:35)と序盤戦は寝技による手堅い勝ち上がり。4回戦で高橋亨介(センコー)を大内刈「一本」(1:54)で下すと、これでギアが入ったか準々決勝では春山友紀(自衛隊体育学校)を豪快な内股「一本」で一蹴。準決勝でも尾方寿應(了徳寺学園職)をGS延長戦での大内刈「技有」(GS1:33)で破って決勝進出。

一方の丸山は1回戦で由留木俊之(協道会)を内股「一本」(0:40)で下して大会をスタート。2回戦では早くも強敵山本悠司(旭化成)とマッチアップするが、この試合も内股「一本」(3:31)で勝利。山場を越えた丸山はここから3回戦で田邉智史(JFEスチール)に釣込腰「一本」(2:03)、4回戦で八重樫祐太(豊田自動織機)に内股「一本」(0:19)、準々決勝で嶋嶺汰(関西医療学園)を合技「一本」(0:24)という抜群の出来でベスト4入り。準決勝では中矢力(ALSOK)を僅か9秒の内股「一本」で「秒殺」、みごと決勝へと駒を進める。

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81kg級決勝、永瀬が脇を差して相手の内股を誘う

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丸山剛毅構わず内股に飛び込み

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体を捨てて投げ切り「一本」

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81kg級優勝の丸山剛毅

【決勝】

丸山剛毅(パーク24)○内股(1:17)△永瀬貴規(旭化成)

丸山が左、永瀬が右組みのケンカ四つ。まずは8秒、永瀬が引き手で釣り手側の腕を持って右体落を股中に落として丸山を伏せさせる。しかし寝技での深追いはせず「待て」。ここからは両者釣り手のみを持っての激しい引き手争いが続き、48秒両者に片手の「指導」。直後の55秒には丸山が場外際で思い切りの良い隅返に潜り込むが、これは永瀬が長い手足を生かして跨いで凌ぐ。1分過ぎ、永瀬が脇を差して内股を誘うと丸山これに乗る形で左内股に飛び込む。永瀬長い足を目一杯伸ばして股中で透かそうとするが、丸山がケンケンで追っていくと堪え切れずに吹っ飛び1分17秒「一本」。丸山が永瀬の復活Vを阻止する形で優勝を飾った。

永瀬は決勝こそ敗れたものの、復帰第一戦で準優勝。序盤戦では自身の動きを確認しながら戦っているような慎重さが感じられたが、3回戦以降は永瀬らしい力強い投げも披露してしっかり復活をアピールした。試合後本人が語ったところによると足技に不安が残っているようだが、講道館杯の優勝争い、そして東京五輪の代表レースで主役として絡んでくることは間違いないだろう。

入賞者および優勝した丸山選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

【入賞者】
優 勝:丸山剛毅(パーク24)
準優勝:永瀬貴規(旭化成)
第三位:尾方寿應(了徳寺学園職)、中矢力(ALSOK)

丸山剛毅選手のコメント
「肘を怪我して1、2週間まともに練習が出来ていなかったのですが、その状態で勝てたのはいい収穫になりました。ライバルと一緒に切磋琢磨して東京五輪に向けてやっていきたいです。(―永瀬貴規選手について)復帰戦でまだ試合勘も戻ってないなか、よくあそこまで動けるなと感じました。精神的な強さは見習わないといけない。これからも戦うことはあると思うので、彼に勝って代表になりたいです。」

【準々決勝】
尾方寿應(了徳寺学園職)○GS反則[指導3](GS1:53)△海老泰博(旭化成)
永瀬貴規(旭化成)○内股(0:58)△春山友紀(自衛隊体育学校)
中矢力(ALSOK)○優勢[技有・巴投]△渕原槙一(パーク24)
丸山剛毅(パーク24)○合技(0:24)△嶋嶺汰(関西医療学園)

【準決勝】
永瀬貴規○GS技有・大内刈(GS1:33)△尾方寿應
丸山剛毅○内股(0:09)△中矢力

【決勝】
丸山剛毅○内股(1:17)△永瀬貴規

■ 90kg級・前田宗哉が優勝、全試合で投げ決めてトーナメントの頂点に立つ
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90kg級準々決勝、前田宗哉が三戸雄生から内股「一本」

(エントリー90名)

【決勝まで】

決勝に勝ち上がったのは前田宗哉(自衛隊体育学校)と階級を上げてエントリーの渡邉勇人(了徳寺学園職)。高校(東海大浦安高)、大学(東海大)の先輩後輩同士の対戦となった。

前田は1回戦で一ノ瀬大暉(ダイコロ)に小外刈「一本」(2:57)、2回戦で岡村直哉(東京拘置所)に払腰「一本」(1:21)、3回戦で寺島克興(京葉ガス)に小内刈「一本」(2:20)、4回戦で新島毅之(東洋水産)に小外刈「一本」(0:41)でそれぞれ勝利してベスト8入り。準々決勝で三戸雄生(つくばユナイテッド柔道)を内股「一本」(1:28)で下すと、準決勝では川上智弘(國學院大職)を小外刈「一本」(0:36)で一蹴、みごと決勝の畳へと歩を進める。

一方の渡邉は1回戦から穴井航史(旭化成)と対戦するタフな組み合わせ。この試合を一本背負投「技有」で切り抜けると、以降は2回戦で巴山誠(JR東日本リテールネット)に背負投「一本」、3回戦で渡邊大樹(府中刑務所)に大内返「一本」(0:39)、4回戦で江畑丈夫(パーク24)に隅返「技有」、準々決勝で金山天地(東京拘置所)に一本背負投「一本」(3:12)と尻上がりに調子を上げてベスト4入り。準決勝では実力者北野裕一(パーク24)を一本背負投「一本」(1:44)で破り決勝進出を果たす。

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90kg級決勝、前田が渡邉勇人から右小内刈「技有」

【決勝】

前田宗哉(自衛隊体育学校)○GS技有・小内刈(GS1:57)△渡邉勇人(了徳寺学園職)

決勝は前田が右、渡邉が左組みのケンカ四つ。両者の得意はともに接近戦。奥を叩いて腰技や小外掛を狙う前田に対し、渡邉は脇を深く差して食らいつく得意の形で対抗、相手の動きに合わせて捨身技を狙う。序盤は双方相手の出方を窺う格好となって引き手争いが続くが、1分半が過ぎた頃から渡邉が加速。1分34秒に隅返で引き込み、直後の1分58秒には強烈な横車で前田に尻もちをつかせる。渡邉が強引な左払巻込で前田を畳に這わせた2分35秒、前田に消極的の「指導」。これ以降も3分31秒に左払巻込、残り7秒に谷落と渡邉があと一歩でポイントという惜しい技を連発。本戦で勝負を決めるには至らなかったものの、渡邉が主導権を握ったまま試合はGS延長戦へともつれ込む。

延長戦でも渡邉がトリッキーな柔道で前田を翻弄。横車、右一本背負投と技を重ねて優位を取り続ける。GS1分35秒には巴投で前田を畳に這わせるが、直後のGS1分40秒、なぜか両者に消極的の「指導」。渡邉側からすると不可解な「指導」失陥であったが、ともかくもこれで前田は「指導2」となり後がなくなる。直後の攻防、前田は脇の差し合いから引き手で襟を得ると釣り手で相手の首を抱き、掛け倒すような右小内刈で勝負に出る。この技自体は距離が詰め切れず不発に終わったものの、これを起点に前田は一段釣り手の位置を深める。両者ともに必殺の間合い、ここからは双方が反射に近い速度で技を繰り出す緊張感のある攻防が繰り広げられる。まずは前田が抱きつきの右小外掛、渡邉がこれを左大腰で迎え撃つと、前田は飛ぶようにして避け、間髪入れずに右小内刈。渡邉この技に崩れながらもそのもつれ際に釣り手をもう一段相手の背中深くまで送り込み、場外際で谷落。しかし、これは拘束が甘く、自分だけがぶら下がるような形になってしまう。これに対して前田は相手の方を向き直りながらカウンターの右小内刈。作用足の掛かりはほぼなかったものの、乗り上げるように浴びせ倒して「技有」。最初の小内刈からここまで時間にして僅か数秒足らず。渡邉の捨身技とも判断可能な微妙な形ではあったが、勝負どころを的確に見極めて自ら仕掛けた前田が勝利することとなった。

入賞者および優勝した前田選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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90kg級優勝の前田宗哉

【入賞者】
優 勝:前田宗哉(自衛隊体育学校)
準優勝:渡邉勇人(了徳寺学園職)
第三位:川上智弘(國學院大職)、北野裕一(パーク24)

前田宗哉選手のコメント
「最後は夢中で、小内刈を仕掛けてから先のことはわかりません。自分では小内刈で決めたと思っています。1年目なので自分のできることをしっかりやろうと考えて戦いました。今の環境では集中してトレーニングや稽古が出来ています。取り組み方や気持ちの面で強くなった。目標は、まずは講道館杯を獲ることです。」

【準々決勝】
川上智弘(國學院大職)○小外刈(0:45)△片桐章男(東芝)
前田宗哉(自衛隊体育学校)○内股(1:28)△三戸雄生(つくばユナイテッド柔道)
北野裕一(パーク24)○巴投(1:06)△片岡仁(日本中央競馬会)
渡邉勇人(了徳寺学園職)○一本背負投(3:12)△金山天地(東京拘置所)

【準決勝】
前田宗哉○小外刈(0:36)△川上智弘
渡邉勇人○一本背負投(1:44)△北野裕一

【決勝】
前田宗哉○GS技有・小内刈(GS1:57)△渡邉勇人

■ 100kg級・階級アップも力変わらず、垣田恭兵貫録の優勝
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100kg級準々決勝、垣田恭兵が池田賢生を横四方固で抑え込む

(エントリー66名)

【決勝まで】

垣田恭兵(旭化成)と郡司拳佑(旭化成)、ともに旭化成所属の両者が決勝に進出。

郡司は1回戦の佐藤光(岐阜刑務所)戦を相手の棄権(1:16)により勝ち上がると、以降は2回戦で稲田基(センコー)に払腰「一本」(3:18)、3回戦で稲田将(E・S・S柔道クラブ)に内股「一本」(3:49)、準々決勝で濵上耕平(アドヴィックス)に払腰「一本」(1:48)でそれぞれ勝利してベスト4入りを決める。準決勝では今季好調の熊代佑輔(ALSOK)を出足払と内股による合技「一本」で破る驚きの強さ、みごと決勝への勝ち上がりを決めた。

一方今大会から100kg級に階級を上げた垣田は1回戦で山田龍一郎(日光警備)に内股「一本」(0:34)、2回戦で松谷鯉太郎(日本エースサポート)にGS延長戦での「指導3」反則(GS0:28)でそれぞれ勝利。3回戦で制野孝二郎(センコー)を内股「一本」(1:43)で破ると、準々決勝では池田賢生(日本中央競馬会)を横四方固「技有」で下し、準決勝では同僚の小林督之(旭化成)に背負投「一本」(2:47)で勝利して決勝進出。

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100kg級決勝、垣田が郡司拳佑から延長戦で左背負投

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最後まで投げ切って「技有」

【決勝】

垣田恭兵(旭化成)○GS技有・背負投(GS0:46)△郡司拳佑(旭化成)

旭化成の先輩と後輩による対決は垣田が左、郡司が右組みのケンカ四つ。引き手争いが続き、30秒に両者に片手の「指導」。ここからも片手状態での探り合いが続くが、垣田が巴投に片手の左背負投とリスクの少ない技で着実に手数を稼ぎ、1分30秒、郡司のみに消極的の「指導2」。この攻防によって試合全体の流れが決まった感あり、以降は引き手争いから組み手不十分でも技を仕掛けて展開を作る垣田、これを凌ぎながら時折技を仕掛けて「指導」失陥を回避しつつチャンスを待つ郡司という構図。2分59秒に垣田が場外際の巴投で惜しい場面を作るもポイント獲得には至らず、勝負はGS延長戦へともつれ込むこととなる。

延長戦に入ると勝負どころを弁えた垣田は加速。左背負投を連発して相手に全く攻撃の機会を与えない。あと1つ技を積めば手数差による「指導3」が郡司に与えられるだろうと思われたGS47秒、垣田がこの試合おそらく十数度目の左背負投。後のない状況の郡司が前に出ていたこともあり股中深くまで侵入することに成功、自分の前に腹這いで落ちた相手をハンドル操作を効かせながら体ごと乗り上げるように押し込み「技有」。垣田が同門決勝を制して優勝を飾った。

入賞者および優勝した垣田選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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100kg級優勝の垣田恭兵

【入賞者】
優 勝:垣田恭兵(旭化成)
準優勝:郡司拳佑(旭化成)
第三位:熊代佑輔(ALSOK)、小林督之(旭化成)

垣田恭兵選手のコメント
「90kg級から階級を上げることに抵抗はありませんでした。逆に相手の身長が大きくなるからやり易かった。決勝は『指導』狙いと言われてしまうかもしれませんが、技を掛けないと、と思いました。準決勝までに制野(孝二郎)選手を内股で投げ、池田(賢生)選手を抑え込み、これは非常に自信になった。自分はまだまだ成長している。講道館杯では決勝で羽賀(龍之介)と戦って勝ちたいです。」

【準々決勝】
熊代佑輔(ALSOK)○払巻込(0:12)△飯田健伍(京葉ガス)
郡司拳佑(旭化成)○払腰(1:48)△濵上耕平(アドヴィックス)
垣田恭兵(旭化成)○優勢[技有・横四方固]△池田賢生(日本中央競馬会)
小林督之(旭化成)○腕挫十字固(1:30)△阪本健介(了徳寺学園職)

【準決勝】
郡司拳佑○合技(3:34)△熊代佑輔
垣田恭兵○背負投(2:47)△小林督之

【決勝】
垣田恭兵○GS技有・背負投(GS0:46)△郡司拳佑

■ 100kg超級・尾原琢仁が圧勝で戴冠、組み合わせにも恵まれ「一本」連発
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100kg超級準決勝、尾原琢仁が田上創から支釣込足「一本」

(エントリー57名)

【決勝まで】

決勝に進出したのは尾原琢仁(旭化成)と山本考一(オネスト)。

尾原は組み合わせに恵まれ、準々決勝までこれといった強敵との対戦はなし。1回戦で宮本康平(九州電力)を内股「一本」(2:34)で破ると、以降は2回戦で西嶋直人(トーエー企業)に大外刈「一本」(2:10)、3回戦で崎村徳樹(戸髙鉱業社)に「指導3」の反則(3:01)、準々決勝で發知大貴(川越少年刑務所)に大外刈「一本」(0:43)でそれぞれ勝利してベスト4入りを決める。準決勝の相手は、前戦で岩尾敬太(京葉ガス)を「指導3」反則(4:00)で下して勝ち上がってきた田上創(了徳寺学園職)。尾原はこの難敵を強烈な支釣込足「一本」(2:28)で畳に沈め、オール一本勝ち(反則含む)で決勝へと駒を進める。

一方の山本は1回戦で西井佑介(和歌山柔栄会)に大外刈「一本」(2:01)、2回戦で西岡嵩光(戸髙鉱業社)に大内刈「一本」(1:46)、3回戦で植田祐太(JR九州)に大外刈「一本」(1:10)でそれぞれ勝利してベスト8に勝ち上がる。ここからは強敵との連戦となるが、準々決勝で渡邊智斗(パーク24)を合技「一本」(2:40)で下すと、準決勝では黒岩貴信(新日鐵住金)を送襟絞「一本」(2:03)で撃破。こちらも全試合で「一本」を得て決勝進出を果たす。

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100kg超級決勝、尾原が山本考一から左小外刈「技有」

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尾原が山本の奥襟に応じて豪快な左大外刈「一本」

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100kg超級優勝の尾原琢仁

【決勝】

尾原琢仁(旭化成)○大外刈(1:52)△山本考一(オネスト)

左相四つ。両者ともに身長190センチを超える偉丈夫。組み手争いから試合が始まり、その攻防のなかで20秒に尾原が左小外刈。釣り手のみを持った不十分な形だったため技の途中で両手が離れてしまうが、対角線を抑える形で技を仕掛けられた山本は激しく崩れ、背中から畳に落ちて「技有」となる。ここからは組み合っての膠着が続き、1分21秒、両者に消極的の咎で「指導」。1分45秒、山本が奥襟を得ると尾原これに応じて釣り手を肩越しに差し入れての左大外刈に飛び込む。山本は抱き着いて堪えるが尾原が乗り上げるようにして深く刈り込むと崩落。両者が一瞬宙を舞う勢いで畳にめり込み「一本」。尾原が抜群の強さで優勝を飾った。

入賞者および優勝した尾原選手のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

【入賞者】
優 勝:尾原琢仁(旭化成)
準優勝:山本考一(オネスト)
第三位:田上創(了徳寺学園職)、黒岩貴信(新日鐵住金)

尾原琢仁選手のコメント
「きょうは内容よりも勝つことに拘って戦いました。勝つという気持ちだけです。そのことが『一本』にも繋がったのかもしれません。決勝は相四つの相手、先手先手で攻めていこうと考えていました。その通りの戦いが出来たと思います。講道館杯の出場権が手に入ったので、上位に入れるように頑張りたいです。」

【準々決勝】
尾原琢仁(旭化成)○大外刈(0:43)△發知大貴(川越少年刑務所)
田上創(了徳寺学園職)○反則[指導3](4:00)△岩尾敬太(京葉ガス)
山本考一(オネスト)○合技(2:40)△渡邊智斗(パーク24)
黒岩貴信(新日鐵住金)○GS袖釣込腰(GS1:06)△上杉亮太(旭化成)

【準決勝】
尾原琢仁○支釣込足(2:28)△田上創
山本考一○送襟絞(2:03)△黒岩貴信

【決勝】
尾原琢仁○大外刈(1:52)△山本考一

※ eJudoメルマガ版9月13日掲載記事より転載・編集しています。

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