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アジア大会初の「男女混合団体戦」、運営大混乱も日本がしっかり優勝果たす・アジア大会柔道競技2018最終日レポート

(2018年9月7日)

※ eJudoメルマガ版9月13日掲載記事より転載・編集しています。
アジア大会初の「男女混合団体戦」、運営大混乱も日本がしっかり優勝果たす
アジア大会柔道競技2018最終日レポート
文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

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決勝に臨む日本代表の面々

4年に1度のスポーツの祭典、アジア大会(Asian games)の柔道競技は9月1日に、インドネシア・ジャカルタで最終日を迎え、アジア大会史上初めて実施される男女混合団体戦の競技が行われた。

全競技にわたった組織委員会の調整能力の低さと各競技団体に対するガバナンスの緩さ、さらにIJF(この大会の主催ではないが)全体の傾向である団体戦ルール決定に関する見通しの甘さなどがクロスして、この男女混合団体戦のレギュレーションはなんと大会最終盤に組まれた柔道競技の日程がスタートしてなお、明文化されず。柔道の競技日程2日目を過ぎたところでようやく「チームの勝敗が決して以降の試合は行わない」ことが決まったことが判明、そして大会3日目(31日)の競技終了後に行われたドローで、それも口頭でようやく各チームにルールの全貌が伝えられるというかつてない混乱の中で競技がスタートすることとなった。公式サイトによる組み合わせのリリースすら当日の競技が始まってからであり、朝の時点では大会の報道用公式データサイトも「対戦相手はわかるがトーナメントの全貌が公開されていない」状態。筆者を含む報道記者の面々が「目の前で見たことを書くしかない」と割り切って見守る、異例のスタートとなった。

そんな中、「それでもだいたいうまくいくであろう」という運営側の見通しの甘さをあざ笑うかのように、予選ラウンドから大変な事態が待ち受けていた。舞台は事実上の決勝と目された準々決勝、日本対韓国戦だ。

[準々決勝]
日本 ③-3 韓国
[57kg以下]玉置桃〇GS反則[指導3](GS4:51)△クォン・ユジョン
[73kg以下]海老沼匡△GS体落(GS0:11)○アン・チャンリン
[70kg以下]新添左季〇GS内股(GS0:25)△ジョン・ヘジン
[90kg以下]小林悠輔△GS技有・大内返(GS2:22)○ガク・ドンハン
[70kg超]山本沙羅△GS反則[指導3](GS0:34)○キム・ミンジョン
[90kg超]影浦心○GS反則[指導3](2:55)△キム・スンミン

まずは純粋に、試合の様相を簡単に伝えさせて頂く。

日本にとっての明確な得点ポイントは対戦者の力量差が大きい70kg以下のみ。防衛ポイントが90kg以下と70kg超の2ポジション、「勝負」の試合が57kg以下、73kg以下、90㎏超の3ポジションという非常に厳しい配列だ。

しかし日本は個人戦57kg級王者の玉置桃が、この団体戦のためだけに連れてこられた韓国の一番手クォン・ユジュンに粘りの試合。本戦ではクォンの右一本背負投の放列を止め切れず「指導1」のビハインドとなったが、延長戦では威力ある右背負投と「韓国背負い」で体勢を立て直し、延長3分を過ぎると右内股に小外刈、組み際の右払巻込と立て続けに仕掛けて疲れの見え始めたコンを引き離す。結果、玉置が思い切った肩車を仕掛けた直後の延長4分51秒コンに3つ目の「指導」が宣せられて試合決着。泥臭い戦いが身上の難敵・クォンを退けた玉置の粘りは見事、個人戦優勝で得た評価を決して手離すまいとの覚悟が感じられた試合であった。

続いて組まれた73kg以下の試合は海老沼匡とアン・チャンリンというスター対決。左相四つのこの試合はまず35秒に両者に消極的との「指導」。以降はアンが左体落に組み際の左背負投、海老沼が左背負投に右袖釣込腰と攻め合うが、ノーステップで背負投に身を翻す海老沼の反転をアンが止め切れずあっさり侵入を許す場面が続き、様相はむしろ海老沼有利。2分22秒アンに2つ目の「指導」、以降も激しい攻め合いが続く。残り14秒、アンの右背負投を海老沼が体ごとまたいで回避する危うい場面があり、直後海老沼に「指導2」。残り0秒では海老沼が脱力した後ながらアンが背負投で見事に放る場面があり、アンが陣地を回復した体で試合はGS延長戦へ。11秒、アンが組み際に思い切り左体落に飛び込むとまともに食った海老沼は体を反らせたまま一瞬で畳に沈み文句なしの「一本」。試合の分水嶺と思われたこの試合は韓国の勝利に終わる。

70kg以下は新添左季が左、ジョン・ヘジンが右組みのケンカ四つ。実力差から考えれば得点必須の新添はまずジョンを振り回しに掛かるがジョンが後帯を握って釣腰で対抗し、さらに奥襟を叩くと新添は完全に頭を下げられて一方的な防御姿勢。しかし59秒、主審はブロッキングを採ってジョンの側に「指導」。新添は命拾い。以降ジョンはまず新添の頭を下げさせ、次いで極端に体を開いて時間を使うことに腐心。ほとんど背中同士を触れさせるこの極端な変形姿勢に新添明確な対策を打ち出せず機械的に腰を入れては前技を繰り出すのみ。投げが決まる予感がほとんどない腰の入れ合いが続くこととなるが、ジョンの方も技が止まって2分44秒2つ目の「指導」失陥。新添は左払腰に左内股と思い切って仕掛け続けるが体を開いたジョンに対してやはり意図ある作りが出来ず、試合はそのままGS延長戦に突入することとなる。延長25秒、再び背を着けんばかりに極端に体を開いたジョンに対して引き手をしっかり握った新添が左内股。ひときわ思い切り仕掛けることで全てをクリアしたという体、ジョンは体を開いた状態のまま吹っ飛んで「一本」。新添、結果的にはしっかり仕事を果たしてこれでスコアは2-1、日本がリード。

90kg以下の対決は小林悠輔、個人戦王者ガク・ドンハンともに左組みの相四つ。34秒双方に「指導」。ガクは片手の左背負投を見せて相変わらずの粘戦志向もこれが今大会初試合で気力十分の小林は左内股に左大外刈と大胆に投げに掛かって優位を取り、2分24秒にはガクに偽装攻撃の咎で「指導2」。以降も小林は左内股に左大外刈とあわやという投げを放ち続け、ガクがなんとか凌ぐ形で試合はGS延長戦へ。延長も試合は完全な小林ペース、引っ掛けるような左大外刈に左大外落と連発し、いつガクに3つ目の「指導」が与えられてもおかしくない状態が打ち続くこととなる。小林が左大外刈でガクを大きく崩した直後の延長2分3秒には主審が両者に服装を正すことを指示、負けを悟ったガクが膝に手を当ててガックリする場面も現出。しかしこれが継続となった直後、2分22秒に小林が左大外刈に打って出るとこれまで6分間ほぼ死に体であったガクが一瞬光を取り戻し、小外掛に捉え返して見事「技有」奪取。小林殊勲まであと一歩だったがさすがはガク、韓国が1点を返してスコアは2-2となる。

続く女子70kg超は山本沙羅と韓国の一番手キム・ミンジョンがマッチアップ。左相四つのこの試合、山本序盤は左大外刈を中心に積極的に攻め込むがキムの巧さにあっという間に減速を余儀なくされ、1分59秒双方に「取り組まない」咎による「指導」。それでも山本前に出るがキムの支釣込足にあっさり潰され、3分4秒「指導2」失陥。しかしキムの側も技が出ず残り22秒で「指導2」を失い、タイスコアのまま試合は延長戦へもつれ込むこととなる。形上あと1つの「指導」で金星獲得の山本であるが、しかしここで踏ん張り利かず。左体落、左払巻込と2度自ら掛け潰れると、疲労明らか。キムに奥襟を叩かれると気持ちが折れたか、みずからドウと膝を屈して潰れてしまう。双方決定打を出す意志の薄い泥沼の延長戦でかつ双方が「指導2」失陥中、早く決着をつけたい状況にある主審がこれを見逃すはずもなく、直後の延長34秒山本に「指導3」を宣告。この1試合のために連れてこられたはずの山本はまったく良いところないまま敗北。日本は貴重な勝ち点を落とした。これでスコアは3-2、韓国が1点をリード。

迎えた最終戦、男子90kg超の試合は影浦心が左、個人戦で素晴らしいパフォーマンスを見せた王者キム・スンミンが右組みのケンカ四つ。29秒にキムに片手の咎で「指導」、1分28秒には双方に同じく片手の咎で「指導」が与えられるが、以降は影浦が快走。ケンカ四つの本格派というもっとも得意な相性でもあり、2分0秒に放った片手の左内股をきっかけに左背負投をまさしく連発。軸足から回転を起こしてキムの懐に潜り続け、2分55秒には股中にすっぽり腰を収めてキムを顔から畳に叩き落とす。直後キムに「指導3」が宣告されて試合終了。これでスコア3-3、内容差で日本の勝利が決まった。

しかし、この試合の「本番」はこれから。両軍を畳に上げたまま勝ち名乗りは行われず、選手を開始線に立たせたそのままの絵で数分が経過することとなる。スコアボード(おそらく決定されたルールのロジックが表示システムに反映されていない)の表示は「日本=20、韓国=11」という読み解くことが難しいもの。畳下では審判団、そして運営側の動きが極めてあわただしい。結局、日本の勝ちが宣言されたものの韓国サイドはこれを不服として畳への座り込み抗議を敢行。15分近くそのまま居座り続けて競技の進行を止めるという、前代未聞の事態となった。

日本側によると、ドロー時に説明されていたルールは「一本勝ちと指導3勝ち(相手の反則負け)は同等のポイント」「技有優勢とは差をつける」というもの。この場合、一本勝ち(10点)ひとつと「指導3」勝ち(10点)2つをあわせて日本は30点、韓国は一本勝ちと「指導3勝ち」1つずつに「技有」優勢勝ち(1点)1つを合わせた21点となり、当然ながら日本の勝利となる。

しかし韓国側はこれを認識しておらず、昨年の世界選手権ルールの「指導による勝利は0ポイント」を拡大解釈して(今年のルールから指導差勝利はなくなり「指導3」の反則負けのみ)、「反則負けによる勝利は0ポイント」と考えていた模様。韓国のテレビ中継画面でも、「韓国11ポイント、日本10ポイント」(一本勝ちは10ポイント、指導3の反則負けは0ポイント、技有優勢勝ちは1ポイントとの解釈による)とのテロップが堂々と放送されており、どうやら国ごと勘違いしていた可能性が濃厚。

日本の勝利は正当である。そもそも「故意に負ける」行為を引き出しかねない「反則負けによる勝ちは0ポイント」などという非論理的なルールを主催者が採用するわけがない。エキサイティングな試合を創出することを全ての前提条件に置くIJFの精神に根本から反する。

とはいえ、日本のスタッフからも擁護の声が上がった通り「ルールを認識していないのが悪い」と切って捨てるには少々気の毒な事態。20日から行われるバクー世界選手権では「一本」「優勢」に差をつけず、スコアがタイの場合は代表戦に持ち込まれることが決まっており、つまりは昨年度の世界選手権、今年のアジア大会、今年の世界選手権と連続するビッグゲーム3大会全てでルールが異なるということ。かつこの間にその祖法として機能する個人戦のルールにも変更(「指導3」以外は決着せず)があったという混乱の中、早期にルールを明文化して周知することを怠った、主催側の怠慢に韓国が国ごと振り回された感は否めない。

これは主催側のミスであるが、審判団のレベルの低さも混乱に拍車をかけた。アジア大会は今回もIJFのワールドツアーとはまったく異なる陣容の審判団が裁いているが、この日は彼らのレベルの低さがまとめとばかりに噴出。同じ準々決勝の中国-モンゴル戦ではまさかの1点差ビハインドを負ったモンゴルの大将ウルジバヤル・デューレンバヤルが残り数秒で小外掛「一本」を奪ったが主審はビデオチェックを受けてベアハグと判断し、これを取り消し「指導1」付与。ここまでは良しも、ウルジバヤルはこれしかないと直後まったく同じ攻撃を為して「指導2」失陥、さらに再度の抱きつきに出るが、これは肩の上から相手を抱き捕まえておりおそらくベアハグにはあらず。しかし数秒の間に同じ行為を繰り返す選手の態度を不遜と見て度を失ったか主審は「指導3」を宣告して試合を終わらせてしまい、モンゴルは猛抗議の末礼を行わず畳を去ることに。チームごと失格となって以後の試合の出場資格を失ってしまった。

余談ながら、韓国チームの「座り込み」の間、報道席ではガク・ドンハン-小林悠輔戦の結果の解釈がこの混乱の因ではとの推論がかまびすしかった。この時点で、あの試合が「技有」による勝利であった(結果としてはこれが正しい)とする記者たち、そうではなく「一本」であったと記憶している記者たちの2派に、意見がまっぷたつに分かれていたのである。写真で検証すると、かつて日本でも年配の技量の低い審判員には良くあったことであるが、審判本人は「技有」だと思って水平に手を出したつもりも体が利かず「一本」と「技有」の間の空間に曖昧に手を挙げてしまっており、これが見解の分かれた原因であることほぼ間違いなし。(前日飯田健太郎-チョ・グハン戦で「指導」を出せずに意味なく長時間試合を演出した、あの主審と同一人物である)。地方の私設試合ならともかく、「まともな試合」でこのような審判にお目に掛かることはもはやほとんどない。

韓国の「座り込み」の挙は擁護出来ない恥ずべき行為であるが、選手もコーチもこれまでの大会3日間で「審判の技量が低い」「普段自分たちが戦っているレベルの試合を裁けるような審判ではない」ことは十分認識しているはずで、その信頼できない審判団から「あなたがたはレギュレーションを勘違いしている」と説得されたとしてあっさり納得できないであろうことも、心情的には理解できなくもない。

普及の意味もあって、普段国際大会を十分裁けていない人物、国から審判を選出することが続いているアジア大会だが、これでは普及どころか逆効果。国際的に注目を浴びる場で「柔道の判定は理不尽でわかりにくい」とアピールしてしまっていることになっているのではないか。ここ数年IJFのワールドツアーにおける審判のレベルは急激に上がり、特に決勝ラウンドを裁く審判員の練度と見識は極めて高い。経験と訓練を積んでいない「そうでない」審判員との技量差はかつてとは比較にならないほど開いてしまっている。今大会ではインカム指示によりこれを無理やり補完しようとしたところ、主審が自身よく理解しないまま反則を与え続け、結果与えられた「指導」全てが何によるものかほぼまったくわからないという試合まであった。(90kg級準々決勝、ベイカー茉秋対イスラム・ボズバエフ戦)。かつて「大局から見れば普及がより大事」と採られたであろうアジア大会の審判編成策であるが、時間が経ち、柔道競技を取り巻く状況も変わり(高いレベルの国際試合という機会自体が劇的に増え、審判員養成の制度も充実している)その「大局」自体が既に変化しているのではないだろうか。普及のために審判員抜擢が必要というのであれば普段からきちんとIJFツアーで行えばいい。高いレベルの選手を、技量の確かな審判員が公正に裁いてエキサイティング、かつ納得感のある試合が行われることこそ最大の普及策だ。「アジアの混沌」と済ませてしまうわけにはいかない、次回大会への大きな課題であると考える。

また、レギュレーションをとうとう最後まで明文化しなかったアジア大会の運営体制は論外と切って捨てるとして、IJFの団体戦に対する備えの甘さにも一抹の危機感を覚える。個人戦に関してはあれほど厳格、こちらが敬服するほどの圧倒的な思考量を投下してルールを精査しているIJFがこと団体戦に関しては同じ組織とはちょっと信じがたいほど楽観的。団体戦の文化がない(あるいは日本と違う)と言ってしまえばそれまでだが、五輪でエキサイティングな競技が行われるべく綿密な議論、そして何より早期のルール周知徹底を強く求めたい。五輪でも決勝での対戦が十分ありうる日本-韓国戦というビッグカードにおける今回の失態は、東京五輪に向けた柔道競技団体戦のプレゼンテーションとしては明らかな失敗であった。(これも余談ながらそもそも、優勝候補の韓国、日本、モンゴルの3チームが全て同サイドに集まるという偏り過ぎたドローはいかなる論理によって行われたのか?結果決勝ラウンド3試合は全て4試合ストレートの大差で一方的に終了してしまい、面白い試合とは到底思えなかった。興行的にも納得感という意味からも、団体戦の価値を上げるという観点からも大いに疑問である。)

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海老沼匡がバヤンデリヘイからまず小外掛で「技有」

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海老沼は背負投「技有」も追加して快勝、今大会出場選手を絞った中国は日本の敵ではなかった。

[準決勝]

日本 4-0 中国
[57kg以下]舟久保遥香〇横四方固△ジャン・ウェン
[73kg以下]海老沼匡〇背負投(1:01)△バヤンデリヘイ
[70kg以下]田中志歩〇横四方固(1:05)△リウ・ホンヤン
[90kg以下]小林悠輔〇大外刈(1:06)△ブヘビリゲ
※第1試合から4連勝のため以降の試合は行われず。

迎えた準決勝は日本が、モンゴルを食って勝ち上がって来た中国を圧倒。57kg以下の舟久保はジャン・ウェンの左一本背負投の形に腕を抱えた左横掛の奇襲に一時「技有」を失う直後取り消し)が、そのまま立たせず寝技を展開し横四方固で一本勝ち。73kg以下の海老沼はバヤンデリヘイから33秒小外掛「技有」を奪い、続いて左背負投を3連発。3発目を豪快に決め切って「技有」、僅か1分1秒で合技の一本勝ち。70kg以下の田中志歩もリウ・ホンヤンを試合が始まるなりの内股で崩すと二度と立たせず抑え切り、1分5秒横四方固「一本」。

第4試合で90kg以下の小林悠輔が大外刈「一本」を決めて日本は決勝進出決定。数時間の休憩を挟んで、決勝に臨むこととなる。

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決勝、舟久保遥香がニシャンバエワから横四方固「一本」。

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海老沼匡がスマグロフから背負投「技有」

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田中志歩がベクタスキジから内股「一本」

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小林悠輔が難敵ボズバエフから内股「技有」

[決勝]

日本 4-0 カザフスタン
[57kg以下]舟久保遥香〇横四方固(1:24)△セヴァラ・ニシャンバエワ
[73kg以下]海老沼匡〇GS技有・背負投(GS0:31)△ジャンサイ・スマグロフ
[70kg以下]田中志歩〇内股(2:26)△ゼレ・ベクタスキジー
[90kg以下]小林悠輔〇優勢[技有・内股]△イスラム・ボズバエフ
※第1試合から4連勝のため以降の試合は行われず。

カザフスタンと日本の戦力差は歴然。カザフスタンは73kg以下のジャンサイ・スマグロフと90kg以下のイスラム・ボズバエフが実力者だが、この2ポジションをしっかり取った日本がストレートで優勝を決めることとなった。

57kg以下の舟久保遥香はセヴァラ・ニシャンバエワを小外刈で崩すと襟を抱えて縦四方固、さらに所謂「シバロック」に近い形に連絡して抑え切り、あっという間の一本勝ち。

73kg以下の海老沼匡は難敵スマグロフを相手に粘り強く攻め続け、GS延長戦31秒に左背負投に入り込むと背中を離さず押し込み、体いっぱい使い切って「技有」獲得、しっかりミッション達成。70kg以下の田中志歩は力の差があるゼレ・ベクタスキジーを攻め続け、1分35秒には大内刈で「技有」奪取。これは時間が経って取り消しとなったが、この修正直後の2分26秒、背中を抱えて来た相手の釣り手を上から抱き込みながら強引な左内股一撃「一本」。日本はこの時点でスコアを3-0とし、早くも優勝に王手をかける。

迎えた第4試合、小林はケンカ四つの難敵ボズバエフを左内股で攻め続け、51秒には片手の咎で「指導1」先行。1分50秒には左内股、腕拉十字固を狙ってまたいで来たボズバエフをその形のまま叩き落として決定的な「技有」奪取。

以後も内股、引き続いての寝技と攻める小林は残り1分を過ぎるとクロージングに舵を切る。残り34秒で「極端な防御姿勢」で「指導」失陥、残り7秒ではボズバエフの思い切りの良い右大外刈を食うが裏投に切り返して難を逃れる。直後、左内股に潰れたところで終了ブザーが鳴り響いて試合終了。この試合は小林の優勢勝ち、そして日本の優勝が決まった。

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試合終了、日本はこの試合もストレートで勝利し優勝を決めた。

準々決勝の韓国戦が最大の山場であったこと、そして厄介な強国モンゴルが自滅して早々に畳から降りたこともあり、日本はベスト4からの2試合を大勝。やはり男女合わせて6階級に水準以上の選手を、それもほぼ2セット揃えた日本の総合力は他を圧していた。以降もこのレギュレーションであれば日本の優位は揺らぐまい。世界でも対抗し得る国は片手に足りない。しかし、「日本強し」との評を大きく超えて、男女混合6人制団体という制度の危うさ、そしてアジア大会という場の混沌が強く印象に残った1日であった。

入賞者と3位決定戦以降の対戦詳細は下記。

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金メダル獲得の日本チーム

【入賞者】
(参加10チーム)

優 勝:日本
準優勝:カザフスタン
第三位:韓国、中国

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3位決定戦、クォン・ユジョンがグルノザ・ジヤエワから大外落「一本」

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アン・チャンリンがギヨション・ボボエフから背負投「技有」

【3位決定戦】

韓国 4-0 ウズベキスタン
[57kg以下]クォン・ユジョン○大外落(2:40)△グルノザ・ジヤエワ
[73kg以下]アン・チャンリン○GS技有・背負投(GS4:41)△ギヨション・ボボエフ
[70kg以下]キム・センヨン〇優勢[技有・肩車]△グルノザ・マトニヤゾワ
[90kg以下]ガク・ドンハン〇GS払巻込(GS6:04)△シャフゾドベク・サビロフ
※第1試合から4連勝のため以降の試合は行われず。

中国 4-0 インド
[57kg以下]ジャン・ウェン〇優勢[技有・大内刈]△カルパナ=デヴィ・ソウダム
[73kg以下]チン・ダガ〇△ヴィジャイ=クマール・ヤダフ
[70kg以下]リウ・ホンヤン〇合技[一本背負投・横四方固](3:56)△ガリマ・チョウダリー
[90kg以下]ブヘビリゲ〇合技(背負投・横四方固(1:01)△ハーシュディープ=シン・ブラー
※第1試合から4連勝のため以降の試合は行われず。

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増地克之女子監督が胴上げで宙を舞う

【決勝】

日本 4-0 カザフスタン
[57kg以下]舟久保遥香〇横四方固(1:24)△セヴァラ・ニシャンバエワ
[73kg以下]海老沼匡〇GS技有・背負投(GS0:31)△ジャンサイ・スマグロフ
[70kg以下]田中志歩〇内股(2:26)△ゼレ・ベクタスキジー
[90kg以下]小林悠輔〇優勢[技有・内股]△イスラム・ボズバエフ
※第1試合から4連勝のため以降の試合は行われず。

※ eJudoメルマガ版9月13日掲載記事より転載・編集しています。

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