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素根輝と佐藤瑠香がともに優勝、女子は計6階級制覇なる・アジア大会柔道競技2018第3日女子レポート

(2018年9月2日)

※ eJudoメルマガ版8月31日掲載記事より転載・編集しています。
素根輝と佐藤瑠香がともに優勝、女子は計6階級制覇なる
アジア大会柔道競技2018第3日女子レポート(78kg級、78kg超級)
文責:古田英毅/eJudo編集部

■ 78kg級・佐藤瑠香圧勝、ライバルなきトーナメントを全試合一本勝ちで駆け抜ける
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準々決勝、佐藤瑠香がチャンタコマン・コンマから大外刈「一本」。

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決勝、佐藤がパク・ユジンから支釣込足「一本」。

(エントリー9名)

【入賞者】
1.SATO, Ruika (JPN)
2.PARK, Yujin (KOR)
3.OEDA, Ikumi (THA)
3.MA, Zhenzhao (CHN)
5.YULDASHEVA, Nodira (UZB)
5.RAIFOVA, Zarina (KAZ)
7.CHANTHAKOUMMANE, Khonema (LAO)
7.SHRESTHA, Punam (NEP)

佐藤瑠香が圧勝。準々決勝はチャンタコマン・コンマ(ラオス)を大外刈「一本」、準決勝はマー・ジェンジャオ(中国)から「指導3」の反則、決勝はパク・ユジン(韓国)を支釣込足「一本」で下した。

現在のアジアの78kg級のレベルは高くなく、日本代表レベルの選手であれば優勝は既定路線。佐藤は絶対に失敗することが出来ない立場だったわけだが、組み手で相手を徹底封殺、常に自分だけが攻めることが出来、相手は「直す」ことしか出来ない状況をまず作り、ここから一方的に技を継ぐという万全の形で3戦を駆け抜けた。全試合得意の右相四つで力の差が出しやすかったこともあり、引き手争いの膠着や「直し過ぎ」による展開停滞もなし。選抜体重別で準決勝敗退、その際一本負けを喫した覇者・高山莉加(三井住友海上)を差し置いての代表選出という難しい状況だったが、責任をしっかり果たした形の戦いだった。

佐藤瑠香選手のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および日本代表選手全試合の戦評は下記。

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78kg級メダリスト。左からパク、佐藤、マー、オオエダ。

佐藤瑠香選手のコメント
「(―金メダルです)良かったです。(―最後は一本で決めました)技が決まって良かったです。絶対に優勝してやるという強い気持ちで戦いました。(―決まり技の支釣込足は狙っていた?)狙っていたわけではないですが、絶対に勝ちたいという一心で戦っていたのでその結果ということだと思います。絶対に優勝しないと次はないと思っていたのでホッとしています。グランドスラム大阪でしっかり優勝して、来年の世界選手権に繋げたいです。」

【準決勝】
佐藤瑠香○反則[指導3](3:39)△マー・ジェンジャオ(中国)
パク・ユジン(韓国)○一本(2:18)△ノディラ・ユルダシェワ(ウズベキスタン)

【3位決定戦】
イクミ・オオエダ(タイ)〇優勢[技有・大内刈]△ノディラ・ユルダシェワ(ウズベキスタン)
マー・ジェンジャオ(中国)〇合技[外巻込・後袈裟固]△ザリナ・ライフォワ(カザフスタン)

【決勝】
佐藤瑠香(コマツ)〇支釣込足(3:23)△パク・ユジン(韓国)
右相四つ。地力、組み手の練度ともに明らかに上の佐藤は引き手で袖を折り込んで奥襟を叩くが、20秒に袖口を絞った咎で「指導」を受けてしまう。しかし動揺はない模様、以降も一方的に引き手で袖を得ると織り込んで横を向かせ、釣り手で奥襟を掴んで完璧な組み手。パクは釣り手を切らせてすらもらえず、低い位置で襟を持たされ続ける苦しい形、技が出せずに1分20秒消極の「指導」。以後も佐藤の組み手支配は続き、2分30秒には袖を押さえられて技が出せなくなったパクに消極的の咎で「指導2」。3分0秒、佐藤は引き手を織り込んで奥襟を抱える完璧な形から大外刈、耐えられると支釣込足に連絡してパクを大きく崩し「待て」。これで手ごたえを得たか、3分23秒、ほぼ同じ形からひときわ鋭く腰を切って支釣込足を当てるとパク陥落「一本」。

【日本代表選手勝ち上がり】

佐藤瑠香(コマツ)
成績:優勝


[準々決勝]
佐藤瑠香○大外刈(0:19)△チャンタコマン・コンマ(ラオス)
右相四つ。組むなり引き手を低く、釣り手を高くと万全の体勢から大外刈「一本」。まさしく「据えもの斬り」であった。

[準決勝]
佐藤瑠香○反則[指導3](3:39)△マー・ジェンジャオ(中国)
右相四つ、佐藤は体格のある相手に無理をせず、まず引き手を絞って相手に横を向かせては大内刈に小内刈、膝を狙った右大外刈と足技で一方的に攻める。佐藤の蹴り崩しにマーが潰れた1分34秒偽装攻撃の「指導」、佐藤の大内刈から小内刈のコンビネーションに崩れ伏せた2分28秒消極の「指導」。佐藤は小内刈を当てながら右後隅に押し込む面白い内股も見せて快走。片襟の大内刈から体落、さらに背負投と良い技を2つ繋いだ3分39秒「指導3」で終戦。

[決勝]
佐藤瑠香(コマツ)〇支釣込足(3:23)△パク・ユジン(韓国)
※前述のため戦評省略

■ 78kg超級・素根輝が優勝、キムミンジョン下して世界レベルの力を証明
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準々決勝、素根輝がラジワインダー・カウルから背負投「技有」。

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決勝、素根がキム・ミンジョンから背負投「技有」。

(エントリー9名)

【入賞者】
1.SONE, Akira (JPN)
2.KIM, Minjeong (KOR)
3.ISSANOVA, Gulzhan (KAZ)
3.WANG, Yan (CHN)
5.BATTULGA, Munkhtuya (MGL)
5.TSAI, Jia Wen (TPE)
7.ILMATOVA, Rinata (UZB)
7.KAUR, Rajwinder (IND)


日本代表の高校3年生・素根輝が順当に優勝。最重量級の一線選手としては上背がなく、国際大会ではひときわ小さく見える素根だが、その安定感は比類なし。準々決勝はラジワインダー・カウル(インド)を合技「一本」、準決勝はワールドツアーの上位常連グルジャン・イッサノワ(カザフスタン)を「指導3」の反則、そして決勝は第1シードのキム・ミンジョン(韓国)をGS延長戦の背負投「技有」で下してしっかり優勝を決めた。

昨年の世界選手権銅メダリストでワールドマスターズ王者、今年2月のグランドスラム・パリでも優勝しているキムは来るバクー世界選手権でもV候補の一。機動力の高さは階級屈指、現在の最重量級シーンを引っ張るまさに主役級の強豪であるが、この選手を相手に「勝つのが当たり前」とばかりに淡々試合を進めて勝ち切った素根の強さはやはり凄まじい。相性的に面倒な超大型のワン・ヤン(中国)がキムに敗れて直接対決がなかったことはファン目線からは惜しいが、しっかり一段階段を登った大会と総括していいだろう。バクー世界選手権の代表選出には一歩間に合わなかったが、東京五輪に向けて走り出す体勢しっかり整った夏だった。

素根輝選手のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および日本代表選手全試合の戦評は下記。

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78kg超級メダリスト。左からキム。素根、マー、イッサノワ。

素根輝選手のコメント
「優勝することが出来て本当に良かったです。誰が相手でも自分の前に出る柔道で優勝するつもりでした。(―最後は担ぎ技でした)担ぎは日頃からずっと練習してきているので、最後にそれで投げ切ることが出来て良かったです。(―引き手を放しませんでしたね?)相手も良く研究してきていたので、持てる場面が少なく、持ったときには絶対に離さないという気持ちで技にいきました。自分は超級では小さいので、奥を叩かれると不利。組み手は徹底してやろうと考えていました。来年の世界選手権と東京五輪に出たいという気持ちが強く、まずはここで結果を残してアピールしようと思っていました。結果が出て良かったです。目の前の大会ひとつひとつを大事にして、しっかり勝っていきたいです。」

【準決勝】
キム・ミンジョン(韓国)○一本(3:13)△ワン・ヤン(中国)
素根輝○反則[指導3](2:59)△グルジャン・イッサノワ(カザフスタン)

【3位決定戦】
グルジャン・イッサノワ(カザフスタン)○GS反則[指導3](GS)△バトトルガ・ムンフツヤ(モンゴル)
ワン・ヤン(中国)○合技[払巻込・縦四方固](1:24)△ツァイ・ジアウェン(台湾)

【決勝】
素根輝○GS技有・背負投(GS0:27)△キム・ミンジョン(韓国)
左相四つ。キムは引き手で襟を持ってから奥を狙うオーソドックスな組み立て。対する素根は奥襟を持たれないようにいったん体を開いて、引き手で相手の釣り手を捌きつつ、袖を掴むチャンスを窺う。キム優位での組み手争いが続き、47秒、素根に消極的の「指導」。続く展開、素根は両手で相手の左袖を狙いながら得意の左大内刈を2度放つ。接近すると素根の技は十分利く模様。キムがこれを嫌ってクロスグリップで素根を潰した1分20秒、キムに片襟の「指導」。キムは次第に素根とまっすぐ組み合うことが辛くなってきた気配、近づくならば自分優位を取らねば危険とまたもやクロスグリップのまま時間を長く使ってしまい、2分1秒には「指導2」が追加される。2分40秒にはキムが奥襟を持った形が生まれるが、素根は右袖釣込腰を放ってあっさりこれをリセット。3分20秒には再びキムが奥襟を得て猛攻、素根は左大内刈で潰され「横三角」から腕挫脚固を狙われるも、反応良く腕を引いて凌ぎ切る。そのまま本戦の4分間が終わり、試合はGS延長戦へ。

延長戦の開始直後、素根がこの試合で初めて一方的に引き手で袖を得る。キムは何度も振り解こうとするが、素根はあくまでこれを離さず、まず片襟の左大内刈で相手を下げ、キムが前に出て左小外刈を狙ったタイミングに片襟の左背負投。相手が背中に乗ったと見るや股の間に入り込むように転がし「技有」。これで素根の優勝が決まった。

【日本代表選手勝ち上がり】

素根輝(南筑高3年)
成績:優勝


[準々決勝]
素根輝○合技[袖釣込腰・横四方固](1:41)△ラジワインダー・カウル(インド)

素根が左、カウルが右組みのケンカ四つ。カウルは釣り手で素根の腹上を突き、引き手の袖を浅く持って距離を取り続ける。素根慌てずじっくり引き手を掴み、釣り手を上げ、左大内刈で牽制。ついに間合いを詰め切ると身を翻して右袖釣込腰、実質ファーストアタックであるこの技で投げ切り「技有」。そのまま抑え込んで一本勝ち。

[準決勝]
素根輝○反則[指導3](2:59)△グルジャン・イッサノワ(カザフスタン)
素根が右、イッサノワは左構えで試合をスタート。イッサノワは距離を取り、素根が袖を得るとすぐさま切り、機を見ては突如奥襟を叩きに来るという粘戦モード。素根はまず両袖の袖釣込腰、これが間合いが遠く効薄いと見ると以後は先んじて引き手を制しておいての支釣込足で蹴り崩しを続ける。イッサノワには1分32秒消極の「指導」、2分30秒取り組まない咎で「指導2」、2分59秒偽装攻撃で「指導3」と反則累積。素根、落ち着いた試合ぶりで決勝進出決定。

[決勝]
素根輝○GS技有・背負投(GS0:27)△キム・ミンジョン(韓国)
※前述のため戦評省略

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