PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

日本勢が3階級制覇、玉置桃があざやか逆転「一本」・アジア大会柔道競技2018第2日女子即日レポート

(2018年8月30日)

※ eJudoメルマガ版8月30日掲載記事より転載・編集しています。
日本勢が3階級制覇、玉置桃があざやか逆転「一本」
アジア大会柔道競技2018第2日女子即日レポート(57kg級、63kg級、70kg級)
文責:古田英毅/eJudo編集部

■ 57kg級・玉置桃がアジアの頂点極める、決勝は鮮やか逆転「一本」
eJudo Photo
2回戦、玉置桃がユリコ・ワラシハから大外刈「技有」

eJudo Photo
準々決勝、玉置桃がキム・ジャンディから腕挫十字固「一本」

(エントリー17名)

【入賞者】
1.TAMAOKI, Momo (JPN)
2.KIM, Jin A (PRK)
3.DORJSUREN, Sumiya (MGL)
3.LIEN, Chen-Ling (TPE)
5.LU, Tongjuan (CHN)
5.NISHANBAYEVA, Sevara (KAZ)
7.LEUNG, Po Sum (HKG)
7.KIM, Jandi (KOR)

玉置桃がアジアの頂点を極めた。この日は2回戦でユリコ・ワラシハ(タイ)から合技「一本」、勝負どころと目された準々決勝はキム・ジャンディ(韓国)から腕挫十字固「一本」、準決勝はルー・トンジュアン(中国)から片手絞「一本」と抜群の出来、一本勝ちを連発して決勝に進出。

逆サイドの山では事件発生。絶対の優勝候補と目されていた現役世界王者ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)が、準々決勝で国際的にはほぼ無名のキム・ジンア(北朝鮮)にGS延長戦の末大内刈「一本」で敗戦。キムはそのまま決勝へと駆け上がり、玉置と相まみえることとなった。

キムの国際大会出場は3度のみで、1度目が2015年アジアジュニア選手権(準優勝・土井雅子に敗退)、2度目が2017年7月のグランプリ・フフホト(初戦で玉置に「指導1」対「指導2」で敗退)、3度目が同年8月のブダペスト世界選手権(初戦でヨアナ・ロギッチに敗退)。つまりは玉置のほうが格上であるが、今大会の北朝鮮チームの存在感は常の国際大会とはまったく違ったもの。全員が体強く仕上がり良く、このキムも初戦から体の力が余っているかのような動きの良さと、剣術の「猿叫」という言葉を思い起こすような独特の高い叫び声で、会場内で非常に目立っていた。油断のならない相手。

eJudo Photo
決勝、玉置は内股「技有」を失う苦しいスタート。

eJudo Photo
「韓国背負い」一撃、逆転の「一本」

この決勝、玉置はキムの思い切った左内股を受け損ない「技有」失陥の苦しいスタート。中盤を過ぎるとキムは完全に逃げ切りに舵を切る。体の強いキムが徹底して守るこの流れを崩すことはもはや難しいかと思われたが、玉置はケンカ四つの相手に、まず引き手争いに意識を向けさせ、次いで釣り手側に「韓国背負い」。虚を突かれたキムは剛体となって畳に沈み「一本」。劇的逆転で玉置の優勝が決まった。

玉置は見事。初戦から決勝まで全試合一本勝ちというその結果はもちろん、試合内容も非常に締まったもの。決勝、逆転の「一本」のあと、横四方固で抑え込んだままあくまで離さなず審判を目で圧する様(アジア大会におけるこれまでの審判団の混乱を見れば、事後の取り消しや修正は十分ありうる事態だった)にはこれが端的だった。また、決勝、玉置の技構成からして「追いかける」展開は率直に言って厳しいかと思われたが、ここで取って来たことも見事。刻々時間が減る中、闇雲な技ではなく、相手の意識を逸らして逆を狙うという作りを利かせた冷静さも見事であった。今日本の57kg級でもっとも勢いに乗っている選手である玉置だが、その強さの源泉決して「勢い」のみにあらず。一段評価を上げた大会だったと評したい。

玉置桃選手のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および日本代表選手全試合の戦評は下記。

eJudo Photo
57kg級メダリスト。左からキム、玉置、ドルジスレン、レン。

eJudo Photo
礼を終え、観客席の声援に応える玉置

玉置桃選手のコメント
「序盤に取られていたので、ここは投げる、『一本』取るしかないと思って攻めに出ました。まだ時間があったので、落ち着けば行けると思っていました。ずっと練習していた技が決まって嬉しかったです。本当に「一本」なのかなと思って抑え込み続けてしまいました。前の日から覚悟を決めて一戦一戦目の前の相手だけに集中して戦いました。遠くからお母さんが応援に来てくれていたので、優勝できて本当に良かったです。ここで終わりではないので、どんどん勝ち続けて、東京五輪に出られるようにがんばります。」

【準決勝】
キム・ジンア(北朝鮮)○優勢[技有]△セヴァラ・ニシャンバエワ(カザフスタン)
玉置桃○片手絞(2:09)△ルー・トンジュアン(中国)

【3位決定戦】
ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)○GS技有・背負投(GS1:49)△ルー・トンジュアン(中国)
レン・チェンリン(台湾)○合技[内股・崩上四方固](1:18)△セヴァラ・ニシャンバエワ(カザフスタン)

【決勝】
玉置桃○背負投(2:42)△キム・ジンア(北朝鮮)
玉置が右、キムが左組みのケンカ四つ。30秒、キムが引き手を得るなり勢いよく左内股。反応が遅れた玉置は宙を舞って体側から畳に落ち、早々に「技有」ビハインドを負ってしまう。直後玉置は組み際に脇を差しながら右大内刈を仕掛けるが、これはキムが腹這いで逃れる。この一発で警戒を強めたキムは以降玉置と近い間合いで攻防することを避け、釣り手を内から突いて距離を取り、防御重視の構え。一方の玉置は引き手が取れないために攻め切れず、片手技の肩車を出しながらチャンスを窺う。2分半を過ぎたところで、玉置は釣り手を内から持つと引き手争いから片手の右内股を打ち、相手の意識を前技、引き手の攻防へと向けさせる。これが十分相手に染みた2分42秒、引き手の攻防から瞬時に引き手で釣り手側の襟を握り、右回転で相手の左側に引き落とすような「韓国背負い」。仰け反るようにして押し込むと、意識の逆の左を取られたキムは為すすべなく背中から畳に落ち「一本」。玉置、逆転でアジア大会初優勝なる。

【日本代表選手勝ち上がり】

玉置桃(三井住友海上)
成績:優勝


[2回戦]
玉置桃〇合技[大外刈・大外刈](2:03)△ユリコ・ワラシハ(タイ)
右相四つ。ワラシハ内股で先んじて攻撃も玉置揺るがず。袖をしっかり手繰っての右払巻込で攻めに転じる。1分24秒、引き手で袖を確保すると組み際に片襟の右大外刈、相手の上体の拘束が完璧ではなかったが刈り足を高く揚げることで刈り切り「技有」。2分3秒にも組み際に引き手一本から大外刈に飛び込み、ほぼ同じ形で2つ目の「技有」。

[準々決勝]
玉置桃〇腕挫十字固(0:35)△キム・ジャンディ(韓国)
玉置が右、キムが左組みのケンカ四つ。キムが釣り手で背中を抱いてくると玉置引きずり込んで鋭い送足払。キムが滑り崩れるとそのまま立たせず横三角から展開、腕挫十字固「一本」。

[準決勝]
玉置桃○片手絞(2:09)△ルー・トンジュアン(中国)
玉置が右、ルーが左組みのケンカ四つ。ルーは釣り手で正中線を超えて肩裏を持ち、玉置の頭を押さえんとしながら試合を進める。玉置は膝裏への小外刈で止め、寝勝負では腕緘に固めた引込返を狙うが形上少々不利をかこつ。しかしまたもやルーが首裏を抱えると、右浮腰で迎え撃って崩し、「ボーアンドアローチョーク」。形がこれに定まるとルーややあって「参った」。

[決勝]
玉置桃○背負投(2:42)△キム・ジンア(北朝鮮)
※前述のため戦評省略

■ 63kg級・鍋倉那美がしっかり仕事、ライバル少なきトーナメントを全試合一本勝ちで駆け抜ける
eJudo Photo
決勝、鍋倉那美がキヨミ・ワタナベから巴投「技有」

eJudo Photo
鍋倉は果敢に寝勝負を挑む

eJudo Photo
崩上四方固「一本」

(エントリー14名)

【入賞者】
1.NABEKURA, Nami (JPN)
2.WATANABE, Kiyomi (PHI)
3.HAN, Hee Ju (KOR)
3.TANG, Jing (CHN)
5.BOLD, Gankhaich (MGL)
5.CHEN, Yun-Ting (TPE)
7.FRADIVTHA, Ardelia Yuli (INA)
7.SENATHAM, Orapin (THA)

鍋倉那美が圧勝。まず初戦の準々決勝でアルデリア=ユリ・フラディヴタ(インドネシア)を僅か17秒の内股「一本」、準決勝はタン・ジン(中国)から33秒内股「一本」とまさしく「カメラを構える暇もない」秒殺連発で決勝へ。決勝では唯一のライバルと目された早稲田大所属の2015年全日本学生体重別選手権の覇者キヨミ・ワタナベから巴投「技有」、さらに崩上四方固「技有」と連取して優勝を決めた。

今アジア大会の63kg級は各国がいずれも選手の世代交代期、あるいはそもそもの地力のなさにより、率直に言って陣容脆弱。逆に「勝って当然」のプレッシャーが掛かる中でしっかり仕事を果たした鍋倉は見事。決勝、寝技の得意なワタナベに敢えて寝勝負を挑みあくまで「一本」を獲り切った使命感も素晴らしかった。選抜体重別で初戦敗退を喫しながらの代表選抜、実は勝てずば全てを失いかねない状況でもあったわけだが、昨年来一貫した首脳陣の期待に応えて結果を出し、田代未来追撃一番手の座を確定したといえる。

ただし、前2戦の「秒殺」の作りの雑さは少々気に掛かった。力の差のある相手を「短い時間で倒す」論理に長け、どこか掴めば投げられると作りもそこそこに相手を「こちらだけが知っている理屈」に嵌めて力で投げ切ってしまう様は、鍋倉の、まさしく圧勝続きであった中学時代を思い出した。もちろん相手との力関係をしっかり見極めて的確に引き出しを繰り出したということなのだろうが、このやり口が強者相手に必ずしも通じないごとが鍋倉の高校以降のキャリア停滞の一因であったはず。「秒殺」の理は選手の個性の鏡、次はぜひ強者を次々あっという間に投げつける鍋倉の姿を見てみたい。

鍋倉那美選手のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および日本代表選手全試合の戦評は下記。

eJudo Photo
63kg級メダリスト。左からワタナベ、鍋倉、タン、ハン

鍋倉那美選手のコメント
「たくさんの方が応援して下さったので、一つタイトルが獲れて良かったです。絶対に負けない、絶対に勝つと言い聞かせて戦いました。『一本』を取って勝ちたかったし、守って負けても悔いが残る。最後まで『一本』を取りに行きました。久しぶりに得意技の内股が決まって良かったです。映像で見ていて、前の2人が逆転や長い試合で本当に頑張っていたので、自分も負けないように集中して戦いました。これで勝って東京五輪を公言すると決めていました。東京に向けてチャレンジしていきます。」

【準決勝】
鍋倉那美○内股(0:33)△タン・ジン(中国)
キヨミ・ワタナベ(フィリピン)○優勢[技有]△ボルド・ガンハイチ(モンゴル)

【3位決定戦】
ハン・ヒジュ(韓国)○GS技有・袖釣込腰(GS5:00)△ボルド・ガンハイチ(モンゴル)
タン・ジン(中国)○腰車(1:45)△チェン・ユンティン(台湾)

【決勝】
鍋倉那美○合技[巴投・崩上四方固](3:21)△キヨミ・ワタナベ(フィリピン)
右相四つ。開始直後の15秒、鍋倉が引き手を得て右大外刈。ワタナベはこれを透かし潰して背中側から絞めを狙うが、ここは鍋倉が守り切って「待て」。双方が組み手争いから巴投を1度ずつ出し合って迎えた1分55秒、鍋倉が相手の釣り手を抱き込んだ状態から再度の巴投。引き手側に重心を置き、やや横変形気味だった相手を左方向に蹴り出すとワタナベ体側から落ちて「技有」。直後、奮起したワタナベが奥を叩き、右大内刈で迎え撃った鍋倉を伏せさせ腕挫十字固を狙う反撃。しかしこれは形が出来上がる前に「待て」となる。2分50秒、鍋倉は左大外刈で伏せたワタナベの背を取り、「腹包み」の形から足を持ってしつこく捲り、崩上四方固。不十分な形ながらも10秒間を抑え切り合技「一本」。

【日本代表選手勝ち上がり】

鍋倉那美(三井住友海上)
成績:優勝


[準々決勝]
鍋倉那美○内股(0:17)△アルデリア=ユリ・フラディヴタ(インドネシア)
試合が始まるなり鍋倉突進。持った袖は浅かったが、相手が離れて逃げようとする方向を反時計回りに限定。そのまま作用足を入れ、相手の回旋軌道を増幅させる形で右内股に捉える。ケンケンで耐えられると押し込んで崩し、いよいよ倒れると見るや飛んで乗り込み「一本」。

[準決勝]
鍋倉那美○内股(0:33)△タン・ジン(中国)
相手にまったく柔道をさせず。組み勝って勢いある右内股「技有」。会場どよめく中、主審が「一本」に修正してあっという間の決着。

[決勝]
鍋倉那美○合技[巴投・崩上四方固](3:21)△キヨミ・ワタナベ(フィリピン)
※前述のため戦評省略

■ 70kg級・新添左季圧勝、決勝は得意の内股でキムセンヨン退ける
eJudo Photo
70kg級決勝、GS延長戦で新添左季がキム・センヨンから内股「技有

(エントリー15名)

【入賞者】
1.NIIZOE, Saki (JPN)
2.KIM, Seongyeon (KOR)
3.MATNIYAZOVA, Gulnoza (UZB)
3.TSEND-AYUSH, Naranjargal (MGL)
5.ZHU, Ya (CHN)
5.BEKTASKYZY, Zere (KAZ)
7.KWON, Sun Yong (PRK)
7.AKAHASHI, Mariya (PHI)

日本代表の新添左季が順当に優勝。アジアの70kg級はレベルが高くなく新添の優勝は「仕事」の範疇、唯一対抗し得る可能性があるとすれば27歳のベテラン、前回大会王者キム・センヨンが異常な仕上がりと気合いで臨んで来た場合のみ。

新添は準々決勝で合技「一本」、準決勝で袈裟固「一本」といずれも早い時間に勝負を決めて決勝進出。予想通りキム・センヨンと戦うことになった決勝はケンカ四つの腰の入れ合いが続き、キムが担ぎ技の弾幕を張り、新添が思い切った内股で投げに掛かるという構図のまま試合はGS延長戦へ。GS1分20秒、得意の左内股をねじ込んで「技有」を奪って優勝を決めた。

しっかり勝ち切った新添は見事。アジア大会王者という称号が今後のキャリアにもたらすものは大きいはず。力的に言って負けることが許されないトーナメントであるが、しっかり仕事を果たしたと言える。

ただし、敢えて注文をつけるとすれば、技術的、戦術的な裏付けに関して。決勝の「技有」も、「サリハニ状態」を交えながら腰の入れ合いを挑むキムに凌がれ続けて、前技と後ろ技のコンビネーションだけでこれを打開しようとして投げ切るに至らなかったそれまでの展開と大きく変わったところはなかったように思われた。キムのアクションにより間合いが近づいていたゆえ、または新添の技の圧力にキムが消耗したゆえ、これまで通り思い切り仕掛けた技が効いたという印象。手札を端から順番に山から取ったカードと入れ替えていくうちに役が揃ったというような、必然性の欠如を感じた。「指導」失陥やギアの上げ下げのタイミングにも、場当たり的の印象を受ける。それでも投げ切って全てをクリアしてしまう新添の地力はすさまじいが、より高いレベルで戦っていくためにはこれに加えて戦術、戦略を磨くことが必須かと思われる。本来の新添の力であれば、ここのところ元気がなく昨年の世界選手権でも初戦敗退のキムはそもそもGS延長戦に持ち込まれるような相手ではないはず。連続技や釣り手の操作、と技術的な上積みも見られる(予選ラウンドで繰り出した膝車はタイミングも的確、非常に効いていた)新添だが、より一層、「詰める」思考と技術の研鑽に期待したい。


新添左季選手のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および日本代表選手全試合の戦評は下記。

eJudo Photo
70kg級メダリスト。左からキム。新添、マトニヤゾワ、ツェンドアユシュ・ナランジャルガル。

新添左季選手のコメント
「嬉しいです。(―最後は得意の内股でしたね?)ずっと攻められていて、行くしかないと思っていました。狙っていたのですが、決められて良かったです。(―何度も大学に来て練習しているキム・センヨン選手が相手でしたが?)向こうも自分のことを知っていて、自分も向こうのことを知っている。友人でありライバル。楽しい試合でした。(―国際大会連勝です)色んな試合で優勝して、ちょっとずつアピールしていきたいです。(ー得たことは?)世界は広いということです(笑)。ごめんなさい(笑)。この後もグランドスラム大阪があってレベルの高い選手がいっぱい出ます。そこでも優勝できるように頑張ります。」

【準決勝】
新添左季○袈裟固(0:56)△ゼレ・ベクタスキジー(カザフスタン)
キム・センヨン(韓国)○優勢[技有]△グルノザ・マトニヤゾワ(ウズベキスタン)

【3位決定戦】
グルノザ・マトニヤゾワ(ウズベキスタン)○合技[隅落・隅落](2:10)△ジュー・ヤー(中国)
ツェンドアユシュ・ナランジャルガル(モンゴル)○反則[指導3](3:38)△ゼレ・ベクタスキジー(カザフスタン)

【決勝】
新添左季○GS技有・内股(GS1:20)△キム・センヨン(韓国)
新添が左、キムが右組みのケンカ四つ。まずは20秒にキムが両袖の巴投を仕掛けるが、これは新添余裕を持って受け切る。ここからは片手からの肩車や組み際の右背負投を狙うキム、両襟で固定して左内股、支釣込足と威力のある技を打つ新添という構図で試合が進む。残り56秒には一度新添に消極的「指導」が与えられるが、これはすぐに取り消され、両者ポイントがないまま勝負はGS延長戦へ。

延長戦に入るとキムが一段ペースを上げて技を連発。右背負投、右袖釣込腰、肩車、右体落とキムの技で終わる流れが続き、GS43秒、新添のみに消極的との咎で「指導」が与えられる。GS1分10秒、新添は引き手を得ると一度左小外掛で相手の意識を外側に向けさせ、やや間を置いて左内股に飛び込む。がっちりと上体を固めて作用足を上げるとキムは為す術なく背中から畳に落ち「技有」。新添が得意の内股で優勝を決めた。

eJudo Photo
準々決勝、新添の内股「技有」

【日本代表選手勝ち上がり】

新添左季(山梨学院大4年)
成績:優勝


[準々決勝]
新添左季○合技[内股・横四方固](1:29)△ジュー・ヤー(中国)
新添が左、ジューが右組みのケンカ四つ。ジューは引き手を取らせまいと体を開き、新添は両襟でこれを前に引っ張って態勢を戻す。引っ張り合いの中、新添はジューの逃げる出口を膝車で抑え、転がして「待て」。この一撃を受けて体を開くのみでは展望開けぬと悟ったジューが奥襟を叩いてくると、新添受け入れて引き手を握り左内股。地力と技術の差がまっすぐ出る形にジューは耐え切れず吹っ飛び「技有」。そのまま横四方固に抑え込んで合技「一本」で決着。

[準決勝]
新添左季○袈裟固(0:56)△ゼレ・ベクタスキジー(カザフスタン)
左内股で主導権確保、相手の捨身技を落として被さると袈裟固。何もさせぬまま「一本」。

[決勝]
新添左季○GS技有・内股(GS1:20)△キム・センヨン(韓国)
※前述のため戦評省略

※ eJudoメルマガ版8月30日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.