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志々目徹と丸山城志郎ミッション果たせず、勝負どころで出遅れともに銀メダルに終わる・アジア大会柔道競技2018第1日男子即日レポート

(2018年8月29日)

※ eJudoメルマガ版8月29日掲載記事より転載・編集しています。
志々目徹と丸山城志郎ミッション果たせず、勝負どころで出遅れともに銀メダルに終わる
アジア大会柔道競技2018第1日男子即日レポート(60kg級、66kg級)
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60kg級決勝、ディヨルベク・ウロズボエフが志々目徹から浮技「技有」

(エントリー17名)

【入賞者】
1.UROZBOEV, Diyorbek (UZB)
2.SHISHIME, Toru (JPN)
3.YANG, Yung Wei (TPE)
3.LEE, Harim (KOR)
5.AN, Jae Yong (PRK)
5.SHANG, Yi (CHN)
7.DASHDAVAA, Amartuvshin (MGL)
7.SMETOV, Yeldos (KAZ)

リオデジャネイロ五輪の銅メダリスト、ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)がアジア大会初優勝。準々決勝までの2試合をいずれも「一本」で勝ち抜くと、準決勝では前戦でダシュダヴァー・アマーツヴシン(モンゴル)を背負投「一本」で下した新鋭イ・ハリム(韓国)に「技有」優勢で勝利。迎えた決勝は日本代表の志々目徹(了徳寺学園職)に組み際の技を出し入れしてペースを掴ませず、GS延長戦では得意の両足を使った浮技で「技有」奪取。これで優勝を決めた。

志々目は一発にこだわって展開を失う悪癖を解消せんと様々工夫を凝らして試合を展開。得意の内股にこだわり過ぎず、準決勝までには背負投の形に腕を吊り上げた左大外刈を多用するなどして展開を作っていたが、決勝は勝負を掛けて加速すべき延長戦で出遅れて後手を踏んだ。

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準々決勝、延長戦でアン・ジェヨンがイェルドス・スメトフを裏投に捉えあわやポイント。スメトフは以後大減速。

優勝候補に挙げられていた2015年アスタナ世界選手権王者イェルドス・スメトフ(カザフスタン)は準々決勝でアン・ジェヨン(北朝鮮)に敗退。要所で鋭い動きは見せるもののコンディション不良か体の強いアンを相手に完全にスタミナが切れ、GS延長戦の裏投で放られた直後は胸が痛いとアピールし度々膝を着いては息を整える苦しい試合。対照的に開始線で跳ねて元気いっぱいのアンの前に「指導3」を失ったが、悔しがるというよりは試合が終わってホッとした表情。早々に相手と握手を交わして畳を去り、敗者復活戦も欠場した。

志々目のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および日本代表選手全試合の戦評は下記。

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60kg級メダリスト。左から志々目、ウロズボエフ、イ、ヤン。

志々目徹選手のコメント
「自分の組み手になることが出来なかった。体力もまだまだあったのですが、一つの油断が命取りになったと思います。(ーGSになって最初大外刈を仕掛けていきましたね?)延長戦はポイントを取ったもの勝ち、自分で行かないといけないと思っていました。(ー最後の技について?)自分の感覚ではギリギリ防いだかなと思ったのですが…またビデオを見て振り返ろうと思います。金メダルしか狙っていなかったので悔しいです。やれることをやって頑張っていきたいです。」

【準決勝】
ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)○優勢[技有]△イ・ハリム(韓国)
志々目徹○優勢[技有・大内刈]△アン・ジェヨン(北朝鮮)

【3位決定戦】
ヤン・ユンウェイ(台湾)○GS反則[指導3](GS4:37)△アン・ジェヨン(北朝鮮)
イ・ハリム(韓国)○GS技有・背負投(GS0:41)△シャン・イー(中国)

【決勝】
ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)○GS技有・浮技(GS0:38)△志々目徹
志々目が左組み、左右の利くウロズボエフは構えを使い分けながら組み手を展開。組み際の技を狙い一撃離脱を繰り返すウロズボエフに志々目が付き合う形で試合が進み、2分18秒には両者に消極的の咎で「指導」。このまま本戦の4分間が終わる。GS延長戦37秒、組み際に志々目が両手を得ようと前傾したところでウロズボエフが得意の両足を使った浮技。左足を支点にしながら右足で押し上げると志々目横倒しに落ちて「技有」。ケアシステムによる確認が行われるも判定は覆らず、ウロズボエフの優勝が決まった。

【日本代表選手勝ち上がり】

志々目徹(了徳寺学園職)
成績:2位


[2回戦]
志々目徹○横四方固(0:48)△ポウ・カイプク(カンボジア)
相手の左一本背負投を潰し、めくり返し、絡まれた脚を引き抜いて抑え込む。観念したカイブク早々に「参った」。

[準々決勝]
志々目徹○GS反則[指導3](GS0:52)△シャン・イー(中国)
志々目が左、シャンが右組みのケンカ四つ。シャンは抱き勝負の気配を見せるが志々目しっかり襟を持って近づけず、動じない。シャンは引き手をなかなか持たせず、かつ内股を徹底的に警戒するが、志々目は片襟の背負投様に腕をまとめた大外刈と大外落で惜しい投げを放ち続ける。次々「指導」が累積、最後は窮したシャンの組み付きを志々目が左内股に切り返すと、ここで審判が試合を止め「指導3」を宣告。

[準決勝]
志々目徹○優勢[技有・大内刈]△アン・ジェヨン(北朝鮮)
志々目が左、アンが右組みのケンカ四つ。引き手を取らせまいとするアンに対し、志々目は片手内股からの横三角、作用足を探り入れておいて蹴り上げる左内股からふたたびの横三角、さらに片手の左内股と組み手不十分ながら投げと寝技で圧を掛け続ける。これを防げぬアンに「指導」。なおも志々目は内股に小内刈、崩しては横三角と淡々プレッシャーを与え続ける。2分50秒には組み際に低く左大内刈を押し込んで「技有」。体の強いアン逆転を狙って遮二無二奥襟を叩くが志々目にカウンターの内股を合わされ却って窮地。このまま時間となり、志々目の勝利が確定。

[決勝]
志々目徹△GS技有・浮技(GS0:38)○ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)
※前述のため戦評省略

■ 66kg級・集中力の差が表彰台の高さ分ける、決勝はアンバウルが丸山城志郎からこの日唯一の「一本」で勝利
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66kg級決勝、アン・バウルが丸山城志郎から右内巻込「一本」。

(エントリー22名)

【入賞者】
1.AN, Baul (KOR)
2.MARUYAMA, Joshiro (JPN)
3.ZHUMAKANOV, Yeldos (KAZ)
3.TE, Artur (KGZ)
5.ELIDRISSI, Ayoub (QAT)
5.AKHADOV, Shakhram (UZB)
7.KIM, Hyong Un (PRK)
7.BATTOGTOKH, Erkhembayar (MGL)

優勝は第1シード、2015年アスタナ世界選手権の王者アン・バウル(韓国)。この日は決して好調ではなく、決勝までの道程で一本勝ちはゼロ。準決勝ではシャフラム・アハドフ(ウズベキスタン)を相手に「指導2」対「ゼロ」の圧倒的リードから、手足の長い相手の手数攻撃にさらされてタイスコアに持ち込まれるピンチ。延長戦では疲労激しく、得意の背負投も読まれ続けて減速。客観的にはもはや相手を投げ切る力も方法論も尽きたに思われたが、それでも粘り強く技を仕掛け続けてチャンスを待ち、試合時間7分を越えたところで相手の一瞬の隙を突く袖釣込腰で「技有」奪取。これで決勝進出を決めた。

決勝では対照的に、ここまで全試合一本勝ちと素晴らしい勝ち上がりの日本代表・丸山城志郎(ミキハウス)と対戦。試合が始まって早々の40秒に、立ち際を狙って相手の袖を掴むと自ら体を転がして右内巻込。丸山を横回転でもろともごろりと転がし「一本」、これで優勝を決めた。

勝ち上がり好調ながら肝心の決勝で立ち際の備えの緩さを突かれて一発食らった丸山、一方苦しみながら準決勝、決勝とここぞという場面で的確に力を出し切ったアン。丸山は決勝以外を全て一本勝ち、対するアンの決勝のみで「一本」をマーク。集中力の差がそのまま表彰台の位置に反映された戦いだった。

丸山、たった一瞬のエアポケットを突かれた形だが失ったものはまことに大きい。今季国際大会で大いに名を揚げ世界の強豪に数えられるところまで出世したが、再びステージは国内へ。強豪ひしめく講道館杯から「やり直し」の地獄が待っている。

丸山のコメント、準決勝と3位決定戦の結果、決勝および丸山全試合の結果と戦評は下記。

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66kg級メダリスト。左から丸山、アン、テ、ジューマカノフ。

丸山城志郎選手のコメント
「自分の中で試合の組み立てを考えて挑んだのですが、負けてしまいました。タイミング良く相手の背負いが嵌ってしまって、投げられました。これを引きずっても意味がないので、すぐに次に切り替えて行きたいです。組み手の部分だったり、前半からしっかり足技を飛ばして自分のペースを掴んでいこうと考えていました。それが全く出せないまますぐに試合が終わってしまった。自分は全然納得していないので、また…次の機会に頑張ります。」

【準決勝】
アン・バウル(韓国)○GS技有・袖釣込腰(GS3:11)△シャフラム・アハドフ(ウズベキスタン)
丸山城志郎○腕挫十字固(2:03)△イェルドス・ジューマカノフ(カザフスタン)

【3位決定戦】
イェルドス・ジューマカノフ(カザフスタン)○横四方固(1:45)△アヨウブ・エリドリッシ(カタール)
アルチュール・テ(キルギスタン)○GS一本背負投(GS0:06)△シャフラム・アハドフ(ウズベキスタン)

【決勝】
アン・バウル(韓国)○内巻込(0:42)△丸山城志郎
左相四つ。アンが肩車を狙って伏せると、丸山は「横三角」からの抑え込みを狙う。ここはアンが凌ぎ切り、22秒「待て」。直後の40秒、アンが組み手争いから両袖の左袖釣込腰。この技で大きく崩れた丸山が立ち上がり際に引き手で襟を持つと、アンは両手でその袖口を握って右内巻込。浅い技だったが受け損なった丸山はそのまま横回転で背中から畳に落下、アンがその上を転がって決め切ると主審は「一本」を宣告する。僅か42秒の衝撃的な結末。アンがアジア大会初優勝を決めた。

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66kg級2回戦、丸山城志郎がウー・ジキアンから体落「一本」

【日本代表選手勝ち上がり】

丸山城志郎(ミキハウス)
成績:2位


[2回戦]
丸山城志郎○体落(0:21)△ウー・ジキアン(中国)
開始早々、両袖で腕をまとめて左に回転。足首で足首を引っ掛けて落とし「一本」。

[準々決勝]
丸山城志郎○反則[指導3](3:05)△アルチュール・テ(キルギスタン)
丸山が左、テは右組みのケンカ四つ。テは引き手を持たせず、危うくなると片手の右背負投で展開を流す。丸山意に介せず淡々と前に出続け、場外で2つの「指導」を確保。丸山次いで引き手を伸ばして、組みたい自分と嫌がる相手という絵をはっきり作るが、主審は技が止まった丸山に消極の「指導」。丸山は足を飛ばして両襟確保と展開を作り直し、相手が巴投に掛け潰れたところで偽装攻撃の「指導3」で試合終了。

[準決勝]
丸山城志郎○腕挫十字固(2:03)△イェルドス・ジューマカノフ(カザフスタン)
丸山が前に出、ズーマカノフが下がりながら手数を出して試合を先送り。しかし49秒ズーマカノフが右一本背負投、丸山は形上上体がついていってしまい、これを有効打とみなされることになる。直後「指導」失陥。
奮起した丸山、組み手が出来あがる前に脚のみの内股で宙を舞わせ、投げ一発の恐怖を振りまく。1分38秒には左技を晒しておいての右袖釣込腰で打点高く投げるが、回り伏せられて「待て」。続いて丸山、片襟の左大外刈で崩すとすかさず左腕をまたいで腕挫十字固。ズーマカノフ堪らず腕が伸びた瞬間「参った」。

[決勝]
丸山城志郎△内巻込(0:42)○アン・バウル(韓国)

※前述のため戦評省略

文責:古田英毅/eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版8月29日掲載記事より転載・編集しています。

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