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国士舘、天理は順当勝ち、ベスト4の功名争う第4試合は大牟田が延長戦で作陽下す・第92回金鷲旗高校柔道大会マッチレポート③準々決勝

(2018年8月4日)

※ eJudoメルマガ版8月2日掲載記事より転載・編集しています。
国士舘、天理は順当勝ち、ベスト4の功名争う第4試合は大牟田が延長戦で作陽下す
第92回金鷲旗高校柔道大会マッチレポート③準々決勝
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国士舘高の先鋒林将太郎が西日本短大附高の次鋒迫田悠作から内股「一本」

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第3試合、西日本短大附の中堅高崎楓馬が林から大外刈「技有」

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林は抱分「技有」を奪回、執念の3人抜きを果たす。

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第4試合、西日本短大附の副将佐々木大将が大内返から縦四方固、林はここで退場。

取材・撮影:eJudo編集部
文責:古田英毅

■ 準々決勝

国士舘高(東京)○不戦2人△西日本短大附高(福岡)
(先)林将太郎○優勢[僅差]△竹家和希(先)
(先)林将太郎○内股(0:26)△迫田悠作(次)
(先)林将太郎○合技[抱分・大外巻込]△高崎楓馬(中)
(先)林将太郎△合技[大内返・縦四方固]○佐々木大将(副)
(次)安藤稀梧○合技[内股巻込・内股](1:54)△佐々木大将(副)
(次)安藤稀梧△腕挫十字固○安部光太(大)
(中)藤永龍太郎×引分×安部光太(大)
(副)道下新大
(大)斉藤立

優勝候補国士舘が、崇徳、東海大仰星と強豪ひしめくBブロックから勝ち上がったダークホース・西日本短大附高とマッチアップ。先鋒戦は林将太郎と竹家和希が対戦、林が2つの「指導」を得て勝利。しかし2回戦から出ずっぱりの林はこの時点で激しく消耗、第2試合が始まるなり迫田悠作の左背負投連発を受けてフラフラ、「待て」を受けてもなかなか開始線に戻れない状態。しかしもはやこれは仕留めるのみと迫田が前に出て来たところを見逃さず、軸足を回しこんでの内股で「一本」。試合時間は僅か26秒、林はこれで2人抜きを果たす。

第3試合は消耗し切った林がなんとか畳に踏みとどまり、西日本短大附の中堅高崎楓馬がここで抜き返すべく背負投に払腰で攻め込む展開。2分37秒、高崎が大外刈を引っ掛けて林を転がし「技有」。以後はもはや立っているのがやっとの林をよそにクロージングに入る。しかし残り20秒、高崎が中途半端に右一本背負投に入ると林突如目の光を取り戻し抱え込むなり抱分「技有」。タイスコアに追いつかれた高崎は動揺、林はここを見逃さず残り12秒最後の力を振り絞って大外巻込「技有」。これで合技の一本勝ち、林は3人抜き達成。

さすがに林はここで力尽き、第4試合は佐々木大将に大内刈を返されて「技有」失陥。佐々木はそのまま縦四方固に抑え込んで合技「一本」。西日本短大附はようやく1人を抜き返す。

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第5試合、国士舘の次鋒安藤稀梧が畳に残った佐々木から内股「技有」

続いて畳に上がった国士舘の次鋒安藤稀梧はまず飛び込んでの内股巻込で「技有」、さらに帯を持って相手を回しだすように内股「技有」を追加して合技の一本勝ち。

ここまでは国士舘は順調そのもの。1敗したとはいえ、本来序盤戦限定の林がこの時点でさらに3人を抜く粘戦を見せたうえ、敗退のあとを安藤がしっかり収拾したというこの形は上位対戦に向けて態勢整ったと言って良いもの。しかし安藤は西日本短大附のエース安部光太にこの選手の得意技である腕挫十字固「一本」で敗れ国士舘はまたもや不首尾。続いて出動した藤永龍太郎が引き分けてスコアは不戦2人、準々決勝というハイステージとしてはじゅうぶんな戦果だが、ダークホース相手に優勝候補筆頭チームが演じた試合としては締りを欠いた感否めず。

西日本短大附は健闘。福岡県大会3位チームが、この金鷲旗という晴れの舞台でベスト8入賞はまごうかたなき大戦果。柔道どころ・福岡のレベルの高さを見せつけた。立役者となった安部はインターハイでの活躍が注目される。

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日体大荏原の中堅藤原直生が福岡大大濠の副将・釘本陸から内股「技有」

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福岡大大濠は大将中西一生が藤原から大外巻込「一本」、激しく抵抗。

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グリーンカラニ海斗と中西一生による第6試合

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試合は引き分け、日体大荏原の勝ち抜けが決まる。

日体大荏原高(東京)○不戦1人△福岡大大濠高(福岡)
(先)藤原秀奨×引分×岸川尚矢(先)
(次)平山才稀○合技△石崎信太郎(次)
(次)平山才稀×引分×野田隆世(中)
(中)藤原直生○優勢[技有・内股]△釘本陸(副)
(中)藤原直生△大外巻込○中西一生(大)
(副)グリーンカラニ海斗×引分×中西一生(大)
(大)内藤彪我

総体戦力は日体大荏原が上、福岡大大濠としては大駒中西一生登場までにどれだけ我慢できるか、日体大荏原としてはそこまでどれだけ抜けるかが勝負のポイント。

第1試合は引き分け、第2試合で日体大荏原は前衛の核・平山才稀が石崎信太郎に合技「一本」で勝利して先制。福岡大大濠は続いて九州新人大会最重量級の覇者野田隆世が畳に上がるが、平山の懐の深さになかなか決定的な場面は訪れず。2分45秒に野田の両袖の左大外刈を返そうとした平山が反対側に背中から抜け落ちる場面があって合議が行われるが、ここはポイントなしでスルー。以降も平山は引き手で脇を突いてしっかり距離をとりながら戦って引き分け。日体大荏原のリードが続く。

第4試合は藤原直生が右、釘本が左組みのケンカ四つ。藤原が内から、釘本が外から釣り手を持って組み手を展開。藤原は度々腰を切って前技に入るタイミングを窺うが、体格に勝る釘本が背中を抱き込み、引き手を引いて後方への返しを狙っているため容易に技に入れない。1分10秒、藤原は右大外刈を浅く打って釘本の意識を外に向け、次いで右内股。一度股中に足をついて釣り手の位置を一段深め、それから高く跳ね上げる。軸をずらされて体側に入られた釘本は引っこ抜かれて背中から勢いよく落下、「技有」。リードを得た藤原は以降無理をせず、釣り手を突いて距離をとったままタイムアップを迎える。これで日体大荏原は無敗のまま2勝目、藤原を合わせて3人を残したまま中西一生を畳に迎えることとなる。

第5試合は藤原、中西ともに右組みの相四つ。藤原が強気に奥襟を叩き、それに中西が応じてがっぷり四つ。まずは藤原が10秒に右大外刈で相手の懐深くまで侵入、中西は一瞬ぐらつくが立ったまま耐え切る。30秒、中西は藤原の釣り手の位置を拳ひとつ分落として右大内刈、次いで右内股を仕掛ける。この技の戻り際に藤原が支釣込足を仕掛けると、中西はその足が戻り切る前に鋭く腰を切って右大外巻込、見事決まって「一本」。試合時間僅か39秒、福岡大大濠が1人を抜き返す。

第6試合は日体大荏原の副将グリーンカラニ海斗が左、畳に残った中西が右組みのケンカ四つ。グリーンは上から釣り手を持つと肘を落として距離を確保、圧を掛けながら手堅く試合を進める。チームの勝利のためにはあと2人を抜くしかない中西だが、グリーンが徹底して釣り手の肘を入れ続けるために自身の間合いになれず、引き手争いで時間を消費してしまう。2分28秒、両者に消極的との判断で「指導」。直後ケンケンの左内股であわやポイントという場面を作るなど、試合は終始グリーンのペース。残り1分を過ぎると焦った中西の攻めが粗くなり、グリーン余裕を持ってクロージング。この試合は引き分け、不戦1人で日体大荏原高の勝利が決まった。

福岡大大濠はここで終戦。エース中西はもちろん、全員が春よりも一段意識が高く、戦いぶりには強者としての自覚が感じられた。インターハイも奮戦に期待である

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先鋒戦、植岡虎太郎が井上泰司を攻める

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水上世嵐と小宮大倭による第3試合

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副将同士の第4試合、坂東虎之輔が井上直弥から右袖釣込腰「技有」

天理高(奈良)○大将同士△木更津総合高(千葉)
(先)植岡虎太郎×引分×井上泰司(先)
(次)池田凱翔×引分×北條嘉人(次)
(中)水上世嵐×引分×小宮大倭(中)
(副)井上直弥△優勢[技有・袖釣込腰]○板東虎之輔(副)
(大)中野寛太○内股△板東虎之輔(副)
(大)中野寛太○小外掛△浅野史恩(大)

先鋒戦は右相四つ。開始早々に植岡が右背負投で惜しい場面を作るが、ここはノーポイント。以降は井上が奥襟を叩いて優勢、55秒に植岡に消極的の「指導」が与えられ、2分17秒には両者に組み合わない「指導」。植岡はスコア的に後がなくなってしまう。残り1分過ぎには場外際の寝技の攻防で井上が横三角から一度植岡を捲り返す場面が見られたが、ここも決め切れず、この試合は引き分けに終わる。

次鋒戦は池田凱翔が右、北條嘉人が左組みのケンカ四つ。小柄な北條に対して池田は得意の担ぎ技に入れず、一方の北條も池田の厳しい組み手の前に攻めのきっかけを掴めない。この試合は両者が寝技でお互いに激しく攻め合い、そのまま引き分けに収束。

第3試合、中堅同士の対決は水上世嵐が右、小宮大倭が左組みのケンカ四つ。34秒に両者に引き手を持ち合わないことによる「指導」。以降は水上が度々良いタイミングの右背負投を放って攻め続けるが、小宮は揺るがず立ったままこれを受け切る。大きな動きがないままこの試合も引き分け。

副将同士による第4試合は井上直弥、板東虎之輔ともに右組みの相四つ。板東が左右の袖釣込腰を連発、1分7秒、守勢に回った井上に消極的との判断で「指導」、しかし1分30秒には板東に袖口を握った咎による「指導」。以降も体格に大きく勝る井上が組み手で相手を固定しようと試み、板東が袖釣込腰を狙い続けるという構図で試合が進む。2分40秒、板東が両袖の形から右袖釣込腰。相手の股中に潜り込むと右前隅に走りながら投げ切り「技有」を獲得。ここからは板東が右一本背負投に巴投と守りを徹底して井上に付け入る隙を与えず優勢勝ち。4試合消化時点でついにスコアが動き、木更津総合が1人差リード。ここで天理は、絶対の大駒中野寛太が畳に上がることとなる。

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中野寛太が坂東虎之輔から内股「一本」

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中野は大将浅野史恩も谷落「一本」で抜き去り、天理の勝ち抜けが決定。

第5試合は天理の大将中野が左、木更津総合の副将坂東が右組みのケンカ四つ。引き分ければ自軍の勝利が決まる坂東は練れた組み手で試合を先送りせんと図るが、中野は強豪坂東を相手にしても一切表情を変えず淡々距離を詰め続ける。早くも機が熟したと見たか1分20秒には狙いすまして左内股、見事決まって「一本」。天理、あっという間にビハインドを解消。タイスコアで試合は大将同士の対決へ。

大将同士の対決は中野が左、浅野が右組みのケンカ四つ。浅野は重量級の強者だが、中野大型選手は却ってやりやすいとばかりに、開始から引き手を求めて前進、試合の減速を図ってチャンスを探さんとする浅野に時間と空間の余裕を与えない。1分25秒には浅野の真裏を狙って谷落一撃、「一本」。

これで試合終了。畳に大将中野寛太を残した天理がベスト4入りを決めた。木更津総合は戦力的に天理と遜色ない鍛え込まれたチームであったが、中野という大駒1枚の保有の差はまことに大きかった。

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第5試合、高橋翼が密着勝負で竹市大祐に迫る

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高橋が支釣込足「一本」、勝負は大将同士の対決に持ち込まれる

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疲労困憊の高橋だが、たびたび右小外掛で森健心を大きく崩す

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延長戦、高橋に3つ目の「指導」。

大牟田高(福岡)○大将同士・延長戦△作陽高(岡山)
(先)服部大喜○小外刈△田中幸郎(先)
(先)服部大喜×引分×嵐大地(次)
(次)久保田皓晴×引分×宮城慧也(中)
(中)立石泰勝×引分×加藤韻(副)
(副)竹市大祐△支釣込足○高橋翼(大)
(大)森健心○反則[指導3]△高橋翼(大)

地元福岡の大声援を背に受ける九州王者大牟田、前戦でシード校桐蔭学園を倒して意気揚がる作陽。ともに今年初の全国大会入賞をこの段階で決め、あと1つの栄の積み上げを図る一番。

先鋒戦で大牟田・服部大喜が田中幸郎を小外刈「一本」で下し、以降は3戦連続の引き分け。勝負は大牟田の副将竹市大祐と大将森健心、作陽の大将高橋翼という双方の主力が座る後衛ブロックに委ねられる。

第5試合は竹市が左、高橋が右組みのケンカ四つ。竹市を抜く以外に自軍勝利の道がない高橋はハナから防御を捨てて背中を持っての接近戦を志向。釣り手を突いて間合いをとろうとする巧者・竹市を相手に強引に間合いを詰め、待ったなしの勝負を挑む。これが功を奏し、強引な支釣込足で竹市の体を捕まえ、「一本」。ここで試合はタイスコアとなる。

大将同士のエース対決は森が左、高橋が右組みのケンカ四つ。高橋は森に対しても背中を抱いての接近戦を挑むが、この危険性をよく心得た森はそれを許さず、遠間から足を飛ばしながら攻撃のチャンスを窺う。

1分25秒、潰れた高橋に森が背中側から腕挫十字固を狙うも決め切れず「待て」。2分19秒、高橋がひときわ背中深くを持って右小外掛。森は大きく崩れるが抜群のバランス感覚で背中は着かずに持ちこたえる。ここまで頑張ってきた高橋だが、このあたりから激しく疲労。完全に「足に来ている」様子で「待て」の度になかなか立ち上がることができない。大牟田ベンチからは「遅延行為では」との声が度々上がり、2分57秒には高橋に消極的の「指導」。3分6秒、森が左足を踏み込んだところで高橋抱きついて乾坤一擲の右小外掛。両者横倒しに倒れ副審の1人は「技有」を示すが、ここはポイントが認められず。勝負は延長戦へと持ち越される。

作陽ベンチからは「この1週間何をやってきたか思い出せ」と激しい檄。満身創痍の高橋は陥落寸前も時折抱きついての一撃を狙うが、相手の様子を観察した森は無理をせず耐久戦を選択。時折放つ高橋の技から徐々に光が消え、逆転の一発の可能性が減じていく。延長30秒には高橋に2つ目の「指導」。

以降も高橋はなかなか立ち上がれない場面が続く。延長50秒に召集された合議の結果は継続となるが、しかしここから再び高橋が立ち上がれない場面が2度続いたことで再び合議が持たれる。延長1分27秒、本人に遅延行為との説明が為された上で、高橋に3つ目の「指導」。もはや立っていることも難しい高橋の様子に鑑みれば、万が一の事故を危惧する審判団の判断は妥当。熱戦ここに決着となった。

作陽は健闘。高橋は「(6回戦で)全てを出し切って、体に力が入らない状態」(川野一道監督)だったとのことで最終戦は勝ち切れなかったが、村尾打倒という爪痕は見事。チーム総体として、ベスト4に入ってもまったくおかしくないタフな戦いぶりだった。高橋、嵐、そして前半戦奮闘した丸鳩と主力が2年生ということで来年は有望であるが、まずは直近に迫ったインターハイが非常に楽しみ。もし勝ち進めば、準々決勝で対戦するのはおそらく優勝候補の大本命・国士舘。「三銃士」世代の同校を倒して業界をあっと言わせた、あの2013年大会のような熱戦に期待したいところ。

結果決まった準決勝カードは、

国士舘高(東京)- 日体大荏原高(東京)
天理高(奈良) - 大牟田高(福岡)

の2試合となった。

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