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藤原崇太郎は準々決勝で敗れて3位、73kg級は期待の若手ヤコヴァがオルジョフ下す・グランプリザグレブ2018第2日男子レポート

(2018年8月2日)

※ eJudoメルマガ版7月30日掲載記事より転載・編集しています。
藤原崇太郎は準々決勝で敗れて3位、73kg級は期待の若手ヤコヴァがオルジョフ下す
グランプリザグレブ2018第2日男子レポート(73kg級、81kg級)
■ 73kg級・ヤコヴァが優勝、パワフルな膝車で優勝候補オルジョフ撃破
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決勝、アキル・ヤコヴァがファビオ・バジーレの左体落を捲り返して隅落「技有」

(エントリー57名)

【入賞者】
1.GJAKOVA, Akil (KOS)
2.BASILE, Fabio (ITA)
3.BUTBUL, Tohar (ISR)
4.ORUJOV, Rustam (AZE)
5.HOJAK, Martin (SLO)
6.MACIAS, Tommy (SWE)
7.KHOMULA, Artem (UKR)
8.MARGELIDON, Arthur (CAN)

橋本壮市(パーク24)がグランプリ・フフホトでの負傷が癒えずに直前で欠場表明。

王者不在となったトーナメントは22歳のアキル・ヤコヴァ(コソボ)が、準決勝で優勝候補のルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)を膝車「一本」(2:11)で破り、そのまま優勝を飾った。この選手は52kg級のノラ・ヤコヴァ(コソボ)の弟。姉と同じくパワーファイター型、得意技は体を捨てながら仕掛ける支釣込足(膝車)で、今大会ではこの技で「技有」4つに「一本」1つを奪っている。いまもっとも乗っている選手の1人であり、バクー世界選手権でも上位進出の可能性は十分。

逆サイドの山から決勝まで勝ち上がったのはリオデジャネイロ五輪66kg級金メダリストのファビオ・バジーレ(イタリア)。ヤコヴァ戦は低い左体落を捲り返され隅落「技有」を失って敗れたが、階級変更後6試合目にして初の決勝進出としっかり結果を残した。ヤコヴァとの試合を見る限りまだまだパワー不足の感は否めないが、長いスパンでベクトルは上向き。切れ味鋭い送足払というパワー差を一発でひっくり返すタイプの手札があること、また業界随一の爆発力あるタイプであることを考えると、やはり油断のならない相手である。バクー世界選手権での役どころは今回でどうやら確定、「ジョーカー」と規定しておくべきだろう。

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73kg級メダリスト。左からバジーレ、ヤコヴァ、ブトブル、オルジョフ。

【準々決勝】
ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)○反則[指導3](2:19)△マルティン・ホヤック(スロベニア)
アキル・ヤコヴァ(コソボ)○三角絞(2:11)△アルテム・ホムラ(ウクライナ)
ファビオ・バジーレ(イタリア)○GS合技[肩車・大内刈](GS0:14)△トミー・マシアス(スウェーデン)
トハル・ブトブル(イスラエル)○GS反則[指導3](GS4:56)△アルチュール・マルジェリドン(カナダ)

【敗者復活戦】
マルティン・ホヤック(スロベニア)○内股(2:03)△アルテム・ホムラ(ウクライナ)
トミー・マシアス(スウェーデン)○合技[隅落・谷落](3:34)△アルチュール・マルジェリドン(カナダ)

【準決勝】
アキル・ヤコヴァ(コソボ)○膝車(2:11)△ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
ファビオ・バジーレ(イタリア)○GS反則[指導3](GS0:48)△トハル・ブトブル(イスラエル)

【3位決定戦】
トハル・ブトブル(イスラエル)○左袖釣込腰(2:15)△マルティン・ホヤック(スロベニア)
ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)○左大内刈(1:43)△トミー・マシアス(スウェーデン)

【決勝】
アキル・ヤコヴァ(コソボ)○優勢[技有・隅落]△ファビオ・バジーレ(イタリア)
ヤコヴァが右、バジーレが左組みのケンカ四つ。ヤコヴァが奥襟を得て終始優勢。バジーレは組み際に担ぎ技や捨身技を仕掛けるが、ヤコヴァは動ぜず寝技で攻め返す。バジーレが相手の圧を捌きかねる展開が続き、1分40秒に「偽装攻撃、2分14秒に「場外」でバジーレに「指導」2つが累積。2分52秒、バジーレが低い左体落に飛び込むとヤコヴァは体を捨てながら後方に捲り返して隅落「技有」を獲得。これが決勝点となり、優勢勝ちでヤコヴァの優勝が決まった。

※日本代表選手の出場はなし

■ 81kg級・レッセルがワールドツアー初優勝、藤原崇太郎は準々決勝で敗れて3位に終わる
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決勝、ドミニク・レッセルが片手絞でマティアス・カッスを絞め上げる。

(エントリー53名)

【入賞者】
1.RESSEL, Dominic (GER)
2.CASSE, Matthias (BEL)
3.EGUTIDZE, Anri (POR)
4.FUJIWARA, Sotaro (JPN)
5.ESPOSITO, Antonio (ITA)
6.NTANATSIDIS, Alexios (GRE)
7.MOHAMED, Abdelrahman (EGY)
8.MCWATT, Stuart (GBR)

81kg級は今大会もシード選手が次々敗れる大混戦。ベスト8のうち半数の4人がシード外の選手であり、大小様々な波乱が起きた1日だった。

優勝を飾ったのはドミニク・レッセル(ドイツ)。決勝では昨年のジュニア王者マティアス・カッス(ベルギー)から「ボーアンドアローチョーク」(3:10)で勝利、オール一本勝ちでワールドツアー初優勝を果たした。この選手は成績に安定感こそないものの、昨年のヨーロッパ選手権で2位を獲得するなど突如力を発揮することの多い実力者。今回の勝利をキャリアのターニングポイントとできるか、次回以降の戦いに注目したい。

優勝候補と目された日本代表の藤原崇太郎(日本体育大2年)は準々決勝でアントニオ・エスポージト(イタリア)に苦杯。ガツガツと前に出て見せては一転掛け潰れを連発する相手の戦い方に付き合ってしまい、GS延長戦の末「指導3」(GS1:21)を失って敗れた。本戦終盤には連続で技を出して激しく攻め立てる場面も見られたが、延長戦に入って以降は相手の掛け潰れ攻撃をことごとくウォッチしてしまい一気に失速。相手が投げるのではなく手数で「指導」を拾いに来ていたのは明らか、確かに酷い掛け潰れの連続ではあったが、相手の偽装攻撃をアピールする方向に舵を切った延長戦の戦い方はやはり疑問。久々藤原の負の側面が出てしまった試合だった。敗者復活戦では気持ちを切り替えたようでスチュアート・マクワット(イングランド)を左体落と崩袈裟固の合技「一本」(2:21)で一蹴。3位決定戦も相手の棄権による不戦勝ちとなり、表彰台は確保した。

藤原の年齢や、学生カテゴリの大会でも苦戦して講道館杯、グランドスラム東京でも表彰台を逃した昨年までの成績に鑑みれば十分な結果ではあるが、世界選手権日本代表としては明らかに物足りない内容と成績。ここのところ投技に威力を増している藤原であるが、本質的には組み手管理をベースとする技巧派。結果を残すことで評価されるタイプのこの選手が、形を崩された際の脆さを見せてしまったことはかなり痛い。投げずば決着なしと肚を括った欧州シリーズのようなアグレッシブな戦い方を期待していたであろうファンにも、おそらく首脳陣にとっても意外な内容だったのではないだろうか。2ヶ月後の本番に向けて一抹の不安を残した大会だった。

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81kg級メダリスト。左からカッス、レッセル、エグティゼ、藤原。

【準々決勝】
アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)○優勢[技有・大内刈]△アブデラマン・モハメド(エジプト)
ドミニク・レッセル(ドイツ)○合技[大内返・横四方固](3:00)△アンリ・エグティゼ(ポルトガル)
アントニオ・エスポージト(イタリア)○GS反則[指導3](GS1:21)△ 藤原崇太郎
マティアス・カッス(ベルギー)○片手絞(3:55)△スチュアート・マクワット(イングランド)

【敗者復活戦】
アンリ・エグティゼ(ポルトガル)○帯取返(2:09)△アブデラマン・モハメド(エジプト)
藤原崇太郎○合技[体落・崩袈裟固](2:21)△スチュアート・マクワット(イングランド)

【準決勝】
ドミニク・レッセル(ドイツ)○棄権(1:12)△アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)
マティアス・カッス(ベルギー)○GS技有[隅落](GS5:05)△アントニオ・エスポージト(イタリア)

【3位決定戦】
アンリ・エグティゼ(ポルトガル)○優勢[技有・大内刈]△アントニオ・エスポージト(イタリア)
藤原崇太郎○不戦△アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)

【決勝】
ドミニク・レッセル(ドイツ)○片手絞(3:10)△マティアス・カッス(ベルギー)
レッセルが左、カッスが右組みのケンカ四つ。双方腰を引いての引き手争いに嵌り、浅い技を打ち合う形で試合が進む。2分16秒、カッスの技で終わる流れが続いたことでレッセルに消極的との咎で「指導1」。以降も組み手争いが続き、2分48秒には両者に「取り組まない」咎による「指導」。残り1分過ぎ、意を決したカッスが一度右内股を打っての低い左一本背負投に潜り込む。しか、この技は入りが浅く、レッセルは立ったままこれを受け止め「ボーアンドアローチョーク」。うつ伏せ姿勢のまま絞め上げて3分10秒、相手の「参った」を引き出す。一瞬の隙を逃さず勝利を手にしたレッセルはうれしいワールドツアー初優勝。

【日本代表選手勝ち上がり】

藤原崇太郎(日本体育大2年)
成績:3位


[2回戦]
藤原崇太郎○合技[大外刈・横四方固](2:59)△モハメド・アブデラル(エジプト)

[3回戦]
藤原崇太郎○反則[指導3](2:56)△ウラジミール・ゾロエフ(キルギスタン)

[準々決勝]
藤原崇太郎△GS反則[指導3](GS1:21)○アントニオ・エスポージト(イタリア)

[敗者復活戦]
藤原崇太郎○合技[体落・崩袈裟固](2:21)△スチュアート・マクワット(イングランド)

[3位決定戦]
藤原崇太郎○不戦△アレクシオス・ンタナツィディス(ギリシャ)


文責:林さとる/eJudo編集部

※写真は権利者の許諾を得て掲載しています

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