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第1シード国士舘順当に勝ち抜け、日体大荏原が東海大相模下してベスト8へ・第92回金鷲旗高校柔道大会マッチレポート①1回戦~6回戦(A~Dパート)

(2018年7月31日)

※ eJudoメルマガ版7月31日掲載記事より転載・編集しています。
第1シード国士舘順当に勝ち抜け、日体大荏原が東海大相模下してベスト8へ
第92回金鷲旗高校柔道大会マッチレポート①1回戦~6回戦(A~Dパート)
取材・撮影:eJudo編集部
文責:古田英毅

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今年もマリンメッセ福岡に精鋭が集った

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連覇を狙う桐蔭学園高・村尾三四郎による選手宣誓

配列順固定、体重無差別の五人制抜き勝負、そして決着つかずば大将同士がそのまま延長戦という過酷なルールで行われる名物大会、「地獄の金鷲旗」こと第92回金鷲旗高校柔道大会が21日にマリンメッセ福岡で開幕。今年も全国から強豪が集い、男子は参加実に330校という巨大トーナメントが組まれた。決勝まで計9回戦、シード校でも8回戦わねばならぬという凄まじい長丁場。絶対のエースの存在に周辺戦力の枚数、補欠まで含めた層の厚さ、個々のスタミナと折れぬ精神力、そしてチームの団結とまさしく「すべて」が要求される大会だ。

男子の優勝候補筆頭は3月の全国高校選手権を制した国士舘高(東京)。今代最強の抜き役である2年生エース斉藤立を擁し、周辺戦力も凹凸あれど総合力高し。対抗馬は同大会で決勝を争った天理高(奈良)で、こちらは全日本柔道選手権出場という最高峰ステージを早くも経験した高校無差別王者・中野寛太が軸。周辺戦力は植岡虎太郎に水上世嵐など大人の柔道が出来る攻撃型を揃えており、安定感は国士舘よりむしろ上。高校選手権で活躍した2年生の井上直弥ら大型の下級生の台頭もあり、春に比べるとキャラクターが豊かになって一段強さが上がった印象あり。

追い掛けるのは昨年の三冠チーム・桐蔭学園高(神奈川)。昨年のレギュラー3枚のうち、賀持喜道が2月の錬成試合で相手が仕掛けた悪質な反則技で負傷、手術を受けたため今夏欠けることとなって戦力は減じたが、高校選手権ではインターハイ90kg級王者で全日本選手権にも出場した村尾三四郎と3年生代の全国中学校柔道大会最重量級の覇者千野根有我を軸にベスト4まで勝ち上がっている。賀持が抜けてかねて課題の周辺戦力の脆弱さがさらにクローズアップされることとなったが、1年生に全国中学大会最重量級の覇者中野智博が加入して状況やや改善。インターハイ神奈川県予選は「賀持なし」で同じく高校選手権ベスト4の東海大相模を破ってぶじ勝ち抜けている。

この3強の力関係はエースの対戦実績でそのまま測られ、「最強の斉藤」「斉藤以外なら誰でも投げる中野」「斉藤と中野以外なら全勝し得る村尾」という構図がそのままチームの力関係を表していると見て良い。展望でも書かせて頂いた通り、国士舘に抗し得るのは天理、天理に勝負しうるのは桐蔭学園、他校の手が届く範囲にあるのが桐蔭学園というのが妥当な見立て。

3強の山はもちろん分けられ、順当に進めば準決勝で天理対桐蔭学園、この勝者と国士舘が決勝で対決するという配置になっている。まずはこの3強とシード各校の勝ち上がりを軸に、1回戦から6回戦(パートファイナル)までの戦いを簡単に振り返ってみたい。

※試合時間4分、5回戦までは3分
※僅差の優勢は「指導」差2つ
※大将同士引き分けとなった場合は延長戦1回(試合時間は本戦に準じる)、延長戦は必ず判定をつけ、「指導」の数は本戦から持ち越し

■ 1回戦~6回戦(パートファイナル)
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国士舘高のスターティングメンバー。先鋒には林将太郎が指名された。

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2回戦、林が大垣日大高の先鋒成田虎世から大外刈「一本」

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3回戦、林が市川高の先鋒金本竣から大外刈「技有」

【Aパート】

シード校:国士館高(東京)、東海大札幌高(北海道)
パートファイナル進出校:国士館高(東京)、東海大札幌高(北海道)

国士舘高のスターティングは先鋒から林将太郎、安藤稀梧、藤永龍太郎、道下新大、斉藤立。後半戦に向けた取り置きの手駒(補欠)に、長谷川碧と酒井陸の重量級2枚を置いている。

国士舘の出番は2回戦から。大垣日大高(岐阜)との初戦は先鋒林将太郎が5人抜きを果たした。内容は大外刈「一本」(0:11)、「指導3」の反則(2:20)、小内刈と大外刈の合技「一本」(1:01)、隅落と出足払の合技「一本」(2:11)、横落「技有」による優勢。後半戦は疲労困憊、第4試合では副将宮部広大に裏投「技有」で一時追いつかれるピンチもあったが心折れず、きっちり5人を抜いて見せた。

3回戦の市川高(兵庫)戦も林が5人抜き。内容は大外刈と大内刈の合技「一本」(1:01)、大外刈と大外巻込の合技「一本」(2:03)、小内刈と崩上四方固の合技「一本」(0:49)、大外落と小内刈の合技「一本」(2:51)、内股「技有」を奪っておいての小外掛「一本」(1:02)。林の技はパワフルだがいったいに粗く、書き連ねてみてわかるとおりこの試合は投技による「技有」が実に8つ。強さは圧倒的だがなかなか「一本」を奪えないという試合を重ねるうちに後半戦は疲労困憊、相手方から「遅延行為ではないか」というアピールが幾度も飛ぶ実はかなりの難行軍であったのだが、使命感に突き動かされるようにぶじ10人抜きを達成。かつてのように強豪あまねく前半戦圧勝とはいかないこの時代にあって、露払い役がこれだけの仕事を果たす国士舘は、やはり層が厚い。

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4回戦、盛岡南高の先鋒佐藤寛哉が林から背負投「技有」

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国士舘は安藤稀梧が出動、佐藤を小外掛「一本」で抜き返す。

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5回戦、藤永龍太郎が鹿児島情報高の中堅坂本拳斗から内股「一本」。

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鹿児島情報高の大将松本司が藤永を払腰「一本」で下す

しかし一夜明けた4回戦の盛岡南高(岩手)戦は波乱の出だし。春の高校選手権2回戦でも先鋒長谷川の3連勝のあとは1敗2分けと内容不首尾に終わった因縁のカードであるが、この試合も先鋒林将太郎がいきなり敗れる厳しいスタート。「指導1」をリードしながら小外刈を連発して前に出た際に佐藤寛哉に右背負投を合わされ「技有」を失ってしまった。ここで今大会初出場の次鋒安藤が畳に残った佐藤を45秒フェイントの左小外掛「一本」、続いて21秒次鋒木下慶輔を左内股「一本」とあっという間に投げ、以降も勝ちを重ねて計4連勝。どうやらこのまま試合終了かと思われたが、5人抜きを目前に大将伊藤隆哉に敗れてまたもや不首尾。3戦目のこの段階で中堅藤永龍太郎が出動することとなったが、藤永が伊藤を抜き返してなんとか収拾、トータル5勝2敗0分けの不戦2人で勝利。

続く5回戦では、前戦で大激戦の末に育英高(兵庫)を破っている、全九州大会3位の鹿児島情報高(鹿児島)とマッチアップ。そしてどうやら今代国士舘の特徴となりつつある、強さに同居する意外な不安定さはこの試合も収まらず。先鋒戦で林が田中航大に内股「一本」(1:23)でいきなり敗退、さらに安藤が畳に残った田中を激しく攻めるも「指導」1つを奪ったのみで引き分けられてしまい、形上相手方に完璧な立ち上がりを許す。4回戦に引き続いて中堅藤永が事態を収拾に掛かり、次鋒小原健誠に縦四方固「一本」、中堅坂本拳斗に左内股「一本」(1:42)、副将岩坪龍輝には左送足払「技有」に左内股「一本」(1:32)と連取、3人抜きを果たしてまたもや気を吐く。しかし大将の全九州大会100kg級2位の松本司との試合は狙いすました大内返を決め切れず横倒しに落ちて「技有」失陥。これで集中力が切れたか、直後左払腰「一本」で敗れてやはりいま一歩でミッション完遂には至らなかった。次戦は副将道下新大が初出場、手堅く松本と引き分けて試合終了。国士舘はトータル3勝2敗2分け、不戦1人でパートファイナル進出決定。

逆側の山からはシード校東海大札幌高(北海道)が順当に勝ち上がり。こちらは2回戦で武蔵越生高(埼玉)に3勝0敗2分けの不戦3人、関大北陽高(大阪)に5勝1敗0分けの不戦3人と前衛2枚で2試合を賄う好スタート。しかしオーダーを変えずに臨んだ4回戦は、前戦で愛知桜丘高(愛知)を倒して意気揚がる高知高(高知)を相手に激戦、終盤は相手方の副将鎌田直人、大将北村昂之祐の2人と打ちあいになったが中堅加藤亘真が鎌田を抜き、大将北村には敗れたものの最後は副将佐藤が勝利して4勝2敗1分けの不戦1人で5回戦へと進出。この開星高(島根)戦から先鋒に吉田岳、次鋒に越橋健介を入れて本命オーダーを組み、大将同士までもつれた試合を小竹守の勝利で切り抜けて(3勝2敗2分け)パートファイナルへと駒を進める。

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6回戦、国士舘は先鋒林将太郎が吉田岳から払腰「技有」、これで先制点を得る。

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第5試合、藤永龍太郎が佐藤大輔から送襟絞「一本」

[Aパート6回戦(パートファイナル)]
国士舘高〇不戦1人△東海大札幌高
(先)林将太郎〇優勢[技有・払腰]△吉田岳(先)
(先)林将太郎△優勢[僅差]〇越橋健介(次)
(次)安藤稀梧△浮落〇越橋健介(次)
(中)藤永龍太郎〇体落△越橋健介(次)
(中)藤永龍太郎〇送襟絞△加藤亘真(中)
(中)藤永龍太郎×引分×佐藤大輔(副)
(副)道下新大〇優勢[技有・体落]△小竹守(大)
(大)斉藤立

国士舘が勝利も内容はバタバタ。4回戦以降連敗中の林将太郎が吉田岳を残り20秒の払巻込「技有」で破って上々のスタートかと思われたが、疲労した林は次戦で東海大札幌の前衛の核である越橋健介に「指導」2つを奪われて敗退。
それでもこの金鷲旗から団体戦メンバーに入った林はいわば前半戦における露払い役。消耗とある程度の敗北は国士舘としては織り込み済みのはずだが、続いて登場した次鋒安藤稀梧が越橋に浮落「一本」で敗れて一気に事態の質が変わる。「抜いたのに抜かれ返す」、「続けて負ける」、いずれも団体戦抜き勝負においては絶対にやってはならないタブーのはず。

しかし連勝で勢いづきかけた東海大札幌に対し、またしても藤永が防波堤役として事態を収める。越橋を体落「一本」で抜くと、中堅加藤亘真も送襟絞「一本」で退け、そしてまとめとして最重要と思われた第6試合で副将佐藤大輔と引き分けてきちんとリードを保ったまま退場。最後は副将道下新大が相手方のエース小竹守を体落「技有」で抜いて終戦。不戦1人、この試合もエース斉藤立を座らせたままベスト8入りを果たすこととなった。

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2回戦、崇徳高の先鋒徳持英隼が佐賀北高・中田駿作から大内刈「一本」

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3回戦、崇徳高の中堅福永夏生が静岡学園高の副将坂本航輝から内股「一本」

【Bパート】

シード校:崇徳高(広島)、長崎日大高(長崎)
パートファイナル進出校:東海大大阪仰星高(大阪)、西日本短大附高(福岡)

上側の山はシードを受けた崇徳高(広島)に東海大仰星高(大阪)と全国大会で上位を狙い得る強豪2校が配されており、実質的にはシード2校が無理やり狭い山に詰め込まれた形。下側の山には全国大会上位候補の有無というレベルの視点ではこれぞというチームはおらず、シード校にピックアップを受けた長崎日大高(長崎)と、福岡県大会90kg級決勝で九州大会の覇者森健心(大牟田高)を破った安部光太を大将に置く西日本短大附高(福岡)が争う「九州枠」ブロック。

崇徳は2回戦で佐賀北高(佐賀)を相手に先鋒徳持英隼が4人抜き(4勝1分け)を果たして勝利。3回戦は静岡学園高(静岡)を相手に徳持が1分掛からず内股「技有」に豪快な裏投「一本」を得る最高の立ち上がりで1勝1分け、これを受けた次鋒阿河陸人が中堅大和碧瑠を一本背負投「一本」で退けてとまことに好調だったが、しかし阿河は副将坂本航輝に内股透「一本」で敗れる不首尾で中堅福永夏生が登場することとなる。福永が高い軌道の鮮やかな内股「一本」で坂本を抜いて事態を収拾、大将下橋颯斗と引き分けてこの試合は3勝1敗2分けの不戦2人で勝ち抜け。

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4回戦、中堅対決で國學院栃木高の松田新太が福永夏生から払腰「技有」先制。

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福永は松田の隅返に鋭く反応、縦四方固に捉えて逆転勝ち。

4回戦の國學院栃木高(栃木)戦は先鋒徳持が橿渕優を攻めまくるがこの試合場は他に比して「指導」が極端に遅く、逆にブロッキングの「指導」を食うという意外な形で引き分け。これで空気がおかしくなったか、次鋒阿河陸斗は奈良信幸を相手に小外掛と内股の合技「一本」で勝利したものの、中堅松田新太に敗退。大内刈で投げるも「待て」が早くスルーされた末に、横落「技有」を失ってそのまま崩上四方固に抑え込まれるという悪い形の一敗。続いて登場した福永夏生も松田の一足の払腰に捉えられて「技有」を失い、以後も腰の太い松田に投技が通じず得点の予感はなし。下手をするとチーム敗退のシナリオすらありうる事態となったが、終盤に色気を出した松田が隅返を失敗、福永これを見逃さず縦四方固に捉えて逆転の一本勝ち。相手のミスではあるがこれでどうやら態勢を立て直した感あり、福永が副将國武陸と引き分け、続いて副将松岡大輝が大将岩崎光熙を30秒掛からず払腰「一本」に仕留めてどうやら勝ち抜け決定。実力十分も前衛、後衛ともに対戦相性の良し悪しでかなり結果が変わってくる印象。

一方の東海大仰星は大将に座るエースが73kg級の内村秀資という変則構成チーム。内村は対大型戦のほうが得意という面白い選手であるが軽量であることには間違いなく、勝負どころまで内村の気力と体力を温存出来るかどうかが勝ち上がりのカギ。

2回戦は佐久長聖高(長野)を相手に先鋒朝田隼と中堅中村雄太が2人抜きを果たして4勝1敗1分けの不戦2人で勝利。3回戦の樟南二高(鹿児島)戦は朝田の2人抜き、さらに次鋒柏野亮太の2人抜きで通算スコア4勝0敗、不戦3人で快勝。先鋒を福沢達矢に入れ替えた4回戦は中京学院大中京高(岐阜)と打ちあいとなったが副将本原颯人が出動して1人抜き1分けで事態を収拾。不戦1人で勝利し、大将内村を温存したまま崇徳高との決戦にたどり着いた。

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5回戦、「技有」ビハインドの東海大仰星高の副将本原颯人が崇徳・福永夏生から逆転の肩車「一本」

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今度は崇徳・松岡大輝が「技有」ビハインドから逆転、本原から右払巻込「一本」

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大将同士の対決は東海大仰星・内村秀資が八木郁実から巴投「一本」

そして迎えた崇徳と東海大仰星との5回戦は大将同士の決着。先鋒戦でこの試合から入った崇徳・篠原泰斗が福澤達矢を相手に貴重な先制点を上げ、ここから試合は2戦連続の引き分け。そして勝負どころと目された第4試合から勝負は一気に加速する。

東海大仰星の副将本原颯人と崇徳の中堅福永夏生によるこの試合はケンカ四つ、福永が「技有」を先制して抑え込んでこのまま試合終了かと思われたが、形が甘く「解けた」。ここで奮起した本原が福永の背中を持って前進、鋭く肩車に飛び込むと福永転がって逆転の「一本」。危うく決定的な2人差リードを許すところであった東海大仰星が、タイスコアに追いつく。

これで勢いを得た本原は続く第5試合もケンカ四つの松岡大輝を相手に1分17秒左大内刈で「技有」奪取。勝負の針は完全に東海大仰星に振れたと思われたが、残り49秒に松岡が得意の右払巻込一撃、劇的な「一本」で逆転勝利を果たす。試合は再び崇徳の1人差リード、東海大仰星はこの日はじめて大将内村秀資が登場することとなる。

松岡は体格とパワーをテコに73kg級の内村を圧し、35秒右払巻込で「技有」。しかし内村は試合展開が固着する前に判断早く動き、49秒に浮落「技有」を取り返す。これで試合の主導権は内村に移り、1分48秒右大内刈「一本」で勝ち越して勝利。稀に見るシーソーゲームの流れはどうやらこの一撃で東海大仰星に収まった模様、大将同士の対決は48秒に内村が八木郁実を巴投で投げつけて鮮やか「一本」。強豪同士の一番は東海大仰星の勝利に終わった。

シード校崇徳はここで陥落。伝統的に安定感のあるチームだが今代は攻撃力十分も、フィジカルのある相手にはまだまだ苦しい2年生の福永、逆にパワー十分だが技巧派に隙のある松岡、八木と、前述の通りかなり相手のタイプに結果が左右されてしまう印象だった。

下側のブロックからはインターハイ福岡県予選3位の西日本短大附高が勝ち上がり。2回戦で東山高(京都)に4勝1敗1分けの不戦2人、3回戦で北筑高(福岡)に4勝1敗1分けの不戦3人、4回戦は鶴来高(石川)に5勝2敗の不戦2人、5回戦は前戦で長崎日大高(長崎)を破った県内のライバル・東福岡高(福岡)を相手に大将同士までもつれこんでの2勝1敗3分けで勝利。混戦と目されたブロックを制し、パートファイナル進出の栄を得た。

[Bパート6回戦(パートファイナル)]
西日本短大附高〇大将同士△東海大大阪仰星高
(先)竹家和希〇背負投△福沢達矢(先)
(先)竹家和希×引分×菅野晶仁(次)
(次)迫田悠作×引分×中村雄太(中)
(中)高崎楓馬×引分×本原颯人(副)
(副)佐々木大将△合技〇内村秀資(大)
(大)安部光太〇背負投△内村秀資(大)

ノーシードから勝ち上がった両校の対戦、ベスト8進出を決めたのは全国大会常連の強豪・東海大仰星ではなく、なんと西日本短大付高。先鋒竹家和輝の背負投「一本」による1点が盤面にまことに効き、以後は粘り強く3つの引き分けをもぎとって1人差リードを保ったまま東海大仰星のエース内村秀資を引っ張り出すことに成功する。1トップの安部光太の打撃力が武器の同校にとっては願ってもない展開、最後は大将同士の対決で阿部が内村から背負投「一本」。驚きの準々決勝進出を決めた。

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3回戦、東海大相模高の次鋒菅原光輝が報徳学園高の副将・古居慎二郎から大外刈「技有」

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報徳学園の大将亀田聖が菅原から豪快な裏投「一本」、一矢を報いる。

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成澤登夢が内股透「一本」で亀田を抜き返す

【Cパート】

シード校:東海大相模高(神奈川)、福井工大福井高(福井)
パートファイナル進出校:東海大相模高(神奈川)、日体大荏原高(東京)

東海大相模高と日体大荏原高、関東地区の強豪2校がパートファイナルに勝ち上がり。

東海大相模のスターティングは先鋒から近藤悠瑞、菅原光輝、成澤登夢、榎田大人、大村康太。2回戦の同朋高(愛知)戦は近藤が隅返「一本」(0:52)、内股「一本」(2:53)、体落「一本」(2:10)、体落「技有」優勢と4連勝。しかし大将長谷晃希に内股「技有」で敗れて5人抜きはならず、1年生次鋒の菅原が出動して内股「一本」(1:48)で試合をまとめ、スコア不戦3人で勝ち抜け決定。

3回戦の報徳学園高(兵庫)戦は近藤が2勝1分け、菅原が大外刈「技有」で1勝も大将亀田聖に大会ベスト一本級の豪快な裏投「一本」を食って敗戦。亀田の頭上で菅原が両足を天井に向けたまま「く」の字で吹っ飛ぶ、すさまじい一撃だった。

結局この試合は中堅成澤が出動して払巻込「技有」に得意の内股透「一本」で畳に残った亀田を抜き返し、トータル4勝1敗1分けの不戦2人で勝利決定。

一夜明けた4回戦の龍谷大平安高(京都)戦は気合いを入れなおした先鋒近藤が4勝1分けの奮戦で5人を賄い、不戦4人の圧勝。次いで最初の山場である新田高(愛媛)との5回戦を迎える。

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5回戦、新田高の大将熊坂光貴が榎田大人から隅落「技有」

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東海大相模は大将大村康太が熊坂から袖釣込腰「一本」を得て勝ち抜け決定。

東海大相模はこの試合から次鋒を山本銀河に入れ替えてフルメンバーを完成。この試合は近藤と井上太陽による先鋒戦、山本と信岡翔による次鋒戦と2戦連続の引き分けを受けた中堅同士の対決で成澤登夢が高田遼真を小外掛と横四方固の合技「一本」(0:54)で抜き、続いて副将三好竜輔を袖の絞り合いに引きずり込んで手堅く引き分け、1人差リードを保ったまま退場する。

続く試合では副将榎田大人が担ぎ技と小内刈で幾度となく新田の大将熊坂光貴を崩して完全に主導権を得ていたが、残り28秒で掛け潰れた榎田に偽装攻撃の「指導」が与えられて雲行きが怪しくなる。残り時間10秒過ぎ、もつれ合ったところを熊坂が押しつぶすと、堪えた榎田はさば折りの形でグシャリと落ちて隅落「技有」失陥、そのまま崩上四方固に抑え込まれて「一本」。試合は大将同士の対決へと持ち込まれる。

新田・熊坂が右、大村康太が左組みのこの対決は近距離戦で相手の左方向に意識を集中させた大村が一瞬間合いを取り、次いで右袖釣込腰一撃、やや浅いかとも思われたが右前隅に走りながら腕を引きずり込んで投げ切り「一本」。東海大相模が激戦を制して6回戦進出を決めた。

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2回戦の次鋒対決、日体大荏原高の次鋒平山才稀が四日市中央工高・井本龍星から「指導」2つを得て勝利。

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試合終了直前、日体大荏原の中堅藤原直生が四日市中央工の副将萩大地から巴投「技有」。

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藤原は続いて大将菅野浩輝から袖釣込腰で「技有」、2人を抜く活躍でチームを勝利に導く。

日体大荏原は初戦で四日市中央工高(三重)とマッチアップするいきなりの山場。スターティングは先鋒から島本真二郎、平山才稀、藤原直生、グリーンカラニ海斗、内藤彪我。

先鋒戦は島本、四日市中央工の山口隆乃相譲らず「指導1」を取り合って引き分け。第2試合は日体大荏原・平山才稀が井本龍星から「極端な防御姿勢」で残り16秒に2つ目の「指導」を得て勝利。平山と中堅石川大夢がマッチアップした第3試合は引き分け、続いて行われた中堅藤原直生と副将萩大地による第4試合が最大のポイントとなる。この試合は藤原に「指導」1つ、萩に2つが積み重なって引き分け寸前の残り2秒、藤原が巴投で「技有」を得るという劇的な展開。藤原がそのまま優勢勝ちを果たして日体大荏原のリードは2人差に広がる。

ベンチからの「ここをやりきって合格だぞ!」との声を受けた第5試合も藤原が奮闘、双方「指導1」で迎えた1分32秒に菅野浩輝から袖釣込腰で「技有」を奪う。その後2つ目の「指導」を受けたものの最後まで戦い切って優勢勝ち。これで全試合終了、日体大荏原は負けなしのトータルスコア3勝0敗2分け、不戦2人という好成績で初戦を突破。3回戦の五島高(長崎)戦は島本の2勝1分け、平山の2勝による不戦3人で余裕の勝ち抜け、先鋒を藤原秀奨に入れ替えたシード校福井工大福井高(福井)との4回戦は平山の1人抜き(1分け)、副将グリーンカラニ海斗の1勝で試合終了、2勝0敗3分けで盤石の勝利。ここまで3戦を戦い、いまだ無敗という締まった内容である。

5回戦は地元の期待を背負った沖学園高(福岡)とマッチアップ。2戦引き分けを受けた中堅同士の第3試合で中堅藤原直生が中村峻平に敗北してビハインドも、グリーンカラニ海斗が抜き返し、タイスコアで副将同士の対決を迎えることとなる。グリーンは勝負どころと思われたこの新野尾真との一番を消耗しながらも「指導2」の僅差で勝利。続く大将宮崎颯音との第6試合もこの疲労が尾を引いて体格に勝る相手に劣勢、消極と首抜きで2つの「指導」を失って陥落寸前となる。もはやこのまま優勢負けでのベンチ帰還が最善シナリオという状況であったがグリーンはワンチャンスに賭けて集中力を切らさない。宮崎が勝負に出た裏投に被り返して体を入れ、上四方固に捉えて殊勲の「一本」。日体大荏原が不戦1人でこの5回戦を制し、パートファイナル進出を決めた。

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6回戦、東海大相模の中堅成澤登夢が日体大荏原の次鋒藤原直生から内股透「技有」

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藤原は内股巻込「技有」を奪回、リードを保ったまま襷を繋ぐことに成功。

[Cパート6回戦(パートファイナル)]
日体大荏原高〇不戦1人△東海大相模高
(先)藤原秀奨〇優勢[僅差]△谷内竜太郎(先)
(先)藤原秀奨×引分×山本銀河(次)
(次)平山才稀△上四方固〇成澤登夢(中)
(中)藤原直生×引分×成澤登夢(中)
(副)グリーンカラニ海斗〇反則[指導3]△榎田大人(副)
(副)グリーンカラニ海斗×引分×大村康太(大)
(大)内藤彪我

先鋒戦で藤原秀奨が「指導2」を得て貴重な先制点確保。しかし1戦引き分けを受けた第3試合で東海大相模の中堅・成澤登夢が平山才稀に上四方固で一本勝ち。これでスコアはタイに戻る。息詰まるシーソーゲームであるが、続く第4試合が分岐点。成澤登夢が得意の内股透に藤原直生を嵌めて「技有」を得るが、終盤藤原が執念の右内股巻込「技有」奪回。引き分けでこの試合をまとめて食らいつく。
この藤原の頑張りがこの日好調の副将グリーンカラニ海斗の奮戦を呼び起こす。グリーンは榎田大人から「指導3」の反則、さらに大村康太から引き分けと東海大相模のポイントゲッター2枚を1人で賄って勝利を決めた。高校選手権3位、今大会はシード校の栄を受けた東海大相模は入賞に手が届かず、ここで終戦。

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2回戦、福岡大大濠高の次鋒南田瑠惟が大商大高・斉藤蓮から払巻込「一本」

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2回戦、福岡大大濠の中堅野田隆世が大商大高の副将北宗一郎から小外掛「技有」

【Dパート】

シード校:福岡大大濠高(福岡)、秋田工高(秋田)
パートファイナル進出校:福岡大大濠高(福岡)、柳ヶ浦高(大分)

上側の山は全国高校選手権ベスト8、インターハイでも九州王者の大牟田高を破って福岡県代表の栄を得ているシード校・福岡大大濠高が順当に勝ち上がり。スターティングは先鋒から森山幸喜、南田瑠惟、野田隆世、釘本陸、中西一生。前衛の2枚は前半戦用の抜き役、今代屈指の大駒中西を大将に置いて、その前に野田と釘本という重量級2枚で消波ブロックを形成したという形だ。

2回戦の大商大高(大阪)戦は先鋒森山がいきなり引き分けてしまったが、南田が巨体を生かした右払巻込で僅か17秒の「一本」、さらに1分0秒の右払巻込「一本」で2連勝してどうやら通常運行に乗った模様。南田は続く副将北宗一郎を相手に消耗し終盤の横四方固「一本」で敗れたが、中堅野田が畳に残った北を左小外掛と横四方固の合技「一本」、さらに大将小林希瑞月を左小外刈「一本」で抜いて終戦。4勝1敗1分けの不戦2人で初戦をクリアする。

3回戦は高松商高(香川)を相手に先鋒森山が背負投「技有」で勝利して1勝1分け、しかし次鋒南田が中堅忍川尚汰に谷落と背負投の合技で一本負けを喫してタイスコアとなってしまう。ここからは野田が僅差の優勢で忍川を抜き返して1勝1分けで退場、釘本が大将河野賢伸と引き分けと着々試合の針を進め、不戦1人で勝利を得た。次鋒を石崎信太郎に入れ替えて臨んだ4回戦は東海大熊本星翔高(熊本)を森山の1分け、石崎の2勝1敗、野田の2勝で寄り切って通算4勝1敗1分け、不戦2人の快勝。5回戦も野田と釘本の勝利をテコに東北高(宮城)を2勝0敗3分けの不戦1人で危なげなく下し、ぶじパートファイナル進出を果たすこととなった。

下側の山の勝者は今季のインターハイ大分県代表・柳ヶ浦高。2回戦は宇和島東高(愛媛)に5勝2敗0分けの不戦2人、3回戦は慶應義塾高(神奈川)を2勝1敗3分けの不戦1人、4回戦は宮崎日大高(宮崎)を4勝1敗1分けの不戦2人、勝負どころと目された習志野高(千葉)との5回戦も2勝0敗3分けの不戦1人とまことに順調な勝ち上がり。大将山口良太はこの時点でいまだ試合場の畳を踏まず。

[Dパート6回戦(パートファイナル)]
福岡大大濠高〇大将同士・延長戦△柳ヶ浦高
(先)岸川尚矢×引分×服部竜也(先)
(次)石崎信太郎×引分×竹根主倭(次)
(中)野田隆世×引分×土谷颯太(中)
(副)釘本陸×引分×平山隆博(副)
(大)中西一生〇反則[指導3]△山口良太(大)

ともに勝ち上がりきわめて順調の九州勢2校が大接戦。先鋒から副将までが全員相譲らず、大将中西一生と山口良太の本戦4分を合わせて5試合連続の引き分け。大将同士の延長戦で中西が3つ目の「指導」を得て、歯ぎしりするような消耗戦に幕。ベスト8の栄は福岡大大濠が得ることとなった。

※ eJudoメルマガ版7月31日掲載記事より転載・編集しています。

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