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パーク24が5年ぶり2回目の優勝、決勝は逆転で京葉ガスを下す・第68回全日本実業柔道団体対抗大会男子第二部即日レポート

(2018年6月11日)

※ eJudoメルマガ版6月10日掲載記事より転載・編集しています。
パーク24が5年ぶり2回目の優勝、決勝は逆転で京葉ガスを下す
第68回全日本実業柔道団体対抗大会男子第二部即日レポート
第68回全日本実業柔道団体対抗大会は10日、久留米アリーナ(福岡県久留米市)で最終日の競技が行われ、24チームがエントリーした男子第2部はパーク24が優勝した。

パーク24は5年ぶり2回目の2部優勝。2位は京葉ガス、3位には東芝Aと新日鐵住金が入賞した。

戦評と入賞者、準々決勝以降の対戦詳細は下記。


取材・文:古田英毅

■ 決勝まで
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圧勝続きで決勝まで進んだ京葉ガス

決勝に進んだのは京葉ガスとパーク24。ともにここまで3戦をこなし、京葉ガスは圧勝で、パーク24は準決勝の接戦を乗り越えての勝ち上がり。

京葉ガスは2回戦からの登場、先鋒から岩尾敬太、野々内悠真、神谷快、寺島克興、飯田健伍と並べた豪華布陣でまず東レ滋賀と対峙。岩尾が大西勇気と引き分け、寺島が山本雄太に「指導3」で敗れたものの3-1でこの試合に勝利する。同じメンバーで配列を入れ替えた準々決勝は日本通運を3-0、寺島に代えて上川大樹を投入した準決勝は東芝Aを4-0で圧倒してあっさり決勝進出決定。上川はこの試合、東芝のポイントゲッター乙津瑞希を横四方固「一本」に仕留めている。

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準決勝で大きな山場を乗り越えたパーク24

一方のパーク24は2回戦でまず東洋水産とマッチアップ。先鋒から矢野大地、海老沼匡、羽沢頼誠、渕原槙一、中井貴裕というメンバーで臨み、矢野の引き分けの後は一本勝ちを並べて4-0で勝利。準々決勝は配列順を維持したまま先鋒を橋口祐葵に入れ替え、海老沼と羽沢の一本勝ちでJR九州を2-0で下す。

そして山場の準決勝もこの配列のまま、一線級の選手をずらり並べた強豪・新日鐵住金と対峙。先鋒橋口が黒岩貴信に払腰「一本」で敗れたが、次鋒海老沼が大橋賢人から僅差の優勢、中堅羽沢が春日良太から一本背負投「一本」で勝利して、最終スコア2-0で決勝進出を決めた。

■ 決勝
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決勝が開始される

開示されたオーダーは下記。

京葉ガス – パーク24
(先)下和田翔平 - 橋口祐葵
(次)野々内悠真 - 海老沼匡
(中)神谷快 - 羽沢頼誠
(副)上川大樹 - 渕原槙一
(大)飯田健伍 - 中井貴裕

軽量選手の多いパーク24に対して京葉ガスは重量級の強者揃い。普通に考えれば京葉ガスの勝利が妥当なところで、パーク24としては明確な取りどころが見つからない状況。京葉ガスとしては階級差が最も大きい先鋒戦でしっかり取り、あとは手堅く戦いながら副将戦、大将戦でスコアを伸ばすという形がはっきり見える。一方のパーク24は次鋒戦でなんとか得点し、他を粘りながらチャンスを探すというルート以外に、ほぼ戦い方が見えないのではないだろうか。

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橋口祐葵が担ぎ技を連発も、下和田翔平は動ぜず

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大外刈から右足車に繋ぎ、下和田が「技有」獲得

先鋒戦は京葉ガス・下和田翔平とパーク24・橋口祐葵ともに右組みの相四つ。本業の100kg級にあっても群を抜く長身の下和田は身長実に193センチ、一方66kg級の橋口は身長167センチと対照の妙。手練れの橋口は巧みに進退、単に距離を取るのみではなく巧みに体と頭の位置をずらして横変形に組み、圧力を食わぬまま自身の担ぎ技を繰り出せる間合いを確保しながら試合を進める。しかし下和田も軽挙して取り逃す愚を犯すまいと、あるいは差し入れるように刈り足を伸ばして固定し、あるいは橋口の背負投を敢えて潰さず組んだまま引きずっては頭を下げさせて右大外刈を狙う。

橋口が組み際の左への背負投を数度まとめた1分20秒、下和田に消極の「指導」。しかし下和田は慌てず右大外刈を繰り出し、橋口が片手で放った右背負投ははっきり突き飛ばして、姿勢良く一発のチャンスを窺い続ける。

2分過ぎ、下和田は橋口の横変形を敢えて受け入れ、組み合ったまま右大外刈。刈り足を相手の体の線に沿わせて固定、橋口が脚を引いて耐えると一気に乗り込んで足車の形で吹っ飛ばし「技有」。そのまま縦四方固に抑え込み2分31秒合技の「一本」。まずは順当に、京葉ガスが先制点を得る。

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海老沼匡が一本背負投で野々内悠真を攻める

次鋒戦は90kg級の野々内悠真が右、73kg級の海老沼匡が左組みのケンカ四つ。引き手争いを縫って海老沼が巧みに距離を出し入れ、右一本背負投に左背負投と技をまとめて1分20秒野々内に「指導」。奮起した野々内は組み際の出足払で海老沼を伏せさせて横三角を見せるが、以後も海老沼は左体落から巴投の連携、右小内巻込から右一本背負投の連続技と立て続けに仕掛けて、2分47秒には野々内に「指導2」。

やや淡白な野々内、引き出しながら良いタイミングでの右小内刈を見せ、さらに抗した海老沼の前進にこれもポイントが想起されるタイミングで右内股を見舞うが海老沼が耐えてノーポイント。結局この試合は「指導」2差による僅差優勢で海老沼の勝利となった。スコアは1-1、京葉ガスが内容差で辛うじてリード継続。

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羽沢頼誠が巧みな進退で神谷快を封殺

中堅戦は神谷快が右、羽沢頼誠が左組みのケンカ四つ。一発はあるが作りの構築力に欠けるところのある神谷、一方戦術性の高さが売りで体も強い羽沢、この特徴にケンカ四つという組み手が噛み合い、試合は片手状態が多い消耗戦の様相。神谷が片手で前に出、羽沢が右一本背負投でこれを散らす展開が終わった1分4秒に神谷に片手の咎で「指導」。さらに1分53秒には双方に消極的との咎で「指導」が与えられる。その後も羽沢が相手のチャンスの芽をことごく潰し、神谷がこれに嵌められる形で見せ場は訪れず。2分50秒に三審が合議を持ち「指導」付与の有無を話し合う場面はあったがこれもスルー、この試合は引き分けに終わった。

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上川大樹の圧力を渕原槙一が凌ぎ続け、副将戦は引き分け。

副将戦は上川大樹が右、81kg級の渕原槙一が左組みのケンカ四つ。開始するなり上川が引き手方向への支釣込足、大きく崩れて伏せた渕原を「フライパン返し」で大きく持ち上げて場内を沸かせる場面があったが、以後は渕原が組み際に左の担ぎ技を連発して粘り続ける。上川じっくり前進圧力で対処するがやや見過ぎの感あり、渕原に場外の「指導1」が宣告されたときには残り時間僅か1分6秒。

あと1つの「指導」で勝利にたどり着く形の上川は圧力を掛けて支釣込足、さらに組み手とは逆の左で鋭い小内刈を見せるが、獲りきるには至らず。さすがにギアを上げざるを得ない上川は組み際の払腰も見せるがこれは潰れたところに渕原が片手絞に食いついて時間を消費「待て」。この時点で残り時間は11秒、続いて上川の鋭い出足払に渕原が宙を舞い、1回転して腹ばいで落ちたところで4分間が終了。この副将戦も引き分け、1-1、内容差で京葉ガスがリードのまま試合は大将戦へと引き継がれる。

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体格に劣る中井貴裕だが密着しては左小内巻込を狙い、飯田健伍は支釣込足で応戦。

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中井は極端に接近、インパクト襲来前に相手の前技の威力を削ぎ、攻め返す。

大将戦は100kg級の飯田賢伍、81kg級の中井貴裕ともに左組みの相四つ。チームの勝利にはここで取るしかない中井は開始早々に左大内刈、これを飯田が抱き上げたまま双方が外に出て「待て」。中井はさらに左小内巻込に飛び込み、崩れた飯田を「腰絞め」で攻めて極めて意欲的。
試合時間1分を越えるところから飯田が手立てを変え、体を生かして肩越しに釣り手を入れる強引な組み手。しかし中井は乱戦こそ臨むところと腹を突き出して懐に飛び込み、前に詰め続けて会場は喝采。2度この形から双方場外に出てブレイク、業を煮やした飯田が奥襟を叩いての大内刈もこれまた中井が耐え、双方場外に出て「待て」。試合は予断を許さず。中井の強気を審判団も評価、直後中井が飯田の頭を押さえておいての左大内刈を見せると主審は飯田に「指導」を宣告。経過時間は2分7秒。

以後も中井が抱きつきの大内刈を繰り出して攻めるが、がっぷりの組み合いによる膠着を経た2分54秒に双方に「指導」。これで反則累積は飯田が「2」、中井が「1」。あと1つの「指導」でチームの逆転勝利が決まるパーク24ベンチは「行け!」と沸き返るが、中井は独特の勝負勘ゆえか、再開後なぜか敢えてここで距離を取り合い、相手の周囲を回ってタメを作る。約20秒ほどがこれで過ぎたが、以後中井は堰を切ったように抱きつき、懐に飛び込み、嫌って離れようとした相手の背中に食いつき、と体格差を全く感じさせぬ密着戦を展開。飯田は内股、払腰と見せるが中井が先んじて距離を詰めているため回転の隙間がなく、ことごとくインパクト前に勢いを抱き殺されて効かず。匕首を抱えたまま懐に飛び込むような特攻に飯田はやや辟易の様子。それでも残り時間僅か数秒というところまで試合は進むが、ここで中井が飯田の前技に応じて再び「やぐら投げ」紛いの抱きつきを見せると、渕原がこれから降りたところで主審が「待て」をコール。直後終了ブザーが鳴ったが主審は冷静に合議を招集、飯田に3つ目の「指導」を宣告。同時に試合が終了し逆転成立、パーク24が2-1で勝利して5年ぶり2回目の実業団第二部制覇を成し遂げた。

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残り0秒で「指導3」宣告、大逆転でパーク24の勝利が決まった。

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殊勲の中井を称えるチームの面々

パーク24 2-1 京葉ガス
(先)橋口祐葵△合技[足車・縦四方固](2:31)○下和田翔平
(次)海老沼匡○優勢[僅差]△野々内悠真
(中)羽沢頼誠×引分×神谷快
(副)渕原槙一×引分×上川大樹
(大)中井貴裕○反則[指導3](4:00)△飯田健伍

手練れを揃えたパーク24の技術と気合いの高さが、戦線全体を覆う体格差を跳ね返したという一番。京葉ガスは先制点もあってか受けて立つ形で試合を進めてしまい、一貫して鷹揚な印象。体勢を立て直せぬまま試合を終えた形になってしまった。セオリーを外さず冷静に獲り切った先鋒下和田の好試合を、悪い形で受け継いでしまったという印象。特に、大学の大先輩を相手にスクランブルを掛けぬまま試合を終えた野々内の次鋒戦において、せめてあと1つの「指導」を免れていれば流れはまったく違ったはず。五人通じて仕事への使命感が高かったパーク24、全体に散発で5人の戦いが「線」になり切れなかった京葉ガス、ここが勝敗を分けたという印象だった。


入賞者とパーク24・海老沼聖監督のコメント、準々決勝以降の対戦詳細は下記。

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第二部優勝のパーク24

【入賞者】
優 勝:パーク24
準優勝:京葉ガス
第三位:東芝A、新日鐵住金

※パーク24は5年ぶり2回目の優勝

優秀選手:海老沼匡、羽沢頼誠、中井貴裕(パーク24)、飯田賢伍(京葉ガス)、黒岩貴信(新日鐵住金)

海老沼聖監督のコメント
「2部の中でも相当に小さいチームですが、その小型の選手が入る先鋒、次鋒で流れを作ってくることが勝利のカギだと思っていました。大きい選手に、組み手の厳しさで競り負けずによくやってくれました。決勝は、取るべき選手が取って、仕事をするべき選手がしっかり仕事をしてくれたということに尽きます。渕原が上川選手と引き分けたのは大きかった。(―中井選手について?)ここぞで追える、懐に入って勝負出来るタイプなので大将を任せていたのですが、うまく嵌りました。彼は『モード』に入っていましたね。」

【準々決勝】

東芝A 4-1 戸髙鉱業社
(先)片桐章男○背負投(1:09)△崎村徳樹
(次)五味江貴○内股(1:00)△後藤悟志
(中)佐藤悠人○小外刈(1:53)△西岡嵩光
(副)乙津瑞希○背負投(1:29)△岩永修平
(大)田坂翔太△優勢[技有]○村岡大潤

京葉ガス 3-0 日本通運
(先)岩尾敬太○反則[指導3](3:27)△高橋祐太
(次)野々内悠真○反則[指導3](2:22)△手塚海
(中)神谷快×引分×石塚康太郎
(副)寺島克興×引分×加藤貴也
(大)飯田健伍○大内刈(0:15)△林宇宙

新日鐵住金 1-0 自衛隊体育学校
(先)黒岩貴信×引分×前田宗哉
(次)大橋賢人○横四方固(3:05)△春山友紀
(中)春日良太×引分×渡邊一貴
(副)三村暁之×引分×石黒亮太
(大)谷井大輝×引分×佐藤正大

パーク24 2-0 JR九州
(先)橋口祐葵×引分×座波吉平
(次)海老沼匡○一本背負投(1:53)△東幸尚
(中)羽沢頼誠○体落(1:54)△本田貴英
(副)渕原槙一×引分×斗石凜太郎
(大)中井貴裕×引分×祝貴之

【準決勝】

京葉ガス 4-0 東芝A
(先)岩尾敬太○大内刈(0:11)△片桐章男
(次)野々内悠真×引分×五味江貴
(中)神谷快○反則[指導3](3:22)△奥井真也
(副)上川大樹○横四方固(0:31)△乙津瑞希
(大)飯田健伍○優勢[僅差]△田坂翔太

パーク24 2-1 新日鐵住金
(先)橋口祐葵△払腰(2:34)○黒岩貴信
(次)海老沼匡○優勢[僅差]△大橋賢人
(中)羽沢頼誠○一本背負投(2:50)△春日良太
(副)渕原槙一×引分×三村暁之
(大)中井貴裕×引分×谷井大輝

【決勝】

パーク24 2-1 京葉ガス
(先)橋口祐葵△合技(2:31)○下和田翔平
(次)海老沼匡○優勢[僅差]△野々内悠真
(中)羽沢頼誠×引分×神谷快
(副)渕原槙一×引分×上川大樹
(大)中井貴裕○反則[指導3](4:00)△飯田健伍

※ eJudoメルマガ版6月10日掲載記事より転載・編集しています。

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