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シード8校が揃って準々決勝進出、圧勝の天理筆頭に「三強」はいずれも快勝・第40回全国高等学校柔道選手権大会男子団体試合マッチレポート③三回戦

(2018年4月2日)

※ eJudoメルマガ版4月2日掲載記事より転載・編集しています。
シード8校が揃って準々決勝進出、圧勝の天理筆頭に「三強」はいずれも快勝
第40回全国高等学校柔道選手権大会男子団体試合マッチレポート③三回戦
文責:古田英毅
撮影:乾晋也、辺見真也、古賀恒雄

■ 三回戦
【Aブロック】

[Aブロック3回戦]
桐蔭学園高(神奈川) - 長崎日大高(長崎)
(先)奥田訓平 - 老野祐平(先)
(次)高山康太 - 桂嵐斗(次)
(中)安藤健志 - 三浦竹太郎(中)
(副)千野根有我 - 中里祐太(副)
((大)村尾三四郎 - 山口雅矢(大)

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桐蔭学園・奥田訓平と長崎日大高・老野祐平による先鋒戦

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第2試合、長崎日大・桂嵐斗の袖釣込腰を高山康太が耐える

桐蔭学園のオーダー方針は2回戦と変わらず。負傷中の賀持喜道をベンチに取り置き、残るポイントゲッター千野根有我と村尾三四郎の2枚を上位対戦まで少しでも温存すべく最後衛配置。奥田訓平、高山康太、安藤健志の周辺戦力3枚をまとめて前衛ブロックを構成し、相手の戦力を削りに掛かった。一方の長崎日大は前戦で劇的な決勝点を挙げた66kg級の強者桂嵐斗を前出し、次鋒に置いて布陣。相手が前戦同様「本丸」を後に置き、周辺戦力を前出ししてくることを織り込んだ上で、まず戦力薄い前衛を荒らしてスコア的なアドバンテージを得てしまおうというもの。あわよくばこの桂で千野根、村尾の後衛まで辿り着こうという野心を抱えていることもまた間違いない。

桐蔭学園の後衛2枚の強力さを考えれば勝敗自体が揺らぐ可能性は小さい。勝敗を越えた試合の焦点は、上位対戦に辿り着く時点における桐蔭学園の残存戦力の見積もりということになる。すなわち長崎日大がどこまで桐蔭学園の戦力を減じて、後衛2枚に何試合の負担を強いるか。そして桐蔭学園が戦力的にも精神的なスクランブル状態にあることを考えれば、その「浸食」の度合いによっては最終的に勝敗を揺らす可能性すら皆無ではない。波状攻撃で前衛を突破し、千野根を削り、本丸村尾三四郎を引っ張り出したいところ。一方の桐蔭学園の目的は変わらず、ベスト4進出までの千野根と村尾の出番を1試合でも減らして勝ち上がること。そして賀持をベンチに置かざるを得ないこのスクランブル状態においては、何よりまず、きちんと勝ち上がることだ。

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桐蔭学園の副将千野根有我はまず中里祐太を右大外刈「一本」で秒殺

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千野根は続く大将山口雅矢も思い切りの良い右大外刈に捉え、豪快「一本」

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桐蔭学園・奥田訓平と長崎日大・老野祐平による先鋒戦は左相四つ、1分38秒ともに「取り組まない」咎で「指導」1つを失ったのみで引き分け。

この試合全体の流れを規定する山場と目された第2試合は高山康太が左、桂嵐斗が右組みのケンカ四つ。桂が右大内刈を橋頭保に右背負投、左一本背負投と立て続けに担ぎ技を放って先手を取り、高山が体格差をテコに左大内刈、左内股で攻め返すという展開。結局この試合は差がつかず、最終盤に桂が「指導」ひとつを失ったのみで引き分けとなる。続く中堅同士の第3試合は桐蔭学園・安藤健志が初めて武道館の畳を踏み、ケンカ四つの三浦竹太郎の左背負投の前に2分16秒「指導」ひとつを失ったが攻撃ポイントの失陥はなく、なんとか引き分けで試合を終える。

3戦連続の引き分けを受けて、桐蔭学園はポイントゲッター3枚の一角、副将千野根有我が今大会初めて出動することとなる。高松正裕監督はもちろんのこと、チーム内外の関係者から明らかな今代のキーマンとの評価を受ける立場の千野根がどのようなパフォーマンスを見せるか、満場固唾を飲んでその試合ぶりを見守る。

千野根は冬季招待試合シリーズ、そして神奈川県予選で見せた強い攻撃意欲と投げの破壊力を全国大会の晴れ舞台でも存分に披露。副将同士の対決となった第4試合は右相四つの中里祐太を33秒豪快な右大外刈で秒殺「一本」。続いて大将山口雅矢を畳に迎えると開始5秒の右大外刈で明らかに仕留めに出、以降も右相四つの相手を根こそぎ刈り取らんとする思い切りの良い大外刈を2度、3度と立て続けに見舞う。45秒に放った一撃は投げ切れなかったが、リスクを恐れず直後の1分8秒再度の右大外刈で相手の真裏に進出、体重96キロの山口を体ごと畳に沈めて豪快「一本」。これで桐蔭学園の勝利が決まった。

桐蔭学園高(神奈川)〇二人残し△長崎日大高(長崎)
(先)奥田訓平×引分×老野祐平(先)
(次)高山康太×引分×桂嵐斗(次)
(中)安藤健志×引分×三浦竹太郎(中)
(副)千野根有我〇大外刈(0:33)△中里祐太(副)
(副)千野根有我〇大外刈(1:07)△山口雅矢(大)
(大)村尾三四郎

かつて攻めの遅さが指摘されていた千野根は「覚醒」と呼んで然るべき出来。全国中学校大会個人優勝時を彷彿とさせる、闘志あふれる戦いぶりだった。前戦で獅子奮迅の戦いぶりを見せた高山は引き分けに終わったが、これは相手がこの試合最大の不確定要素である桂であったことを考えれば上々の仕事。もしこの3回戦が揉めるとすれば冒頭書いた通り桂が暴れ、小型選手が大兵を倒すという絵面の良さで単なる1勝を超える勢いが長崎日大の側にもたらされるというシナリオ以外になかったはず。もしそうなれば前代に桐蔭学園を追い詰めた同校の後輩たちにその記憶が呼び覚まされ、勢いが勇気を呼び、勇気ある攻めが会場を味方につけての意外な一発を生むという好スパイラルが生じた可能性も十分にあった。よってこの第2試合における「痛み分け」でアドバンテージを得たのは桐蔭学園の側。奥田あるいは安藤に桂が当たって形上暴れられてしまうよりは、攻撃カードの高山で双方が潰れてしまったほうがよほど良い。3戦引き分けという地味な果実の下には、桐蔭学園勝利に至る流れが滔々隠されていた。心配された奥田と安藤も破綻なく引き分けを演じ、台所事情苦しい桐蔭学園、ここまでは綻びなくぶじベスト8進出決定。「苦しいながらも、現状で手が届くシナリオとしてはほぼ完ぺき」という勝ち上がりである。

[Aブロック3回戦]
福岡大大濠高(福岡)○一人残し△作陽高(岡山)
(先)野田隆世○優勢[僅差]△丸鳩紹雲(先)
(先)野田隆世×引分×田中幸郎(次)
(次)岸川尚矢×引分×嵐大地(中)
(中)石嵜信太郎△優勢[僅差]○宮城慧也(副)
(副)釘本陸○小外刈(0:52)△宮城慧也(副)
(副)釘本陸×引分×髙橋翼(大)
(大)中西一生

福岡大大濠は重量級2枚の順番を入れ替え、前衛に野田隆世、後衛に釘本陸を配した。この一見「微調整」とも見えるオーダー戦略の妙が効いた一番。
作陽はこれまでの2試合と同様、先鋒に身長188センチ158キロの超大型選手・丸鳩紹雲を配置。しかし体重125キロながら担ぎが利き、対重量級戦が上手い野田はこの試合を終始優位に進め「指導2」を得ての優勢勝ち。続く2戦目もしっかり引き分けて1人差リードを保ったまま畳を降りる。一進一退の競った展開となった中盤戦は第4試合で作陽の副将・宮城慧也が「指導2」の優勢で石嵜信太郎を破ってスコアをタイに持ち込むが、福岡大大濠今度はここで今度は同じ重量級でも本格派タイプで体格差を生かすことに長けた釘本陸が登場。釘本は身長で6センチ、体重で約30キロ勝るサイズをテコに前戦で疲労した宮城を追い詰め、ハンドル操作を利かせた小外刈で「一本」奪取。続いて作陽ではもっとも取り味がある髙橋翼が畳に上がるが、ここは「取る」ミッションから解放された釘本がサイズを利かせて今度はしっかり引き分け。結果、この試合もエース中西一生を取り置いたまま福岡大大濠が快勝。シード校の責をしっかり果たしてベスト8進出を決めた。

【Bブロック】

[Bブロック3回戦]
天理高(奈良)〇四人残し△旭川龍谷高(北海道)
(先)池田凱翔〇[技有・小外刈]△幾島拓朗(先)
(先)池田凱翔〇反則[指導3](1:39)△入山竣太(次)
(先)池田凱翔×引分×千葉初磨(中)
(次)水上世嵐〇優勢[技有・大内刈]△菅原啓太(副)
(次)水上世嵐〇腰車1:44)△鈴木涼介(大)
(中)植岡虎太郎
(副)井上直弥
(大)中野寛太

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先鋒戦、天理高・池田凱翔が旭川龍谷高・幾島拓朗から小外刈「技有」

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水上世嵐(右)は崩されながら首を抱き返し、鈴木涼介を振り投げて浮落「一本」

前戦硬さの見えた天理が全国大会の呪縛から解き放たれたか、この試合は圧勝。先鋒池田凱翔が右相四つの幾島拓朗を相手に2分15秒小外刈で「技有」を得てまず1人抜き。続いてケンカ四つの入山竣太を畳に迎えた第2試合は24秒双方に片手の「指導」が与えられる静かな出だしだったがここから池田はラッシュ、組めずとも試合は作れるとばかりにあくなき前進としぶとい仕掛けを継続、結果45秒、そして1分39秒といずれも「場外」で入山の2つの反則が宣告されて試合終了。「指導3」の反則で池田が勝利し、2人抜きを達成。

第3試合は畳に残った池田から旭川龍谷の中堅千葉初磨が1分10秒右背負投「技有」を奪取。これで3連戦となる池田の疲労を考えるとこのまま旭川龍谷の1人抜き返しが現実的かと思われたが、池田は残り51秒の右内股で執念の「技有」奪回。「抜いても抜かれる」不首尾をあくまで拒否し、引き分けで畳を降りることとなる。

反攻の端緒になるはずであった1勝を池田の粘りに潰された旭川龍谷は色なし。2人差のリードを受けた天理の次鋒・水上世嵐は右相四つの菅原啓太を相手に1分52秒にマークした右大内刈「技有」を以て快勝。しかし続く第5試合は旭川龍谷の大将・鈴木涼介が奮闘、水上の右一本背負投のすっぽ抜けを小外刈で返して意地の「技有」奪取、さらにそのまま抑え込んで2つ目の「技有」をも奪う。しかし、池田に続いてこの水上も「不首尾」を峻拒、鈴木が体を寄せて放った決定的な支釣込足を首を抱いて振り戻し、腰車「一本」で大逆転。首をガッチリ抱いて最後の決めに身を躍らせたはずの鈴木、自分の真下に位置していたはずの水上を逃がしてしまうどころか投げ返されて一瞬茫然。この劇的な逆転勝利で天理の勝ち抜けが決まった。

過程に凹凸あれど、中量級2枚がいずれも失点を跳ね返して整えた最終結果は堂々の5勝0敗1分け。天理、今代の特徴である規律の高さを存分に見せつけ、スコア四人残しの大勝でベスト8入り決定。

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埼玉栄の大将・西願寺哲平が崇徳高・福永夏生を背負投で攻める

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福永が右小外刈で西願寺を叩き落とし「技有」

[Bブロック3回戦]
崇徳高(広島)〇二人残し△埼玉栄高(埼玉)
(先)毛利允弥×引分×山野井爽(先)
(次)篠原泰斗〇隅落(1:59)△梅野寛大(次)
(次)篠原泰斗×引分×吉田昴(中)
(中)松尾理来×引分×蓜島創(副)
(副)福永夏生〇横四方固(1:30)△西願寺哲平(大)
(大)八木郁実

崇徳の完勝。先鋒戦の引き分けを受けた次鋒篠原泰斗が梅野寛大の裏投を浴びせ返して値千金の隅落「一本」。次戦もケンカ四つの吉田昴を相手にしっかり戦い、「引き手を持たない」咎で自身に1つ、相手に2つの「指導」が与えられたのみの引き分けで手堅く畳を降りる。第4試合も松尾理来が蓜島創と引き分けて、崇徳は1人差リードを保ったまま埼玉栄のエース・西願寺哲平を畳に引きずり出すことに成功。

個人戦66kg級の覇者西願寺に対するは崇徳の1年生ポイントゲッター・福永夏生。この試合は福永が右、西願寺が左組みのケンカ四つ。西願寺果敢に左背負投を放って攻めこむが福永動じず、1分10秒に右小外刈で相手の体を抜き上げる。西願寺一瞬で崩落、必死で手を着いて耐えようとするが福永は小回りが利く相手の長所を消すかのようにグシャリと押し潰して「技有」奪取。そのまま横四方固に抑え込んであっという間の「一本」。

崇徳はスコア二人残しの快勝。ほとんどすべての時間帯をリードしたまま最後まで無敗、最小限試合数である計5試合でこの3回戦を終了。最後はエース西願寺からも「一本」を得てダメを押すという完璧な試合内容だった。

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先鋒戦、国士舘高の安藤稀梧が沖縄尚学高・仲嵩爽由から送足払で2つ目の「技有」獲得。

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安藤稀梧は続く第2試合も山里健太を秒殺、左内股「一本」

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ここまで3人を抜いた安藤から、沖縄尚学の副将當間龍輝が肩車「技有」奪取。

【Cブロック】

[Cブロック3回戦]
国士舘高(東京)〇四人残し△沖縄尚学高(沖縄)
(先)安藤稀梧〇内股(2:00)△仲嵩爽由(先)
(先)安藤稀梧〇内股(0:29)△山里健太(次)
(先)安藤稀梧〇優勢[技有・小外刈]△川崎康聖(中)
(先)安藤稀梧△崩上四方固(1:17)△當間龍輝(副)
(次)道下新大〇優勢[技有・小外刈]△當間龍輝(副)
(次)道下新大〇優勢[技有・支釣込足]△新垣翔二郎(大)
(中)藤永龍太郎
(副)酒井陸
(大)斉藤立

前戦で「走り出し掛けたが、スピードに乗り切れなかった」(躓いた、とまでは言えまい)国士舘は斬り込み隊長役を交替。2回戦で先鋒を務めて不首尾に終わった(3勝1敗)長谷川碧をいったんベンチに下げ、次鋒で出場して1引き分けに終わった安藤稀梧を先鋒に送り込んだ。いずれにせよ起爆剤役はこの2人のどちらかに担わせるのが、ベンチの大方針の模様。

安藤は自身の使命を十分理解している模様で試合開始から怒涛のラッシュ。先鋒戦はケンカ四つの仲嵩爽由を相手に1分32秒払腰フェイントの左小外刈で「技有」、続いて1分48秒送足払「技有」、そして2分0秒トドメの左内股を決めて「一本」。続く第2試合もケンカ四つの山里健太を開始29秒左内股「一本」に屠ってあっという間の2人抜き達成。

第3試合も安藤の勢いは衰えず、これもケンカ四つの川崎康聖に開始するなり左小外刈を叩きこんで「技有」奪取。しかし以後は片手状態から左の「一本大外」を仕掛けて粘る相手に手を焼き、残り57秒で場外の「指導」1つを追加したものの「一本」にはたどり着かず。それでもこの優勢勝ちで前戦の長谷川同様3人抜きを達成。

安藤がその特徴である爆発力を存分に見せつけたここまでの3試合であったが、しかし第4試合、安藤は當間龍輝の左肩車に捕まり「技有」失陥、そのまま横三角からの崩上四方固に捉えられて一本負け。ロケットスタートも最終的には失点、というこのパターンは2回戦の長谷川と相似。国士舘、どうしても首脳陣がイメージする「勝って、分ける」の仕上げである殿戦が上手くいかない。

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国士舘は次鋒道下新大が畳に残った當間から小外刈「技有」、あっという間に事態を収拾

試合自体は続いて出動した次鋒道下新大が當間から開始早々に挙げた左小外刈「技有」による優勢、さらに新垣翔二郎から1分10秒に挙げた支釣込足「技有」優勢と2勝を積み上げて快勝。四人残しの大差でベスト8進出を決めた。2回戦(二人残し)からスコアを大きく上げ、安藤と道下で計5勝を挙げたこの試合の内容は、大局的には一歩前進と見るべき。チームの勢いは加速し、その陣容の厚さもどうやら他校を圧するものがあると再確認出来た一番ではあった。しかしどうしてもキッチリ退場できない起爆剤役2名の不安定さは気に掛かるところ。大枠合格、しかし満点には届かず。初戦の方向性のズレを若干修正、大旗獲りに向けて船首をすこしずつ、あるべき方向に向けつつあるという体の一番であった。

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中堅対決、木更津総合高の小宮大倭が森浩に袖釣込腰、粘って投げ切り2つ目の「技有」

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[Cブロック3回戦]
木更津総合高(千葉)〇二人残し△福井工大福井高(福井)
(先)井上泰司×引分×井上翔汰朗(先)
(次)北條嘉人×引分×山口統也(次)
(中)小宮大倭〇優勢[技有・肩車]△森浩介(中)
(中)小宮大倭×引分×酒井晃輝(副)
(副)浅野史恩〇払腰(2:31)△土田海也(大)
(大)坂東虎之輔

木更津総合の順当勝ち。
井上泰司と井上翔汰朗の先鋒戦は右相四つ、両者に「取り組まない」の「指導」1つが与えられたのみで引き分け。次鋒戦は73kg級のファイター北條嘉人が体格差に怖じず右小外掛、両襟を寄せての巴投にここから立ち上がって繋ぐ出足払、座り込んでの右小外掛と次々取り味のある技を繰り出すが、ケンカ四つで1階級上の山口統也を最後まで攻略し切れず引き分け。序盤戦は2引き分けで、試合は動かず。

しかしこれを受けた木更津総合の中堅小宮大倭が奮起、第3試合の大型選手対決は序盤の肩車で森浩介を転がし値千金の「技有」奪取。小宮は以後もケンカ四つの森を相手に左袖釣込腰、そして片襟を握った左背負投と担ぎ技を連発、終盤にも左袖釣込腰で相手を崩すと粘りに粘って押し込み「技有」1つを追加。そのまま優勢勝ちを果たして貴重な先制点をチームにもたらし、続く酒井晃輝との第4試合もきっちり引き分けて退場。

最終戦となった第5試合はリードを背に受けた前戦の殊勲者・木更津総合の副将浅野史恩が福井工大福井の大将・土田海也を相手に猛攻。土田はこのチーム最軽量の73キロ、体重120キロの浅野は両襟を掴んでの左内股にステップワークを利かせた左小外刈で攻めに攻めまくる。土田も良く動いてカウンターの右背負投で必死に攻め返すが姿勢の良い浅野を崩せず、2分31秒に浅野の左足車でその動きをガッチリ止められて万事休す。土田体をずらして辛くも膝への拘束は外したが、抜けられた浅野は左前隅へのベクトルを切らずにあくまで上体を回し切る。土田はたまらず吹っ飛んで「一本」。

木更津総合は負けなしの2勝3分け、二人残しの大差で悠々ベスト8入り決定。次戦は優勝候補筆頭の国士舘に挑むこととなる。

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大成高の次鋒竹内勇伸が秋田工高の中堅・籾山勇大から小外刈「技有」

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最終戦は瀬戸裕太朗(左)と森合凱我による大型対決

【Dブロック】

[Dブロック3回戦]
大成高(愛知)○三人残し△秋田工高(秋田)
(先)田中翔太○優勢[僅差]△石井耀(先)
(先)田中翔太×引分×金勇斗(次)
(次)竹内勇伸○優勢[技有・小外刈]△籾山勇大(中)
(次)竹内勇伸×引分×籾山航大(副)
(中)瀬戸裕太朗○優勢[技有・払巻込]△森合凱我(大)
(副)大西陸斗
(大)藤鷹裕大

シード校大成が東北ブロック王者秋田工高を一蹴。
大成は前戦でフルに働いた2枚をいったん前線から下げて布陣。大竹龍之介をいったんベンチに下げ、藤鷹裕大は大将に配置換え。いわばローテーション布陣の「裏」で臨んだ一番である。
この試合は先鋒に抜擢された大成の田中翔太が秋田工・石井耀を一方的に攻め続け2つの「指導」を得て優勢勝ち、次鋒の金ともしっかり引き分けてリードを保ったまま畳を降りる。続いて登場した次鋒の竹内勇伸も前戦の殊勲者籾山勇大を小外刈「技有」優勢で破り、続く第4試合をしっかり引き分けリードを伸ばして退場。あとのない秋田工高は重量級の好選手、体重130キロの大将森合凱我が畳に上がるが、大成も体重133キロの中堅瀬戸裕太朗が出動、この大型対決を払巻込「技有」で制してフィニッシュ。これで大成のベスト8勝ち上がりが決定、最終スコアは三人残しの大差であった。

秋田工の選手のポテンシャルは決して低くなく、大成の「一本」がゼロであることが示す通り1試合ごとの内容も決して大差にあらず。地力は十分と見受けられたが、組み手の巧拙をはじめとした細かいディティールの差の積み重ねが、最終的には三人残しという大差にまで至った感あり。素材を磨く具体的な方法論に課題が見えた試合であった。

[Dブロック3回戦]
東海大相模高(神奈川)〇一人残し△東海大札幌高(北海道)
(先)近藤悠瑞×引分×吉田岳(先)
(次)大村康太×引分×小竹守(次)
(中)山本銀河×引分×中村亮介(中)
(副)成澤登夢〇反則[指導3](2:33)△加藤亘真(副)
(副)成澤登夢×引分×佐藤大輔(大)
(大)榎田大人

東海大札幌はエース小竹守を次鋒に前出しする積極策に打って出たが、ここに東海大相模の2番手大村康太がかち合ってしまった。1戦引き分けを受けた小竹はケンカ四つの大村を「韓国背負い」と袖釣込腰で攻め立てるが、終盤に「取り組まない」咎による「指導」1つを得たのみで引き分け。東海大相模がポイントゲッターを早々に消費してしまった形のこの第2試合をきっかけに大局的な試合の主導権は東海大相模の側に移り、第3試合の引き分けを経た副将同士の対決では成澤登夢が左相四つの加藤亘真から消極的との咎で1つ目、そして「極端な防御姿勢」で2つ目の「指導」を先取。この時点で残り時間は1分21秒、後のなくなった加藤は左右の担ぎ技でラッシュを掛けるが、残り27秒で痛恨の掛け潰れ。主審はこれを見逃さず、偽装攻撃の「指導3」を宣告して試合終了。1人を抜いた成澤は続く佐藤大輔との最終戦を「指導2」対「指導1」の最少差ビハインドのまま終え、しっかり引き分け。5戦して投技のポイントなし、引き分け4つに「指導3」の反則決着1つというロースコアの消耗戦を東海大相模が勝ち切って、ベスト8進出を決めた。榎田大人という抜き役の存在によって大村康太を前に出すことを可能ならしめた、相模の人材的な厚さが東海大札幌の挑戦を弾き返したという一番だった。

結果決まった準々決勝の顔合わせは、

桐蔭学園高(神奈川) - 福岡大大濠高(福岡)
天理高(奈良) - 崇徳高(広島)
国士舘高(東京) - 木更津総合高(千葉)
大成高(愛知) - 東海大相模高(神奈川)

の4試合となった。
勝ち上がり8チームすべてがシード校、「鉄板カード」である。

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