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シード8校順当に勝ち上がり、桐蔭学園は「第四の男」高山康太が大車輪の活躍・第40回全国高等学校柔道選手権大会男子団体試合マッチレポート②二回戦

(2018年4月1日)

※ eJudoメルマガ版4月1日掲載記事より転載・編集しています。
シード8校順当に勝ち上がり、桐蔭学園は「第四の男」高山康太が大車輪の活躍
第40回全国高等学校柔道選手権大会男子団体試合マッチレポート②二回戦
文責:古田英毅
撮影:乾晋也、辺見真也、古賀恒雄

いよいよ二回戦、シード8校が畳に登場することとなる。四つ角に配された桐蔭学園、国士舘、天理の「三強」の滑り出しはもちろん、実力校がシード校の壁に挑戦するAブロックの福岡大大濠高(福岡)-白鴎大足利高(栃木)、Dブロックの東海大相模高(神奈川)-東海大仰星高(大阪)の様相にはひときわ注目が集まる。ほか注目カードは枚挙に暇がないが、Aブロックの小杉高(富山)-長崎日大高(長崎)、作陽高(岡山)-足立学園高(東京)、Dブロックの東海大札幌高(北海道)-津幡高(石川)なども観戦的な旨味たっぷりの、非常に色気のある顔合わせだ。

■ 二回戦
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第1シード校桐蔭学園が日本武道館の畳に登場、初戦は負傷している賀持喜道を外して布陣した。

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2人を抜いた高山康太が渡邉哲平を攻める

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高山が熊谷健太から隅落「一本」、4人抜きを果たす

【Aブロック】

シード校:桐蔭学園高(神奈川)、福岡大大濠高(福岡)

[Aブロック2回戦]
桐蔭学園高(神奈川)〇四人残し△加藤学園高(静岡)
(先)奥田訓平×引分×白石諄(先)
(次)高山康太〇縦四方固(1:48)△井出海輝(次)
(次)高山康太〇送襟絞(0:53)△渡邉優聖(中)
(次)高山康太〇払腰(0:53)△渡邉哲平(副)
(次)高山康太〇隅落(0:19)△熊谷健太(大)
(中)安藤健志
(副)千野根有我
(大)村尾三四郎

桐蔭学園は左肘を負傷している賀持喜道をひとまずベンチに取り置き、先鋒に66kg級の奥田訓平、次鋒に100kg級の高山康太、そして中堅に1年生の安藤健志を置いて布陣、千野根有我と村尾三四郎の2人を後衛に鎮座させた。つまりは5番手を争う2人(奥田、安藤)で4番手の高山を挟んで前衛ブロックを形成したということになる。

一見余裕のあるオーダーだが、賀持を上位対戦ここ一番でしか使えないであろうこと、となれば後半戦で大車輪の活躍を期待されることとなる千野根有我と村尾三四郎の出番を1試合でも少なくして体力を貯めたいこと、しかし桐蔭学園は今シーズン通じて計算できる戦いをしてきた選手が村尾、千野根、賀持の3枚しかおらず全国大会レベルの対戦における5番手級2人の同時起用は異例であること、などを考えると相当に切迫感のあるオーダー。桐蔭学園は、かつかつだ。

しかしこの大事な全国大会第一戦では、「第四の男」高山康太が大爆発。先鋒戦の引き分けを受けて登場した第2試合では井出海輝から場外際ぎりぎりでの大内返「技有」奪取を経ての縦四方固「一本」、続いて渡邉優聖を送襟絞「一本」、さらに渡邉哲平を大外刈から連絡しての右払腰「一本」とあっという間に3連勝。最終戦は加藤学園の大将・熊谷健太の左大外刈を隅落に切り返し、最後は抱いて真裏に叩き落とし「技有」奪取、この技が副審2人のアピールで「一本」に訂正されて4人抜き確定。スコア四人残しの大差で桐蔭学園が勝利することとなった。

高山は素晴らしい出来。これまではケアレスミスが多くよくも悪くもマイペース、盤面状況から生まれ出ずる「勝負」の電流がなかなか体に通らない不導体ぶりが目立つ選手であったが、賀持不在で迎える全国大会本番というギリギリの状況がついにその覚醒を呼んだ感すらあり。場外に出ても決して動きを止めず抑え切った第1試合、相手を最後までコントロールして無理やり背中を着かせた最終戦と執念、そして責任感が感じられる戦いぶりだった。試合時間の割には消耗が大きいようにも見受けられたが、それもチームの厳しい状況を理解したプレッシャーゆえかと観察され、であればむしろこれは高山のようなタイプの選手にとっては好ましい状況。桐蔭学園、高山の活躍でひとまず「3枚」を使わぬままの初戦突破に成功した。

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2人差のビハインドを負った小杉の大将・斉本研アレクサンドルが長崎日大・中里祐太から横四方固「一本」

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斉本が三浦武太郎から背負投「一本」、試合は大将同士の対決へ。

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大将対決、桂嵐斗が斉本の首を引っ掴み、右腰車で「一本」。

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[Aブロック2回戦]
長崎日大高(長崎)○一人残し△小杉高(富山)
(先)老野祐平△優勢[技有・縦四方固]○青嶋優(先)
(次)山口雅矢○体落(0:06)△青嶋優(先)
(次)山口雅矢○反則[指導3](2:01)△大浦圭弥(次)
(次)山口雅矢○優勢[技有・浮落]△高田仁(中)
(次)山口雅矢△優勢[僅差]○澤田智大(副)
(中)中里祐太○優勢[僅差]△澤田智大(副)
(中)中里祐太△横四方固(0:50)○斉本研アレクサンドル(大)
(副)三浦竹太郎△背負投(2:48)○斉本研アレクサンドル(大)
(大)桂嵐斗○腰車(2:15)△斉本研アレクサンドル(大)

盤面の重心は長崎日大・桂嵐斗、小杉・斉本研アレクサンドルの両エースが控える大将ポジションにあり。しかし両軍前衛の奮闘により畳上は沸騰、なんと9試合を費やして引き分けゼロという抜きつ抜かれつの大熱戦となった。

先鋒対決は小杉高の青嶋優が老野祐平を相手に縦四方固「技有」、払巻込「技有」と連取して先勝。しかし、続いて登場した長崎日大の次鋒山口雅矢が畳に残った青嶋をわずか6秒の体落「一本」で秒殺、あっという間にスコアをイーブンに戻す。ここから山口は次鋒の大浦圭弥を「指導3」の反則、中堅の高田仁を相手の小外掛を透かしての浮落「技有」と連勝、3人抜きの大仕事を果たす。山口は4戦目で畳を降りることになるが、副将の澤田智大を相手に3分間をフルに戦い切る粘戦、内容は「指導2」の最少差。この粘りが生き、後を受けた中堅中里祐太は畳に残った澤田から2つの「指導」を奪って僅差優勢勝ち。2人差のリードを持って、小杉の本丸・斉本研アレクサンドルを引きずり出すことに成功する。

勝利には3人を抜き返すしかない斉本であるが、その実力はさすが。まず中里を小外刈「技有」からの横四方固「一本」、さらに副将三浦竹太郎から横落「技有」、そして試合終了直前の背負投「一本」で下し、ついに大将同士の対決まで辿り着くこととなる。

長崎日大の桂嵐斗は66kg級世界カデ王者の実力者。とはいえ斉本は90kg級で、今年の無差別県代表も務めている強者。2試合をこなしたばかりとはえ、この体格差を考えれば斉本の優位は否めない。この予測通り斉本は体格と膂力、そして組み手の形を選ばぬ技出しで大枠優位に試合を進めるが、しかし試合は意外な決着。桂が斉本の頭を両腕で挟み込んで固定、その長い体を無理やり制しての豪快な腰車一撃を見舞う。8面に分かれた試合場で熱戦続く武道館の中にあって、ひときわ大きなどよめきがこの第2試合場に降り注ぐ中、主審は高らかに「一本」を宣告。前日の個人戦でまさかの初戦敗退に終わったその鬱憤を晴らすような豪快な一発、単に66kg級の強者という評価に留まらない桂の「投げる才能」の素晴らしさを示したこの劇的な一撃で、長崎日大の3回戦進出が決まった。

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釘本陸が澤口宗志に圧力

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釘本と齋五澤航介による第4試合

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野田隆世が長谷川明伸を一本背負投で攻める

[Aブロック2回戦]
福岡大大濠高(福岡)〇一人残し△白鴎大足利高(栃木)
(先)岸川尚矢×引分×杉之内暁(先)
(次)釘本陸〇反則[指導3](1:11)△澤口宗志(次)
(次)釘本陸〇内股(2:33)△宇賀神圭太(中)
(次)釘本陸△優勢[僅差]〇齋五澤航介(副)
(中)石嵜信太郎×引分×齋五澤航介(副)
(副)野田隆世×引分×長谷川明伸(大)
(大)中西一生

福岡大大濠が快勝、白鴎大足利の消極的な戦いぶりに付け込んでほとんど危ない場面ないまま、そして決戦兵力である中西一生という矢を繰り出すことないまま順当に3回戦進出を決めた。

先鋒戦は福岡大大濠の岸川尚矢、白鴎大足利の杉之内暁がそれぞれ2つの「指導」を失って引き分け。次鋒戦は九州新人大会100kg超級の王者釘本陸が澤口宗志からまず消極、次いで2つ連続で「極端な防御姿勢」と、僅か1分11秒の間に3つの「指導」を得て勝利を決める。釘本は続く中堅宇賀神圭太からも「組み合わない」咎で2つの「指導」を連続奪取、その末残り27秒には内股「一本」を決めて2人抜き。

白鴎大足利は前日の個人戦73kg級で3位入賞のファイター齋五澤航介が出動、釘本から2つの「指導」をもぎ取ってなんとか1人を抜き返すが、続く第5試合は左内股でラッシュもポイントまでは奪えず石嵜信太郎と引き分け。最終戦は長谷川明伸が野田隆世との大型対決に挑むが、繰り出す左内股は野田の手堅い柔道の前にポイントの気配漂わず、相手の担ぎ技を捌くうちに時計の針は刻々進む。結局この試合も引き分けに終わり、スコア一人残しで福岡大大濠の勝利が決まった。

福岡大大濠の順当勝ち、というよりも冒頭書いた通り白鴎大足利の元気のなさが目立った試合。先鋒杉之内が残り8秒で失った場外の「指導」から、第3試合の残り55秒で中堅宇賀神が食った「取り組まない」咎による「指導」まで、一方的に「指導」5つを連続失陥。確かに総合戦力では福岡大大濠が上だが、招待試合シリーズで見せた一種自分たちを高く買った図太い戦いぶりから考えれば「一太刀浴びせての接戦」というところまでは十分考えられたはず。挑む立場のチームにもっとも必要な、リスクを採ってでも相手の懐に飛び込んでその急所を抉ってやろうという「肚」が決定的に欠けていたように感じられた。結果福岡大大濠は無理して山場を作る必要なく、リスクを冒さぬまま手堅く戦って3回戦進出決定。

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丸鳩紹雲と押領司龍星による第1試合

[Aブロック2回戦]
作陽高(岡山)〇一人残し△足立学園高(東京)
(先)丸鳩紹雲×引分×押領司龍星(先)
(次)田中幸郎×引分×樋口誠二朗(次)
(中)嵐大地×引分×川田武史(中)
(副)宮城慧也△反則(2:45)〇吉井拓実(副)
(大)高橋翼〇腕挫十字固(1:53)△吉井拓実(副)
(大)高橋翼〇大内刈(1:13)△松村士(大)

ともに代々選手の練度の高さが売り、「訓練」のレベルの高さを持って鳴る東西強豪2チームの対決。作陽は体重158キロの丸鳩紹雲を筆頭に出場5人の平均体重が114キロ(最軽量は95キロの嵐大地)という大型チーム、一方の足立学園は60kg級の樋口誠二朗をはじめ平均体重76キロ(最重量は100キロの吉井拓実)とその体格、そして柔道スタイルは対照的。魅力的なカードだ。

先鋒戦は序盤丸鳩紹雲が払巻込で攻めるが、ファーストアタック後は押領司龍星がこの重量を前面に押し出した一撃に慣れて十分警戒、結果52秒双方に消極の「指導」が与えられることとなる。以降押領司が取り味のある左背負投を連発、あと一歩で得点というところまで攻めこむが、1分31秒に丸鳩に2つ目の「指導」が宣告されたのみでこの試合は引き分け。続く第2試合も田中幸郎に2つ、樋口誠二朗に1つの「指導」が宣せられた以外はポイントなく引き分け、川田武史が主導権を得て攻めた第3試合も嵐大地から「極端な防御姿勢」の「指導」1つをもぎ取ったのみで獲り切れず、試合は3戦連続の引き分けとなる。

宮城慧也と吉井拓実による副将同士の第4試合はケンカ四つ、これも50秒、1分42秒と双方に消極的との「指導」が積み重なる難しい展開。しかし「両襟でいいからいけ!」と作陽ベンチから激しい叱咤が飛んだ終盤に試合が動き、残り51秒で吉井の右小外刈が閃き「技有」。これを受けて焦った宮城が「手四つ」のまま相手を場外に押し出してしまい、残り15秒で宮城に3つ目の「指導」。4戦目にしてついにスコアが動き、足立学園が1人差をリードすることとなる。

しかし作陽はここで登場した大将高橋翼が雲を払うような活躍。吉井を相手に40秒まず「取り組まない」咎で「指導」1つをリードすると、1分を過ぎたところで吉井が放った抱きつきの右小外刈を真っ向返して「技有」奪取。間をおかずに腕挫十字固に繋ぐ抜け目のなさでしっかり「一本」に辿り着く。

そして迎えた大将対決も高橋優位で試合が進む。66kg級の松村士は、右相四つで体重差60kgの高橋の圧をさすがに捌きかね36秒片襟の「指導」失陥。高橋はその挙動をじっくり見極め、1分13秒に松村が放った左小外刈を右大内刈に切り返し「一本」。これで作陽の3回戦勝ち上がりが決まった。作陽の体格と「大型がしっかり取るメソッド」が足立学園の技術を塗りつぶしたという一番だった。

[Aブロック2回戦]
桐蔭学園高(神奈川)〇四人残し△加藤学園高(静岡)
長崎日大高(長崎)○一人残し△小杉高(富山)
福岡大大濠高(福岡)〇一人残し△白鴎大足利高(栃木)
作陽高(岡山)〇一人残し△足立学園高(東京)

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若潮杯王者の天理高が登場、初戦からベストメンバーでの布陣。

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水上世嵐が体格差に怖じず、宇野澤祥也を相手に圧力

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水上が宇野を担ぎ技で攻める

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最終戦、植岡虎太郎が長嶋勇斗を背負投で攻める

【Bブロック】

シード校:天理高(奈良)、崇徳高(広島)

[Bブロック2回戦]
天理高(奈良)○二人残し△東海大甲府高(山梨)
(先)池田凱翔○優勢[技有・大内刈]△宮下壮瑠(先)
(先)池田凱翔○優勢[技有・内股]△米山正剛(次)
(先)池田凱翔△横四方固(3:19)○宇野澤祥也(中)
(次)水上世嵐○優勢[技有・釣込腰]△宇野澤祥也(中)
(次)水上世嵐×引分×橋本暖人(副)
(中)植岡虎太郎×引分×長嶋勇斗(大)
(副)井上直弥
(大)中野寛太

久々頂点を伺う戦力を揃えて日本武道館に臨む、若潮杯王者のシード校・天理の第1試合。のっけからフルメンバーを投入、布陣は井上直弥と中野寛太の大型2枚を後衛に据え、前衛に中量級戦力を突っ込むオーソドックス陣形である。挑むは好チーム・東海大甲府。

先鋒戦は池田凱翔が大内刈「技有」を得て宮下壮瑠に勝利。互いが低い姿勢で投げを狙い合う消耗戦となった第2試合も池田は内股「技有」で米山正剛を下すが、2試合をフルに戦ったことでさすがに消耗。第3試合もギリギリまで粘ったものの試合終了間際に宇野澤祥也の小外掛を食って「技有」失陥、そのまま横四方固に抑え込まれて「一本」、東海大甲府が1人を抜き返す。

それでも池田の粘りは次戦に生き、既に体力を大幅に削られていた宇野澤を相手にした次鋒水上世嵐は右釣込腰でまず「技有」、さらに右背負投で「技有」と豪快な投げを2つ決めて優勢勝ち。水上は副将橋本暖人としっかり引き分けてリードを保ったまま畳を降り、迎えた第6試合は中堅植岡虎太郎が大将長嶋勇斗と余裕を持って引き分け、フィニッシュ。結果天理がスコア二人残しで勝利を決めることとなった。

初戦ゆえかやや硬さが感じられたこと、よって大爆発を引き起こすような思い切りの良さが感じられなかったというきらいはあるが、いかにも今代の天理らしいしっかりした試合だった。池田が1敗を喫したが、戦った3試合がいずれもフルタイム戦いぬいてのものであったことは、その消耗が「汗を掻かねば取らない」「取るためには汗を掻かねばならない」パーソナリティを持つ今代天理の「中野以外」の戦力が誠実に戦ったことを示すものであったとも評価できる。もちろんこれは天理が抱える弱点と表裏一体ではあるが、まずまずの滑り出しと見て良い試合であった。

3回戦での天理への挑戦権を争うこのブロック第2試合は、旭川龍谷高(北海道)が2勝1敗3引き分けのスコア一人残しで鹿児島情報高(鹿児島)を下している。

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シード校崇徳が畳に姿を現す

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松岡大輝が及部健太朗から大外巻込「一本」、松岡はこれで4人抜きを達成

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松岡は桜丘のエース大石由に仕事をさせずしっかり引き分け。

[Bブロック2回戦]
崇徳高(広島)〇四人残し△桜丘高(愛知)
(先)松岡大輝〇大外刈(0:24)△荻野王翔(先)
(先)松岡大輝〇大外巻込(0:44)△足立知由(次)
(先)松岡大輝〇縦四方固(0:53)△羽田野祥吾(中)
(先)松岡大輝〇大外巻込(0:23)△及部健太朗(副)
(先)松岡大輝×引分×大石由(大)
(次)毛利允弥
(中)松尾理来
(副)福永夏生
(大)八木郁実

シード校崇徳の圧勝。崇徳が気に掛けるべきは桜丘高の大将に座る大駒・大石由ただ1枚であったが、先鋒松岡大輝がすべて「一本」で4人を抜き去り、大石ともしっかり引き分けるというまさしく満点の出来。4試合いずれも1分掛からず、5試合合わせても5分24秒という快勝で3回戦へと駒を進めることとなった。

[Bブロック2回戦]
埼玉栄高(埼玉)〇二人残し△柴田高(宮城)
(先)西山真心〇一本背負投(1:53)△佐藤友飛(先)
(先)西山真心×引分×遠藤滉太(次)
(次)蓜島創〇大外刈(0:46)△牛木聖成(中)
(次)蓜島創×引分×菅原幸大(副)
(中)吉田昴×引分×小畑詩音
(副)山野井爽
(大)西願寺哲平

埼玉栄が順当に勝利。前戦はエース西願寺に頼り切りであったが、この試合から投入された先鋒西山真心が1勝1分けでしっかり仕事を果たしてムード一変。次鋒蓜島創も大外刈「一本」で1人を抜いた後は柴田の1年生エース菅原幸大に仕事をさせずしっかり引き分け。スコア二人残しの快勝でシード校崇徳への挑戦権を得ることとなった。

[Bブロック2回戦]
天理高(奈良)○二人残し△東海大甲府高(山梨)
旭川龍谷高(北海道)〇一人残し△鹿児島情報高(鹿児島)
崇徳高(広島)〇四人残し△桜丘高(愛知)
埼玉栄高(埼玉)〇二人残し△柴田高(宮城)

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国士舘は前衛の起爆剤役として長谷川碧と安藤稀梧を並べて投入

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先鋒戦、長谷川碧が木下慶輔から内股「一本」

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長谷川は第2試合も左内股を軸に攻めまくる

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安藤稀梧は佐藤寛哉を攻めまくるが、どうしてもポイントを奪えず引き分け。

【Cブロック】

シード校:国士舘高(東京)、木更津総合高(千葉)

[Cブロック2回戦]
国士舘高(東京)○二人残し△盛岡南高(岩手)
(先)長谷川碧○内股(0:07)△木下慶輔(先)
(先)長谷川碧○優勢[僅差]△安齊遼太(次)
(先)長谷川碧○内股(1:34)△伊藤隆哉(中)
(先)長谷川碧△後袈裟固(1:09)○佐藤寛哉(副)
(次)安藤稀梧×引分×佐藤寛哉(副)
(中)藤永龍太郎×引分×岡堀朱樹(大)
(副)道下新大
(大)斉藤立

優勝候補筆頭に挙げられる国士舘高がいよいよ日本武道館の畳に姿をあらわす。「1人が良い勝ち方をすると回りも一気に乗ってくるのが現代っ子、そういう選手が早い段階で現れると強い」旨繰り返し発言していた岩渕公一監督は、その大事な初戦の先鋒に長谷川碧を指名した。

第1試合はその長谷川がわずか7秒の左内股「一本」で木下慶輔に勝利。以降も次鋒の安齊遼太を左内股で攻めまくっての「指導2」僅差、中堅伊藤隆哉に左内股「一本」と3人を抜く活躍を見せてまことに順調であったが、第4試合で盛岡南の副将・佐藤に右背負投を思い切り食って「技有」失陥、そのまま後袈裟固「一本」で敗れる不首尾。

当然ながら流れは一変。続いてこれもチームの起爆剤役を担うはずの安藤稀梧が畳に残った佐藤を左内股に送足払で幾度も伏せさせるものの仕留めきれず、残り10秒でついに得た小外刈「技有」も合議の結果取り消し。この試合は引き分けに終わった。もはやミス出来ない空気を感じたか、あるいは試合をまとめることの方が重要な段階と判断したか続いて畳に上がった中堅藤永龍太郎も動きは決して冴えず、一種淡々と試合を進めて大将岡堀朱樹と引き分け。ここで試合は終了となった。

国士舘、スコア二人残しという結果だけ見ればまことに危なげない試合であったが、内容はバタバタ、明らかに以後に不安の残る内容。首脳陣は選手に相当な気合を入れた模様、どう体勢を立て直して次戦に臨むかが注目されるという体の一番であった。

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次鋒対決、沖縄尚学高の山里健太が育英高・岩本龍弥を攻める

続いて行われたこの山の第2試合は沖縄尚学高(沖縄)が育英高(兵庫)に勝利。沖縄尚学は3人を消費して2勝1敗、1人差のリードで迎えた最終戦で副将當間龍輝が、育英の大将岡田一真に背負投「一本」(2:32)で勝利。エース岡田が投げられてトドメを刺される形となった育英は、完敗だった。

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小宮大倭と平山隆博による中堅対決

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副将同士の第4試合、浅野史恩が山口良太から払腰「技有」

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浅野は山口の左「一本大外」の奇襲にも動じず振り返す

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最終戦は浅野の内股巻込「一本」で終了

[Cブロック2回戦]
木更津総合高(千葉)○二人残し△柳ヶ浦高(大分)
(先)北條嘉人×引分×土谷颯太(先)
(次)小山内剣太郎×引分×服部竜也(次)
(中)小宮大倭×引分×平山隆博(中)
(副)浅野史恩○優勢[技有・払腰]△山口良太(副)
(副)浅野史恩○内股巻込(1:15)△坂山歩(大)
(大)板東虎之輔

シード校・木更津総合が登場、大事な第一戦の斬り込み役には73kg級ながら取り味抜群、大型選手狩りの得意な北條嘉人を指名した。
しかしその木更津総合の前に、前戦で新田を弾き返した土谷颯太、服部竜也、平山隆博の3枚で組む柳ヶ浦の堅陣が立ちはだかる。北條はしぶとく食らいついて体重110kgの土谷の懐に歯を入れるチャンスを伺うが土谷は北條得意の絡みつくような小外掛をことごとく捌いて譲らず、組み際に抱きついての小外掛で北條を投げる場面も作り出す。これは土谷の反則(ベアハグ)となりポイントには至らなかったが、この試合は北條が「指導」1つ、土屋が2つを失って引き分けに終わる。続く第2試合も大きな動きがないまま「指導1」を分け合って引き分け、第3試合も得点の予感漂う場面なく引き分けとなる。

そして柳ヶ浦が図太い「3枚」を消費した直後、副将同士が戦う第4試合で状況が動く。木更津総合の抜き役である浅野史恩が120キロの体躯を存分に生かした左払腰で山口良太から「技有」を奪って優勢勝ち。続く第5試合も僅か1分15秒で坂山歩を左内股巻込「一本」に屠って2人抜きを達成、これで木更津総合高の勝利が決まった。スコアは二人残し、木更津総合は難敵柳ヶ浦を相手にエース坂東虎之輔を温存したまま、しっかり初戦を突破。

木更津総合への挑戦権を争う京都学園高(京都)と福井工大福井高(福井)の試合は福井工大福井の勝利。4戦引き分けを受けた大将同士の対決で、酒井晃輝が谷口稜太から「指導2」を奪って僅差の優勢勝ちを果たした。

[Cブロック2回戦]
国士舘高(東京)〇二人残し△盛岡南高(岩手)
沖縄尚学高(沖縄)〇二人残し△育英高(兵庫)
木更津総合高(千葉)〇二人残し△柳ヶ浦高(大分)
福井工大福井高(福井)〇一人残し△京都学園高(京都)

【Dブロック】

シード校:大成高(愛知)、東海大相模高(神奈川)

[Dブロック2回戦]
大成高(愛知)〇二人残し△つくば秀英高(茨城)
(先)大竹龍之介〇内股(1:32)△旭征哉(先)
(先)大竹龍之介×引分×森垣大地(次)
(次)藤鷹裕大〇優勢[僅差]△下沢直生(中)
(次)藤鷹裕大〇優勢[技有・内股巻込]△星野三郎(副)
(次)藤鷹裕大△優勢[技有・大内刈]〇多田昌人(大)
(中)瀬戸祐太朗×引分×多田昌人(大)
(副)田中翔太
(大)大西陸斗

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先鋒戦、大成高の大竹龍之介がつくば秀英高・旭征哉から内股「一本」

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大成の次鋒・藤鷹裕大がつくば秀英の副将星野三郎から内股巻込「技有」、藤鷹はこれで2人抜き。

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昌人が藤鷹から大内刈「技有」、つくば秀英は第5試合にして一矢を報いる

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瀬戸裕太郎が多田昌人を完封、大成の勝利が決まる。

昨年の準優勝チーム、シード校大成が日本武道館の畳に登場。今年急成長の大竹龍之介を斬り込み隊長役に指名、続く次鋒には抜き役として期待される2年生の中から身長185センチの藤鷹裕大を配し、もう1人の抜き役候補大西陸斗を大将に取り置いた。一方のつくば秀英はエース多田昌人を大将に置いて対峙。

先鋒戦は大竹がケンカ四つの旭征哉を相手に得意の右内股を連発、相手が1階級下の73kg級ということもあり大竹のラッシュは止まらず、「指導1」奪取後にこの技を決めて「一本」。続く第2試合も右相四つの森垣大地を相手に強気に奥襟を叩いて攻めるが、体重111キロの森垣は正面から迎え撃ち、大竹得意の右大腰も「やぐら投げ」に切り返して退かず。持ち上げられた大竹もその体から降りるなり間髪置かずに攻めを継いで攻撃意欲は衰えず、互いが譲らぬままこの試合は引き分に終わった。

第3試合は藤鷹裕大に73kg級茨城県代表下沢直生がマッチアップ。ケンカ四つのこの試合は体格に勝る藤鷹が左小外掛、左内股で攻め続ける。決めのロジックに欠ける技だがその前進と攻撃意欲の高さに下沢は徐々に手が出なくなり、序盤に「指導」、残り35秒で場外の「指導」失陥。この試合は藤鷹が僅差の優勢勝ちを果たし、大成のリードは「2」に広がる。

藤鷹は続く第4試合もケンカ四つの星野三郎を相手にひたすら前進、組めばタイミングお構いなしに左内股、左小外掛と愚直に大技の鉈を振るい続ける。体重96キロの星野はこれをしっかり見極め、28秒には藤鷹の内股を透かして投げ掛かる。しかしもはや技は見切ったという体で左内股を耐えた41秒、藤鷹が転がりながらアフターで揚げた長い脚のフォローに耐え切れず巻き込まれて内股巻込「技有」失陥。その後藤鷹は体力が尽きて失速、星野の攻めの前に1分19秒「極端な防御姿勢」で「指導」、1分59秒にも消極の「指導」を失うがなんとかタイムアップまで戦い切って「技有」優勢勝ち、大成のリードは3人差に広がる。
第5試合は畳に残った藤鷹、つくば秀英の大将多田昌人ともに左組みの相四つ。多田は大内刈とケンケンの左内股でラッシュ、藤鷹は前戦同様長い体を利して落ち際に腹ばいで逃れることを続け、なんとかポイントは回避。しかし1分21秒に多田がタイミングをずらして斜めから鋭く放った左大内刈に崩落、これも大成は微妙であったがここまでの一方的な様相が背中を押したか主審はこれに「技有」を宣告。その後藤鷹に消極の「指導」、片襟の「指導2」と反則が積み重なって試合終了。多田の「技有」優勢勝ちでつくば秀英が一矢を報いる。最終戦は大成の瀬戸裕太郎が133キロの体重を生かして、敢えて畳に両足をつけたまま図太く前へ、多田の攻めを塗りつぶし、残り16秒で失った「指導1」のみで試合を終えて引き分け。ここでつくば秀英の選手が尽き、スコア二人残しで大成の勝利が決まった。

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先鋒戦、秋田工高の石井耀が延岡学園高・小川剛生を右背負投で攻める

[Dブロック2回戦]
秋田工高(秋田)〇二人残し△延岡学園高(宮崎)
(先)石井耀×引分×小川剛生(先)
(次)金勇斗×引分×久保田大樹(次)
(中)籾山勇大〇優勢[技有]△吉野天成(中)
(中)籾山勇大×引分×岩佐哲汰(副)
(副)籾山航大〇内股(0:39)△中西隆翔(大)
(大)森合凱我

東北ブロック王者・秋田工高が延岡学園を圧倒。2引き分けを受けた第3試合で90kg級の籾山勇大が1回戦の殊勲者吉野天成を「技有」優勢で下し、次戦を引き分けて退場。最終戦は73kg級の籾山航大が中西隆翔を内股「一本」で破って締め、スコア二人残しの快勝でシード校大成への挑戦権を得た。

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東海大相模は初戦から山場、フルメンバーで東海大仰星との対決に挑む

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次鋒対決、大村康太が左内股から体を押し込み、倉部隆成から「技有」

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大村は菅野晶仁から袖釣込腰「一本」、これで2人抜き達成。

[Dブロック2回戦]
東海大相模高(神奈川)〇一人残し△東海大仰星高(大阪)
(先)谷内竜太郎×引分×柏野亮太(先)
(次)大村康太〇優勢[技有・内股]△倉部隆成(次)
(次)大村康太〇袖釣込腰(1:19)△菅野晶仁(中)
(次)大村康太△優勢[僅差]〇本原颯人(副)
(中)山本銀河〇反則[指導3]△本原颯人(副)
(中)山本銀河△優勢[技有・小外刈]〇内村秀資(大)
(副)成澤登夢×引分×内村秀資(大)
(大)榎田大人

東海大相模は前衛に大村康太を前出し、榎田大人を大将に置いてポイントゲッターを分散配置、その間に重量級2枚を挟むという2ブロック作戦に打って出た。一方の東海大仰星はこの試合も73kg級のエース内村秀資を大将に置いて布陣。

先鋒戦は谷内竜太郎、柏野亮太ともに消極的との咎で2つの「指導」を失ったのみで引き分け。前半戦の山場と目された第2試合は大村康太がケンカ四つ倉部隆成から1分22秒に払腰フェイントの左小外刈でまず「技有」奪取、2分3秒には左内股で「技有」も追加する。倉部は大村の図太い前進を捌けず2つの「指導」も失って終戦。この試合は大村の「技有」優勢勝ちで東海大相模が1人差をまずリード。大村は続く第4試合も、両襟を掴んで寄せてくる中堅菅野晶仁を右袖釣込腰「一本」に斬って落として、2人抜きの大仕事を達成。

しかしここでリードを保って試合を締めるべき大村は、次戦で本原颯人に敗れる不首尾。ケンカ四つの本原に一本背負投、片手の内股と攻めこまれ早々に「指導」失陥、中盤は両襟を持って相手の動きを封じに掛かるが徹底し切れず残り57秒で「指導2」を失って、僅差優勢で本原に敗戦。東海大仰星に1人を抜き返されることとなった。

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第5試合、「指導2」ビハインドの本原颯人が残り15秒で山本銀河から袖釣込腰「技有」。勝負の行方は激しく揺れる。

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本原は痛恨の「指導3」失陥、再逆転でこの試合は山本が勝利する。

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内村秀資が山本銀河から小外刈「技有」

第5試合からは重量級が2枚続く東海大相模の消波ブロック。副将山本銀河はこのミッションに沿って畳に残った本原を圧殺、立て続けに2つの「指導」を得て波乱の気配は僅少であったが、試合最終盤に本原が意地の右袖釣込腰「技有」を獲得して大逆転、畳上は一気に沸騰する。なにしろ残り試合時間はこの時点で僅か15秒、本原の居残りによる副将成澤登夢との引き分け心中、次いで榎田大人と内村秀資によるエース対決と以後の様々なシナリオが両軍指揮官の脳裏をよぎる熱い十数秒であったが、試合再開直後山本が突進して左大外刈を放つと耐え切れなくなった本原がそのまま頭を下げて潰れてしまう痛恨のミス。試合時間は残り6秒、主審はこの行為に偽装攻撃の「指導」を与えて再逆転が決定。「指導3」の反則でこの試合は山本の勝利に終わった。

第6試合は東海大仰星のエース内村秀資が出動。ケンカ四つの巨漢・山本を相手に1分54秒「やぐら投げ」から右小外刈に繋いで「技有」奪取。体格差もあり、これ以上は無理をせずに3分間を戦い切って優勢勝ち。

第7試合は畳に残った内村に体重120キロの成澤登夢がマッチアップ。成澤は自身の仕事をしっかり心得、内村の間合いの出し入れに乗り過ぎず、図太く、手堅く畳に居座り続ける。凌ぐ側に戦いやすいケンカ四つという相性に体格差もクロスし、56秒引き手を持ち合わない両者に「指導」、1分24秒双方に消極で2つ目の「指導」が与えられて試合はやや停滞。内村ここからスクランブルをかけて攻めのペースを上げるが間に合わず、この試合は引き分け。結果、大将榎田大人1枚をベンチに残した東海大相模の勝利が決まった。

前半は大村の活躍で東海大相模が、後半は本原の頑張りを契機に東海大仰星がペースを握った試合。本原が3つ目の「指導」を失わずあと6秒を我慢していればどう転がるかわからない試合ではあった。が、山本が本原を「指導3」で塗りつぶし、成澤が内村をガッチリ止め、それでもさらにスクランブル用としてエース榎田をベンチに残していた、という盤面を眺めなおす限りは「ポイントゲッター2枚で重量級2枚を挟み、体格に劣る東海大仰星の駆け引きを体格差と枚数で塗りつぶしてしまう、という東海大相模の作戦通りに進んだ試合であったと言える。最大のアップセット要素である内村の働きをも「消波ブロック」2枚で塗り潰した東海大相模の総合戦力勝ち、戦略勝ちという一番であった。

[Dブロック2回戦]
東海大札幌高(北海道)〇一人残し△津幡高(石川)
(先)中村亮介△優勢[技有]〇室木修幸(先)
(次)越橋健介×引分×室木修幸(先)
(中)加藤亘真△優勢[技有・袈裟固]〇石野椋生(次)
(副)佐藤大輔〇払腰(0:22)△石野椋生(次)
(副)佐藤大輔×引分×寺島悠太(中)
(大)小竹守〇袖釣込腰 (1:26)△布目王雅(副)
(大)小竹守〇小外掛(2:12)△本出達基(大)

一時は2人差がついた決定的な状況から、東海大札幌が逆転勝ち。
前半は完全に津幡ペース。先鋒戦で優勢勝ちを果たした室木修幸が1勝1分けで畳を降りてまず1人差をリード。津幡はここで登場した中堅加藤亘真が次鋒石野椋生から1分26秒に内股返「技有」を奪ってどうやら体勢を立て直したかに思われたが、石野は残り32秒で右内股から繋いだ右大内刈で「技有」奪回、さらに袈裟固に抑え込む。加藤必死に逃れてこの抑え込みを「技有」までに留めるがこの時点で残り時間は11秒。「技有」の数で1つ勝った石野の優勢勝ちが決まり、津幡はこれで2人差をリード。東海大札幌はここまで全員が1試合のみで畳を降りており、早くも副将佐藤大輔が畳に上がることとなる。

しかしここから東海大札幌が大反攻を開始。まず佐藤が畳に残った石野を僅か22秒の払腰「一本」で下して反撃の狼煙、次いで畳に上がった津幡のポイントゲッター寺島悠太とも「指導2」ずつを分け合って引き分けで試合を終える。ここで寺島がいわばミッション完了と納得して畳から降りたことが津幡にとっては致命傷、東海大札幌は大将に座ったエース小竹が副将布目王雅を袖釣込腰「一本」であっさり畳から退け、ついに大将同士の対決まで辿り着く。

迎えたエース対決は小竹、そして津幡の本出達基ともに右組みの相四つ。37秒にまず本出が右小内刈から大内刈へと技を継ぎ決定的な「技有」を獲得。しかし小竹あきらめず前に出続け、1分11秒に本出に場外の「指導」、試合の空気が変わり始める。そして残り48秒、意を決した小竹が抱きつきの小外掛。乾坤一擲のこの一撃見事に決まって「一本」、これで大逆転劇が完成、東海大札幌がスコア一人残しでみごとベスト16への勝ち上がりを決めた。

[Dブロック2回戦]
大成高(愛知)〇二人残し△つくば秀英高(茨城)
秋田工高(秋田)〇二人残し△延岡学園高(宮崎)
東海大相模高(神奈川)〇一人残し△東海大仰星高(大阪)
東海大札幌高(北海道)〇一人残し△津幡高(石川)

※ eJudoメルマガ版4月1日掲載記事より転載・編集しています。

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