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東海大仰星、白鴎大足利らシード直下の強豪が実力見せつける・第40回全国高等学校柔道選手権大会男子団体試合マッチレポート①一回戦

(2018年3月26日)

※ eJudoメルマガ版3月26日掲載記事より転載・編集しています。
東海大仰星、白鴎大足利らシード直下の強豪が実力見せつける
第40回全国高等学校柔道選手権大会男子団体試合マッチレポート①一回戦
文責:古田英毅
撮影:乾晋也、辺見真也、古賀恒雄

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厳しい予選を勝ち抜いた都道府県の代表が今年も聖地・日本武道館に集った

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団体戦開始式。選手宣誓は国士舘高・酒井陸選手。

いよいよ春の柔道シーズン到来。「高校三冠」最初のタイトルである第40回全国高等学校柔道選手権大会が3月20日に聖地・日本武道館で開幕、最終日の21日には最注目カテゴリである男子団体戦が行われた。

五人制抜き勝負で行われるこのカテゴリの優勝争いは第1シードの桐蔭学園高(神奈川)、第2シードの国士舘高(東京)、そして第4シードの天理高(奈良)の3チームによるマッチレース。展望記事に書かせて頂いた通り、1年生ながら今大会最強の大駒と目されるエース斉藤立を擁する国士舘が純戦力的な一番手。これを前日の無差別個人を圧勝で制した中野寛太を擁する天理、そして村尾三四郎、賀持喜道、千野根有我と昨年の「三冠」メンバーから強力3枚を残した桐蔭学園が追うという構図だ。

この大局をベースに、レポートに先立って団体戦開幕直前に各チームに訪れた「潮目」の変化を簡単に振り返っておきたい。

まずなんといっても大きいのが前日の個人戦の結果。無差別決勝では天理・中野寛太が桐蔭学園・村尾三四郎を大内返「一本」に斬り落として完勝している。ともに全日本柔道選手権本戦進出を決めているエース同士の直接対決、団体戦準決勝の最終盤で実現必至と目されるこの重要カードにひとつ結果がアウトプットされたことは当日の戦略を考える上でまことに大きい。天理は73kg級でもなんと団体戦メンバー外の中村洸登が優勝を果たし、明らかな上げ潮ムード。前日の個人戦の「勝者」は明らかに天理と言っておいて間違いないだろう。

国士舘は伝統的にこの大会個人戦に比重を置かず、今大会は怪我もあって1年生エース斉藤は都予選どころかその前段階の支部予選から出場していない。個人戦本戦には2年生の酒井陸が無差別東京代表の栄を得て出場し、準決勝まで進んで中野寛太に一本負け、結果は3位だった。中野には負けてしまったが実力差を考えればこれは織り込み済み、この日酒井に課せられたミッションはどちらかというと結果の良否というよりは「チームに悪い流れを起こさぬようしっかり戦うこと」。たとえば思わぬ伏兵に食われて自信を喪失するとか、煮え切らない試合を続けて他レギュラー、特に1年生の面々に「意外と全国の敵は手ごわい」との印象を植え付けてしまうとか、そういうマイナス要素さえなければ合格という中で一本勝ち2つ、「技有」勝ち2つで対中野戦まで辿り着いたのだからこれは合格、どころかむしろ120点の好結果。団体戦における実力発揮の下地はしっかり出来たと言える。

そして三強のうち、間違いなくもっとも苦しい状況に置かれたのが桐蔭学園。展望記事でも述べた通り、81kg級の優勝候補賀持喜道は2月11日に福島で行われた魁星錬成大会で、新田高の熊坂光貴の極めて悪質な反則腋固によって肘を負傷、大会を1か月後に控えた大事な段階での戦線離脱を余儀なくされた。個人戦には出場こそしたものの明らかに稽古を積めておらず、杉本将一朗(北海高)に袖釣込腰「技有」を食ってなんと初戦敗退に終わってしまった。個人戦終了後、高松正裕監督は賀持のケガが左ひじ靭帯断裂の重傷であること、そして乱取り稽古なしで大会に臨んだギリギリの状態であることを明かした。どうひいき目に見てもこの日の団体戦に期待できる状況では到底ない。加えて、前述の通り個人戦で村尾が中野に完敗、戦力苦しい中のチームが本来頼るべきであるはずの「個の対決がそのままチーム全体の勝敗を規定する」最後のステージでの決定的な不利が明らかになってしまった。抜き役の多さがカラーのチームがそのアドバンテージを次々?がれ、大会前の魅力的な対決構図は色あせた感あり。一種「終戦」の気配すら抱えながらの団体戦スタートとなった。

以上を踏まえた上で、まずは実力校登場の前段から。トーナメントを4つのブロックに割り、シードチームへの挑戦権を争う一回戦の戦いを簡単に振り返ってみたい。

■ 一回戦
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1回戦、先鋒戦で白鴎大足利高の澤口宗志が岡豊高・松岡慎大から内股「一本」

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白鴎大足利高の次鋒河村祥克が岡豊高の副将秋山稔から払腰「一本」

【Aブロック】

シード校:桐蔭学園高(神奈川)、福岡大濠高(福岡)

上側の山では、桐蔭学園への挑戦権を争う第1試合で加藤学園高(静岡)が2勝1敗3分けの一人残しを以て木造高(青森)を退ける。

長崎日大高(長崎)は箕島高(和歌山)を相手に先鋒に突っ込んだ桂嵐斗が73kg級の枠谷康平に引き分けられてしまい、以降は取って取られての大乱戦。1人抜いては1人抜き返されるというルーチンを3度繰り返した末に中里祐太が下邨彗との大将対決に払腰「一本」で勝利。4勝3敗1分けの一人残しで辛くも2回戦進出の権利を手にした。

大激戦区の下側の山は、まず福岡大大濠への挑戦権を得るべく白鴎大足利高(栃木)が畳に登場。岡豊高(高知)を相手に、先鋒澤口宗志が2勝1分け、次鋒河村祥克が2勝0敗と、すべて「一本」(相手の反則負け1試合含む)で4勝を挙げ、四人残しで順調に2回戦進出決定。

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作陽高の先鋒丸鳩紹雲が東大阪大柏原高の金高穣二から崩袈裟固「一本」

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作陽の次鋒田中幸郎が髙陸紀の小外刈を透かして隅落「技有」

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2人差をリードして順風満帆の作陽に冷や水、東大阪大柏原の副将菊池大樹が田中から裏投「一本」

[Aブロック1回戦]
作陽高(岡山)○一人残し△東大阪大柏原高(大阪)
(先)丸鳩紹雲○崩袈裟固(2:48)△金高穣二(先)
(先)丸鳩紹雲×引分×冨田海斗(次)
(次)田中幸郎○横四方固(1:11)△髙陸紀(中)
(次)田中幸郎△裏投(1:20)○菊池大樹(副)
(中)嵐大地×引分×菊池大樹(副)
(副)宮城慧也×引分×川之上夢人(大)
(大)髙橋翼

作陽高の先鋒は相撲でも全国中学校大会に出場歴のある大型選手・丸鳩紹雲。丸鳩は初戦でケンカ四つの東大阪大柏原高・金高穣二から後袈裟固「技有」、右大外巻込「技有」、さらに崩袈裟固「一本」と立て続けに奪って勝利。作陽にとっては幸先良いスタートであったが、丸鳩、2試合目はケンカ四つの小型選手冨田海の左背負投と足技の放列に手を焼き、終盤「指導1」を奪ったのみで取り切れず引き分け。作陽は第3試合で次鋒田中幸郎が髙陸紀の小外刈を透かして隅落「技有」、ここからあっという間の横四方固「一本」でリードを2人差に広げるが、続く第4試合は東大阪大柏原高の副将菊池大樹が田中の大外刈をしっかり止めて裏投に切り返し、これまたあっという間の「一本」。スコア差は「1」、しかも早い時間での「一本」の取り合いが続いたことで試合の先行きは一気に不透明となるが、以降は作陽がしっかり状況を弁え、敢えて試合を動かさぬことにしっかり汗を掻いて2引き分け。結果、最終スコア一人残しで作陽が勝利することとなった。

出来上がった体格に緻密な技術を載せて戦うのが本来の作陽スタイルだが、今年度チームはまだまだ未完成。技術は粗いが練った地力の高さで突破という体で、やや不格好ながら二回戦進出決定。

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川田武史が賀澤翔海を相手に組み手巧みに主導権を得る

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川田が賀澤から背負投「技有」

[Aブロック1回戦]
足立学園高(東京)〇三人残し△田村高(福島)
(先)樋口誠二朗〇反則[指導3](2:02)△大越裕貴(先)
(先)樋口誠二朗△崩上四方固(2:32)〇田邉夢叶(次)
(次)押領司龍星〇横四方固(2:57)△田邉夢叶(次)
(次)押領司龍星×引分×橋本健太(中)
(中)川田武史〇優勢[技有・背負投]△賀澤翔海
(中)川田武史〇不戦△(大)

田村高は直前になんと4人を負傷で失い、この試合は先鋒から副将までの4人のみで布陣。
足立学園は先鋒戦の軽量級対決で樋口誠二朗がまことにこのチームの選手らしい練れた柔道を披露、体重60kgの小兵にも関わらずケンカ四つの大越裕貴を左背負投、裏投、抱分、肩車に「韓国背負い」と大技を連発して翻弄し、立て続けに3つの「指導」を奪ってまず1勝。 樋口は続く第2試合でも90kg級の田邉夢叶に組み手と大内刈で先手を打ち、中盤まで「指導1」対「指導2」でリード。しかし残り2分を過ぎて田邉の圧が利き始めると突如失速、1分40秒に田邉の左小外刈が「技有」、田邉はさらに完璧な組み手から支釣込足「技有」を奪い、横四方固、崩上四方固と繋いで一本勝ち。ここでスコアはタイに戻る。

第3試合は足立学園の次鋒押領司龍星が左相四つの田邉を手堅く追い詰め、残り1分を前に2つ目の「指導」を獲得。2分29秒には両襟を掴んでの左内股で「技有」、そのまま横四方固に抑え込んで一本勝ちを果たす。押領司は続く第4試合をしっかり引き分け、続いて畳に上った73kg級個人戦代表川田武史が賀澤翔海を相手に右大外刈から繋いだ右背負投で1分55秒「技有」、さらに2分41秒に右の片襟背負投で「技有」と連取して優勢勝ち。ここで田村の選手が尽き、足立学園の勝利が決まった。足立学園は失点1の不首尾があったが、スコア三人残しの快勝で作陽が待ち受ける2回戦への進出決定。

[Aブロック1回戦]
加藤学園高(静岡)〇一人残し△木造高(青森)
長崎日大高(長崎)〇一人残し△箕島高(和歌山)
白鴎大足利高(栃木)〇四人残し△岡豊高(高知)
作陽高(岡山)〇一人残し△東大阪大柏原高(大阪)
足立学園高(東京)〇三人残し△田村高(福島)

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大将対決、埼玉栄高の西願寺哲平が九州学院高・赤星遼太郎の大内刈を捌く。

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西願寺が赤星をガッチリ抑え込んで「一本」、この選手にとって2階級差はハンデにならなかった。

【Bブロック】

シード校:天理高(奈良)、崇徳高(広島)

おそらくベスト8への勝ち上がりはシード2校が確実といういわば「無風区」だが、だけに各校の力は接近。このブロックの1回戦5試合のうち3試合が代表戦決着、残る2試合も大将同士の対決まで試合が縺れるという、見ごたえのあるゲームが続出する展開となった。

天理への挑戦権を争う東海大甲府高(山梨)と中京学院大中京高(岐阜)の一番は2勝2敗1引き分けでともに大将まで全ての選手を消費。大将対決の再現となった代表戦で長嶋勇斗が村瀬賢心を僅差の優勢で破って東海大甲府の勝利が決定。

鹿児島情報高(鹿児島)と帝京長岡高(新潟)の試合は2勝2敗と激しく動いた序盤戦から一転、3戦連続の引き分けで勝負の行方は代表戦へ。これも大将対決の再現となり、松本司が田崎駿斗を僅差の優勢で破って鹿児島情報が勝ち上がり。

高松商高(香川)と愛知県の第2代表・桜丘高の一番は5試合を終えた時点で高松商が2勝1敗1分け、1人差をリード。しかし桜丘の大将に座るエース大石由が副将忍川尚汰を僅差の優勢、さらに有馬知秀を「指導3」の反則(2:16)で退けて逆転。スコア一人残しで桜丘が2回戦進出を決めている。

埼玉栄高(埼玉)と九州学院高(熊本)の試合は4試合連続の引き分け。次鋒対決で九州学院・萩原麻陽が梅野寛大から右の「一本大外」で「技有」を奪う場面があったが、残り22秒で梅野が左大内刈で「技有」を奪回する執念を見せて差をつけさせず。第4試合はもはや双方試合を壊せない状況となってしまい、工藤樹希と吉田昴がともに「指導2」ずつを失って引き分け、試合は双方のエースが畳に上がる最終戦へと引き継がれる。

迎えた大将同士による第5試合は個人戦66kg級の覇者・埼玉栄高の西願寺哲平が81kg級でベスト4に入った九州学院高・赤星遼太郎とマッチアップ。いかな西願寺といえどもこの体重差は厳しいかと思われたが、西願寺は赤星の左大内刈を潰して果敢に「国士舘返し」、なんとこの2階級上の難敵を横四方固でガッチリ抑え込む。そのまま「一本」、埼玉栄が1勝4引き分け、スコア一人残しで2回戦進出を決めた。

[Bブロック2回戦]
柴田高(宮城)○代表戦△佐久長聖高(長野)
(先)牛木聖成×引分×伊東悠大(先)
(次)小畑詩音△崩袈裟固○新井翔(次)
(中)遠藤滉太△小内刈(2:00)○新井翔(次)
(副)菅原幸大○横四方固(0:41)△新井翔(次)
(副)菅原幸大○優勢[技有]△阿部拓海(中)
(副)菅原幸大○優勢[技有・横四方固]△塩沢忠沖(副)
(副)菅原幸大△優勢[技有・内股透]○小峰勇太(大)
(大)佐藤友飛×引分×小峰勇太(大)
(代)菅原幸大○崩上四方固(1:13)△新井翔(代)

柴田高のポイントゲッター、1年生ながら個人戦でも81kg級でベスト8まで進んだ菅原幸大が大活躍。菅原は副将で登場すると、これまで2人を抜いてきた佐久長聖高の次鋒・新井翔を横四方固「一本」(0:41)で撃破、これを端緒に計3人を抜き去る。菅原は佐久長聖の大将・小峰勇太に内股透「技有」で敗れて畳を降りることとなって柴田は万事休したと思われたが、ここで大将佐藤友飛が粘って引き分けをもぎ取り代表戦で再び菅原を畳に送り出すことに成功する。迎えた代表戦は菅原が新井から得意の右内股で「技有」奪取、そのまま横四方固で一本勝ち。大物菅原の得点力を存分に生かした柴田がみごと2回戦進出を決めた。

[Bブロック1回戦]
東海大甲府高(岐阜)〇代表戦△中京学院大中京高(岐阜)
鹿児島情報高(鹿児島)〇代表戦△帝京長岡高(新潟)
桜丘高(愛知)〇一人残し△高松商高(香川)
埼玉栄高(埼玉)〇一人残し△九州学院高(熊本)
柴田高(宮城)〇代表戦△佐久長聖高(長野)

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育英高の中堅長谷川功也が名張高・増田良生の内股を股中で透かし「一本」

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名張は副将山村陸斗が畳に残った長谷川を背負投「一本」に仕留めて追いすがる。

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大将対決、育英のエース岡田一真が名張・亀田蓮を圧倒。

【Cブロック】

シード校:国士舘高(東京)、木更津総合高(千葉)

国士舘への挑戦権を争う第1試合は盛岡南高(岩手)が鳥取東高(鳥取)を4勝1敗1分け、三人残しの大差で破って勝利。

[Cブロック1回戦]
育英高(兵庫)〇一人残し△名張高(三重)
(先)岩本龍弥×引分×中窪洸貴(先)
(次)横山大地×引分×藤井紀斗(次)
(中)長谷川功斉〇内股透(2:35)△増田良生(中)
(中)長谷川功斉△背負投(1:40)〇山村陸斗(副)
(副)奥村弥百希×引分×山村陸斗(副)
(大)岡田一真〇反則(2:23)〇亀田蓮(大)

続く第2試合の強豪対決は2戦引き分けを受けた中堅同士による第3試合の終盤に育英・長谷川功斉がラッシュ。内股透「技有」のリードから、残り36秒再度内股を股中で透かして返し「技有」、そして残り25秒みたび同じ技を決めて「一本」。これで育英がまず1人差のリードを得る。しかし次戦は名張の副将山村陸斗が長谷川を攻め続けて「指導」1つをリードすると、1分40秒に左の背負投を決めて一本勝ち。スコアはタイとなり、副将同士の引き分けを経て試合は大将同士による第6試合へともつれ込むこととなる。

この試合は育英・岡田一真がケンカ四つの亀田蓮を圧倒。48秒に亀田に消極的との咎で「指導」、1分21秒双方に引き手を持ち合わないとの判断で「指導」、そして2分23秒亀田にのみ消極の「指導」が宣告され、亀田の「指導3」による反則負けで試合が終わった。副将戦までは大接戦であったが、大将戦はやや力の差あり。枚数の差が最後に出た一番であった。

[Cブロック1回戦]
柳ヶ浦高(大分)〇一人残し△新田高(愛媛)
(先)土屋颯太×引分×井上太陽(先)
(次)服部竜也〇袖釣込腰(0:20)△山邊龍斗(次)
(次)服部竜也△優勢[僅差]〇信岡翔(中)
(中)平山隆博〇優勢[技有・内股]△信岡翔(中)
(中)平山隆博×引分×三好龍輔(副)
(副)山口良太×引分×熊坂光貴(大)
(大)坂山歩

シード校木更津総合への挑戦権を争う、強豪同士の一番。
先鋒戦は激しい奥襟の叩きあいの末、ともに「指導1」を失ったのみで引き分け。次鋒戦は柳ヶ浦・服部竜也が山邊龍斗を僅か20秒の左袖釣込腰「一本」に仕留める。前戦の接戦の流れを一瞬で断ち切るこの「秒殺」劇で試合の流れは一気に柳ヶ浦へ。新田は続いて畳に上がった信岡翔が、服部が犯した組み手のテクニカルファウル2つによる僅差優勢で勝利、なんとか食い下がるが、続く第4試合は必死に畳に残ったこの信岡を相手に平山龍博が早々に右内股で「技有」奪取。以後も信岡は「極端な防御姿勢」と、消極的との咎で2つの「指導」を失う完敗。柳ヶ浦が1人差をリードしたまま試合は終盤戦へ。

リードを背にした平山は新田の副将・三好龍輔を相手に手堅い試合を披露。35秒、2分55秒と双方に「取り組まない」咎による「指導」2つが宣せられたのみでこの試合は引き分け。最終戦は勝つしかチームを勝利に導く術がないはずの新田・熊坂光貴が畳に上がるが、担ぎファイターの山口良太を相手に有効な手立てを見いだせないまま、ほとんど山場のない試合を続けてしまう。「奥襟を持って煽る」ことは続けたものの得た成果は1分30秒に得た「指導1」のみ。この試合は引き分けに終わり、柳ヶ浦が2回戦進出を決めた。柳ヶ浦の前3枚の厚みが際立った試合、この3人に弾き返されるうちに粘りが身上の新田の精神的な力が削がれた印象の一番だった。

京都学園高(京都)は山形工高(山形)を相手に、中堅八木力斗の1勝(1引き分け)、副将上田泰介の1勝と着実に積み重ねて快勝。2勝3引き分けの手堅い内容、スコア二人残しで2回戦へ。福井工大福井高(福井)も前橋育英高(群馬)を相手に隙を見せず、2勝3引き分けの二人残しで勝利を決めている。

[Cブロック1回戦]
盛岡南高(岩手)〇三人残し△鳥取東高
育英高(兵庫)〇一人残し△名張高(三重)
柳ヶ浦高(大分)〇一人残し△新田高(愛媛)
京都学園高(京都)〇二人残し△山形工高(山形)
福井工大福井高(福井)〇二人残し△前橋育英高(群馬)

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高水高の次鋒・米川龍之介が延岡学園高の久保田大樹から裏投「技有」

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延岡学園高の中堅吉野天成が高水高・米川龍之介から小内刈「一本」

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延岡学園は副将中西隆翔の払腰「一本」で勝利決定

【Dブロック】

シード校:大成高(愛知)、東海大相模高(神奈川)

シード校大成への挑戦権を争う第1試合は、つくば秀英高(茨城)が勝利。強豪比叡山高を相手に4人ずつを消費して2勝2敗2引き分けという大接戦だったが、大将同士の対決でエース多田昌人が大城海渡を相手に1分50秒内股「一本」を決めて熱戦に幕。スコア一人残しで2回戦進出決定。

[Dブロック1回戦]
延岡学園高(宮崎)○二人残し△高水高(山口)
(先)小川剛生×引分×西庄慶人(先)
(次)久保田大樹△優勢[技有・裏投]○米川龍之介(次)
(中)吉野天成○小内刈(1:51)△米川龍之介(次)
(中)吉野天成○背負投(0:14)△矢田部貴就(中)
(中)吉野天成△袖釣込腰(1:28)○佐藤佳己(副)
(副)中西隆翔○優勢[技有・内股]△佐藤佳己(副)
(副)中西隆翔○払腰(0:58)△綿野和也(大)
(大)岩佐哲汰

延岡学園高(宮崎)と高水高(山口)の試合も熱戦。先鋒戦の引き分けを受けた次鋒対決で米川龍之介が久保田大樹の内股を捉えた裏投「技有」優勢で勝利、高水リードで滑り出した試合は、しかしここから延岡学園の中堅吉野天成の活躍で様相一片。吉野は畳に残った米川を背負投「技有」に小内刈「一本」(1:51)、続いて中堅矢田部貴就を背負投「一本」(0:14)で下してあっという間に2人を抜き去る。高水は副将佐藤佳己が袖釣込腰「一本」で吉野を畳から引きずり下ろす意地を見せたが、延岡学園はここから副将中西隆翔が佐藤を内股「技有」優勢、大将綿野和也を大外刈「一本」(0:58)と立て続けに2人を抜いてフィニッシュ。大将岩佐哲汰を畳に残したまま、スコア二人残しの大差で2回戦進出決定。

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先鋒対決、東海大仰星高・柏野亮太が阿波高の大美浪海晟から腕挫十字固「一本」

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副将同士の一番、阿波・堀田孝起の圧力の前に本原颯人は苦戦

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大将対決、内村秀資が大瀧隆介を内股「一本」に屠る

東海大仰星高(大阪)〇一人残し△阿波高(徳島)
(先)柏野亮太〇腕挫十字固 (0:45)△大美浪海晟
(先)柏野亮太△優勢[僅差]〇木村雅人(次)
(次)倉部隆成×引分×木村雅人(次)
(中)菅野晶仁×引分×坂東彪(中)
(副)本原颯人×引分×堀田孝起(副)
(大)内村秀資〇内股(0:15)△大瀧隆介(大)

トーナメントDブロック下側に組まれた「死のブロック」の幕開けとなる試合。先鋒戦は東海大仰星・柏野亮太が大美浪海晟を足技で崩すと横三角、相手を立たせぬまましつこく攻め続けて最後は腕挫十字固「一本」で勝利。これでまず東海大仰星が1人差のリードを得るが、続く第2試合は阿波・木村雅人が左相四つの柏野によく圧を効かせ、残り22秒で消極の「指導2」をもぎ取って優勢勝ち。これでスコアはタイとなる。

以降は双方が東海大仰星の大将に座る大駒、個人戦73kg級準優勝者の内村秀資の影を感じながら、ひりつくような消耗戦。畳に残った木村に倉部隆成がマッチアップした第3試合は木村に「指導」1つが与えられたのみで引き分け、菅野晶仁と坂東彪による第4試合は双方に「組み合わない」咎の「指導」、坂東に消極の「指導」が与えられて終戦、「指導2」対「指導1」でこれも引き分け。副将対決は1分18秒に阿波・堀田孝起に消極の「指導」が与えられるがクロージングを意識した本原颯人が終盤圧を捌けなくなり、残り32秒で偽装攻撃の反則を犯して「指導」失陥、畳上は一気に不穏な気配に包まれる。しかし本原がなんとか引き分けで試合をまとめ、試合は大将同士の対決へ。

満を持して登場した内村は同じ73kg級の大瀧隆介を相手に自信満々、僅か15秒で右内股「一本」を決めて勝利。内村までしっかり襷を繋いだことが唯一最大の勝因、東海大仰星がスコア一人残しで勝利を決め、シード校東海大相模高が待ち受ける2回戦へと駒を進めることとなった。

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中堅同士の対決、東海大札幌高の越橋健介が佐賀商高・寺戸将大から内股巻込「技有」

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小竹守が小畑大樹から背負投「一本」

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津幡高の先鋒寺島悠太が平田高・田原志雄から右大内刈「技有」

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津幡は中堅本出達基が平田の副将・佐々木優大から出足払「一本」、リードを2人差に広げる

東海大札幌高(北海道)○二人残し△佐賀商高(佐賀)
(先)吉田岳×引分×岩瀬勝斗(先)
(次)中村亮介×引分×田中龍馬(次)
(中)越橋健介○優勢[技有・内股巻込]△寺戸将大(中)
(中)越橋健介×引分×岩本隼人(副)
(副)小竹守○背負投(2:58)△小畑大樹(大)
(大)佐藤大輔

シード級の力を持つと噂された実力校・東海大札幌高が快勝。2戦引き分けを経て迎えた中堅戦同士の対決で越橋健介が寺戸将大から内股巻込「技有」と大内刈「技有」と2つのポイントを得て圧勝。続いて畳に上がった副将岩本隼人とはしっかり引き分け、リードを保ったまま副将の小竹守へと襷を繋ぐ。小竹は佐賀商高の小畑大樹を一方的に攻め続け、試合終了間際に片襟の右背負投を決めて「一本」。東海大札幌が危ない場面ないまま2回戦進出を決めた。

津幡高(石川)○二人残し△平田高(島根)
(先)寺島悠太○優勢[技有・大内刈]△田原志雄(先)
(先)寺島悠太○払腰(0:50)△久保田竜二(次)
(先)寺島悠太×引分×新宮広大(中)
(次)石野椋生△崩上四方固(1:43)○佐々木優大(副)
(中)本出達基○出足払(0:20)△佐々木優大(副)
(中)本出達基×引分×白菊湧大(大)
(副)室木修幸
(大)布目王雅

3戦続いてシード級の強豪校が登場。その津幡は大事な初戦の先鋒に1年生ポイントゲッターの寺島悠太を指名した。寺島はまず平田高の先鋒・田原志雄から大内刈「技有」と外巻込「技有」を得て優勢勝ち。続く次鋒の久保田竜二を払腰「一本」(0:50)で下すと、中堅の新宮広大とはしっかり引き分けてミッション終了、2人差のリードを作って畳を降りる。津幡は続いて畳に上がった次鋒石野椋生が平田の副将・佐々木優大に崩上四方固「一本」で敗れたものの、中堅の本出達基が出足払「一本」ですかさず抜き返して体勢を立て直す。このまま本出が白菊湧大とも引き分けて全6試合が終了、津幡が2人を残す大勝で難敵・東海大札幌が待ち受ける2回戦への勝ち上がりを決めた。

[Dブロック1回戦]
つくば秀英高(茨城)〇一人残し△比叡山高(滋賀)
延岡学園高(宮崎)〇二人残し△高水高(山口)
東海大仰星高(大阪)〇一人残し△阿波高(徳島)
東海大札幌高(北海道)〇二人残し△佐賀商高(佐賀)
津幡高(石川)〇二人残し△平田高(島根)

※ eJudoメルマガ版3月26日掲載記事より転載・編集しています。

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