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第40回全国高等学校柔道選手権・女子個人戦5階級マッチレポート

(2018年3月26日)

※ eJudoメルマガ版3月26日掲載記事より転載・編集しています。
第40回全国高等学校柔道選手権・女子個人戦5階級マッチレポート
取材・文:原輝地/eJudo編集部
撮影:乾晋也、辺見真也

■ 48kg級・芳田真が優勝、決勝は積年のライバル村川実葉瑠を豪快「一本」
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48kg級準決勝、芳田真が渡邉愛子から体落「技有」

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決勝の畳へ上がる村川実葉瑠

有力選手が揃った混戦トーナメントを決勝まで勝ち上がったのは前回大会で3位入賞を果たしている芳田真(滋賀・比叡山高)と翌日の団体戦で連覇を狙う夙川学院高の先鋒で登録されている村川実葉瑠(兵庫・夙川学院高)の二人。

芳田は初戦となった2回戦で佐藤茉優(群馬・前橋育英高)を支釣込足「一本」(0:38)で下し好スタートを切ると、3回戦も堀紫音(和歌山・紀央館高)に体落「一本」(0:49)で快勝し順当に準々決勝へと勝ち進む。ここから芳田は強者と連戦、準々決勝で全日本ジュニア3位の野村真希(山梨・富士学苑高)にGS「技有」(GS1:12)、準決勝で実力者の渡邉愛子(神奈川・横須賀学院高)に体落「技有」優勢とこの山場をしっかり制し、勢いを得て決勝の畳に上ることとなった。

一方の村川はノーシードからのスタート、1回戦で中野仁理(高知・岡豊高)を崩袈裟固「一本」(2:08)、2回戦で熊谷瑠夏(福岡・南筑高)を「技有」優勢、3回戦では前戦で強豪渋谷舞(静岡・東海大翔洋高)を破って勝ち上がってきた藤堂友希乃(愛媛・新田高)を「技有」優勢、続く準々決勝では西芦谷雅(三重・紀央館高)を「技有」優勢と着実に勝ち進んでベスト4入り決定。迎えた準決勝では、44kg級世界ジュニア覇者の久保井仁菜(京都・京都文教高)と対戦、両者一歩も譲らぬ接戦を大外刈「技有」による優勢勝ちで切り抜けみごと決勝への切符を手にした。

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芳田が豪快な大外刈で村川を畳に沈め「一本」

【決勝】
芳田真〇GS大外刈(GS0:35)△村川実葉瑠

決勝は芳田、村川ともに右組みの相四つ。試合が始まると芳田は引き手で襟、釣り手で奥襟を確保すると同時に右大内刈で先制攻撃を仕掛ける。これを受けた村川はすかさず右袖釣込腰に潜り込んで一旦展開を切ろうと試みるが、芳田はあくまで両手を離さず村川を立たせると再び釣り手で奥襟を狙い相手を自身の圧力圏内から逃さない。このシークエンスはなんとか村川が引き手の絞りを利かせて芳田の前進を止め、右一本背負投に潜り込んで展開を切って事なきを得る。この序盤30秒の展開に試合の様相は端的に表れ、奥襟を確保して右大外刈、右大内刈を狙うパワーファイターの芳田に対し、村川が絞り合いに持ち込みつつ担ぎ技で手数を稼いでいくというこの構図のまま試合は進行していく。

直後の50秒に芳田が右大内刈で村川を伏せさせると、対する村川も1分15秒に両袖からの右小内刈でポイント寸前の場面を作り双方一歩も譲らず。その後も流れは変わらぬまま試合が進行した残り39秒に、組まれることを嫌った村川に「取り組まない」咎で「指導1」が与えられる。この「指導」により村川が奮起、ここまで試合展開を互角に保ってきた所以である生命線の両袖絞りを捨て、釣り手で奥襟を叩いてパワーファイタ―の芳田に対してガップリ四つの打ち合いを挑んでいく。村川がガップリ四つから右釣込腰を連発すると、芳田がやや気圧された様子で後手に回ったまま本戦は終了し、試合はGS延長戦へと突入する。

延長戦に入ると、芳田は村川の捨て身の猛攻に順応し始めた模様、引き手で袖、釣り手で奥襟を握ると右小外刈で牽制を入れ、村川が焦って仕掛けた右大外巻込も落ち着いて受け切って伏せさせる。そして迎えた延長30秒、双方が引き手を袖の深い部分、釣り手で奥襟を握ったガップリ四つの状態から、互いが首を抜いて相四つクロスの形に変化した瞬間、芳田が右足を一歩踏み込む。右大外落の形で踏ん張って村川を仰け反らせると、最後は差し込んだ右脚で思い切り刈り倒して文句なしの右大外刈「一本」。序盤から芳田が与え続けた投げのプレッシャーが溜まりに溜まってとうとう堰を切った、村川の築き続けた堤が一気に破れたという印象。いままでの膠着が嘘のような、豪快極まりない一撃であった。

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48㎏級優勝の芳田真

【入賞者】
優 勝:芳田真(滋賀・比叡山高)
準優勝:村川実葉瑠(兵庫・夙川学院高)
第三位:渡邉愛子(神奈川・横須賀学院高)、久保井仁菜(京都・京都文教高)
第五位:野村真希(山梨・富士学苑高)、中馬梨歩(鹿児島・国分中央高)、宮城杏優菜(沖縄・沖縄尚学高)、西芦谷雅(三重・四日市中央工高)

芳田真選手のコメント
「決勝の相手は中学の頃から、近畿大会などで何度も戦って来た選手。お互い強いところも弱いところもよくわかっていますが、いままだやって来たことをしっかり出せば勝てるんじゃないかと、とにかく全力でやりました。」

【準々決勝】
芳田真〇GS技有(GS1:12)△野村真希
渡邉愛子〇優勢[技有]△中馬梨歩
久保井仁菜〇肩固(2:29)△宮城杏優菜
村川実葉瑠〇優勢[技有]△西芦谷雅

【準決勝】
芳田真〇優勢[技有・体落]△渡邉愛子
村川実葉瑠〇優勢[技有・大外刈]△久保井仁菜

【決勝】
芳田真〇GS大外刈(GS0:35)△村川実葉瑠

■ 52kg級・ライバル続々脱落の中、優勝候補大森生純が手堅く勝ち残る
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準決勝、大森生純が体落で畠山瑠唯を攻める

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決勝戦へ臨む對馬みなみ

実績のある小林未奈(愛知・大成高)、大森生純(東京・帝京高)、藤城心(山梨・富士学苑高)、中村愛香理(静岡・藤枝順心高)と優勝候補が「4つ角」シードに配されたトーナメントであったが小林が3回戦で山崎笑佳(兵庫・夙川学院高)にGS「技有」で敗れ、中村も初戦となった2回戦で下地久美子(岡山・創志学園高)にGS「技有」で早々に敗退。番狂わせを起こした2名も、山崎が準々決勝で畠山瑠唯(埼玉・埼玉栄高)に「技有」優勢で敗退、下地は3回戦で對馬みなみ(宮城・東北高)にGS延長戦の末に大内刈で「一本」を奪われ脱落。トーナメントの左右ともに上半分の山は荒れた展開となった。

その中で前評判通りにしっかり勝ち上がったのが大森。初戦は山田七星(島根・出雲西高)に横四方固「一本」(2:18)、3回戦は横山澄香(千葉・八千代高)にGS指導1(GS2:33)、準々決勝は藤本彩月(福岡・敬愛高)に小外刈「一本」(2:15)と着実に勝ち上がりベスト4進出決定。迎えた準決勝も畠山瑠唯を終始右体落で攻め続けてGS「指導2」(GS1:43)で勝利。確実な組み手技術と足技から始まる早い攻め、さらに抜け目のない寝技とオールラウンダーぶりを存分に発揮して、見事決勝進出を決めた。

一方の右側の山は、準々決勝で久岡咲良(愛媛・新田高)を裏投「一本」(3:00)で下した對馬みなみが準決勝で優勝候補の一角である藤城から大内刈「技有」を奪う優勢勝ちで決勝進出を決定。對馬は1回戦の村川さくら(大分・柳ヶ浦高)戦こそGS「指導2」による辛勝であったが、以降は牧野早姫(三重・名張高)に小内返「一本」、下地に大内刈「一本」、久岡に裏投「一本」、そして藤城に大内刈「技有」といずれも技によるポイントで勝利。勢いを得たまま決勝戦で大森に挑むこととなった。

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決勝、大森が崩袈裟固で對馬を抑え込み「一本」

【決勝】
大森生純〇崩袈裟固(1:07)△對馬みなみ

大森、對馬ともに右組みの相四つ。先手を取ったのは大森、組み際にいきなり片襟の右足車に飛び込んでまずは一つ展開に楔。そして続く展開、大森今度は引き手で襟を握ると、對馬が釣り手を確保しに来たところを両手で捕まえて引き手を袖に持ち替え、次いで釣り手で奥襟を確保と順序立てた確実な組み手で對馬を完璧な形で組み留める。これに対して直前の展開で先制攻撃を許している對馬はここで退くわけにはいかず、明らかに組み負けている状態から強引に右背負投。大森は冷静に隅落で迎え撃ち、對馬の背中を畳に押し付けて「技有」獲得。そのまま崩袈裟固で抑え込むと、對馬も必死にブリッジで逃れようとするが大森はしっかり位置関係を調整して20秒抑え切り「一本」のブザーを聞く。

勢いに乗っている相手の出鼻を先制攻撃で挫き、続いて一転確実な組み手を展開、焦った相手の反撃を迎え撃って最後は得意の寝技で仕留める。この荒れたトーナメントを最後まで勝ち残るにふさわしい完璧な組み立て、安定感ある戦いぶりであった。

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52kg級優勝の大森生純

【入賞者】
優 勝:大森生純(東京・帝京高)
準優勝:對馬みなみ(宮城・東北高)
第三位:畠山瑠唯(埼玉・埼玉栄高)、藤城心(山梨・富士学苑高)
第五位:山崎笑佳(兵庫・夙川学院高)、藤本彩月(福岡・敬愛高)、久岡咲良(愛媛・新田高)、前川夏海(福井・福井工大福井高)

大森生純のコメント
「自分はずっと攻めが遅い、スロースターターと言われていて、早い攻めを心掛けた。それが決勝の良い組み立て、早い寝技に繋がったと思います。まず1つ目のタイトルが取れた。すごく嬉しいです。」

【準々決勝】
畠山瑠唯〇優勢[技有]△山崎笑佳
大森生純〇小外刈(2:15)△藤本彩月
對馬みなみ〇裏投(3:00)△久岡咲良
藤城心〇GS指導1(GS2:48)△前川夏海

【準決勝】
大森生純〇GS指導2(GS1:43)△畠山瑠唯
對馬みなみ〇優勢[技有・大内刈]△藤城心

【決勝】
大森生純〇崩袈裟固(1:07)△對馬みなみ

■ 57kg級・大本命の金知秀が優勝、決勝はパワーとスタミナで古賀ひよりを圧倒
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57kg級準決勝、金知秀が袴田佳名瑚から大内刈で「技有」

この階級はグランドスラム・パリ3位入賞を果たし既にシニアカテゴリでも頭角を現している金知秀(兵庫・夙川学院高)と前回大会3位の古賀ひより(岡山・創志学園高)が優勝争いの軸。前評判の高かったこの優勝候補2名が順当に勝ち上がり、決勝で激突することとなった。

金は2回戦から登場、髙橋瑠奈(広島・広島皆実高)を後袈裟固「一本」(1:48)、中村苑美(長野・松商学園高)を崩上四方固「一本」(1:26)、山口芽瑠(長崎・長崎明誠高)をGS「指導1」(GS0:42)、袴田佳名瑚(静岡・藤枝順心高)を大内刈「技有」優勢でそれぞれ下して決勝進出決定。GS延長戦に縺れ込んだ試合が1試合あったが、地力の高さと攻めの早さをテコに危ない場面はまったくなく、順調な勝ち上がり。

一方の古賀は、2回戦で西尾果連(福岡・敬愛高)にGS反則[指導3](GS1:24)、3回戦で新井美香(山梨・富士学苑高)にGS「指導2」(GS0:58)、準々決勝で渕田萌生(石川・津幡高)に「技有」優勢、さらに準決勝では、準々決勝で自身と同じく金への対抗馬と目されていた中矢遥香(愛媛・新田高)を破って勝ち上がった堂﨑月華(三重・名張高)をGS小内巻込「一本」(GS0:31)と4戦中3戦が延長戦決着というタフなプロセスを経ての決勝進出となった。

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決勝、古賀ひよりが金に対して片手絞を試みる

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一本背負投で古賀を攻める金

【決勝】
金知秀〇GS反則[指導3](GS2:45)△古賀ひより

決勝は金が左、古賀が右組みのケンカ四つ。古賀が先んじて釣り手で前襟を確保すると対する金は釣り手で古賀の釣り手の袖を抑えて距離を詰め、釣り手を背中に持ち替えてケンカ四つクロスの形から肩車、浅い左体落、左釣腰と技を繰り出し先手を取り続ける。技出しの量では金が圧倒的に上回るものの技の効果自体は薄く、試合展開が動的膠着に陥ると主審は的確に状況を判定、1分23秒に両者に消極的の咎で「指導1」を宣告する。その後も展開は変わらず、金が釣り手を背中に回して絶えず圧力を掛けながら、先んじて技を繰り出し続ける。そして残り18秒、金が左大内刈から浅い左体落、さらに左一本背負投と繋いで山場を作ると古賀にのみ消極的の咎で「指導2」が与えられて本戦は終了。試合はGS延長戦へ。

延長に入っても、金のラッシュは止まず。古賀は両襟で組み留めて金の左体落を誘い、その潰れ際を狙っての片手絞に活路を見出そうと試みる。延長39秒、さらに1分27秒と2度立て続けに古賀に片手絞で絞められ掛けた金であったが、その後も全く怖気づく様子なく左釣腰を撃ち続け、延長2分20秒から左大内刈、左釣腰、左腰車と金の攻めで終わる展開が3度続いた延長2分45秒、ついに古賀に消極的の咎で3つ目の「指導」が与えられて試合終了。金が技出しの量で古賀を圧倒して完勝、2016年のインターハイと合わせて2つ目の全国タイトル獲得を果たした。

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57kg級優勝の金知秀

【入賞者】
優 勝:金知秀(兵庫・夙川学院高)
準優勝:古賀ひより(岡山・創志学園高)
第三位:袴田佳名瑚(山梨・藤枝順心高)、堂﨑月華(三重・名張高)
第五位:山口芽瑠(長崎・長崎明誠高)、岡田恵里佳(京都・立命館宇治高)、渕田萌生(石川・津幡高)、中矢遥香(愛媛・新田高)

金知秀選手のコメント
「気持ちだけ、決勝も『ここであきらめたら終わりだ』と絶対気持ちだけは負けないつもりで戦いました。日本の高校生の試合で優勝出来たのは、『ひと安心』。これから世界で活躍できるように頑張りたい」

【準々決勝】
金知秀〇GS指導1(GS0:32)△山口芽瑠
袴田佳名瑚〇GS技有(GS0:59)△岡田恵里佳
古賀ひより〇優勢[技有]△渕田萌生
堂﨑月華〇GS反則[指導3](GS3:33)△中矢遥香

【準決勝】
金知秀〇優勢[技有・大内刈]△袴田佳名瑚
古賀ひより〇GS小内巻込(GS0:31)△堂﨑月華

【決勝】
金知秀〇GS反則[指導3](GS2:45)△古賀ひより

■ 63kg級・浦明澄が結城彩乃にリベンジ、悲願の全国タイトル獲得なる
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63kg級準々決勝、浦が渋谷萌々音から背負投「技有」

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準決勝、結城彩乃が山口葵良梨から払腰で「技有」。

決勝に勝ち上がったのは浦明澄(岡山・創志学園高)と結城彩乃(山梨・富士学苑高)。昨年度大会決勝と同カード、この際は結城が延長戦の末に僅差で勝利している因縁対決だ。

結城は昨年度大会で優勝を果たしてから世界カデ優勝、全日本ジュニア3位と着実に実績を積み始めており、ここでしっかり勝って同学年内での地位を確実にしたいところ。一方この大会に続いてインターハイも2位に終わっている浦にとっては、勝てば結城へのリベンジと悲願の全国優勝が同時に叶う大きなチャンスである。

浦は初戦となった2回戦から遠藤美月(群馬・常磐高)に小内刈「一本」(2:14)、足達実佳(滋賀・比叡山高)に「技有」優勢、渋谷萌々音(埼玉・埼玉栄高)に背負投「技有」優勢と順当に勝ち上がると、迎えた準決勝では実力者立川桃(愛媛・新田高)を相手にGS延長戦の末後袈裟固「一本」(GS1:28)で勝利を収め、いよいよ全国タイトル獲得へ王手をかける。

一方の結城は初戦で川上智加(福井・北陸高)をGS「指導2」(GS1:24)で破ると、3回戦で渡邊明日香(神奈川・桐蔭学園高)にGS「指導1」(GS2:33)、準々決勝で佐藤沙真亜(宮城・小牛田農林高)にGS「技有」(GS0:20)と3戦連続の延長戦をものにして準決勝進出。率直に言って動きはいまひとつだったがここから一段ギアが上がった模様、準決勝は山口葵良梨(福岡・大牟田高)に払腰「技有」による優勢で下す快勝、2連覇の掛かる決勝の舞台へと上ることとなった。

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決勝、浦が背負投で結城から決定的な「技有」、このポイントを守って優勝を決めた。

【決勝】
浦明澄〇優勢[技有・背負投]△結城彩乃

浦、結城ともに左組みの相四つ。地力が高く組み手も強い結城に対して、高低の担ぎ技が切れる浦が自身の技を滑り込ませるチャンスを作れるかどうかが勝負の1つの大きなポイントだ。

試合が始まると、浦は先んじて引き手で袖を確保して前進、結城を場外際まで押し込む。これに対して結城は自身も引き手で袖を握ると釣り手を絞らせたままクロスに背中に入れて左払巻込で展開を切り、対抗。ここまでの40秒は、浦が積極的に圧力を掛け結城の反応を窺ったという構図。

続く展開、再び浦が引き手で袖を得て結城の身体を横から押し込むと、瞬間的に体勢の崩れた相手の戻り際にすかさず片袖の低い左背負投に飛び込む。結城はなんとか持ち堪えようようとするも、浦が両手で引きを利かせながら走るとたまらず転がり、これは「技有」。残り時間は1分40秒、浦は決定的なリード。

その後、浦は腰を低く落として逃げ切り態勢。対する結城は左払腰の鉈を振るってスクランブルを掛け、残り1分の場面では自身の左払腰を浦が裏投で受けたところを左大内刈で切り返し、ポイント寸前の場面を作り出す。結城の猛反撃をすんでのところでかわし続けた浦は、残り1分22秒と24秒に2つの「指導」を失陥。陥落寸前に思われたが、最後は結城の左払腰を耐えたところで試合終了のブザー。浦が「技有」のポイントを守り切って見事優勢勝ち。昨年のリベンジを果たして悲願の全国タイトル獲得を決めた。

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63kg級優勝の浦明澄

【入賞者】
優 勝:浦明澄(岡山・創志学園高)
準優勝:結城彩乃(山梨・富士学苑高)
第三位:山口葵良梨(福岡・大牟田高)、立川桃(愛媛・新田高)
第五位:佐藤沙真亜(宮城・小牛田農林高)、古城菜南美(鹿児島・国分中央高)、渋谷萌々音(埼玉・埼玉栄高)、青野南美(山口・豊浦高)

浦明澄選手のコメント
「絶対勝ってやろうという気持ちで練習して来た。とても嬉しいです。去年と同じ相手なので、ちょっとだけ成長を見せられたかなと思います」

【準々決勝】
結城彩乃〇GS技有(GS0:20)△佐藤沙真亜
山口葵良梨〇GS大外刈(GS0:25)△古城菜南美
浦明澄〇優勢[技有・背負投]△渋谷萌々音
立川桃〇内股(1:15)△青野南美

【準決勝】
結城彩乃〇優勢[技有・払腰]△山口葵良梨
浦明澄〇GS後袈裟固(GS0:28)△立川桃

【決勝】
浦明澄〇優勢[技有・背負投]△結城彩乃

■ 女子無差別・大本命髙橋瑠璃が圧勝、地力の高さ見せつける
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女子無差別準々決勝、髙橋瑠璃が佐藤陽子を袈裟固で抑え込む

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準決勝、米川明穂が吉峰芙母絵から袈裟固「一本」

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決勝、髙橋が米川の大内刈を弾き返して、そのまま横四方固。

素根輝(福岡・南筑高)不在のトーナメントを決勝まで勝ち上がったのは大本命と目された高橋瑠璃(東京・帝京高)と実力者米川明穂(静岡・藤枝順心高)の2人。

髙橋は2回戦からの登場。衣笠裕美子(大阪・東大阪大敬愛高)に縦四方固「一本」(1:23)、八巻衣音(広島・広陵高)にGS「技有」(GS0:11)、佐藤陽子(愛知・大成高)に袈裟固「一本」(1:13)と順当に勝ち上がると、準決勝では70kg級の強者・朝飛真実(神奈川・桐蔭学園高)から足車で「技有」を奪い優勢勝ち。安定した戦いぶりで決勝進出を決めた。

一方の米川は2回戦で尾潟和希(山口・西京高)に内股(0:59)、3回戦で平岩杏菜(徳島・板野高)に小外刈(1:46)、準々決勝で多田純菜(福岡・敬愛高)に小外掛(GS0:07)と快勝を重ね、準決勝でも優勝候補の一角を担う吉峰芙母絵(兵庫・夙川学院高)を大外返「技有」からの袈裟固「一本」で下し、ここまでオール一本勝ち。素晴らしい勝ち上がりを背に、決勝の畳へと上がることとなった。

【決勝】
髙橋瑠璃〇横四方固(2:19)△米川明穂

決勝は左相四つ。双方が引き手で袖、釣り手で前襟を握る相似の形から髙橋が先んじて支釣込足で牽制を入れると、米川はこれを受け切って釣り手をじりじり奥襟まで上げ、鋭い左大内刈を打ち返して髙橋を伏せさせる。経過時間は35秒、どうやらファーストコンタクトで優位を取ったのは米川の方、髙橋は出鼻を挫かれた形。

その後、髙橋は組んでは左払腰、組んでは巻き込みと一方的に攻める展開を作り出して強引に主導権を奪い、1分13秒に技が出せない米川に消極的の咎で「指導1」が与えられる。1分30秒過ぎに髙橋が左払腰で攻めると、直後、米川は状況を打破しようとケンカ四つクロスの左体落から左大内刈の連絡技を仕掛ける。しかし髙橋はこれをどっしりと受け止めると、反時計回りのハンドル動作で捻りを加えながら押し返して寝技に移行、そのまま横四方固でガッチリ抑え込むとあっという間に「一本」を告げるブザーが鳴り、試合決着。髙橋が圧倒的な地力の高さで決勝も圧勝、見事女子無差別王者の座に登り詰めた。

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女子無差別優勝の髙橋瑠璃

【入賞者】
優 勝:髙橋瑠璃(東京・帝京高)
準優勝:米川明穂(静岡・藤枝順心高)
第三位:朝飛真実(神奈川・桐蔭学園高)、吉峰芙母絵(兵庫・夙川学院高)
第五位:佐藤陽子(愛知・大成高)、宮橋光(三重・名張高)、岡美紀(和歌山・近大附和歌山高)

髙橋瑠璃選手のコメント
「勝とう、というよりは、チャレンジャーの気持ちを持って、相手が強くとも、向かってきても先に攻めるという自分の柔道スタイルを貫こうと試合に臨みました。結果に繋がって良かった」

【準々決勝】
髙橋瑠璃〇袈裟固(1:13)△佐藤陽子
朝飛真実〇内股(1:43)△宮橋光
吉峰芙母絵〇横四方固(0:45)△岡美紀
米川明穂〇GS小外掛(GS0:07)△多田純菜

【準決勝】
髙橋瑠璃〇優勢[技有・足車]△朝飛真実
米川明穂〇袈裟固(2:37)△吉峰芙母


【決勝】
髙橋瑠璃〇横四方固(2:19)△米川明穂

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