PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

第30回全国体育系学生柔道体重別選手権大会・最終日レポート

(2018年3月24日)

※ eJudoメルマガ版3月24日掲載記事より転載・編集しています。
第30回全国体育系学生柔道体重別選手権大会・最終日レポート
(60kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)
■ 60kg級 梅北亘ひさびさのタイトル獲得、決勝は昨年準優勝の秋定礼を破る
eJudo Photo
60kg級準決勝、秋定礼と板本広大の試合は接戦となるも、秋定が隅落で逆転の一本勝ち。

昨年準優勝の秋定礼(天理大3年)と3位の巣山太智(日本体育大3年)が有力視されたが、巣山は3回戦の松村将輝(国士舘大1年)に踵返(※公式記録ママ)「技有」で敗退。その松村は続く4回戦で小平菊晴(帝京大1年)に旗判定で勝ってベスト4に進むも、準決勝では梅北亘(山梨学院大3年)に小外刈「一本」で完敗した。

梅北は2015年の世界ジュニア55kg級で優勝の実績を持つ実力者。この日は2回戦から登場すると植竹泰斗(国際武道大2年)をGS延長戦での大外刈「技有」、続く3回戦の西野翔(桐蔭横浜大3年)にもGS延長戦の抱分「技有」、そして4回戦はこれもGS延長戦の末の判定勝ちでしぶとく勝ち上がり、前述の通り準決勝ではついに一本勝ち。気を良くして決勝へ臨むこととなった。

一方、優勝候補の筆頭と目された秋定は、その実力を存分に発揮して快進撃。2回戦の佐藤龍樹(桐蔭横浜大2年)を背負投で破ると、続く3回戦の飯塚稀平(埼玉大1年)には腕挫十字固、4回戦の鈴木晃多(国士舘大1年)に背負投、さらに準決勝の板本広大(日本大1年)には内股で「技有」を先行され、その後も押され気味の展開となるも、板本の小外刈を隅落で切り返して逆転の一本勝ち。オール一本で決勝進出を決めた。

eJudo Photo
決勝。梅北が右釣り手で相手の右袖を掴み、意表を突く右大外刈で秋定から「技有」奪取。

決勝は秋定、梅北ともに右の相四つ。秋定が肩車を繰り出せば、すかさず梅北は大外刈、背負投、さらに大外刈と連続で攻め、守勢となった秋定に1分10秒「指導」。奮起した秋定が右背負投を連発、さらに大外刈を挟んで、背負投、体落、袖釣込腰と連続で仕掛けるも、梅北はこの連続攻撃を捌くと逆に右大外刈で刈り倒して3分8秒「技有」を奪取。これで試合は決まったかと思われたが、しかし、秋定もすぐさま大腰で「技有」を取り返し(3:34)、勝負はGS延長戦に縺れ込むこととなる。GSに入っても両選手の積極的な攻撃は変わらず。秋定が背負投を立て続けに繰り出せば梅北も小外掛で応じて試合はまさしく一進一退。GS36秒、梅北が右釣り手で秋定の右袖を掴むとそのまま踏み込んで右大外刈。意表を突かれた秋定は反応し切れず転がり「技有」。両者が積極的に攻め合った好試合は、梅北の勝利で幕を閉じることとなった。

梅北は初優勝。全日本カデ、全日本ジュニアに続き、これが3つ目の全国タイトル。「人一倍練習しているので、優勝できると思っていました」と自信を口にしたが、それでも優勝にはホッとした様子。「妹の真衣(昨年のユニバーシアード52kg級優勝、山梨学院大1年)が最近結果を出してきているので、兄として負けられないですから」と笑顔を見せ、「次の目標は全日本学生体重別優勝。シニアでもトップになりたい」と力強く言い切った。

eJudo Photo
60kg級入賞者。右から優勝の梅北、準優勝の秋定、3位の板本と松村。

【入賞者】
優 勝:梅北亘(山梨学院大3年)
準優勝:秋定礼(天理大3年)
第三位:板本広大(日本大1年)
第三位:松村将輝(国士舘大1年)

【準決勝】
秋定礼〇小外掛△板本広大
梅北亘〇小外刈△松村将輝

【決勝】
梅北亘〇GS大外刈△秋定礼

■ 90kg級 玉置玉が初優勝、決勝で連覇狙った川野義文を下す
eJudo Photo
90kg級準決勝。GS残り48秒、玉置玉が岩渕晃大に一本背負投で一本勝ち。

第1シードは昨年優勝の川野義文(東海大3年)。川野は今大会も好調、2回戦の深沢悠太(日本体育大3年)を内股、さらに3回戦の篠崎忠史(日本大2年)にも小外刈と立て続けに一本勝ち。続く準々決勝の佐藤城(国士舘大1年)には苦戦を強いられるも、GS延長戦で小外刈「技有」を奪って準決勝へ進むと、準決勝では強敵長濵快飛(日本大1年)を豪快な裏投で一蹴。しっかり今年も決勝進出を決めた。

反対側のブロックから勝ち上がったのは、第2シードに配された玉置玉(山梨学院大3年)。玉置は緒戦(2回戦)の荒川海渡(仙台大2年)との対戦からGS延長戦まで縺れる苦戦となるも、手数の多さで粘り勝ち(判定勝ち)。3回戦の金本拓巳(鹿屋体育大3年)には大腰「一本」で快勝したものの、準々決勝の仲佐怜優(国士舘大2年)、準決勝の岩渕晃大(国士舘大1年)との対戦もGSに縺れる接戦。それでも、仲佐を背負投「技有」、岩渕を一本背負投「一本」で突破し決勝進出を果たした。

eJudo Photo
決勝、帯を掴んで大腰で攻める玉置。

eJudo Photo
90kg級決勝。「跳び関節」を繰り出してしまった川野義文。「指導」が与えられた。

2連覇を狙う川野と玉置の対戦。川野は4試合中3試合で一本勝ちをマークしておりGS延長戦は1試合のみ、対する玉置は4試合中3試合がGS延長戦による勝利。この来歴から決勝も川野優位が予想されたが、玉置がこの試合でも真骨頂ともいうべき泥臭い柔道で川野の攻撃を封じ込め、GS延長戦の末の判定で勝利をつかみ取った。

川野が左、玉置右組みのケンカ四つ。川野が大内刈を掛ければ、玉置は背負投で応じて譲らず。続いて玉置が帯を掴んで隅返を掛けるも、川野の身体は回らず「待て」。玉置はとにかく手数で勝負と言わんばかりに、出足払、背負投と連発。川野が組み勝つも技が出ずに膠着し、2分54秒両者に「指導」。直後川野が玉置の内股を透かすもうつ伏せでポイントなし。
膠着の打破に意識が傾き過ぎたかうっかり川野が「跳び関節」を仕掛けるも、立ち姿勢からの関節技はは新ルールでは反則行為のため、3分54秒川野に2つ目の「指導」GSに入っても、なかなか思うように技の出せない川野に対し、左一本背負投、右内股と玉置がひたすら仕掛け続ける。いずれも効く技ではないが手数だけは着実に積み重なり、この展開変わらぬままタイムアップ。判定は白の玉置に3本が揃った。

玉置は「優勝できると思っていました。それだけの練習をしてきましたから」と初優勝に誇らしげ。5試合中4試合がGSでの決着、しかも2試合は旗判定による勝利という内容が物語るように決して技の切れる選手とは言い難いが、スタミナと受けの強さ、粘り強さは特筆すべき長所。妹はシニアのトップ選手として活躍している玉置桃(三井住友海上火災)。これについて問われると「兄として負けていられない。ようやく全国大会で優勝できて、本当にうれしい」と相好を崩していた。

eJudo Photo
90kg級入賞者。右から優勝の玉置、準優勝の川野、3位のと長濵と岩渕。

【入賞者】
優 勝:玉置玉(山梨学院大3年)
準優勝:川野義文(東海大3年)
第三位:岩渕晃大(国士舘大1年)
第三位:長濵快飛(日本大1年)

【準決勝】
川野義文〇上四方固△長濵快飛
玉置玉〇GS一本背負投△岩渕晃大

【決勝】
玉置玉〇GS優勢[判定3-0]△川野義文

■ 100kg級 期待の1年生2人が決勝で激突、負傷乗り越えた後藤龍真が今入晃也を下す
eJudo Photo
100kg級準決勝。後藤龍真が空辰乃輔の大内刈をきれいに返して「技有」。

本命不在のトーナメントを決勝まで勝ち上がったのは今入晃也(日本大)と後藤龍真(東海大)の2人。ともに高校時代から強豪として名高い、1年生世代きっての好選手だ。

今入は2回戦の佐藤力斗(平成国際大2年)に上四方固、3回戦の中澤優太(国士舘大3年)に払腰と連続一本勝ちの快調なスタート。準々決勝と準決勝は、石渡雅大(順天堂大1年)、高田大樹(星槎道都大3年)の反則負けによる勝利で決勝へ勝ち上がった。

一方の後藤も2回戦から登場、まず藤田丈二(上武大2年)を相手に内股と俵返で「技有」2つを奪って合技「一本」の快勝、3回戦の宗村奎吾(国際武道大1年)戦も内股と大内刈で「技有」を奪って合技の一本勝ち。4回戦の大塚薫(桐蔭横浜大3年)には苦戦するもGS18秒、内股で「技有」を奪って勝ち抜け。インターハイ準優勝者・空辰乃輔(早稲田大1年)との対決という大山場となった準決勝は37秒に大内返で「技有」を奪って、見事決勝進出を果たした。

eJudo Photo
決勝、後藤が絶妙な出足払で「技有」奪取。

eJudo Photo
後藤は苦痛に顔をゆがめながらも崩袈裟固で抑え切っ

eJudo Photo
100kg級入賞者。右から優勝の後藤、準優勝の今入、3位の高田と空。

決勝は後藤、今入ともに左の相四つ。厳しい組み手争いを経て後藤が大内刈から出足払と連続攻撃、しかしこの際肋骨付近を負傷して試合はしばし中断となる。再開後、今入が右の袖釣込腰、左大外刈と掛ければ、後藤も左内股、大内刈、小外掛で対抗。今入が大外刈を掛け、さらに組み勝ったところで、後藤が思わず腰を落として防御姿勢をとり、主審は2分28秒「指導」を宣告。以降も今入の攻勢が続くが、後藤は時折苦しい表情を見せながらも右一本背負投、小外刈と必死の反撃。そして今入が組み止めて左で奥襟を叩こうとした瞬間、後藤は絶妙なタイミングで出足払一撃、体全体で今入にのしかかるとこれが「技有」となる。この時点で残り時間は僅か6秒。後藤はそのまま崩袈裟固に抑えて「一本」に辿り着く。試合途中に負傷するというアクシデントに見舞われた後藤であったが、執念で初優勝を勝ち取った。

【入賞者】
優 勝:後藤龍真(東海大1年)
準優勝:今入晃也(日本大1年)
第三位:空辰乃輔(早稲田大1年)
第三位:高田大樹(星槎道都大3年)

後藤龍真選手のコメント
「最後の出足払は得意技で、狙っていました。あそこで投げられなかったらおそらく負けていたでしょうね。試合の途中のケガはたぶん肋軟骨。前にも一度やっているので。痛みはかなりありました。でも、痛いなんて言っていられないですし、最後はここしかないと思い切って(相手に)乗っていきました。今日は緊張しすぎて、なかなか技が出せなかったんですが、なんとか優勝できて本当によかった。うれしいです。東海大には井上康生先生や羽賀龍之介先輩など、100kg級に素晴らしい先輩方がたくさんいるので、そういった先輩たちを目標に、結果が出せる選手になりたいと思います。目標は、まずは団体優勝に貢献すること、個人では学生のタイトルを獲りたい。一つひとつですね」。

【準決勝】
後藤龍真〇GS優勢[技有・大内刈]△空辰乃輔
今入晃也〇反則△高田大樹

【決勝】
後藤龍真〇袈裟固△今入晃也

■ 100kg超級 混戦制した久野壱虎が初の全国大会優勝果たす
eJudo Photo
100kg超級準決勝、久野壱虎が見事な内股で星野太駆に一本勝ち

eJudo Photo
決勝、久野が上野翔平から体落で「技有」を奪う

eJudo Photo
久野は上野をがっちり抑え込んで「一本」

この階級にも前年度大会の入賞者はおらず、事前予想は「混戦」。決勝には久野壱虎(国士舘大1年)と上野翔平(筑波大2年)の2人が勝ち上がった。久野は、2回戦の辻湧斗(東海大1年)、3回戦の西川天(日本体育大3年)、さらに4回戦の大畑公佑(山梨学院大3年)と、すべてGSの末の旗判定で勝利してベスト4入り。準決勝は作陽高校時代の同級生で、「高校時代は試合で勝ったことがなかった」(久野)という星野太駆(東海大1年)をなんと豪快な内股で一蹴し、気を良くしての決勝進出。

一方の上野は2回戦の小栁拓夢(国際武道大1年)を大外刈「技有」、3回戦の長谷川優(山梨学院大3年)をGS払巻込「技有」、海江田充輝(東海大1年)を小外掛「技有」と、一本勝ちこそなかったものの確実にポイントを取って勝ち上がると、準決勝は小澤悠真(星槎道都大3年)から払巻込で「技有」を先行したあと、再度の払巻込で一本勝ち。好内容で決勝進出を決めた。

決勝は久野が左、上野が右組みのケンカ四つ。上野が両襟の右内股を仕掛ければ、すかさず久野も左内股で応戦。上野の左払巻込は左足の位置が高すぎ、そのまま潰される。久野が両襟を掴んで左体落、そこから寝技に引き込み後ろから攻めるも、上野は必死の形相で逃げて「待て」。試合再開直後、十分な組み手となった久野が再度の左体落、上野うつ伏せで耐えようとするが久野今度は見逃さずめくるように被さって「技有」。そのまま必死に逃れようとする上野を離さず、袈裟固に決めて「一本」。久野がキャリア初の全国優勝に辿り着くこととなった。

eJudo Photo
100kg超級入賞者。右から優勝の久野、準優勝の上野、3位の星野と小澤。

【入賞者】
優 勝:久野壱虎(国士舘大1年)
準優勝:上野翔平(筑波大2年)
第三位:星野太駆(東海大1年)
第三位:小澤悠貴(星槎道都大3年)

久野壱虎選手のコメント
「最初は調子が良くないと思ったけど、徐々に良くなってきた感じです。準決勝の相手の星野は高校が一緒。試合では彼にずっと負けていたので、自分は全国大会にも出られませんでした。試合したのはその時以来、今日は、一発はまった感じです(笑)。全国大会の場で勝てたのは嬉しいですね。目標は、団体戦で日本一のメンバーになること。個人としては学生チャンピオンになりたいと思っています。」

【準決勝】
久野壱虎〇内股△星野太駆
上野翔平〇払巻込△小澤悠貴

【決勝】
久野壱虎〇袈裟固△上野翔平

取材・文:eJudo編集部
撮影:辺見真也

※ eJudoメルマガ版3月24日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.