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第30回全国体育系学生柔道体重別選手権大会・第1日レポート

(2018年3月24日)

※ eJudoメルマガ版3月24日掲載記事より転載・編集しています。
第30回全国体育系学生柔道体重別選手権大会・第1日レポート
(66kg級、73kg級、81kg級)
(66kg級、73kg級、81kg級)
日時:2018年2月24日
於:講道館大道場

■ 66㎏級 甲斐拓海が初優勝、二度目の階級変更が実を結ぶ
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66㎏級準決勝。終了ブザーとほぼ同時に甲斐拓海が高野滉大の大腰を返して「技有」奪取

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城山勝太郎と甲斐の決勝は、互角の展開で終盤に

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決勝終了の間際、城山の小外刈を隅落に切り返した甲斐の技が「技有」となり甲斐が初優勝を決めた。

昨年の入賞者の出場はなく、本命不在のトーナメントを決勝に進んだのは、城山勝太郎(天理大3年)と甲斐拓海(国士舘大3年)の二人。

城山は、1回戦の髙橋歩夢(上武大1年)を巴投「技有」、2回戦の荒川大智(筑波大1年)にはGS延長戦の末の旗判定と苦戦したが、3回戦の青木優海(帝京大1年)を背負投、そして、勝負どころと見られた4回戦では、内村光暉(東海大2年)の背負投をつぶすや送襟絞を決める一本勝ちで準決勝進出を果たす。準決勝の奥大成(国士舘大3年)戦は本戦4分、GS延長2分戦うもポイントでの決着がつかず。旗判定は背負投、一本背負投など手数で優った城山に3本が揃った。

甲斐は1回戦で鈴木肇(国際武道大1年)を払腰「技有」、2回戦の小林翔(埼玉大2年)戦と3回戦の盛坪虎弥太(東海大1年)戦はいずれも抱分「技有」で勝利。4回戦は長尾崇文(日本体育大2年)を小外掛で破って準決勝に進むと、準決勝ではタイムアップ直前に、高野滉大(国際武道大2年)の大腰を返して「技有」奪取。この一撃で決勝進出を決めた。

決勝は左組みの城山が右一本背負投、巴投、右組みの甲斐が内股で攻めるも、いずれも単発で効果なし。なかなか技の出ない両者に1分11秒、消極的との咎で「指導」が与えられる。終盤、甲斐が主導権を握り、城山を場外際に追い詰めながら出足払、内股、小内刈、さらに内股と攻め込むと、城山が苦し紛れに出した小外刈を透かして隅落に切り返す。3分40秒に放ったこの一撃が「技有」(3:40)となり、そのまま城山の反撃を封じた甲斐が初優勝を飾ることとなった。

秀岳館高校時代に全日本ジュニア55㎏級で3位入賞経験はあるものの、60㎏級では実績を残せていなかった甲斐。昨年から66㎏級に転向し、ついに全国初タイトル奪取となった。「まだまだ組み力が不足しているが、それがつけば安定した柔道ができるようになる」と国士舘大・吉永慎也コーチも期待を寄せる。初の全国タイトルを手にした甲斐は「優勝したいとは思っていましたが、できるとは思っていませんでした。大学に入ってから60㎏級でやっていたのですが、なかなか結果が出なかったので昨年66㎏級に上げました。自分より大きい選手と戦うのは得意なので、変えて良かったです。目標は磯田範仁先輩。これからは全日本学生体重別優勝と、全日本学生体重別団体での活躍を目指して頑張ります」と語って嬉しそうだった。

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66㎏級入賞者。右から優勝の甲斐、準優勝の城山、3位の奥と高野。

【入賞者】
優 勝:甲斐拓海(国士舘大3年)
準優勝:城山勝太郎(天理大3年)
第三位:高野滉大(国際武道大2年)
第三位:奥大成(国士舘大3年)

【準決勝】
甲斐拓海〇優勢[技有・谷落]△高野滉大
城山勝太郎〇GS優勢[判定3₋0]△奥大成

【決勝】
甲斐拓海〇優勢[技有・隅落]△城山勝太郎

■ 73㎏級 ふたたび決勝進出の佐藤竜が初優勝、負傷棄権の悪夢乗り越える
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73㎏級準決勝。佐藤竜が青木優治の背負投を返して技有を奪い、横四方固に抑えるも8秒で「解けた」

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決勝、佐藤が見上心太の隅返をバランスよく受けて体を捌く。

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佐藤は見上を立たせず、そのまま崩袈裟固「一本」

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ホッとした表情の佐藤

昨年決勝まで進みながらも、股関節を脱臼して途中棄権を余儀なくされた佐藤竜(早稲田大2年)の試合ぶりに注目が集まった。昨年の実績から第1シードに配された佐藤は2回戦から登場、矢吹雄太(国士舘大2年)を縦四方固、3回戦で徳光天(帝京大学1年)を背負投、4回戦の市原隆太(国際武道大2年)を上四方固と3試合連続の一本勝ちで勝ち進むと、迎えた準決勝では青木優治(国士舘大3年)が背負投にきたところを隅落で切り返して「技有」を奪って優勢勝ち。得意の寝技と背負投を存分に使い切ってみごと2年連続の決勝進出を果たした。

反対側のブロックから決勝に進んだのは、昨年3位の見上心太(国士舘大3年)。見上は2回戦の千葉信介(関西大2年)には大腰で一本勝ちするも、3回戦の小林礼弥(鹿屋体育大1年)にはGSでの大外刈「技有」優勢勝ち、4回戦の高橋拓巳(東洋大2年)にもGSの末の判定勝ちと苦戦の連続。それでも、準決勝では伊藤拓海(国士舘大2年)の小外刈にうまく体を合わせて「技有」を奪うとそのまま上四方固に抑えて快勝。気を良くしての決勝進出となった。

昨年準優勝の佐藤と同3位の見上、シード選手が順当に勝ち上がり顔を合わせることとなった決勝。開始早々、見上の帯取返に佐藤が上体を合わせて上になり、後袈裟固に抑えるも8秒で解ける。その後、佐藤が右背負投、巴投、見上は左内股、肩車、小内刈とよく攻め合うも両者決定的なポイントを奪えないまま4分が終了、試合はGS延長戦へ。佐藤が背負投、大内刈、一本背負投と技を繋いで攻め込むと、窮した見上は隅返で反撃。しかし佐藤は身体を捻ってこらえると、そのまま上になって上体を袈裟に固め、絡まれた足を抜いて「抑え込み」の宣告を引き出す。そのままがっちりと崩袈裟固で抑え切って「一本」。試合時間は5分5秒(GS1:05)、佐藤が嬉しい初優勝を飾った。

試合場を降りるなり「ああ、よかったぁ」とつぶやいた佐藤。優勝できた喜びもさることながら、ケガなく試合を終えることができた安心感から出た一言だったのだろう。「試合することが怖かった。(股関節脱臼を)2度やっているので、正直怖くて仕方なかったです。今回は、負けてもいいからケガをしないようにしようと考えていた」と率直な感想をもらしたが、「そのせいか、逆に力が抜けて戦えた」と本人が言うように、試合内容は気負いのない、素晴らしいものだった。得意の背負投、巴投から寝技につなげ確実に仕留める自身のスタイルを存分に発揮。5試合戦って4試合で一本勝ち、残り1試合も隅落で「技有」を奪う好内容。優勝してしかるべき出来であったと言っていいだろう。今後の目標について聞くと「団体(全日本学生優勝大会)と個人(全日本学生体重別選手権)で活躍できるよう頑張りたい」と笑顔で語っていた。

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73㎏級入賞者。右から優勝の佐藤、準優勝の見上、3位の青木と伊藤。

【入賞者】
優 勝:佐藤竜(早稲田大2年)
準優勝:見上心太(国士舘大3年)
第三位:青木優治(国士舘大3年)
第三位:伊藤拓海(国際武道大2年)

【準決勝】
佐藤竜〇優勢[技有・隅落]△青木優治
見上心太〇上四方固△伊藤拓海

【決勝】
佐藤竜〇GS崩袈裟固△見上心太

■ 81㎏級 前濱忠大が優勝、持ち味の担ぎ技と連続攻撃冴える
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81㎏級準決勝、前濵忠大が芦川泰隆の背負投を潰し、送襟絞で一本勝ち。

昨年3位で第1シードに配された平林直也(東海大2年)が緒戦(2回戦)で中村優斗(日本体育大2年)に小内巻込で一本負けし早々に姿を消した。平林を破った中村は、3回戦の焼谷風太(山梨学院大1年)を肩車、さらに4回戦では山田裕太(国士舘大1年)を裏投「技有」で破るも、この試合で膝を負傷、準決勝を棄権することとなった。

決勝に駒を進めたのは岡虎(東海大1年)。岡は2回戦で磯西竜也(平成国際大3年)を大外刈、3回戦の佐藤幸輔(桐蔭横浜大2年)を僅差(判定)、そして4回戦の早川太啓(中京大3年)を内股「一本」で破り、準決勝の中村戦は不戦勝で決勝進出の権利を得た。

逆側のブロックを勝ち上がったのは前濵忠大(日本大2年)、中学・高校時代から全国大会での優勝こそないものの、常に上位進出を果たしている好選手だ。今大会は第2シードの位置に配されたが、勝ち上がりはその高評価にふさわしい内容。2回戦は佐藤誉也(星槎道都大3年)を一本背負投で破ると、3回戦の池田直輝(順天堂大1年)戦、4回戦の福澤翔太(中京大2年)戦と立て続けに得意の背負投を決めて快勝。準決勝でマッチアップした芦川泰隆(東海大3年)とはGS延長戦まで縺れたものの最後は送襟絞で一本勝ち。オール一本で決勝に進んだ。

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勝。GSで背負投を連発、山場を作った前濵が判定をものにして初の全国大会優勝を決める。

前濵と岡の決勝は両者左組みの相四つ。序盤、組み手争いが続き、技の出ない両者に1分25秒「指導」。その後も双方なかなか思うように組めないまま時間が過ぎるも、主審は膠着を誘引しているのは前濵の側と判断、前濵のみに2つ目の「指導」を宣告する。以後、岡の左大外刈に対して、前濵は大内刈を連発して反撃開始。さらに出足払、背負投と技を継ぎ、もう一段背負投を重ねて掛けたところで、逆に岡に2つ目の「指導」。このまま本戦は終了、両者「指導」2つを失ったタイスコアで試合はGS延長戦に突入する。GSに入り積極的になった前濵が素早い動きから背負投を連発。岡が守勢になりながらも後の先の技で対抗するという構図のまま時間が経過。残り20秒を過ぎ、二人の攻防はヒートアップするもともに決定的なポイントを奪うことができないままタイムアップ。旗判定はGSでしっかりとヤマを作った前濵に3本が揃った。前濱は初優勝。

負傷もあってなかなか大学入学後は目立った活躍が出来なかった前濱だが、この日は高校時代までの各世代で強豪として名を売ったキャリアにふさわしい出来。以後は学生柔道界でもかなりの存在感を発揮することになりそうだ。

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81㎏級入賞者。右から優勝の前濵、準優勝の岡、3位の芦川。

【入賞者】
優 勝:前濵忠大(日本大2年)
準優勝:岡虎(東海大1年)
第三位:芦川泰隆(東海大3年)
第三位:中村優斗(日本体育大2年)

前濵忠大選手のコメント
「日大に入ってコツコツと練習を積み上げてきたので、優勝する自信はありました。日大に入ったのは日本一の練習をしている大学だから。自分もそのなかで日本一の練習ができていると思っています。全国大会での優勝は今回が初めて。実は日大の選考試合で負けたんですけど、81㎏級を3人枠にしてもらえたために出場できて、優勝することができました。相四つに弱いという課題があるので、それを克服して、団体でも個人でも活躍できる選手になりたいと思います」

【準決勝】
前濵忠大〇GS送襟絞△芦川泰隆
岡虎〇不戦勝△中村優斗 
※中村の負傷棄権による

【決勝】
前濵忠大〇GS優勢[判定3₋0]△岡虎

取材・文:eJudo編集部
撮影:乾晋也

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