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「どのメンバーでも優勝を狙う、狙わなければそもそも迷わない」第40回全国高等学校柔道選手権女子有力校監督インタビュー①夙川学院高・松本純一郎監督

(2018年3月16日)

※ eJudoメルマガ版3月16日掲載記事より転載・編集しています。
「どのメンバーでも優勝を狙う、狙わなければそもそも迷わない」
第40回全国高等学校柔道選手権女子有力校監督インタビュー①夙川学院高・松本純一郎監督
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連覇を狙う夙川学院高・松本純一郎監督

-連覇を狙う立場、優勝候補筆頭の第1シード配置です。本番を目前に控え、チームの雰囲気はいかがですか?

チーム自体は上り調子です。新年早々吉峰芙母絵が練習試合で頭を打って入院することがありましたが、復帰してからはむしろ以前より好調です。それに、今回は金知秀が相当やってくれると思っています。

-グランドスラム・パリでも3位に入りました。

先日(3/11)、韓国で世界選手権の予選を戦ってきました。そこで色々大変な思いをして、試合には負けてしまった(※編集部注・このインタビューの後、世界選手権代表に決定)のですが、彼女はかしこいですから。阿部詩と一緒で、負けて、そこから学べる子です。去年あまりにも結果を出してしまったので、この負けが本当にいいきっかけになると思います。まだ五輪まで時間はありますから、ここから上がっていけばいい。この負けた後、最初の試合の高校選手権で活躍出来れば、あとから見たら東京五輪に出られたのはあの大会がきっかけだったな、あそこで良い流れを掴んだな、となってくれると思います。そう持っていくのが私たちの仕事、夙川学院の指導力が問われるところだと思います。

-阿部詩選手の調子はいかがですか?個人戦は出ていませんが、団体戦のメンバーには登録されています。

絶好調ですね。自信を持って4月の選抜体重別を迎えられます。ただ、私の中では、起用を躊躇するというか、非常に悩んでおります。私たちにとっては、「毎年ある」ことでも、1人の選手にとってはそうではない。阿部にとって、世界選手権は一生に何回あるかわからない大きな出来事。私は、彼女が選抜で勝って今年の代表権を獲ったら、最終的には東京五輪に行けると思っています。そして海外で阿部が負けるのは、私には想像できない。やはり最後は国内で勝つことが大事です。この選抜体重別は一生を左右すると思っています。ですから、葛藤しています。

-本人はどうですか?

泣いて出たいと言っていますよ。毎日ごねています。「夙川学院は負けるチームではない。私はこのチームで団体戦で優勝して、選抜でも勝つ」と言い切るんですよ。普通は、出ない、と言うところでしょう。私も「出たくない」と言ってもらったほうが楽です(笑)。私は、阿部は選抜で勝つと思っています。ただ、今回はただ勝つだけではダメなんです。ライバルに、ああこの子には勝てないなと東京五輪をあきらめさせるような試合をさせてあげたい。そこまでが仕事なんです。「使わない」ことで、背負っているものの重さを骨身で理解してくれるかもしれませんし。しかし、「夙川学院の監督」という立場ではこれはどうなのか。悩んでいます。これは当日会場に行ってみるところまで、本当にわからない。

-阿部選手がチームの中で一番強いと以前仰っていました。

いまでもそうですよ。一番強いです。重量級の吉峰もかなわない、長谷川でも放られますね。

-阿部選手が出ても出なくても、それでもあくまで優勝を狙う。

はい。どのメンバーでも優勝を狙います。狙わなければ、そもそも迷いません。勝つシナリオは、仮に、阿部がいなくても十分考えられる。ただ敢えて言えば、比べると「分が悪い」というところですかね。

-阿部選手以外に先鋒(52kg級)枠を務め得る、候補の選手をご紹介下さい。

1人は48kg級の村川実葉瑠。この選手はハイリスク・ハイリターンですね。インターハイチャンピオンを思い切り投げるかと思えば、どこかでポコっといかれてしまうこともある。強い人間でも投げるときは常に「一本」。頼もしい選手です。個人戦でもひとつ山場を越え得れば準決勝、決勝と進んでいける選手です。もう1人は北岡央。この子は寝技の選手ですね。

-昨年の57kg級県代表を務めた選手ですね。

新人戦は63kg級で戦ったんですが、もともと57kg級でもギリギリ。57kg級に金がいる中で、インターハイ予選は52kg級に落として戦いたい、どうしてもインターハイに出たいと言って来たので、来年本当に落とすというのなら今落としなさいと話しておったところ、きちんと52kgで作って来た。しかもきちんと稽古をすべてこなす中で、仕上げて来たんですよ。きつかったと思いますが、どうしても試合に出たいんだと。私たちは選手のそういうところを見ます。気持ちがある選手、準備をしっかりして来た選手、やっぱりこういう選手は使いたいですよ。本当に悩んでいます。

-チーム全体、これからのスケジュールをお聞かせください。追い込んでいる段階ですか?

まだまだやっていますよ。明日出発して、そこから調整していくという感じですね。

-組み合わせについてはいかがですか?

いやもう、毎回大変なところなんですね(笑)。山場はまず準々決勝、桐蔭学園さんが来るか、比叡山さんが来るか、これはどっちもありえると思っています。準決勝も大変です。

-決勝については?この段階まで考えると、やはり阿部選手を起用するかどうかが大きいのでは?

まず私んとこがそこまで行けるかが問題ですよ(笑)。何度もこの話で恐縮ですが、本当に悩んでいます。ただ起用も含めてすべては監督の責任。でも例えば、仮に出さなかったとして「阿部を使わないから負けた」とは言えないし、言いたくない。そして、夙川学院の最終目標は、世界に通じる選手を作ることです。団体ではないんです。世界に通じる個人を育てることが仕事なんです。近畿大会(編集部注:翌週にグランドスラムパリを控えた阿部詩と金知秀を起用せず、準々決勝敗退)でも本当は十分勝てるメンバーなのに、どこか阿部がいるから、金がいるから、試合に出られないからというような意識があって勝ち切れなかった。阿部を起用するかどうかは見方を変えれば、ここで「阿部の夙川」で終わるか、もう一段上がるか、今の夙川を見るか、将来の夙川を考えるか、ここの悩みでもあるのかなと捉えています。憧れを持ってうちの学校に来てくれる生徒が、日の丸を背負った先輩を見て、私もそうなれると思ってくれるのか。どっちに転んでも大変ではあるんですが、悩みます。悩んでも、当日夙川の柔道衣を着て試合に出ることは変わらないんですけどね。こんな選手に恵まれるのは本当に幸せで、これは本来出すのが当たり前。しかしそれでいいのか。

-どちらを採っても、優勝を狙う。

今年は金が頑張ってくれると思います。もともと48kg級の選手で、昨年であれば阿部か金のどちらか1人しか使えなかったわけですが、成長期で苦労して、57kg級に上げて、今本当に良くなっている。先週負けてしまったばかりですが、ここでどう立て直すのか、この一戦は、金が東京五輪に行けるかどうか、人生を左右するような大会になるのではと。重量級の長谷川と吉峰も、本当に強い1人、2人以外には負けません。阿部がいても、いなくても、勝つシナリオはしっかり見えています。

-最後に、本番に向けてひとことお願いします。

誰でも、どこからでも得点出来るチーム。優勝を狙うことには変わりませんし、狙わなければそもそもこの悩みもありません。夙川学院の柔道をしっかりやって、優勝を目指します。

-ありがとうございました。


※インタビューは3月15日に行われました

※ eJudoメルマガ版3月16日掲載記事より転載・編集しています。

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