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2連覇挑む飯田健太郎に期待、小川雄勢は2回戦で早くもクルパレクと再戦組まれる・グランドスラムパリ2018最終日男子プレビュー

(2018年2月11日)

※ eJudoメルマガ版2月11日掲載記事より転載・編集しています。
2連覇挑む飯田健太郎に期待、小川雄勢は2回戦で早くもクルパレクと再戦組まれる・グランドスラムパリ2018最終日男子プレビュー
(81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)
文責:林さとる、eJudo編集部

■ 81kg級・本命不在の混戦階級、佐々木健志と藤原崇太郎の配置は対照的
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81kg級に出場する佐々木健志。今大会は戦いやすい組み合わせを引いた。

(エントリー44名)

今大会最多の44名がエントリーした激戦階級。リオデジャネイロ五輪が終了してからというもの、この階級は常に「全体としてのレベルは高いが本命は不在」という高密度の混戦状態にあり、今大会のトーナメントもその様相を直截に反映したものとなっている。下記にピックアップした選手リストを参照いただければわかるとおり、非常に多くの有力選手が出場しているものの、やはり絶対的な優勝候補は存在しない。敢えて名前を挙げれば、フランク・デヴィト(オランダ)、オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)、イ・スンホ(韓国)、イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)、ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)あたりまでが、現実的な優勝圏内といえるだろう。組み合わせとしては、ほぼ無風のプールAに配されたデヴィトがやや有利だ。

日本からは佐々木健志(筑波大3年)と藤原崇太郎(日本体育大1年)の若手2名がエントリーしており、ともにノーシードから上位進出を狙う。両者のスタート位置は対照的、佐々木がこれといった有力選手のいないプールDに配されたのに対して、藤原は激戦ブロックであるプールBの、それも2回戦で昨年のグランドスラム東京大会2位のイと対戦しなければいけない過酷な配置である。この試合に勝利しても3回戦ではゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)、準々決勝ではペナウベル(ブラジル)とマッチアップする可能性が高く、プールから抜け出すだけでもこれら全員を倒さねばならないことになる。非常にタフな組み合わせではあるが、最低でも敗者復活戦の出場資格である準々決勝進出までは果たしたいところだ。

一方の佐々木は前述のとおり上位の強豪とは対戦しなくて済む好位置を引いており、ミスさえしなければそれほどエネルギーを消費せずにベスト4まで勝ち上がることすら可能と思われる。ここまでの対戦候補はベテランのレアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)のほか、エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)やエティエンヌ・ブリオン(カナダ)といった戦術派ばかりであり、相手に付き合わずに自分のペースで攻めて早い段階で勝負を決めてしまいたい。

現在国内の81kg級は第一人者の永瀬貴規(旭化成)が膝の負傷により長期離脱中であり、かつ本来2番手ポジションに座るはずの渡邉勇人(了徳寺学園職)も長引く負傷と組み合わせ運の悪さのために海外では結果を残せていない。このままでは世界選手権の代表派遣なしという可能性すらある苦しい状況だが、佐々木ら2番手グループの選手にとっては自らをアピールする絶好のチャンスでもある。両者の若手らしい、気迫あふれる戦いに期待したい。

【プールA】
第1シード:フランク・デヴィト(オランダ)
第8シード:マティアス・カッス(ベルギー)
有力選手:アントワーヌ・ヴァロア=フォルティエ(カナダ)

【プールB】
第4シード:ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)
第5シード:ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)
有力選手:セージ・ムキ(イスラエル)、イ・スンホ(韓国)
日本選手:藤原崇太郎(日本体育大1年)

【プールC】
第2シード:オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)
第7シード:イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)
有力選手:イ・センス(韓国)

【プールD】
第3シード:エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)
第6シード:エティエンヌ・ブリオン(カナダ)
有力選手:ヌグザリ・タタラシヴィリ(ジョージア)、レアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)
日本選手:佐々木健志(筑波大3年)

■ 90kg級・世界王者マイドフが出場を回避、トーナメントの軸はグヴィニアシヴィリとガクドンハン
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90kg級の第1シードはベカ・グヴィニアシヴィリ。

(エントリー39名)

ブダペスト世界選手権王者のネマニャ・マイドフ(セルビア)が直前でエントリーを回避。世界選手権制覇後まだ1度も試合に出ていないマイドフが出場となれば間違いなく今大会最大のトピックであったが、残念なことにそれは叶わなかった。
とはいえマイドフ抜きでもこの90kg級の陣容は非常に豪華、マイドフ出場回避の理由はこれかと思わず邪推してしまうほど。トーナメントのレベルは準世界選手権と呼んでも差し支えないものとなっている。

トーナメントの軸は、第1シードに座る昨年のワールドマスターズ覇者ベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)と、第3シードに配された2015年の世界選手権王者ガク・ドンハン(韓国)。両者は昨年12月のワールドマスターズ決勝で対戦しており、その際はグヴィニアシヴィリが肩車「技有」からの横四方固「一本」で勝利を収めている。階級屈指の膂力から繰り出される強引で豪快な技を持ち味とするグヴィニアシヴィリに対して、ガクのスタイルは担ぎ技の弾幕を張って狙いすました本気の一撃を叩き込む典型的な韓国系担ぎ技ファイターのそれ。両者のスタイルはまさに対照の妙、再戦が実現すれば今回もおもしろい戦いを見せてくれるはずだ。

日本からは長澤憲大(パーク24)と向翔一郎(日本大4年)が出場しており、長澤が第4シードとしてプールBの一番上、向がノーシード配置でプールC下段に置かれている。

長澤はベスト8までこれといった強敵との対戦はなく、準々決勝のウシャンギ・マルギアニ(ジョージア)戦が最初の山場。マルギアニはパワーを生かした密着で相手の技術を塗り潰してしまう難敵だが、純戦力では長澤に分があるはず。ここはしっかりと勝ち上がって準決勝でグヴィニアシヴィリと勝負したい。この陣容での優勝となれば大幅な評価アップは間違いなく、再来週のグランドスラム・デュッセルドルフ大会で戦線に復帰するベイカー茉秋(日本中央競馬会)に大きなプレッシャーを与えることができる。長澤として内容以上に、はなんとしても結果がほしいところだ。

一方の向も準々決勝に勝負どころが設定されており、昨年後半から急激に力を増してきているニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)との試合が組まれている。足技と担ぎ技が中心の向と、長身で相手を抱き込むような組み手を展開するシェラザディシヴィリの対戦は、両者の間合いが噛み合うことで投げ合いに発展する可能性があり、観戦という意味では非常に楽しみ。向としてはなんとかここを勝ち上がって、準決勝でガクに挑戦したい。

【プールA】
第1シード:ベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)
第8シード:ダヴィド・クラメルト(チェコ)
有力選手:エドゥアルド・トリッペル(ドイツ)

【プールB】
第4シード:長澤憲大(パーク24)
第5シード:ウシャンギ・マルギアニ(ジョージア)

【プールC】
第2シード:ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)
第7シード:ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)
有力選手:ザッカリー・バート(カナダ)、エドゥアルド・ベットーニ(ブラジル)
日本選手:向翔一郎(日本大4年)

【プールD】
第3シード:ガク・ドンハン(韓国)
第6シード:アクセル・クレルジェ(フランス)
有力選手:ノエル・ファンテンド(オランダ)

■ 100kg級・飯田健太郎がビッグタイトル2連覇に挑む
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連覇を狙う飯田健太郎。昨年は5連続一本勝ちをマークする圧勝だった。

(エントリー31名)

現役世界王者であるウルフアロンが左膝負傷のために欠場。ウルフはこれでグランドスラム東京大会と欧州シリーズのどちらにも出場しないままバクー世界選手権の最終予選である全日本選抜体重別選手権(4月7日~8日)を迎えることとなった。このウルフの不在によって大きなチャンスを得る形となったのが、今大会でグランドスラム・パリ2連覇に挑戦する飯田健太郎(国士舘大1年)。仮に今大会と全日本選抜体重別選手権に優勝することができれば、世界選手権代表獲得も十分現実的だ。

100kg級はレベルが高く、今回飯田を迎え撃つ海外勢の陣容もまことに強力かつ豪華。シード権を持たない飯田はプールB下側の山に配されており、準々決勝では昨年10月の世界無差別選手権で決勝まで進んだトマ・ニキフォロフ(ベルギー)、準決勝では現在世界ランク1位のマイケル・コレル(オランダ)との対戦が濃厚。担ぎ技に腰技、寝技と多彩な攻撃パターンを持つニキフォロフに、スタミナをベースに担ぎ技の持久戦を仕掛けて本命である小内刈を狙うコレルと、どちらも一筋縄ではいかない難敵だ。とはいえ、今回のトーナメントの比重は反対側のプールCDにあり、決勝進出は十分に現実的なラインかと思われる。

高校卒業までの圧倒的な成績が嘘のように、この一年の飯田の柔道は精彩を欠いた。ウルフ不在の今大会は好機であるとも同時に、飯田がシニアカテゴリで迎える最初のターニングポイントでもある。ここで優勝出来るかどうかは、控えめに言って、以後数年のキャリアを大きく左右することになるはずだ。気持ちのこもった戦いと、飯田らしい豪快な内股による「一本」連発に期待したい。

ほか、観戦という観点からは前述プールCDが非常に魅力的。なかでもブダペスト世界選手権2位のヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)と、4年連続で本大会の決勝に進出している地元のシリル・マレ(フランス)が対戦するプールC準々決勝、グランドスラム東京大会で飯田が敗れた曲者チョ・グハン(韓国)と、階級屈指の業師であるジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)が対戦するプールDの2回戦は必見だ。

【プールA】
第1シード:マイケル・コレル(オランダ)
第8シード:レイズ・ボウヤコウブ(アルジェリア)

【プールB】
第4シード:トマ・ニキフォロフ(ベルギー)
第5シード:ペテル・パルチク(イスラエル)
日本選手:飯田健太郎(国士舘大1年)

【プールC】
第2シード:ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)
第7シード:シリル・マレ(フランス)
有力選手:ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)

【プールD】
第3シード:ジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)
第6シード:マーティン・パチェック(スウェーデン)
有力選手:チョ・グハン(韓国)、グリゴリ・ミナシキン(エストニア)

■ 100kg超級・新世代の「顔」ツシシヴィリが参戦、小川雄勢は2回戦のクルパレク戦が山場
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グランドスラム東京を制した小川雄勢

(エントリー22名)

地元のスーパースターであるテディ・リネール(フランス)は今年も出場を回避。さらにトップ層の大半が再来週のグランプリ・デュッセルドルフ大会に回ったこともあり、出場者のレベルは決して高くない。とはいえ、見どころがないかというとそんなことはなく、両袖を絞った状態から左右の袖釣込腰を仕掛けるスタイルで昨年重量級戦線にセンセーションを起こしたグラム・ツシシヴィリ(ジョージア)や、階級を上げるなりあっという間にトップ選手の座に上り詰めたリオデジャネイロ五輪100kg級金メダリストのルカシュ・クルパレク(チェコ)など、魅力的な人材が出場している。

日本からはグランドスラム東京大会王者である小川雄勢(明治大3年)と、影浦心(東海大4年)と、現在伸び盛りで勢いのある若手2名が参戦。

影浦は比較的戦いやすいプールBに配置されており、ツシシヴィリと当たるベスト4進出までが最低限のミッションだ。準々決勝のロイ・メイヤー(オランダ)、準決勝のツシシヴィリと、影浦と同じく担ぎ技を主要武器とする相手との連戦が組まれており、ここは魅力的な担ぎ技の応酬に期待。世界無差別選手権での敗戦以来いまひとつ冴えない試合ぶりが続いている影浦としては、ここでしっかり結果を出して悪い流れを断ち切りたいところ。

一方の小川は、2回戦で早くもクルパレクと対戦。グランドスラム東京大会決勝で両者が演じた合計時間14分に及ぶ大消耗戦はファンの記憶にも新しいはず、非常に厳しい配置だ。クルパレクがリベンジに燃えていないはずはなく、激しい戦いとなることは間違いない。
以降の対戦候補はファイセル・ヤバラー(チュニジア)やキム・スンミン(韓国)などいずれも正面から力比べを挑んでくるタイプで、小川としては比較的戦いやすい。つまりはこの2回戦が唯一最大の勝負どころだ。グランドスラム東京大会で見せたような、闘志を前面に押し出した気迫あふれる戦いに期待したい。

【プールA】
第1シード:グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)
第8シード:レヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)

【プールB】
第4シード:ロイ・メイヤー(オランダ)
第5シード:影浦心(東海大4年)

【プールC】
第2シード:ルカシュ・クルパレク(チェコ)
第7シード:アリアクサンドル・ヴァハヴィアク(ベラルーシ)
有力選手:ファイセル・ヤバラー(チュニジア)
日本選手:小川雄勢(明治大3年)

【プールD】
第3シード:マチェイ・サルナツキ(ポーランド)
第6シード:キム・スンミン(韓国)

※ eJudoメルマガ版2月11日掲載記事より転載・編集しています。

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