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初日の重心は66kg級にあり、73kg級立川新はシャヴダトゥアシヴィリとの「相性」に注目・グランドスラムパリ2018第1日男子プレビュー

(2018年2月9日)

※ eJudoメルマガ版2月10日掲載記事より転載・編集しています。
初日の重心は66kg級にあり、73kg級立川新はシャヴダトゥアシヴィリとの「相性」に注目・グランドスラムパリ2018第1日男子プレビュー
(60kg級、66kg級、73kg級)
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パリ・アコーホテルズアリーナ

2018年IJFワールドツアー欧州シリーズ最大のイベントであるグランドスラム・パリ大会が、きょう10日からパリ・アコーホテルズアリーナ(旧ベルシー体育館)で開催される。

参加者403名は2013年の387名以来の少なさ、男子の233名はグランドスラム・パリでは史上もっとも少ない人数(Judoinside.com調べ)とのこと。この意外な熱量の少なさを反映するかのように、トーナメントの陣容もやや低調。確かにツアーの他大会ではなかなか見られない強力ラインナップではあるが、これぞという主役が欠けた階級が意外に多く「パリ大会」としては率直に言って少々寂しい。2週間後のデュッセルドルフ大会がグランドスラムに昇格したことで参加人員が割れたのか、それとも2018-2020ルール確定後初めての大規模大会ということでひとまず外側からの様相注視に舵を切ったのか、特に男子第1日は芯を欠いた階級が散見。あの階級もこの階級も注目カード目白押しで試合場4面すべてまったく目が離せない、という例年の豪華な陣容からは一段格が落ちた印象だ。

ほぼ無名から一気に世界選手権金メダリストの座に駆け上った90kg級新王者ネマニャ・マイドフの戴冠後初試合というトピックも本人の直前欠場により雲散霧消。公平に見て、今大会最大の注目点は、今年も変わらずこの大会を世界選手権代表選考第3次予選と位置付けて一線級の選手を大挙送り込んだ日本勢の活躍と言ってよいかと思われる。

この見立てに沿って、各階級の様相を簡単に展望してみたい。

リード:古田英毅
本文:林さとる

■ 60kg級・トーナメントのレベルは低め、志々目徹にふさわしいミッションは優勝のみ
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アジア勢の影が薄い60kg級は十分優勝を狙える陣容、志々目徹の頂点獲りに期待

(エントリー23名)

上位選手の層が厚くどの大会でも非常に高いレベルの戦いが見られる本階級だが、階級を牽引するアジア勢の多くが出場を回避したことにより、グランドスラム・パリ大会というビッグタイトルにしてはかなり寂しい顔ぶれとなってしまった。

優勝候補の1番手は志々目徹(了徳寺学園)。第1シードのアミラン・パピナシヴィリ(ジョージア)と第2シードのシャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン)がそれに続く。志々目が髙藤直寿(パーク24)と永山竜樹(東海大3年)の背中を視界に捉え続けるためには、優勝が唯一絶対のミッション。この陣容で優勝を逃すわけにはいかない。

予選ラウンドの注目カードとしてはプールAの準々決勝で組まれるであろうパピナシヴィリ対フェリペ・キタダイ(ブラジル)によるベテラン対決に注目したい。パピナシヴィリが密着しての腰技と捨身技、キタダイが前襟を持っての正統派の背負投と両者の保有武器は非常に対称的。この2名は昨年10月のグランドスラム・アブダビ大会でも熱戦を繰り広げており(その際はキタダイが腕挫十字固「一本」で勝利)、今回も面白い戦いが期待できるはず。

【プールA】
第1シード:アミラン・パピナシヴィリ(ジョージア)
第8シード:フェリペ・キタダイ(ブラジル)

【プールB】
第4シード:アシュリー・マッケンジー(イギリス)
第5シード:志々目徹(了徳寺学園職)
有力選手:パヴェル・ペトリコフ(チェコ)

【プールC】
第2シード:シャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン)
第7シード:セドリック・ヘヴォル(フランス)

【プールD】
第3シード:フェリペ・ペリム(ブラジル)
第6シード:ルフミ・チフヴィミアニ(ジョージア)
有力選手:ヴィンセント・リマール(フランス)

■ 66kg級・第1日男子の目玉階級、丸山城志郎と磯田範仁がトップ選手に挑む
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日本勢はグランドスラム東京2位の丸山城志郎ら2名を送り込んだ

(エントリー37名)

ブダペスト世界選手権で3位を獲得したタル・フリッカー(イスラエル)とヴァジャ・マルグヴェラシヴィリ(ジョージア)の2名を中心に、2015年の世界王者アン・バウル(韓国)や昨年のヨーロッパ王者ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)ら階級のトップ選手が数多く参加した、大会のネームバリューに恥じない激戦階級。日本がこの超高密度階級に送り込むのは、昨年のグランドスラム東京2位の丸山城志郎(ミキハウス)と、同大会で抜群の足技の切れ味を見せて3位を獲得した磯田範仁(国士舘大4年)の2名だ。

丸山はプールC下側の山に配されており、ベスト16でザンタライア、準々決勝でマルグヴェラシヴィリと対戦することになる。ザンタライアに勝利せねば敗者復活戦に出場することすらできない過酷な配置であるが、東京大会で見せたパフォーマンスを発揮できれば十分に勝ち上がれるはず。丸山らしいキレのある豪快な投げに期待したい。

一方の磯田はプールA上側の山、第1シードであるフリッカーの直下に配された。鋭い担ぎ技と高い戦術性を併せ持つフリッカーは厄介な相手だが、この2回戦を勝ち抜けば準々決勝まではほとんど無風であり、その意味では決して悪い配置ではない。ぜひともフリッカーを倒して勝ち上がり、準決勝まで勝ち上がってくるであろうアンに挑戦して欲しい。

ほか、モンゴルの60kg級3番手から昨年階級を変更、12月のワールドマスターズで完全な優勝候補外からあっと言う間にトーナメントの頂点に立ったガンボルド・ヘーレン(モンゴル)の出来にも注目したい。チャールズ・チバナ(ブラジル)との準々決勝が勝負どころとなるはずだ。

【プールA】
第1シード:タル・フリッカー(イスラエル)
第8シード:アルベルト・ガイテロ=マルティン(スペイン)
有力選手:ズミトリー・シェルシャン(ベラルーシ)
日本選手:磯田範仁(国士舘大4年)

【プールB】
第4シード:バルチ・シュマイロフ(イスラエル)
第5シード:アン・バウル(韓国)
有力選手:セバスティアン・ザイドル(ドイツ)

【プールC】
第2シード:ヴァジャ・マルグヴェラシヴィリ(ジョージア)
第7シード:ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)
日本選手:丸山城志郎(ミキハウス)

【プールD】
第3シード:ガンボルド・ヘーレン(モンゴル)
第6シード:チャールズ・チバナ(ブラジル)

■ 73kg級・立川新の真価が試される戦い、準々決勝のシャヴダトゥアシヴィリ戦に注目
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圧倒的な「組み手力」で国内トップの座を伺う立川新

(エントリー37名)

強豪を複数擁するアゼルバイジャンとロシアが選手を送り込まなかったこともあり、トーナメントのレベルはやや低め。トップ選手は第1シードのラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)と第4シードのアン・チャンリン(韓国)のみであり、アンが好調であれば圧勝で優勝を飾る可能性も十分。ただし、アンは昨年あまり良いパフォーマンスを見せておらず、最後に出場したブダペスト世界選手権では負傷のためか得意の担ぎ技を全く使用できていなかった。アンの復調具合がどの程度なのか、まずは初戦に注目したい。

日本からこの階級に出場するのは、講道館杯とグランドスラム東京の2大会を、組み手技術とパワーによる封殺戦法によって制した立川新(東海大3年)。国内の73kg級には大野将平(旭化成)と橋本壮市(パーク24)の世界王者2名が君臨しているが、現状ここに割って入る権利を持っているのは立川のみである。立川はプールA下側の山に配されており、最初の山場は準々決勝のシャヴダトゥアシヴィリ戦。巧みな組み手管理で相手に何もさせないまま勝利してしまうイメージが強い立川だが、実は昨年のグランプリ・デュッセルドルフ大会(今年からグランドスラムに格上げ)では、ギヨーム・シェヌ(フランス)の密着攻勢の前に得意の組み手を生かすことができずに破れている経緯がある。シャヴダトゥアシヴィリはまさにこの密着系パワーファイターの典型であり、この試合で立川の真価が問われることになるだろう。勝ち上がり上で立川得意の「首抜かせ」が出るのかにも注目だ。

ほか、本階級にはリオデジャネイロ五輪66kg級金メダリストのファビオ・バジーレ(イタリア)が昨年10月のグランドスラム・アブダビ大会に続いて出場している。その際には5位という成績だったが、この選手が果たして本格的に階級変更を行うつもりなのか、この点も観戦ポイントの1つとして挙げておきたい。五輪時にはフロックで優勝したイロモノ的な印象が強かったバジーレだが、切れ味抜群の送足払に肩車としっかりとポイントの取れる技があり、最近では地力も底上げされてきた感がある。バジーレをバジーレたらしめている天性の「野性」が発揮されれば表彰台も十分ありえるはずだ。

【プールA】
第1シード:ラシャ・シャヴダトゥアシヴィリ(ジョージア)
第8シード:ナランフー・ハドバータル(モンゴル)
有力選手:アントワーヌ・ブシャー(カナダ)、イゴール・ヴァンドケ(ドイツ)
日本選手:立川新(東海大3年)

【プールB】
第4シード:アン・チャンリン(韓国)
第5シード:トハル・ブトブル(イスラエル)
有力選手:ピエール・デュプラ(フランス)

【プールC】
第2シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第7シード:アレクサンダー・ターナー(アメリカ)
有力選手:ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)、ファビオ・バジーレ(イタリア)

【プールD】
第3シード:アルチュール・マルゲリドン(カナダ)
第6シード:アキル・ヤコヴァ(コソボ)
有力選手:ギヨーム・シェヌ(フランス)

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