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【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第46回

(2018年1月22日)

※ eJudoメルマガ版1月22日掲載記事より転載・編集しています。
【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第46回
人間の一生涯を通して考えてみると、無駄に費やすことが多い。平素、その無駄をなくすことに抜目なければ、寿命の何年か延すのと同じ結果になる。
出典:「精力を善用した日常の生活(7)」 作興14巻6号 昭和10年6月
(『嘉納治五郎大系』9巻207頁)
 
「時間がない」「することが多すぎる!」「もっと時間があれば」。多くの人が少なからず口にし、思うことでしょう。
今回はそんな時間が足りない人たちへおくる師範の「ひとこと」です。

本連載で繰り返し紹介してきたとおり、師範は「精力善用」「自他共栄」という理念により社会をより良いものにするため、講演・講話や雑誌などを通して、人々にその理念を伝え、実践を促しました。

そのような活動の1つが引用元である「精力を善用した日常の生活」というタイトルで、約1年間にわたり雑誌「作興」で行われた連載です。「買物」「交際」「衣」「食」「住」「所有物の整理」「養生」「宴会」「読書」「運動」「執務」など実生活に根ざしたテーマで「精力善用」をどう活かすかを説いています。

師範は、ただ「精力善用」を述べたわけではありません。抽象的に捉えられがちな理念を、実生活における実践に落とし込み、自ら紹介しています。昭和10年という師範の晩年に記された内容は、かなり練られたものと言って良いでしょう。

今回の「ひとこと」は、上記連載の「所有物の整理」について扱った回からの紹介です。
「整理」と今回の「ひとこと」が、すぐに結びついた方、普段から意識されている人か、かなり勘が鋭い人と思われます。

所有物というとかなり広範囲にわたりますが、今回の「ひとこと」に関係するのは<身の回りのもの>。さらに、それらの「整頓」になります。

近年行われたある調査では、人がその一生で、物探しに使う時間は153日分になるとか。
もちろん、この具体的な数字を師範が知っているはずもありません。ですが、整理整頓されていないため、探し物に浪費される時間が、かなりあることは知っていました。そこから、身の回りを「整理」することにより無駄な時間をより有効な時間にしなければならないと考えたようです。
1日24時間、あるいは一生という限られた時間を有効に使うためには「整理整頓」が必要というわけです。

ここまで読まれて、「整理整頓しても、得られる時間は、たかが知れているだろう、寿命を何年か延ばすなんて大袈裟な」と思う方もいらっしゃるでしょう。確かにそうかもしれません。上記の調査にしても、目安の1つにすぎません。
ただ、「塵も積もれば山となる」という言葉もあります。また、視点を整理整頓以外にも向け、無駄な時間をなくすことに焦点をあててみたらどうでしょう。無駄な時間をなくす工夫をし、それをストレスなく実行できるよう、習慣化・ルーチン化していけば、無駄な時間は削られ、有意義な時間を増やしていくことが可能になります。

ちなみに、師範は具体的にどんな整理整頓をしていたのか。<嘉納流片付け法>あるいは<講道館流断捨離>等、あれば面白かったかも知れませんが、師範は<物を置く位置や、品物書類などを入れる箱や袋の選び方、分類の仕方に注意する>といった程度で、具体的な方法までは踏み込んでいません。
ですが、まず「整理整頓」を心掛けることが、生活における「精力善用」実践の第一歩になるのは間違いないでしょう。


※読みやすさを考慮して引用は『嘉納治五郎大系』から行っています。

著者:元 敏季(ハジメ・トシキ)
1975年生まれ。柔道は中学校から始め、大学までは競技を中心に行うが、卒業論文を機に柔道の文化的側面に関心を持ち、大学院へ進学。凡そ10年、大学院・研究機関に所属するも、研究とは異なる分野の仕事に就き現在に至る。ライフワークとして嘉納治五郎に関する史料を蒐集・研究し、その成果を柔道振興のため発信しようとしている。

※ eJudoメルマガ版1月22日掲載記事より転載・編集しています。

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