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【ROAD TO 高校選手権】第31回國學院大學松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会マッチレポート①1回戦~準々決勝

(2017年12月25日)

※ eJudoメルマガ版12月23日掲載記事より転載・編集しています。
【ROAD TO 高校選手権】第31回國學院大學松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会マッチレポート
①1回戦~準々決勝
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全国から63チームが國學院大學たまプラーザキャンパス体育館に集まった。

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選手宣誓は國學院大栃木高・国武陸主将。

新シーズンの高校柔道界の様相を占う「冬の高校招待試合サーキット」の最重要大会の一と位置づけられる第31回國學院大學松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会が24日、國學院大學たまプラーザキャンパス体育館で全国の強豪64校が集って行われた。

高校柔道界の新シーズン。有力校の名は多々挙がるが、その中にあって、国士館高(東京)と桐蔭学園高(神奈川)の2校が現時点で他から頭ひとつ抜け出しているという評価はほとんどの関係者が認めるところだろう。

国士舘高はもはや高校柔道界に敵なしでは、と騒がれる1年生エース斉藤立を中心に道下新大ら1年生の戦力が充実。少なくとも抜き勝負では全国優勝候補の第一と言ってしまって過言ではない。一方の桐蔭学園は、いわずと知れた前代の高校三冠チーム。高校選手権、金鷲旗、インターハイとすべての大会でレギュラーとして活躍した村尾三四郎、賀持喜道、千野根有我のポイントゲッター3枚が残り、その得点力と経験値の高さはやはり特筆もの。

今大会最大のみどころはなんと言ってもこの二強の激突。今季の招待試合シリーズ、2週間前の黒潮旗の出場を国士館が見送り、かつ水田杯(26日)にも例年通り出ず、一方翌日の若潮杯(27日)には桐蔭学園の方に出場権がない。つまり今期、全国大会本番前に二強が手を合わせる可能性があるのは唯一この松尾杯だけなのだ。

国士館は前代に団体戦を経験している斉藤、道下と藤永龍太郎、そして酒井陸と計算の立つ4枚に加えるべき「あと1枚」の養成と経験値蓄積、桐蔭学園も新たに起用すべき新戦力2枚の見極めとそれぞれ大きなテーマがあるが、より状況が深刻なのはポイントゲッター3枚と他戦力に相当なレベルの差がある桐蔭学園。得点役3枚の中で大型が千野根一枚という台所事情に鑑みても、抜き勝負となれば絶対の取り味を誇る重量級エース斉藤を擁する国士館の有利は否めない。桐蔭学園にとってはどちらかというとポイントゲッターの枚数の多さを活かせる点取り制の方に分がある状況と考えられるわけだが、仮にもしその点取り制で行われる今大会で国士館の後塵を拝するようなことがあれば今後の展望は暗い。ただでさえ苦しい抜き勝負で国士館を乗り越えることの心理的ハードルが一段も二段も跳ね上がってしまう。

加えてこの日、斎藤が左肩の負傷のため大会出場を見合わせるとの情報が開会式前の会場を駆け巡った。前述の「点取りで1回勝っておくほかない」はずの桐蔭学園としては、斉藤抜きの国士館を相手に負けることなどもはや絶対に許されない。勝利必須の状況、過酷なプレッシャーの中で大会を迎えることとなった。

大会シード校は桐蔭学園高(Aパート)、日体大荏原高(東京・Bパート)、崇徳高(広島・Cパート)、国士館高(Dパート)の4校。強豪が綺麗に分かれた形となったこのトーナメントをそのまま4つに割って、桐蔭学園と国士館の勝ち上がりを中心にまずは1回戦から準々決勝までの様子を追いかけてみたい。

■ Aパート
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1回戦、桐蔭学園高の副将高山康太が残り18秒で東海大高輪大高・柴野明紀から大外落「技有」

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桐蔭学園は大将千野根有我の大外刈「一本」で初戦を締める

準々決勝進出校:桐蔭学園高(神奈川)、木更津総合高(千葉)

上側の山からは桐蔭学園が順当にベスト8入り。

初戦の相手は、前代で好チームを作った東海大高輪台高(東京)。第1シードとしてはなかなかに厳しい組み合わせだ。この試合は先鋒から66kg級の1年生・藤井俊輔、賀持喜道、身長185センチ体重100キロの1年生町方昴輝、黒潮旗大会で大活躍した高山康太、そして千野根有我というラインナップで布陣。藤井の一本勝ちに引き続き、賀持が小外掛「技有」からの横四方固「一本」をマークしてあっさり2点を連取。視界良好かと思われたが、続く町方が相手のエース藤田昴弘と引き分け、さらに期待の高山が柴野明紀に終盤まで取れずやや雲行きが怪しくなる。しかし高山は残り18秒で無理やり左大外落に倒れ込んで執念の「技有」獲得、そのまま崩上四方固に抑え込んで一本勝ち。そして大将千野根がわずか11秒の大外刈「一本」で事態を収拾。スコア4-0でまず順当に1回戦を突破。高山と千野根の使命感の高さが良く見えた一番。

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2回戦、桐蔭学園の次鋒賀持喜道が仙台育英高・佐々木圭から鮮やかな内股「一本」

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副将高山康太は瀬戸博貴に歯が立たず、開始早々左内股「技有」を失う

2回戦は前戦と同じ布陣で仙台育英高(宮城)とマッチアップ。先鋒戦は藤井が同じ66kg級で宮城県代表の座を得ている大槻優斗から「指導2」差を得ての僅差優勢、次鋒戦は賀持が十分間合いを整えての内股「一本」と順調だったが、中堅戦では町方が菅原大空にほとんど有効な攻撃を繰り出せぬまま横四方固で一本負け。続いて登場した副将高山も宮城県無差別王者の瀬戸博貴に開始10秒で左内股「技有」を失い、さらに54秒大外返「技有」、残り20秒にも焦って仕掛けた払釣込足の落ち際を払巻込に切り返されて「技有」となんと3つのポイントを失って敗北。あっさりスコアを2-2に戻してしまう。この時点で内容差ではなんとビハインド。大将戦は千野根がケンケンの大内刈で伊藤皓樹を攻め立て、右払腰で転がすと素早く横四方固で抑え込み危なげなく1分22秒「一本」。これでなんとか勝利を決めたが、高校選手権の出場権がない(宮城県3位)チームを相手に3勝2敗という小差の勝利は今季の期待値からするとやはり意外。レギュラー村尾を温存してのスコアとはいえ、非常に厳しい内容の試合であった。

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3回戦、福岡大大濠高の先鋒中西一生が桐蔭学園の藤井俊輔を圧倒。「技有」2つを得た末の内股「一本」で完勝。

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桐蔭学園は中堅賀持がまたもや美技を披露、石嵜健真を打点の高い左内股「一本」に仕留める。

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「技有」ビハインドの高山康太が意地の左大外刈「一本」で野田隆世に逆転勝ち。

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千野根有我が岸川尚矢から迫力の大外刈「技有」

3回戦は、九州新人戦100kg超級の覇者・野田隆世と同2位の釘本陸、そして90kg級で全日本ジュニアに出場して健闘した中西一生と歯ごたえのある選手を揃えた福岡大大濠高(福岡)との対戦。福岡県には今年本大会の「四つ角シード」ピックアップが有力視される九州王者・大牟田高が鎮座するが、同校はおそらく打倒大牟田を期しての関東遠征敢行。桐蔭学園はこの試合から主将のインターハイ81kg級王者・村尾三四郎を投入し、一段ギアを上げて臨むこととなった。

[Aブロック3回戦]
桐蔭学園高(神奈川) 4-1 福岡大大濠高(福岡)
(先)藤井俊輔△内股(2:59)〇中西一生
(次)村尾三四郎〇優勢[僅差]△釘本陸
(中)賀持喜道〇内股(1:26)△石嵜健真
(副)高山康太〇大外刈(1:07)△野田隆世
(大)千野根有我〇袈裟固(0:50)△岸川尚矢

先鋒戦、藤井はケンカ四つの中西に早々にポイント失陥。右内股から倒れ際に巧みに巻き込んだ中西の決めに抗えずあっという間の「技有」。さらに1分57秒には右大外巻込で「技有」を失い、さらにあくまで一本勝ちをあきらめぬ中西の執念に根負けする形で内股「一本」も食って敗退。あと1秒我慢すれば一本負けだけは回避してベンチに戻れる場面だったが、堪えが利かなかった。体格差、実力差の否めない苦しい対戦だったが、団体戦の5番選手に必要な受けの技術や粘り、状況への感能力に疑問を残した一番。

一昨日高体連フランス遠征から帰国したばかり、強行出場の村尾は明らかに動き悪し。大外刈を引っ掛けても長所である深く追い込んでの刈り込みを自らあきらめる場面が打ち続いたが、それでも36秒に1つ目の「指導」、1分9秒には村尾の動きを止めようと圧力を掛けて動きを止めた釘本にブロッキングの「指導2」が与えられ、僅差の優勢勝ちでこの試合を終える。中堅の賀持はケンカ四つで間合いを取ってくる難しい相手に対し、1分26秒まず大外刈で動きを止め、次いで一足内股に飛び込む美技を見舞う。時間差攻撃に完全に受けの間を失った石嵜健真が高々宙を舞って「一本」。この時点でスコアは2-1、桐蔭学園がようやく勝ち越す。

しかし副将で登場した高山は前戦の負けを引きずったかまたもや不安定な戦いぶり。先制攻撃で繰り出した左大内刈を弾き返されると慌てて亀の体勢に引きこもってしまい、この攻防に怖じたか27秒には左払腰をまともに受けて「技有」失陥。得意の大外刈で追撃を図るも自ら潰れてしまい、率直に言って以後に希望の持ちにくい展開。またもや2-2での大将戦突入が想起されたが、しかし1分7秒、左釣り手で片襟を差したまま遠間から左大外刈に飛び込むと、そのまま体を大きく前に投げ出す大技一発。野田が思わず下がるまずい受けを見せたこともあり、この伸びのある刈り込みは見事決まって「一本」。

これで合計3点を得た桐蔭学園の勝利が確定。大将戦は千野根が50秒に豪快な右大外刈で「技有」奪取、そのまま袈裟固に固めて「一本」。最終スコアは4-1の大差に落ち着き、これで無事ベスト8入りを決めることとなった。

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3回戦、木更津総合高の先鋒井上泰司が四日市中央工高・弓矢健奨から内股「技有」

下側の山は混戦。シード位置を占めた木更津総合高(千葉)はエースの坂東虎之輔と千葉県無差別王者の浅野史恩を取り置いたまま、1回戦で山形電波工高(山形)を5-0、2回戦では常盤高(群馬)を4-0と順当に勝ち抜いて3回戦進出。

逆サイドでは1回戦で箕島高(和歌山)を2-2の内容差で破った修徳高(東京)と、水戸葵陵高(茨城)が2回戦でマッチアップ。黒潮旗大会で3位と大健闘した四日市中央工高が先鋒弓矢健奨の勝利を起点に得点を積み上げ、3-0で圧勝。3回戦へと駒を進めた。

迎えた3回戦は、木更津総合が四日市中央工を圧倒。あくまで坂東と浅野を下げたまま分厚い戦力を見せつけ、先鋒井上泰司が弓矢健奨から横四方固「一本」、中堅小山内剣太郎が菅野浩輝から肩固「一本」、副将伊藤大輔が萩大地から「指導2」を得ての僅差優勢と着々得点。3-0の大差でこの試合を終え、ベスト8で桐蔭学園と対峙することとなった。

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準々決勝、桐蔭学園の先鋒賀持が左小内刈で足を叩くと井上泰司一瞬で崩落「技有」

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賀持は内股「一本」で完勝。

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じっくりチャンスを待った村尾三四郎が小山内剣太郎の右小内刈に突如反応、左出足払「技有」。

[Aブロック準々決勝]
桐蔭学園高(神奈川) 3-2 木更津総合高(千葉)
(先)賀持喜道○内股(2:17)△井上泰司
(次)村尾三四郎○横四方固(3:04)△小山内剣太郎
(中)町方昂暉△大内刈(2:48)○北條嘉人
(副)高山康太△崩上四方固(0:55)○伊藤大輔
(大)千野根有我○横四方固(3:00)△小宮大倭

桐蔭学園は前戦で一本負けの藤井俊輔をいったん下げ、再び町方昂暉を投入。先鋒に賀持喜道、次鋒に村尾三四郎と得点ブロックで試合を始めてまず2点を得る「負けない状況」を作った上でテスト中の2枚を投入、最後を千野根で締めるという手堅いオーダーに組み変えてこの試合に臨んだ。

先鋒戦は賀持が左、井上が右組みのケンカ四つ。73kg級千葉県代表で動きの良い井上に対し、賀持は軽挙せず敢えてじわりと場外に追い込み、苦しくなった井上は巴投で展開を切ったものの主審見逃さず28秒井上に場外の「指導1」。直後、組むなり賀持が左小内刈で井上の左をガツンと叩くと井上の体は一瞬で崩落「技有」。以降も賀持は敢えて大技の掛け合いには持ち込まず足を入れながらじわりと前進を続け、1分12秒には井上に場外の「指導2」。そして2分過ぎ、頃合い良しとみた賀持は良いタイミングの左大外刈で手ごたえを掴むと、組み付くなり足を継いで飛び込みの左内股一撃「一本」。完璧すぎる試合運びと投げでまず桐蔭学園が先制。

次鋒戦は村尾三四郎が左、小山内剣太郎が右組みのケンカ四つ。「時差ぼけが残っている」(高松正裕監督)村尾はこの試合もエンジン温まらず、出足払に大外刈と繰り出すもののいずれも牽制技の域を出ず。1分50秒小山内に防御姿勢の「指導」、2分39秒には双方に消極的との咎で「指導」が宣告される。直後、スコア上後のなくなった小山内が右小内刈を繰り出すと村尾待ってましたとばかりに出足払を合わせて軸足ごと抜き上げ、「技有」獲得。そのまま相手の体に被り、絡まれた脚を引き抜いて横四方固と着々手順を進め「一本」で勝利決定。調子上がらぬ中、それでも体に染み込んだ瞬間芸の手札をしっかり切った村尾に凱歌が上がった形となった。これでスコアは2-0、盤面から予想されるシナリオ通りに着々試合は進む。

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町方昂暉が北條嘉人の左内股を抱き返して「技有」

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しかし北條の左大内刈がまともに入り、逆転の「一本」。

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「技有」を奪ったはずの高山だが後処理を誤り、伊藤大輔がその腕を括って抑え込みに持ち込む。

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千野根有我が小宮大倭の出足払を押し込み返して「技有」

中堅戦は町方昂暉が右、北條嘉人が左組みのケンカ四つ。体格に劣る北條が先んじて背負投で攻めこみ、なかなかに動き良し。町方は前技フェイントを入れた右小外刈に体を投げ出すが明らかに力が足りず、73kg級の北條が倒れつつ弾き返して逆にあわやポイントという場面が出来上がる。直後、この攻防で自信を深めた北條がやや不用意に奔放な右内股、町方体を生かして返し2分2秒「技有」奪取。しかしリードした町方ここから下がり始め、2分34秒には北條が間合いを詰めての左大内刈、町方なんとか反転するがあわやポイントという場面が現出。直後、明らかにこの攻防に手ごたえを得た北條は組み際に再び抱きつきの左大内刈を慣行。懐に噛みついてしまえば十分いけるとの確信に満ちた技、しかし当然予想すべきこの一撃をなんと町方まともに食って畳に真っ逆さま。逆転の「一本」でこの試合は木更津総合の手に落ちる。

そして副将戦。高山康太は気合十分、左相四つの伊藤大輔に自信満々左大外刈を決めて9秒「技有」。しかし投げ終わりの体捌きを誤り、気が付けば伊藤は横半身で畳に逃れた高山の肘をしっかり確保。伊藤これを引っ張り出し、括って横四方固へと移行。崩上四方固に体勢を直して55秒「一本」。結局桐蔭学園はポイントゲッターが加点、それ以外の2枚が失点という戦前のシナリオ予測を一歩も超えられぬまま、2-2のタイスコアで再び大将千野根に勝敗をゆだねることとなる。

迎えた大将戦は千野根が右、小宮大倭が左組みのケンカ四つ。千野根圧力を掛けては支釣込足の形で小宮の足を蹴って崩し、集中力高くチャンスを伺う。小宮は千野根の足技に良いタイミングの左背負投で対抗。試合時間2分半を過ぎ、千野根がフェイントで放った鋭い出足払に触発されたか、小宮もフェイントを入れた左出足払。しかし千野根はすかさず反応してスピードアップ、ハンドル操作で小宮の体を崩すと釣り手を効かせて押し込み2分40秒「技有」奪取。そのままじわりと相手の体を包んで横四方固に抑え込むと小宮まったく動けず「一本」。スコア3-2で桐蔭学園が辛勝、ベスト4への勝ち上がりを決めた。

体調不良の村尾も含めたポイントゲッター3名はほぼ完ぺきな試合、一方残る2名はミスを連発していずれも敗北と、現在の桐蔭学園の状態を象徴するような一番。それでも結果を残すのはさすがというところ。

敗れた木更津総合は、充実が伝えられていた現2年生、1年生がその前評判にふさわしい強さをようやく発揮し始めた模様。坂東と浅野、そして大量入部の1年生を温存してなお王者・桐蔭学園とこの大接戦、シード校級の力を見せつけた大会であったと総括したい。

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1回戦、水戸葵陵高のカフレジアルンカが四日市中央工高・菅野浩輝から体落「技有」、これで一矢を報いる。

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1回戦、修徳高の大将小嶋洸太が箕島高・前田真大から内股「一本」

【Aブロック1回戦】

桐蔭学園高(神奈川) 4-0 東海大高輪台高(東京)
仙台育英高(宮城) ②-2 松本第一高(長野)
福岡大大濠高(福岡) 3-1 市立船橋高(千葉)
國學院栃木高(栃木) 3-1 近大福山高(広島)
木更津総合高(千葉) 5-0 山形電波工高(山形)
常磐高(群馬) 4-1 清風高(大阪)
修徳高(東京) ②-2 箕島高(和歌山)
四日市中央工高(三重) 3-1 水戸葵陵高(茨城)

【Aブロック2回戦】

桐蔭学園高(神奈川) 3-2 仙台育英高(宮城)
福岡大大濠高(福岡) 3-1 國學院栃木高(栃木)
木更津総合高(千葉) 4-0 常磐高(群馬)
四日市中央工高(三重) 3-0 修徳高(東京)

【Aブロック3回戦】

桐蔭学園高(神奈川) 4-1 福岡大大濠高(福岡)
木更津総合高(千葉) 4-1 四日市中央工高(三重)

【Aブロック準々決勝】

桐蔭学園高(神奈川) 3-2 木更津総合高(千葉)

■ Bブロック
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1回戦、日体大荏原高の内藤彪雅が立花学園高・三柴滉斗から大外刈「一本」

準々決勝進出校:日体大荏原高(東京)、津幡高(石川)

上側の山は無風区。前々代の全国優勝時の個性豊かなメンバーからは相当スケールダウンしたものの、前代でレギュラーを務めた長身の変化球タイプ内藤彪雅、大物1年生平山才稀らを擁する好チーム日体大荏原高が順当にベスト8入りを果たした。1回戦は立花学園高(神奈川)を4-1で退け、2回戦は先鋒から島本真司郎、藤原秀奨、平山才稀、内藤彪雅、グリーンカラニ海斗というメンバーで初芝橋本高(和歌山)に対峙。テストメンバーの島本が引き分けたものの、藤原が2つの「技有」を得ての縦四方固「一本」、平山が横四方固「一本」、内藤が大内刈「技有」優勢、グリーンも一本勝ちを決めて4-0の大差で危なげなく勝利決定。

小杉高(富山)を畳に迎えた3回戦もスコア4-1で快勝。先鋒戦で藤原秀奨が相手方のポイントゲッター斉本アレクサンドルに上四方固「一本」で屈したが、ここから内藤、藤原直生、平山のレギュラー3枚がいずれも「指導3」の反則で3連勝。大将戦は大川由介が青島優を相手に小外刈「技有」から上四方固に抑え込んで一本勝ち、ピンチの場面ないまま悠々ベスト8入りを決めた。

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作陽高の先鋒丸鳩紹雲が津幡高・寺島悠太に右大外刈

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寺島崩れながら大外返を試み「技有」 ※別角度から

下側の山はシード位置に鎮座する作陽高(岡山)に、早くも2回戦で津幡高(石川)がマッチアップ。いずれも今季充実が伝えられるチームで、いかにハイレベル大会とはいえこの段階での対戦は相当に過酷な組み合わせである。作陽は登録7人のうち6人が100キロオーバー、平均体重が112キロという大型チーム。一方の津幡も大物の呼び声高い1年生寺島悠太らを揃えてシード校入りを伺う強者だ。作陽は1回戦で大原高(千葉)を5-0で一蹴、一方の津幡も京都共栄学園高(京都)を4-0で下してこの試合を迎えることとなる。

この試合の重心は先鋒戦、作陽の7番登録・丸鳩紹雲と寺島悠太の1年生同士がマッチアップした第1試合にあり。相撲出身で柔道と相撲の両方で全国中学大会に出場している丸鳩は体重160キロの巨漢、この丸鳩が「いけー!」とのベンチの声に背中を押されて思い切り大外刈、しかし寺島が崩れながらワンハンドの大外返で応じて開始早々に「技有」奪取。先鋒戦のこの魅力的な攻防で得た優勢勝ち1点が最後まで効き、両軍以後1点ずつを積み上げたこの試合は2-1で津幡の手に落ちることとなった。

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3回戦、津幡高の副将・本出達基が東海大浦安高の藤野雄大に右大内刈「一本」。

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準々決勝、日体大荏原高の次鋒・内藤彪我が津幡高・室木修幸を右払腰「一本」に仕留める。

津幡は続く東海大浦安高(千葉)との対戦も2-1で勝ち抜いて無事ベスト8入り決定。入賞を掛けて日体大荏原に挑むこととなる。

[Bブロック準々決勝]
日体大荏原高(東京) 3-1 津幡高(石川)
(先)藤原秀奨△大外巻込○寺島悠太
(次)内藤彪我○払腰△室木修幸
(中)藤原直生×引分×本出達基
(副)平山才稀○優勢[僅差]△布目王雅
(大)大川由介○横四方固△大橋洸俊

津幡が強烈な先制パンチ、1年生ポイントゲッター寺島が藤原秀奨から払腰「技有」、さらに大外巻込「一本」と連取してまず1点をリード。しかし日体大荏原は内藤彪我の払腰「一本」で追いつくと、終盤一気に加速。まず平山才稀がしぶとく「指導2」を得ての優勢で勝ち越すと、大将戦は大川由介が支釣込足「技有」に浮落「技有」と連取、最後は横四方固で抑え込んで一本勝ち。日体大荏原が層の厚さを示した形、この試合は3-1で終了。ベスト4には日体大荏原が進むこととなった。

【Bブロック1回戦】

日体大荏原高(東京) 4-1 立花学園高(神奈川)
初芝橋本高(和歌山)○不戦△長崎南山高(長崎)
小杉高(富山) 4-1 文星芸大附高(栃木)
東海大静岡翔洋高(静岡) 3-1 千葉商大付高(千葉)
作陽高(岡山) 5-0 大原高(千葉)
津幡高(石川) 4-0 京都共栄学園高(京都)
東海大浦安高(千葉) 3-0 盛岡大附高(岩手)
相洋高(神奈川) 3-0 日本学園高(東京)

【Bブロック2回戦】

日体大荏原高(東京) 4-0 初芝橋本高(和歌山)
小杉高(富山) 4-1 東海大静岡翔洋高(静岡)
津幡高(石川) 2-1 作陽高(岡山)
東海大浦安高(千葉) 2-0 相洋高(神奈川)

【Bブロック3回戦】

日体荏原高(東京) 4-1 小杉高(富山)
津幡高(石川) 2-1 東海大浦安高(千葉)

【Bブロック準々決勝】

日体大荏原高(東京) 3-1 津幡高(石川)

■ Cブロック
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1回戦、崇徳高の大将八木郁美が日大藤沢高・一ノ瀬太晟から袖釣込腰「一本」

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崇徳は2回戦で大苦戦、0-1ビハインドで迎えた副将戦で松尾理来が育英高・門田優五の背負投を後に引き落とし「技有」獲得。

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3回戦、崇徳高の福永夏生が安田学園高・田邉勇斗から内股「技有」

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福永は大内返「一本」でフィニッシュ

準々決勝進出校:崇徳高(広島)、足立学園高(東京)

上側の山のシード校・崇徳高には2回戦と3回戦に山場あり。

初戦(1回戦)の日大藤沢高(神奈川)戦を岡颯人、毛利允弥、福永夏生、松尾理来、八木郁実という布陣でスタートした同校は先鋒岡からの3連勝であっさり勝負を決め、副将戦の引き分けを挟んだ大将戦では前代から団体戦に出場していたエース八木がわずか9秒の袖釣込腰「一本」でフィニッシュ。スコア4-0で快調なスタートを切る。

しかし2回戦、激戦区兵庫で既に高校選手権の代表権を手にしている育英高(兵庫)戦は大苦戦。先鋒毛利が長谷川功斉と、次鋒宮本聖矢が岩本龍弥と引き分けたところまではオーダー上もありうべきところであったが、中堅戦でポイントゲッター役を期待される大物1年生福永夏生が、ケンカ四つの駆け引きからタイミングを一瞬ずらした岡田一真の左体落に捕まってしまい痛恨の「技有」失陥。そのまま取り返せずにこの試合を落としてしまう。
0-1ビハインドのこの状況を救ったのは副将松尾理来。引き分け濃厚と思われた残り1分、これまでヒットアンドアウェイで巧みに戦っていた軽量の門田優五が不用意に見せた背負投を見逃さず、120キロの体を生かしてガッチリ受け止めると後に引き落として「技有」獲得。そのまま横四方固に抑え込んで値千金の一本勝ちを果たす。
大将戦は八木郁実が奥村弥百希と引き分け、そのまま試合終了。1-1の内容差という辛勝で3回戦進出を決めることとなった。負傷中のレギュラー篠原泰斗を取り置き、かつ強豪・育英が相手とはいえ福永が落とし、八木が取れず、相手のミスに付け込んで得た1点をテコの内容差勝利という、序盤戦から非常に厳しい内容。

3回戦は、前戦でつくば秀英高(茨城)を代表戦の末に下した安田学園高(東京)とマッチアップ。先鋒篠原泰斗が小林翔太と引き分け、続いて畳に上がった次鋒毛利允弥が開始1分に今田光星の左内股を思い切り食って「技有」失陥、そのまま優勢負けという苦しいスタート。この時点で1点のビハインドである。

しかしここからは崇徳の得点ブロック。中堅戦は福永夏生が田邉勇斗から30秒に内股「技有」、さらに2分19秒には焦った相手の技を良く見極めた大内返「一本」と連取して勝利。副将戦は八木が前戦の代表戦で一本勝ちを果たした殊勲者・金野晃大から1分6秒袖釣込腰「技有」、2分22秒には裏投「技有」を奪ってそのまま横四方固に抑え込むという完璧な内容で一本勝ち。大将戦は松尾理来が奥谷優佑を引き分けで止めて、通算スコアは2-1。無事ベスト8入りを決めた。

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1回戦、足立学園高の松村工が和歌山北高・堀将慶から背負投「一本」

下側の山からは足立学園高(東京)が順当に勝ち上がり。登録7名のうち60kg級が2名に73kg級が3名、平均体重が73kgと今年もやはり相当に小型のチームだが錬磨のほどはさすが。1回戦は和歌山北高(和歌山)を5-0、2回戦は山形工高(山形)を3-1で退け、迎えた山場の3回戦ではここまで素晴らしい強さを見せている東海大札幌高(北海道)と大激戦。2-2の内容差でこの試合を制して準々決勝進出を決めた。

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準々決勝、福永夏生が釣り手不十分ながら大技を連発。押領司龍星を攻めこむ。

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崇徳高は副将八木郁実も「指導」3つを獲得して試合を決める。

[Cブロック準々決勝]
崇徳高(広島) 3-0 足立学園高(東京)
(先)篠原泰斗○袈裟固△樋口誠二朗
(次)毛利允弥×引分×松村工
(中)福永夏生○反則[指導3]△押領司龍星
(副)八木郁実○反則[指導3]△大河原大介
(大)松尾理来×引分×吉井拓実

試合内容自体は拮抗も、結果は意外な大差となった。1点リードを受けた崇徳の中堅・福永夏生はケンカ四つの押領司龍星に釣り手を突かれ続けて到底効果的な投げが打てる状況ではなかったが、それでも大外刈、内股、前技フェイントの小外刈と遮二無二大技を積み続けて1分39秒「指導1」を獲得。2分8秒に出足払で相手を叩き落とした直後には押領司に片手の咎で「指導2」が与えられる。以後も福永は押領司の組み手を大技連発で乗り越える良い意味で思考を停止する形で攻め続け、1分15秒にケンケンの右内股で追うと直後ついに3つ目の「指導」宣告となる。

この1点でほぼ勝負あり。副将戦は八木郁実が大河原大介の厳しい組み手を次々クリアして徹底圧力。大河原は必死に袖を絞るが八木は一旦左右の構えをスイッチするなどいくつかの好手を見せて奥襟を攻略。ここからの圧力に背中を抱いての小外掛と巧みに大河原を追い込み、53秒、1分11秒、そして1分47秒とすべて「場外」で3つの「指導」を獲得。

この時点でスコアは3-0。大将戦は引き分けに終わり、崇徳のベスト4進出が決まった。

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2回戦、代表戦で安田学園高・金野晃大がつくば秀英高・多田昌人から内股「一本」

【Cブロック1回戦】

崇徳高(広島) 4-0 日大藤沢高(神奈川)
育英高(兵庫) 3-0 市立柏高(千葉)
安田学園高(東京) 3-1 佐久長聖高(長野)
つくば秀英高(茨城) 2-0 田村高(福島)
東海大札幌高(北海道) 4-0 武相高(神奈川)
佐賀商業高(佐賀) 3-1 前橋育英高(群馬)
足立学園高(東京) 5-0 和歌山北高(和歌山)
山形工高(山形) 5-0 東京学館高(千葉)

【Cブロック2回戦】

崇徳高(広島) ①-1 育英高(兵庫)
安田学園高(東京) 代①-1 つくば秀英高(茨城)
東海大札幌高(北海道) 4-1 佐賀商業高(佐賀)
足立学園高(東京) 3-1 山形工高(山形)

【Cブロック3回戦】

崇徳高(広島) 2-1 安田学園高(東京)
足立学園高(東京) ②-2 東海大札幌高(北海道)

【Cブロック準々決勝】

崇徳高(広島) 3-0 足立学園高(東京)

■ Dブロック
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1回戦、国士館高の次鋒安藤稀梧が新庄東高・高橋良汰から内股「技有」

準々決勝進出校:国士館高(東京)、東海大甲府高(山梨)

高校柔道界の新たな目玉である斉藤立が、左肩の腱板を痛めて出場見送り。2週間から1か月程度の療養が必要との診断で、この招待試合シリーズは「休ませる」(岩渕公一監督)とのこと。
このシリーズにおける国士館の課題は経験値の蓄積。これは斉藤という「個」と、新チーム全体という二つの項に掛かる。斉藤は全員が「凌いで引き分けを狙ってくる」ことが前提の全国大会本番に向け、なるべく多種多様なタイプと手を合わせて具体的に獲り切ること。チームは新たな陣容で「勝つ」経験値を蓄積して全員に勝利の方法論を体に染み込ませること。

しかし斉藤の欠場で、国士館高の課題は後者重心、「残るレギュラーメンバーの育成」という方向にシフト。斉藤なしでしっかり勝ち切り、試せる選手を1枚増やすことで戦力の底上げを図る一週間となるはずだ。

国士館の初戦は新庄東高(山形)との対戦。この試合は先鋒藤永龍太郎があまりにも慎重な試合運び、井上隼を攻略できず引き分け、次鋒の安藤稀梧も動きが硬く、高橋良汰を相手に得意の内股を仕掛けながら潰れてしまって取り切れない場面が目立つ。結局左内股「技有」で勝利自体は得たものの満点の出来とは言い難し。しかしここから国士館は加速、長谷川碧が高橋玲央から左内股で「技有」「一本」と連取、副将道下新大も大内慎吾に左足車「技有」から横四方固に繋ぎ、大将酒井陸は豪快な左払巻込「一本」でフィニッシュ。新庄東高の健闘に押されたものの試合が進むにつれ本領を発揮した体、最終スコアは4-0だった。

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2回戦、国士舘高の大将・酒井陸が前橋商高の高野隆治から後袈裟固「一本」。

前橋商高(群馬)との2回戦は5-0の圧勝。前戦で元気のなかった先鋒藤永を81kg級の2年生三島太一にいったん入れ替え、この三島の僅差優勢を端緒に次鋒安藤が終盤に決めた左内股「一本」、中堅長谷川が開始早々に見せた左内股「一本」とあっという間の3連勝で勝利決定。副将戦は道下が相四つで重心の低い諸田大河を攻めあぐね、度々クロスグリップからの技を仕掛けるも距離感を掴めずみずからバランスを崩す場面が続く難しい試合。道下らしいスケールの大きさが感じられない意外な展開だったが、それでもしっかり「指導」2つは得て僅差の優勢勝ち。大将戦は酒井陸が後袈裟固「一本」で締めて3回戦進出決定。

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3回戦、国士舘高の次鋒・藤永龍太郎が河村祥克から左体落「一本」。

迎えた3回戦は、ここまで中京高(岐阜)を1-1の内容差、2回戦の関西高(岡山)を2-0と今季充実が伝えられる地方の好チーム2校をしっかり下してきた白鷗大足利高(栃木)とマッチアップ。先鋒安藤が斎五澤航介の右小外掛に素早く反応しての左大内刈「一本」、次鋒藤永は地力の差を活かし、河村祥克を場外際に追い詰めながらの左体落「一本」、そして中堅長谷川碧が開始早々に宇賀神圭太から左内股「技有」を奪っての優勢とこの試合も電車道の3連勝でチームの勝利自体は決定。副将戦は前戦で煮え切らない戦いを見せた道下がまたしても突き抜けられず、杉之内暁を相手に強引な左大外巻込を裏投で返されかかるなど少々危うい展開。それでも最後は地力の差を生かし、釣り手で肩越しに帯を握っての強引な左払巻込「技有」から後袈裟固「一本」で勝利。あっという間に4点を積み上げることとなる。

大将戦の酒井陸は、ケンカ四つで体幹が強い長谷川明伸を攻めきれず。幾度か惜しい場面があったもののポイントには至らず。試合終了間際には眉間を切ってしまうアクシデントで大量出血。止血ののち、「始め」の声とともに終了ブザーが鳴り響いてこの試合は引き分け。最終スコア4-0で国士館がベスト8への勝ち上がりを決めることとなった。

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1回戦、東海大甲府高の中堅・川高海優が埼玉栄高の梅野寛大から左小外掛「一本」。

下側の山からは、東海大甲府高(山梨)が殊勲のベスト8入り。まず1回戦で埼玉栄高(埼玉)を1-1の内容差で破って注目を浴びると、2回戦は習志野高(千葉)に3-1で勝利。そして3回戦ではシード位置に座った東海大仰星高(大阪)を1-1の内容差で下して、この激戦ブロックからついに準々決勝に辿り着くこととなった。

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準々決勝、国士舘高の次鋒・安藤稀梧が宮下壮瑠から左内股巻込「一本」。

[Dブロック準々決勝]
国士舘高(東京) 4-1 東海大甲府高(山梨)
(先)三島太一○優勢[技有・支釣込足]△米山正剛
(次)安藤稀梧○内股巻込△宮下壮瑠
(中)藤永龍太郎○縦四方固△宇野澤祥也
(副)長谷川碧△小外掛○川高海優
(大)道下新大○大内刈△長嶋勇斗

前戦で負傷した酒井を下げた国士館は、先鋒に再び三島を投入。三島は米山正剛を相手に開始早々の組み際に支釣込足一撃、相手に乗り上げるように押し込んで「技有」を獲得。このポイントを最後まで守って優勢勝ちを果たす。

次鋒戦はここまで3連勝の安藤が自信満々に試合を展開、肩越しに奥襟を持った状態からの豪快な左内股巻込一撃、相手の体の上を転がって決め切り「一本」。続く中堅戦も国士館の勢いは止まらず、藤永龍太郎が宇野澤祥也の支釣込足を透かして押し込み隅落「技有」を獲得、間を置かず寝技を展開して縦四方固「一本」。

この時点でスコアは3-0、国士館の勝利自体は確定。副将戦は東海大甲府のポイントゲッター川高海優が意地を見せ、腹を出しての持ち上げ合いに長谷川碧を誘う。長谷川が応じるとしめたとばかりに抱きつきの左小外掛に捕まえ、「一本」。しかし大将戦は道下新大が遠間からの左大内刈を押し込んで一本勝ち、国士館が4-1の圧勝で準決勝進出を決めた。

斉藤抜きでここまでの4戦を戦った国士館だが、周囲の有力校の接戦をよそに悠々たる勝ちぶり。チームはまだ明らかに出来上がっておらず戦いぶりはいったいに粗く、国士館らしい緻密さや戦術的方法論の錬磨はまだ感じられない。それでも地力の高さゆえ、純戦力の高さゆえに「勝ってしまう」という印象。準決勝以降の全国大会上位クラスとの対戦で何が見えてくるか、非常に楽しみなここまでの勝ち上がりであった。

結果決まった準決勝カードは、

桐蔭学園高(神奈川) - 日体大荏原高(東京)
崇徳高(広島) - 国士舘高(東京)

の2試合となった。


【Dブロック1回戦】

国士舘高(東京) 4-0 新庄東高(山形)
前橋商高(群馬) 2-0 開志国際高(新潟)
白鴎大足利高(栃木) ①-1 中京高(岐阜)
関西高(岡山) 2-0 成田高(千葉)
東海大仰星高(大阪) 4-0 工学院大附高(東京)
横浜高(神奈川) 2-0 加藤学園高(静岡)
東海大甲府高(山梨) ①-1 埼玉栄高(埼玉)
習志野高(千葉) 3-1 本荘高(秋田)

【Dブロック2回戦】
国士舘高(東京) 5-0 前橋商高(群馬)
白鴎大足利高(栃木) 2-0 関西高(岡山)
東海大仰星高(大阪) 3-2 横浜高(神奈川)
東海大甲府高(山梨) 3-1 習志野高(千葉)

【Dブロック3回戦】

国士舘高(東京) 4-0 白鴎大足利高(栃木)
東海大甲府高(山梨) ①-1 東海大仰星高(大阪)

【Dブロック準々決勝】

国士舘高(東京) 4-1 東海大甲府高(山梨)

文責:古田英毅
取材:古田英毅、林さとる

※ eJudoメルマガ版12月23日掲載記事より転載・編集しています。

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