PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

グランドスラムアブダビ2017・女子7階級レポート

(2017年11月6日)

※ eJudoメルマガ版11月6日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラムアブダビ2017・女子7階級レポート
■ 48kg級 イリーナ・ドルゴワが優勝、強豪揃ったトーナメントを泥臭く戦い抜く
eJudo Photo
48㎏級決勝、イリーナ・ドルゴワがミリカ・ニコリッチを左大内刈で攻める。

(エントリー15名)

【入賞者】
1.DOLGOVA, Irina (RUS)
2.NIKOLIC, Milica (SRB)
3.PARETO, Paula (ARG)
3.GALBADRAKH, Otgontsetseg (KAZ)
5.RISHONY, Shira (ISR)
5.CSERNOVICZKI, Eva (HUN)
7.GILIAZOVA, Sabina (RUS)
7.DIOGO, Joana (POR)

リオデジャネイロ五輪金メダリストのパウラ・パレト(アルゼンチン)と同大会の銅メダリストでブダペスト世界選手権でも3位を獲得しているガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(モンゴル)の優勝候補2人が揃って準決勝で敗退。決勝はイリーナ・ドルゴワ(ロシア)とミリカ・ニコリッチ(セルビア)による若手対決となり、ドルゴワがGS延長戦で3つ目の「指導」を獲得して(GS2:08)2015年グランドスラム・アブダビ大会以来となる優勝を飾った。

優勝したドルゴワはこれまでパワー不足がネックとなっていたが、今大会では泥臭く担ぎ技と捨身技を出し続けることでこの弱点をカバー。1回戦と準々決勝をともに「指導3」の反則で勝ち上がると、ガルバドラフとマッチアップした準決勝では先手攻撃を徹底して本戦を凌ぎ切り、最後はGS延長戦で勝ち急いだ相手が前に出てきたところを右一本背負投に捉えて「技有」(GS1:41)獲得、この一撃で勝利を決めた。依然としてトップ選手との間には地力の差があると思われるが、それでもこれだけの陣容を勝ち抜いて優勝したことは見事。22歳と伸び盛りでもあり、今後が非常に楽しみな選手だ。

パレトとガルバドラフは前述のとおり準決勝で敗れたものの、どちらも3位決定戦を制して表彰台は確保。しかし、双方ともに動きが重く、好調時の力強さは感じられなかった。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
ガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)○[技有・内股透]△サビナ・ギリアゾワ(ロシア)
イリーナ・ドルゴワ(ロシア)○反則[指導3](3:43)△シラ・リショニー(イスラエル)
ミリカ・ニコリッチ(セルビア)○GS技有・大外刈(GS0:39)△エヴァ・チェルノビツキ(ハンガリー)
パウラ・パレト(アルゼンチン)○横四方固(2:30)△ヨアナ・ディオゴ(ポルトガル)

【敗者復活戦】
シラ・リショニー(イスラエル)○優勢[技有・大外刈]△サビナ・ギリアゾワ(ロシア)
エヴァ・チェルノビツキ(ハンガリー)○横四方固(3:20)△ヨアナ・ディオゴ(ポルトガル)

【準決勝】
イリーナ・ドルゴワ(ロシア)○GS技有・一本背負投(GS1:41)△ガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)
ミリカ・ニコリッチ(セルビア)○GS反則[指導3](GS3:01)△パウラ・パレト(アルゼンチン)

【3位決定戦】
パウラ・パレト(アルゼンチン)○優勢[技有・袖釣込腰]△シラ・リショニー(イスラエル)
ガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)○優勢[技有・浮落]△エヴァ・チェルノビツキ(ハンガリー)

【決勝】
イリーナ・ドルゴワ(ロシア)○GS反則[指導3](GS2:08)△ミリカ・ニコリッチ(セルビア)

※日本代表選手の出場はなし。

■ 52kg級 圧巻の戦いぶり披露、シャーリン・ファンスニックが階級変更後初優勝飾る
eJudo Photo
52kg級決勝、シャーリン・ファンスニックがエリカ・ミランダから腕挫十字固「一本」。

(エントリー18名)

【入賞者】
1.VAN SNICK, Charline (BEL)
2.MIRANDA, Erika (BRA)
3.COHEN, Gili (ISR)
3.FLORIAN, Alexandra-Larisa (ROU)
5.RAMOS, Joana (POR)
5.DELGADO, Angelica (USA)
7.EDWARDS, Kelly (GBR)
7.TSCHOPP, Evelyne (SUI)

決勝に勝ち上がったのはブダペスト世界選手権3位で今大会第1シードのエリカ・ミランダ(ブラジル)と、リオデジャネイロ五輪後に48kg級から階級を変更したシャーリン・ファンスニック(ベルギー)の2人。この試合はファンスニックが右一本背負投「技有」を奪った末に、巴投で引き込んでからの腕挫十字固「一本」(3:05)で勝利、52kg級では初となるワールドツアータイトルを獲得した。

2回戦でアレキサンドラ=ラリサ・フロリアン(ルーマニア)、準々決勝でギリ・コーヘン(イスラエル)と有力選手を立て続けに破ったファンスニックだが、階級を代表する強豪であり寝技も得意なミランダを腕挫十字固に仕留めてみせた決勝はまさに圧巻。巴投に応じて反対に抑え込みを狙ったミランダを淡々とパターンに嵌めて関節を極める様は寝業師の面目躍如と言ったところであった。今大会では立技でも上位選手からポイントを獲得しており、どうやら52kg級への適応は完全に完了した様子。今後は階級のトップ選手の1人に数えても良いだろう。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
エリカ・ミランダ(ブラジル)○優勢[技有・内股]△ヨアナ・ラモス(ポルトガル)
アンジェリカ・デルガド(アメリカ)○反則[指導3](1:45)△ケリー・エドワーズ(イギリス)
ギリ・コーヘン(イスラエル)○優勢[技有・小内巻込]△エヴェリン・チョップ(スイス)
シャーリン・ファンスニック(ベルギー)○腕挫十字固(1:13)△アレキサンドラ=ラリサ・フロリアン(ルーマニア)

【敗者復活戦】
ヨアナ・ラモス(ポルトガル)○GS技有・外巻込(GS3:11)△ケリー・エドワーズ(イギリス)
アレキサンドラ=ラリサ・フロリアン(ルーマニア)○GS技有・大内刈(GS0:13)△エヴェリン・チョップ(スイス)

【準決勝】
エリカ・ミランダ(ブラジル)○裏投(1:35)△アンジェリカ・デルガド(アメリカ)
シャーリン・ファンスニック(ベルギー)○優勢[技有・大外刈]△ギリ・コーヘン(イスラエル)

【3位決定戦】
ギリ・コーヘン(イスラエル)○GS技有・一本背負投(GS0:57)△ヨアナ・ラモス(ポルトガル)
アレキサンドラ=ラリサ・フロリアン(ルーマニア)○内股(3:24)△アンジェリカ・デルガド(アメリカ)

【決勝】
シャーリン・ファンスニック(ベルギー)○腕挫十字固(3:05)△エリカ・ミランダ(ブラジル)

※日本代表選手の出場はなし。

■ 57kg級 ドルジスレン・スミヤが貫録の優勝、出口クリスタは健闘も苦杯
eJudo Photo
57kg級決勝、ドルジスレン・スミヤがラファエラ・シウバからGS延長戦で内巻込「技有」。

(エントリー19名)

【入賞者】
1.DORJSUREN, Sumiya (MGL)
2.SILVA, Rafaela (BRA)
3.SMYTHE-DAVIS, Nekoda (GBR)
3.KONKINA, Anastasiia (RUS)
5.KLIMKAIT, Jessica (CAN)
5.STOLL, Amelie (GER)
7.BOROWSKA, Anna (POL)
7.MEZHETSKAIA, Daria (RUS)

ブダペスト世界選手権を制したばかりのドルジスレン・スミヤ(モンゴル)とリオデジャネイロ五輪金メダリストのラファエル・シウバ(ブラジル)が順当に決勝へと進出。新旧世界王者による対決はシウバが「指導1」をリードした状態でGS延長戦までもつれ込み、ドルジスレンが強引な左内巻込で「技有」(GS1:13)を獲得して優勝を決めた。

他階級では世界大会の入賞者が次々と敗れるなか、しっかりと優勝を果たしたドルジスレンはさすが。全試合がGS延長戦での「技有」による勝利と決して良い内容ではなかったが、それでも持ち味であるスタミナを生かしてしぶとくトーナメントの頂点まで勝ち上がった。

注目されていた山梨学院大4年の出口クリスタ(カナダ)は初戦となる2回戦でこのドルジスレンと対戦。得意の足技で本戦を優位に進めて「指導1」対「指導2」のリードでGS延長戦へと突入したが、ペースを上げたドルジスレンの厳しい組み手の前に自分の形を作ることができず。最後はドルジスレンの両手で釣り手側の襟を持った右背負投に屈し「技有」失陥(GS1:48)、惜しくも大魚を逸した。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)○GS技有・背負投(GS1:35)△アンナ・ボロフスカ(ポーランド)
アナスタシア・コンキナ(ロシア)○小外掛(0:55)△ネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)
ラファエラ・シウバ(ブラジル)○内股(0:29)△アメリー・ストル(ドイツ)
ジェシカ・クリムカイト(カナダ)○優勢[技有・背負投]△ダリア・メゼツカイア(ロシア)

【敗者復活戦】
ネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)○棄権(3:27)△アンナ・ボロフスカ(ポーランド)
アメリー・ストル(ドイツ)○GS技有・隅落(GS0:44)△ダリア・メゼツカイア(ロシア)

【準決勝】
ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)○GS技有・背負投(GS0:16)△アナスタシア・コンキナ(ロシア)
ラファエラ・シウバ(ブラジル)○優勢[技有・隅落]△ジェシカ・クリムカイト(カナダ)

【3位決定戦】
ネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)○反則[指導3](2:21)△ジェシカ・クリムカイト(カナダ)
アナスタシア・コンキナ(ロシア)○優勢[技有・大内刈]△アメリー・ストル(ドイツ)

【決勝】
ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)○GS技有・内巻込(GS1:13)△ラファエラ・シウバ(ブラジル)

※日本代表選手の出場はなし。

■ 63kg級 エドウィッジ・グウェンが初のグランドスラム優勝を果たす
eJudo Photo
63kg級決勝、エドウィッジ・グウェンがルーシー・レンシャルを右背負投で攻める。

(エントリー17名)

【入賞者】
1.GWEND, Edwige (ITA)
2.RENSHALL, Lucy (GBR)
3.OZDOBA, Agata (POL)
3.UNTERWURZACHER, Kathrin (AUT)
5.BURT, Emily (CAN)
5.SHOR, Rotem (ISR)
7.WATANABE, Kiyomi (PHI)
7.KOSTENKO, Valentina (RUS)

優勝候補であったカトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)が準決勝でエドウィッジ・グウェン(イタリア)を相手に隅落と左大内刈で2つの「技有」を失って敗退。決勝はこのグウェンとルーシー・レンシャル(イギリス)によって争われ、GS延長戦での「指導2」(GS2:12)でグウェンが優勝を決めた。

優勝したグウェンは1回戦のムハヨ・イブラギモワ(ウズベキスタン)戦で「技有」4つを奪うなど持ち前のガツガツとしたパワフルな攻めを披露。相変わらず技の切れはないものの、食らいつくような前進圧力と連続攻撃で見事グランドスラム初優勝を飾った。

優勝したグウェン以外で目立っていたのは3位を獲得したアガタ・オズドバ(ポーランド)。8月のブダペスト世界選手権で3位に入り29歳にして上位選手の仲間入りを果たしたばかりだが、今大会でも3位決定戦を含む2試合で得意の腕挫十字固を決めるなど印象的な活躍をみせた。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
カトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)○小外掛(1:57)△キヨミ・ワタナベ(フィリピン)
エドウィッジ・グウェン(イタリア)○優勢[技有・大内刈]△エミリー・バート(カナダ)
アガタ・オズドバ(ポーランド)○腕挫十字固(3:41)△ロテム・ショール(イスラエル)
ルーシー・レンシャル(イギリス)○GS技有・隅落(GS3:55)△ヴァレンティーナ・コステンコ(ロシア)

【敗者復活戦】
エミリー・バート(カナダ)○小内巻込(2:50)△キヨミ・ワタナベ(フィリピン)
ロテム・ショール(イスラエル)○優勢[技有・釣込腰]△ヴァレンティーナ・コステンコ(ロシア)

【準決勝】
エドウィッジ・グウェン(イタリア)○優勢[技有・小外掛]△カトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)
ルーシー・レンシャル(イギリス)○GS反則[指導3](GS0:02)△アガタ・オズドバ(ポーランド)

【3位決定戦】
アガタ・オズドバ(ポーランド)○腕挫十字固(0:23)△エミリー・バート(カナダ)
カトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)○小外掛(1:32)△ロテム・ショール(イスラエル)

【決勝】
エドウィッジ・グウェン(イタリア)○GS指導2(GS2:12)△ルーシー・レンシャル(イギリス)

※日本代表選手の出場はなし。

■ 70kg級 アンナ・ベルンホルムがワールドツアー初優勝、決勝でキム・ポリングを破る
eJudo Photo
70kg級決勝、アンナ・ベルンホルムがキム・ポリングからGS延長戦で左釣込腰「技有」。

(エントリー17名)

【入賞者】
1.BERNHOLM, Anna (SWE)
2.POLLING, Kim (NED)
3.PORTELA, Maria (BRA)
3.BUTKEREIT, Miriam (GER)
5.VARGAS KOCH, Laura (GER)
5.GERCSAK, Szabina (HUN)
7.MANSOUR, Lola (BEL)
7.PROKOPENKO, Alena (RUS)

アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)とキム・ポリング(オランダ)が決勝に進出。ベルンホルムがGS延長戦で左釣込腰「技有」(GS0:31)を獲得して優勝を決めた。

ベルンホルムはこれがワールドツアー初優勝。優勝候補の一角であったマリア・ポーテラ(ブラジル)が対戦前に敗れるなど運に恵まれた部分もあるが、決勝ではパワー自慢のポリングを相手に奥襟を持って正面から戦いを挑み、最後は相手のお株を奪う強引な腰技で勝利して実力を証明。昨年来少しずつ成績を上げていたが、今大会でついにブレイクを果たしたと理解しておいてよいだろう。体力、立技、寝技と非常にバランスが良く、今後階級上位の強豪として定着するところまでは間違いなさそうだ。

今大会が復帰戦であったリオデジャネイロ五輪銅メダリストのラウラ・ファルガスコッホ(ドイツ)は準決勝でポリングに横四方固「一本」(2:53)で敗れてトーナメント本戦から脱落。マリア・ポーテラ(ブラジル)との3位決定戦も横四方固「一本」(2:39)で落として5位だった。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
ミリアム・ブートケライト(ドイツ)○横四方固(3:24)△マリア・ポーテラ(ブラジル)
アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)○優勢[技有・引込返]△ローラ・マンスール(ベルギー)
キム・ポリング(オランダ)○内股(1:53)△サビナ・ゲルチャク(ハンガリー)
ラウラ・ファルガスコッホ(ドイツ)○小内刈(0:16)△アレナ・プロコペンコ(ロシア)

【敗者復活戦】
マリア・ポーテラ(ブラジル)○反則[指導3](2:21)△ローラ・マンスール(ベルギー)
サビナ・ゲルチャク(ハンガリー)○小内刈(2:45)△アレナ・プロコペンコ(ロシア)

【準決勝】
アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)○GS腕挫十字固(GS1:30)△ミリアム・ブートケライト(ドイツ)
キム・ポリング(オランダ)○横四方固(2:53)△ラウラ・ファルガスコッホ(ドイツ)

【3位決定戦】
マリア・ポーテラ(ブラジル)○横四方固(2:39)△ラウラ・ファルガスコッホ(ドイツ)
ミリアム・ブートケライト(ドイツ)○横四方固(2:34)△サビナ・ゲルチャク(ハンガリー)

【決勝】
アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)○GS技有・釣込腰(GS0:31)△キム・ポリング(オランダ)

※日本代表選手の出場はなし。

■ 78kg級 ナタリー・パウエルが優勝、注目のマイラ・アギアールは3位に沈む
eJudo Photo
78kg級決勝、組み手争いをするナタリー・パウエルとマルヒンデ・フェルケルク。

(エントリー11名)

【入賞者】
1.POWELL, Natalie (GBR)
2.VERKERK, Marhinde (NED)
3.STEENHUIS, Guusje (NED)
3.AGUIAR, Mayra (BRA)
5.ERDELYI-JOO, Abigel (HUN)
5.SHMELEVA, Antonina (RUS)
7.MALZAHN, Luise (GER)
7.MAYERSOHN, Yarden (ISR)

ブダペスト世界選手権王者であるマイラ・アギアール(ブラジル)が準決勝でマルヒンデ・フェルケルク(オランダ)にGS延長戦での「指導3」反則(GS2:06)で敗退。得意の小外刈で相手を畳に這わせるなど大枠優位に立ちながら、釣り手を絞った状態から担ぎ技を連発するフェルケルクを最後まで捕まえ切ることが出来なかった。

決勝に勝ち上がったのはフェルケルクとナタリー・パウエル(イギリス)の2人。両者は8月に行われたブダペスト世界選手権の3位決定戦でも対戦しており、その際はパウエルが左大内刈「一本」で勝利している。因縁の対決となったこの試合は、地力に優るパウエルが奥襟を持って優位に戦いを進め、本戦で「指導3」反則(2:45)を奪って優勝を決めた。パウエルは準決勝でもフッシェ・ステインハウス(オランダ)をがっぷり四つに組んだ状態からの左払釣込腰「技有」で破っており、ここに至って自身の柔道スタイルに不可欠なはずのパワーがようやく伴ってきたという印象。組み負けた状態からの横車も保有しており、単調なパワー柔道が全盛の本階級においては面白い存在になりそうだ。

アギアールは本調子からは程遠いコンディションのように見受けられ、3位決定戦でも勝利こそ得たが内容は格下のアントニーナ・シュメレワ(ロシア)に内股返「技有」による優勢に留まり、最後まで煮え切らない試合ぶりだった。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
マイラ・アギアール(ブラジル)○横四方固(3:33)△ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)
マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)○GS指導2(GS0:52)△アビゲイル=エルデリー・ヨー(ハンガリー)
ナタリー・パウエル(イギリス)○優勢[技有・釣込腰]△ヤーデン・メイヤーソン(イスラエル)
フッシェ・ステインハウス(オランダ)○袈裟固(1:20)△アントニーナ・シュメレワ(ロシア)

【敗者復活戦】
アビゲイル=エルデリー・ヨー(ハンガリー)○袈裟固(GS1:20)△ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)
アントニーナ・シュメレワ(ロシア)○崩袈裟固(3:22)△ヤーデン・メイヤーソン(イスラエル)

【準決勝】
マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)○反則[指導3](GS2:06)△マイラ・アギアール(ブラジル)
ナタリー・パウエル(イギリス)○優勢[技有・払釣込足]△フッシェ・ステインハウス(オランダ)

【3位決定戦】
フッシェ・ステインハウス(オランダ)○優勢[技有・膝車]△アビゲイル=エルデリー・ヨー(ハンガリー)
マイラ・アギアール(ブラジル)○優勢[技有・内股返]△アントニーナ・シュメレワ(ロシア)

【決勝】
ナタリー・パウエル(イギリス)○反則[指導3](2:45)△マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)

※日本代表選手の出場はなし。

■ 78kg超級 テッシー・サフェルコウルスが優勝、イリーナ・キンゼルスカにリベンジを果たす
eJudo Photo
78kg超級決勝、テッシー・サフェルコウルスがイリーナ・キンゼルスカを左袖釣込腰で攻める。

(エントリー8名)

【入賞者】
1.SAVELKOULS, Tessie (NED)
2.KINDZERSKA, Iryna (AZE)
3.SOUZA, Beatriz (BRA)
3.ALTHEMAN, Maria Suelen (BRA)
5.CHIBISOVA, Ksenia (RUS)
5.KUELBS, Jasmin (GER)
7.SHEKEROVA, Mariia (RUS)
※当日のエントリー取り消しが出たため、実際の出場者は7名

参加者が7人という小規模トーナメント。決勝にはアスリート体型で担ぎ技をメインとするテッシー・サフェルコウルス(オランダ)と、巨体からの巻き込み技を主要武器とするイリーナ・キンゼルスカ(アゼルバイジャン)という対称的なタイプの選手が勝ち上がった。

78kg級に続いてブダペスト世界選手権3位決定戦と同一カードとなったこの決勝は、サフェルコウルスが機動力を生かして一方的に攻め続け「指導3」反則(3:51)を獲得して勝利、同大会のリベンジを果たして見事優勝を決めた。攻撃力は高いがスタミナに問題を抱える大型選手が多い本階級において、サフェルコウルスのように「動ける」選手は非常に貴重な存在。技一発で相手を投げつけるだけの馬力はまだないが、攻防一致で仕掛ける一本背負投など上位陣と伍して勝負できるだけの技術を保有しており、以降も一定の存在感を示すことになるだろう。

優勝候補であったマリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)は今大会では裏の面が出てしまい、動き重いまま初戦でクセニア・チビソワ(ロシア)に「指導3」反則(1:11)で敗退。3位決定戦ではヤスミン・クルブス(ドイツ)を左払巻込「技有」優勢で破ったものの、終始覇気なく、良いところのない大会だった。

準々決勝以降の結果は下記。

【準々決勝】
テッシー・サフェルコウルス(オランダ)○反則[指導3](2:56)△マリア・シェケロワ(ロシア)
ヤスミン・クルブス(ドイツ)○横四方固(0:46)△ベアトリス・ソウザ(ブラジル)
クセニア・チビソワ(ロシア)○反則[指導3](1:11)△マリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)

【敗者復活戦】
ベアトリス・ソウザ(ブラジル)○反則[指導3]△マリア・シェケロワ(ロシア)

【準決勝】
テッシー・サフェルコウルス(オランダ)○反則[指導3](3:39)△ヤスミン・クルブス(ドイツ)
イリーナ・キンゼルスカ(アゼルバイジャン)○大内刈(0:25)△クセニア・チビソワ(ロシア)

【3位決定戦】
ベアトリス・ソウザ(ブラジル)○大内刈(1:08)△クセニア・チビソワ(ロシア)
マリア=スエレン・アルセマン(ブラジル)○優勢[技有・払巻込]△ヤスミン・クルブス(ドイツ)

【決勝】
テッシー・サフェルコウルス(オランダ)○反則[指導3](3:51)△イリーナ・キンゼルスカ(アゼルバイジャン)

※日本代表選手の出場はなし。

※写真は権利者の許諾を得て掲載しています

文責:林さとる/eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版11月6日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.