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グランドスラムアブダビ2017・第2日4階級プレビュー

(2017年10月27日)

※ eJudoメルマガ版10月27日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラムアブダビ2017・第2日4階級プレビュー
(男子73kg級、81kg級、女子63kg級、70kg級)
■ 73kg級 強豪多数のハイレベルトーナメント、地元UAEのスクヴォトフと階級アップの五輪王者バジーレに注目
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第1シードのルスタン・オルジョフ。

(エントリー34名)

【プールA】
第1シード:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
第8シード:ムサ・モグシコフ(ロシア)
有力選手:アレックス=ウィリアム・ポンボ=シウバ(ブラジル)

【プールB】
第4シード:トハル・ブトブル(イスラエル)
第5シード:デニス・イアルツェフ(ロシア)

【プールC】
第2シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)
第7シード:アレクサンダー・ターナー(アメリカ)
有力選手:ファビオ・バジーレ(イタリア)

【プールD】
第3シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第6シード:アーサー・マルゲリドン(カナダ)
有力選手:ヴィクター・スクヴォトフ(UAE)、ディルク・ファンティシェル(ベルギー)

階級上位の有力選手が大量エントリー。橋本壮市(パーク24)やアン・チャンリン(韓国)といった超トップ級の姿こそ少ないものの、階級自体のレベルの高さとルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)の参戦によって非常にハイレベル、かつ一本柱の通った見応えのあるトーナメントとなった。

優勝候補はブダペスト世界選手権から好調を維持している第1シードのオルジョフ。この選手はかつて持ちえなかった組み手の厳しさや寝技技術の向上など昨年までと比べて明らかに柔道家としての位相が一段上がっており、9月末のグランプリ・ザグレブ大会では全試合「一本」(「反則」含む)で優勝を果たしている。今大会でも高いレベルで安定した強さを見せてくれるはずだ。

それ以外の選手で優勝に絡む可能性が高いのはガンバータル・オドバヤル(モンゴル)にデニス・イアルツェフ(ロシア)とムサ・モグシコフ(ロシア)のロシア勢2人を加えた3人。ガンバータルは袖口グリップを生かした圧力柔道でブダペスト世界選手権では3位を獲得しており、技自体も内股に体落と高い威力を誇っている。調子次第ではオルジョフを食ってしまう可能性もあるだろう。ロシア勢2人はともに足技が得意技であり、長い手足で遠間から足技を仕掛るイアルツェフと、密着して「際」に小内刈を狙うモグシコフと個性が分かれている。どちらも予選ラウンドでオルジョフと当たる位置に配置されており、この両試合は見逃せない。

また、優勝争いとは別に注目すべきトピックとして挙げられるのが、地元UAEのヴィクター・スクヴォトフ(UAE)と階級を上げて今大会に臨むリオデジャネイロ五輪66kg級金メダリストのファビオ・バジーレ(イタリア)の戦いぶり。スクヴォトフは昨年のグランドスラム・パリ大会で足を故障して以来いまひとつ成績を残せておらず、地元開催の今大会で復活を期す。一方のバジーレについては一体何の狙いがあってこのタイミングで上の階級するのかちょっと想像しがたいところがあるが、通常のモノサシではその強さが図りがたいこの選手が1階級上、かつ強豪多数の本トーナメントで一体どこまで勝ち上がることができるのか、これは非常に楽しみだ。

■ 81kg級 世界選手感の「下克上組」は出場を回避、ワールドツアーの常連選手がトーナメントの軸
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今季前半戦に得意のクロスグリップで旋風を巻き起こしたフランク・デヴィトは第3シードに入った。

(エントリー30名)

【プールA】
第1シード:アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)
第8シード:オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)
有力選手:ドミニク・レッセル(ドイツ)

【プールB】
第4シード:アラン・フベトソフ(ロシア)
第5シード:ニャムスレン・ダグヴァスレン(モンゴル)

【プールC】
第2シード:サイード・モラエイ(イラン)
第7シード:ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)
有力選手:スルジャン・ムルヴァイエヴィッチ(モンテネグロ)

【プールD】
第3シード:フランク・デヴィト(オランダ)
第6シード:エティエンヌ・ブリオン(カナダ)
有力選手:セージ・ムキ(イスラエル)

ブダペスト世界選手権ではともにダークホースのアレクサンダー・ヴィークツェルツァク(ドイツ)とマテオ・マルコンティーニ(イタリア)が決勝を争い、その混戦模様が改めてクローズアップされる形となった本階級。今大会はこれら世界選手権を荒らした伏兵たちが揃って出場を回避し、従来のワールドツアーにおける強豪たちを中心としたトーナメントが組まれることとなった。

現在この階級の主役である(と言っておくべきだろう)「下克上組」を欠いたことで、彼らの真の実力を探るという今シーズン最大のトピックにこの大会で切り込むことは出来ず。しかし、出場選手の顔ぶれ自体はなかなかに豪華だ。絶対的な優勝候補こそいないものの、「ボーアンドアローチョーク」で勝利を重ねて階級のトップ選手に躍り出た第1シードのアッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)、ブダペスト世界選手権3位で力強さと器用さを兼ね備えたパワーファイターのサイード・モラエイ(イラン)、クロスグリップで今季前半戦一世を風靡した(ごく短期間であったが)感のあるフランク・デヴィト(オランダ)、「橋本スペシャル」の使い手であるアラン・フベトソフ(ロシア)など面白い役者が顔を揃えている。

永瀬貴規が負傷により長期離脱中で、他に実力的に抜きん出た選手がいない81kg級の混戦模様は当分のあいだ継続すると思われる。ひとまずは階級の序列など難しいことを考えるのではなく、個性豊かな選手たちによる個々の試合を楽しむことをお勧めしたい。

■ 63kg級 渡邊聖未がカトリン・ウンターヴルツァハーに挑戦
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第1シードはカトリン・ウンターヴルツァハー。

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渡邊聖未は準々決勝でウンターヴルツァハーと激突。

(エントリー17名)

【プールA】
第1シード:カトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)
第8シード:キヨミ・ワタナベ(フィリピン)

【プールB】
第4シード:マグダレナ・クルサコワ(オーストリア)
第5シード:エドウィッジ・グウェン(イタリア)

【プールC】
第2シード:エイミー・リヴェシー(イギリス)
第7シード:アガタ・オズドバ(ポーランド)

【プールD】
第3シード:カタリナ・ヘッカー(オーストラリア)
第6シード:ルーシー・レンシャル(イギリス)

トップ選手の参加はカトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)のみであり、トーナメントのレベルはグランドスラムとしては低め。当然この選手が優勝候補の1番手だ。ほか、ブダペスト世界選手権で3位を獲得したアガタ・オズドバ(ポーランド)が出場しており、29歳にして遅咲きのブレイクを果たしたこの選手がワールドツアーでも強豪として定着できるのかに注目したい。

日本のファンにとっての最大の見どころは早稲田大3年の渡邊聖未(フィリピン)とカトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)が対戦するプールAの準々決勝。ウンターヴルツァハーは容易に勝たせてくれる相手ではないが、ここさえ勝ち抜けばワールドツアー初優勝も十分見えてくるはずだ。

■ 70kg級 ラウラ・ファルガスコッホが復帰、キム・ポリングとの準決勝がトーナメント最大の山場
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ラウラ・ファルガスコッホが五輪以来の畳に立つ。

(エントリー17名)

【プールA】
第1シード:マリア・ポーテラ(ブラジル)
第8シード:ナターシャ・アウスマ(オランダ)

【プールB】
第4シード:アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)
第5シード:グルノザ・マトニヤゾワ(ウズベキスタン)

【プールC】
第2シード:サビナ・ゲルチャク(ハンガリー)
第7シード:バルバラ・ティモ(ブラジル)
有力選手:キム・ポリング(オランダ)

【プールD】
第3シード:アッスマ・ニアン(モロッコ)
第6シード:アレナ・プロコペンコ(ロシア)
有力選手:ラウラ・ファルガスコッホ(ドイツ)

シード選手の顔ぶれだけを見れば63kg級と同様にやや寂しい印象を受けるが、シード外にキム・ポリング(オランダ)とラウラ・ファルガスコッホ(ドイツ)と強豪2人が配置されており、両者の参戦を以てなんとか「グランドスラム」級の陣容をクリアした感あり。もちろんトーナメントの柱となるのはこの2人だ。

ポリングはリオデジャネイロ五輪からの復帰戦となったブダペスト世界選手権では3回戦でジュリ・アルベール(コロンビア)に敗れて存在感を示せないまま畳を去っており、そろそろ勝利が欲しいはず。意地でも優勝を狙いにくるはずだ。

一方のファルガスコッホは今大会がリオデジャネイロ五輪からの復帰戦。1年のブランクを経てどのような試合を見せるのか、まずは初戦のアッスマ・ニアン(モロッコ)戦に注目したい

前述の2人と比べると実績で劣るものの、第1シードのマリア・ポーテラ(ブラジル)も優勝候補に挙げておきたい。この選手は重心の低さを生かしたパワフルな柔道が売りであり、ブダペスト世界選手権では団体戦で新井千鶴(三井住友海上)にGS延長戦での「指導2」で勝利している。個人戦でも新井と8分40秒もの激戦を演じており、実力は本物だ。同大会で見せた出世の兆しを、具体的な成果に繋げることが出来るか。すでに3度の世界選手権と地元開催の五輪を経験しているベテランであるが、実は今シーズンは29歳にしてついに訪れた勝負どころかもしれない。

文責:林さとる/eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版10月27日掲載記事より転載・編集しています。

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