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平成29年度全日本学生柔道体重別選手権大会・第1日男子4階級レポート

(2017年10月7日)

※ eJudoメルマガ版10月7日掲載記事より転載・編集しています。
平成29年度全日本学生柔道体重別選手権大会・第1日男子4階級レポート
(60kg級、66kg級、73kg級、81kg級)
■ 60kg級 宮之原誠也が初優勝、最終学年で待望の戴冠なる
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60㎏級準決勝、宮之原誠也が小西誠志郎から肩車「技有」。

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準決勝、大島拓海が野村尚希に右小内刈。

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追い込むと、巴投への切り返しを狙った野村を制して乗り込み「一本」。

【決勝まで】

大本命なき混戦トーナメント。全日本ジュニアを制したばかりの杉本大虎(日本体育大2年)は初戦で北村翔(鹿屋体育大4年)にGS延長戦の払腰返「一本」(GS1:31)で敗れ、昨年度3位の五味佳将(日本体育大4年)も初戦(2回戦)で梅北亘(山梨学院大)に小外掛「技有」で敗退。各ブロックでカデやジュニア、あるいは若年向けカテゴリである55kg級で実績を残して来た有力選手の敗退続く、非常に厳しい戦いとなった。

激戦を勝ち上がって決勝に進んだのは宮之原誠也(国士舘大4年)と大島拓海(筑波大3年)の2名。

昨年度大会3位、東京ブロック大会王者の宮之原は2回戦で鈴木武蔵(山梨学院大)に「指導3」の反則(3:36)、続いて古屋翔(帝京科学大)に背負投「技有」で勝利してベスト8入り。準々決勝では石川勇太(日本体育大3年)を背負投「一本」(2:02)で下し、準決勝は同門の後輩小西誠志郎(国士舘大1年)をGS延長戦の末に肩車「技有」で退けて初の学生体重別大会決勝進出決定。キャリア初めての全国制覇を狙って決勝の畳に臨む。

一方の大島はもと世界カデ選手権王者(2013年)、今年の関東ブロック大会の覇者。この日はまず2回戦で東翔陽(皇学館大)に総時間試合9分を超える消耗戦の末に隅落「技有」で勝利(GS5:35)という苦しい立ち上がり。以降も3回戦で長谷川一八(国士舘大2年)に背負投「技有」優勢、準々決勝は前戦で米村克麻(日本体育大4年)を下した森田将矢(鹿屋体育大4年)にGS延長戦の末の「指導3」(GS2:16)と苦しい戦いが続いたが準決勝で本領発揮。野村尚希(東海大4年)を相手に終盤右小内刈を押し込むと、たたらを踏んだ相手を乗り越える勢いで吶喊。ケンケンで追い込む形になったプロセスの残像に「技有」を宣告しかけた審判が決めの勢いを見て横に振り上げた腕を軌道修正、高々挙げて「一本」をコール。この素晴らしい一撃で決勝進出を決めることとなった。

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決勝、宮之原が右襟を両手で握った左背負投で主導権を掴みに掛かる。

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大島の右小外刈をきっかけに寝技を展開、宮之原が縦四方固で一本勝ち。

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【決勝】
宮之原誠也(国士舘大4年)○縦四方固(3:57)△大島拓海(筑波大3年)

決勝は宮之原が左、大島が右組みのケンカ四つ。大島は釣り手を振り立てる動作を続けながら出足払を撃ち込み、宮之原がこれに動じず前に出る形で引き手争いが続く。宮之原は大島の上下それぞれに独立した神経系を持つような早い足技の牽制に動じず、右襟を両手で掴んだ左背負投を撃ち込んで対抗。中途から大島は両襟を先に掴むことでこの技に蓋をしようと試みるが、2分3秒、大島の側にやや不可解な片手の「指導」。

宮之原はここまでの攻防でこの技が効くことを見極め、2分48秒には3度目の「右襟左背負投」でついに大島を大きく崩すことに成功、どうやら主導権を確保する。以降も大島の足技を縫って前進すると、大島の右小外刈をきっかけに訪れた寝技のチャンスに鋭く反応、立ち上がろうとした大島を後ろに引き倒し、脇を差し、被り、絡まれた左脚を引き抜いてと手順を進め、ついに相手の左体側に体を下ろして縦四方固。大島動けず、残り3秒で「一本」が宣告される。宮之原が最終学年で待望の学生体重別初優勝を成し遂げることとなった。

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60kg級優勝の宮之原誠也。

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60kg級入賞者。左から宮之原誠也、大島拓海、小西誠志郎、野村尚希。

【入賞者】
優 勝:宮之原誠也(国士舘大4年)
準優勝:大島拓海(筑波大3年)
第三位:小西誠志郎(国士舘大1年)、野村尚希(東海大4年)

宮之原誠也選手のコメント
「最高の気持ちです。国士舘では寝技を、最後の決めまでしっかり練習します。ここで逃がしたら後で先生に叱られるので、必死でやり切りました。今日は泥臭く最後まで戦い抜くと決めて試合に臨みましたが、これが優勝につながったと思います。次の目標は、去年先輩方が優勝した尼崎の体重別団体で連覇すること。講道館杯でも上位に行けるように頑張ります」

【準々決勝】
宮之原誠也(国士舘大4年)〇背負投(2:52)△石川勇太(日本体育大)
小西誠志郎(国士舘大1年)○背負投(3:39)△北村翔(鹿屋体育大4年)
野村尚希(東海大4年)〇払腰(0;32)△鈴木貴也(帝京科学大2年)
大島拓海(筑波大3年)〇GS反則[指導3](GS2:16)△森田将矢(鹿屋体育大2年)

【準決勝】
宮之原誠也〇GS技有・肩車(GS1:04)△小西誠志郎
大島拓海〇小内刈(3:08)△野村尚希

【決勝】
宮之原誠也○縦四方固(3:57)△大島拓海

■ 66kg級 磯田範仁が学生カテゴリ初優勝、得意の小外刈この日も冴える
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66kg級準々決勝、末木貴将が日野賢明から背負投「技有」。

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準決勝、木戸清孝が田川兼三を巴投で攻める。

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準々決勝、磯田範仁が奥田将基を得意の小外刈で崩す。

(エントリー55名)

優勝候補と目された田川兼三(筑波大3年)、木戸清孝(天理大4年)、末木貴将(筑波大4年)、磯田範仁(国士舘大4年)の4人が難敵の挑戦を跳ねのけて順当にベスト4入り。その中から木戸と磯田が決勝に勝ち進んだ。

木戸は関西ブロック大会を制しているが、シードはなく1回戦からのスタート。初戦で山田日南人(東北福祉大1年)に内股「一本」(0:58)、2回戦は東京ブロック大会王者の久家寛己(國學院大4年)にGS延長戦の末の「指導3」(GS1:30)で勝ち抜くと、3回戦の坂内哲平(筑波大3年)戦は相手のダイレクト反則負け(2:00)という意外な形で突破。準々決勝は同門の牧野壮一郎(天理大3年)をGS延長戦「指導2」で下し、迎えた勝負どころの準決勝は昨年度の覇者田川兼三から一方的に3つの「指導」を奪って勝ち抜け(GS2:28)。みごとキャリア初の全日本学生体重別決勝の舞台に勝ち残ることとなった。

一方の磯田は昨年度の講道館杯王者、今年2月のグランプリ・デュッセルドルフで2位に入賞し8月のユニバーシアードでは日本代表も務めた優勝候補の筆頭。この日も得意の左小外刈が冴え、2回戦で野村琢磨(天理大3年)を小外刈「一本」(2:20)に仕留めると、3回戦は水野隆介(明治大3年)を小外刈「技有」からの肩固「一本」(3:10)、準々決勝は奥田将基(日本大2年)をGS延長戦の末の小外刈「技有」(GS0:18)と立て続けにこの技を決めてベスト4入り。準決勝では同学年のインターハイ王者で昨年度大会3位の末木貴将と激戦、GS延長戦で右の担ぎ技から相手を抜け落とし、すかさず寝技に繋いで「襟袈裟固」の形から横四方固に繋いで「一本」(GS2:34)。初の学生タイトル獲得に向け、決勝の木戸戦に臨む。

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決勝、磯田は木戸の警戒を掻い潜り、丁寧な組み手から左小外刈を放つ。

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GS延長戦開始早々、畳に伏せた磯田を木戸が持ち上げ左大腰、一時は「技有」が宣される。

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ペースを掴みかけた木戸が腕返しで攻める。

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磯田の小外刈ついに炸裂、「技有」で勝負あり。

【決勝】
磯田範仁(国士舘大4年)○GS技有・小外刈(GS1:41)△木戸清孝(天理大4年)

決勝は木戸が右、磯田が左組みのケンカ四つ。磯田は一呼吸で両手を伸ばして組み手を作るやや意表を突いた出だし、木戸は付き合いすぎると危険とばかりに判断早く巴投で展開を切る。ここまでの試合時間は14秒、激戦の予感が漂う。

磯田は両襟、さらに引き手を袖に持ち替えてと丁寧に組み手を進めながら左内股に引込返と攻め、一方の木戸は組み手の直し合いに付き合わされる形でなかなか攻撃の間合いを作れない。この展開に業を煮やしたベンチからは1分22秒の「待て」の際に「抱け」とのスクランブル指示が出るが、磯田は両襟から得意の左小外刈をこの試合初めて見せてあくまで距離を詰めさせず、この技を起点に引き手をしっかり確保。これを嫌って切り離した木戸に1分44秒「指導1」。

以後も引き手争いを前線としたせめぎ合いが続くが、2分36秒に組み手をしっかり作った磯田が左小外刈を入れて木戸は膝立ちに崩される。木戸は巴投に小内刈で対抗し、3分39秒には思い切った左への担ぎ技で反撃。この技で磯田を伏せさせてようやくきっかけを掴んだかに思われたが、直後磯田が組み際にまたもや左小外刈を入れて木戸は腹這い。磯田がじわりと主導権を握った拮抗状態のまま、試合はGS延長戦へ。

延長開始早々、寝勝負と割り切って伏せた磯田を木戸が帯を掴んで持ち上げ、引きずるように左大腰で投げつける大インシデント。主審一瞬間を置いてこれに「技有」を宣告し勝負あったかに思われたが、合議の結果これは寝姿勢からの技ということでポイントは取り消し。試合は継続となる。

直後磯田が組み手を絡ませながらみたび左小外刈の一撃を見舞うが、心得た木戸は一旦しゃがみこんで耐え、立ち上がって試合を継続。木戸は小外刈の防御に目算が経ったか、ここから巴投に腕返しと捨身技を立て続けに放ってついにペースを掴み掛ける。

しかしここに落とし穴。GS1分41秒、釣り手の手先を合わせながら磯田が一瞬スピードアップ、絡みつくような左小外刈の一撃を木戸の右足に見舞う。手ごたえを得ると崩れた木戸の上体を決めて前進、見事に決め切り「技有」。

これで勝負あり。誰もが警戒に警戒を重ねる左小外刈を実に4試合で決めて見せた磯田が学生体重別初制覇を成し遂げた。既にシニアの全日本大会(講道館杯)を制している磯田だが、これで小学(2006年、2007年全国小学生学年別大会)、中学(2010年全国中学校大会)、高校(2012年インターハイ73kg級)、そして大学と学生4カテゴリを制覇。いかにも堅実な磯田らしい珍しい記録をマークすることとなった。

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66kg級優勝の磯田範仁。

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66kg級入賞者。左から磯田範仁、木戸清孝、田川兼三、末木貴将

【入賞者】
優 勝:磯田範仁(国士舘大4年)
準優勝:木戸清孝(天理大4年)
第三位:田川兼三(筑波大3年)、末木貴将(筑波大4年)

磯田範仁選手のコメント
「この大会には過去2回出ていて、これが3度目の挑戦。何が何でも結果を出そうと思っていました。一度「技有」が入った(決勝、大腰で持ち上げられた場面は)のは自分の不注意で、技を軽く受けてしまいました。その後得意技で投げることが出来たので良かったです。初めての学生タイトルは最高の気持ち。持ち味を最後まで出せました。次は、まず10月末の尼崎の体重別団体で連覇、そして講道館杯も連覇を目指します」

【準々決勝】

田川兼三(筑波大3年)〇優勢[技有・内股]△富塚康平(順天堂大3年)
木戸清孝(天理大4年)〇GS指導2(GS0:44)△牧野壮一郎(天理大3年)
末木貴将(筑波大4年)〇優勢[技有・背負投]△日野賢明(日本大3年)
磯田範仁(国士舘大4年)〇優勢[技有・小外刈]△奥田将基(日本大2年)

【準決勝】
木戸清孝〇GS反則[指導3](GS2:28)△田川兼三
磯田範仁〇横四方固(GS2:34)△末木貴将

【決勝】
磯田範仁○GS技有・小外刈(GS1:41)△木戸清孝

■ 73kg級 同門対決の勝者は野上廉太郎、全日本ジュニア決勝のリベンジなる
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3回戦、込山龍哉が左袖釣込腰から俵返と髙藤直寿ばりの一撃を放つが、古賀颯人は内股に切り返して「技有」。

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3回戦、五十嵐純平が竹中英士から裏投「一本」。

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準々決勝、野上廉太郎が古賀颯人から「韓国背負い」で一本勝ち。

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3回戦、石郷岡秀征が吉田優平から払巻込「技有」。

(エントリー53名)

この階級も人材多士済々。東京ブロック大会の覇者・込山龍哉(東海大)が3回戦で古賀颯人(日本体育大2年)にGS延長戦の内股「技有」で敗退、同2位の大吉賢(日本体育大1年)は初戦で山崎寿希也(金沢学院大3年)に大腰「一本」(3:00)で敗れ、3位の竹中英士(東海大4年)は3回戦で五十嵐純平(筑波大4年)にGS裏投「一本」(GS0:40)で苦杯、同じく3位の吉田優平(東海大3年)も3回戦で敗退と最激戦区東京の表彰台に上った4名全員が早々に姿を消すという大激戦。

その中を決勝まで勝ち上がったのは全日本ジュニアで決勝を争ったばかりの野上廉太郎(筑波大1年)と石郷岡秀征(筑波大1年)、同門同期のライバル2人。

野上は1回戦で本田航(愛知大3年)から大外刈「一本」(0:19)で勝利するも2回戦は山村佳輝(立教大4年)に大苦戦、危ない場面相次ぐ試合をGS延長戦の末に「指導2」(GS2:48)を得てなんとか勝ち抜け。以後に不安漂う戦いぶりであったが、ここからは本領発揮。3回戦は倉石陽成(国士舘大3年)を大外刈「一本」(1:23)、準々決勝は古賀颯人をGS延長戦の末に「韓国背負い」で「一本」(GS0:24)、そして準決勝では昨年度2位の島田隆志郎(國學院大2年)を、拮抗から突如抜け出す内股「一本」(3:25)で放り投げて完勝。乗りに乗って、盟友石郷岡の待つ決勝へとたどり着いた。

全日本ジュニアの覇者石郷岡は、こちらも素晴らしい勝ち上がり。1回戦の宮内寿和(岡山商科大4年)戦は総試合時間6分に迫る消耗戦を「指導3」(GS3:45)で勝ち抜くという不安な立ち上がりであったが、以後は西江一貴(福岡教育大4年)を袖釣込腰「技有」、さらに難敵吉田優平を払巻込「技有」とペースを取り戻し、準々決勝では初戦で大吉賢を下した山崎寿希也を背負投「一本」(2:46)、そして準決勝は関東ブロックの覇者である先輩五十嵐純平(筑波大4年)を抱きつきの小外刈「一本」(3:32)で下し調子は尻上がり。こちらも勢いに乗って、全日本ジュニアに続く今季2つ目のタイトル獲得を目指す。

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野上と石郷岡による決勝は拮抗、なかなか差が生まれない。

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本戦終了直前、野上が左背負投に潜り込んで「技有」

【決勝】
野上廉太郎(筑波大1年)○優勢[技有・背負投]△石郷岡秀征(筑波大1年)

決勝は野上が左、石郷岡が右組みのケンカ四つ。野上が上、石郷岡が下から釣り手を持っての引き手争いとなる。石郷岡が肘を内側にこじ入れることで主導権を握ろうと試み、野上がこれを防ぐという駆け引きが続くが、この「肘の入れ合い」はしつこさと丁寧さに勝る石郷岡がやや優勢。結果右背負投、右体落と石郷岡が徐々に技を積み始め、野上はいったんこのステージから降りて釣り手で背中を抱えての左内股で対抗し始める。双方の技がいったん止まった2分29秒、両者に消極的との咎で「指導」。

その後も野上が背中を抱えて斜めから大胆に接近、石郷岡が丁寧に前襟を掴んで引き手を争うという攻防が続く。しかし3分17秒に石郷岡が両脚の巴投を放って以降、両者は20秒近くにわたって取り組まずに離れて相手の出方をうかがい、手先を合わせてはまた離れるというにらみ合いを続ける。

互いの柔道を知悉するがゆえの膠着。どうやら延長戦突入不可避との判断を下しているであろう試合態度から長時間試合の予感が漂うが、ここで試合は意外な決着。片手の大内刈をきっかけに組み手を得た野上が残り9秒で低い左背負投。技種、組み手の形、そしてタイミングとここまでの試合ぶりと打って変わったこの技でぬるりと石郷岡の足元に滑り込むと、柔らかい初動と打って変わった力強い決めで相手もろとも一回転。みごと決まったこの技は「技有」。

試合時間はほとんど残っておらず、そのまま試合は終了。同門対決は野上に軍配が上がることとなった。

野上は昨夏のインターハイ制覇、今年9月の全日本ジュニア準優勝、そしてこの学生体重別制覇とまさしく充実の一年。「ロナウドを意識した」という特徴的な髪形に試合中頻繁に髪を触る神経症的な落ち着きのなさ、奔放さ匂う言動になにより先が読みがたい試合ぶりと一挙手一投足から良い意味で相手に空気を読ませぬ天才タイプの匂いが漂う。同門同期でこちらも勢い十分の石郷岡も併せて、筑波大1年生コンビがどれほど戦えるかは、2017年講道館杯の大きなみどころになるだろう。

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優勝の野上廉太郎。

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73kg級入賞者。左から野上廉太郎、石郷岡秀征、島田隆志郎、五十嵐純平。

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3回戦、石郷岡が西江一貴から袖釣込腰「技有」。

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1回戦、野上が本田航から大外刈「一本」。

【入賞者】

優 勝:野上廉太郎(筑波大1年)
準優勝:石郷岡秀征(筑波大1年)
第三位:島田隆志郎(國學院大2年)、五十嵐純平(筑波大4年)

野上廉太郎選手のコメント
「(決勝で戦った石郷岡は)小学5年、6年生のころも県の決勝で戦って、負け続けて自分は全国大会に出られなかった。今年もジュニアの県予選から本戦の決勝までずっと戦ってきて、稽古もいつもやっていて、特に対策とかは出来ないです。どっちが調子が良いかで決まる感じです。(背負投は)たまたま思いついた技。今日はこっちの技が先に決まりました。まだ大学1年生なので、講道館杯は思い切った戦いをしたいです」

【準々決勝】

島田隆志郎(國學院大2年)〇内股返(GS0:30)△坂東篤(日本大3年)
野上廉太郎(筑波大1年)〇大外刈(1:23)△古賀颯人(日本体育大2年)
五十嵐純平(筑波大4年)〇GS裏投(GS2:56)△伊藤悦輝(早稲田大3年)
石郷岡秀征(筑波大1年)〇背負投(2:46)△山崎寿希也(金沢学院大3年)

【準決勝】

野上廉太郎(筑波大1年)○内股(3:27)△島田隆志郎(國學院大2年)
石郷岡秀征(筑波大1年)〇小外刈(3:32)△五十嵐純平(筑波大4年)

【決勝】

野上廉太郎○優勢[技有・背負投]△石郷岡秀征

■ 81kg級 階級変更の山本悠司が優勝、最終学年で学生カテゴリ初制覇なる
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準決勝、山本悠司が背負投で釘丸将太を攻める

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1回戦、藤岡将吾が笠原大雅との熱戦を左背負投「技有」で勝ち抜く。

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準決勝、藤岡が山下恭平から一本背負投「技有」

(エントリー56名)
【決勝まで】

決勝に進んだのは山本悠司(天理大4年)と藤岡将吾(東海大3年)の2人。

高校カテゴリとジュニアカテゴリの73kg級で日本一を経験している山本は天理大の主将、このシーズンから階級を上げての参戦。関西ブロック大会を制して臨んだこの日は1回戦で山田和輝(帝京科学大3年)から「指導3」(3:21)の反則、2回戦は岩切廉(富士大3年)を背負投「一本」(1:17)、そして最初の山場と目された3回戦では全日本ジュニアを制したばかりの友清光(国士舘大1年)を背負投「技有」による優勢で下す。準々決勝は同門の後輩村上陣亮(天理大3年)を背負投「一本」(1:11)で破り、準決勝では前戦で佐々木健志(筑波大3年)を背負投「一本」に屠っている釘丸将太(国士舘大3年)を試合時間7分を超える大消耗戦の末に「指導3」の反則(GS3:03)で退けて決勝進出決定。

一方の藤岡は1回戦で強敵笠原大雅(天理大1年)との大熱戦をGS延長戦の末に片襟の左背負投「技有」(GS1:28)で制して大会をスタート。2回戦は山田海飛(九州工業大1年)を背負投「技有」(GS0:34)、3回戦は川端悠生(国士舘大3年)を「指導3」の反則(GS5:46)と3試合連続で延長戦を制してベスト8入りを果たすと、準々決勝は立野宏輔(帝京科学大2年)を背負投「一本」(1:51)、準決勝は山下恭平(日本大4年)を一本背負投「技有」による優勢で下して決勝へと駒を進めることとなった。

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藤岡と山本による決勝戦。

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延長戦、藤岡が釣り手で袖を殺すと山本構わず絞らせたまま攻め、試合が動き始める

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藤岡が左体落。

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山本が体を入れかえて切り返し「技有」

【決勝】
山本悠司(天理大4年)○GS技有・浮腰(GS2:09)△藤岡将吾(東海大3年)

決勝は山本が右、藤岡が左組みのケンカ四つ。双方危機察知能力が高く、かつ組み手の技術にも長けるため試合は膠着。山本は左大内刈に体落、藤岡は右への担ぎと、右襟を握った左背負投で攻め合うが、良い形に繋がる組み手の入り口は互いに敏感にこれを察知、都度これを潰し、あるいは自身の技で先に展開を切ってしまうことを続けて決定的な場面はなかなか訪れず。一貫して組み合うことを求めるのは山本という印象だが、藤岡が巧みにいなしては都度一回攻めて展開を押し戻すため、「指導」差すらも生まれないという我慢の展開。

残り1分を切って山本がペースを上げに掛かるが、組み際に狙った大外刈は藤岡が察知して起こりの段階で潰し、残り25秒で放った大内刈も空振り。以降は藤岡が組んでは離れる巧みな試合運びで時間を消費し、双方ポイントなしのまま本戦4分が終了。勝敗の行方はGS延長戦へ。

延長が始まると藤岡が組み手の手立てを変え、釣り手で山本の袖をまず抑えるところから攻防をスタートさせることを続ける。しかし山本はこれで攻撃の肚を決めたか右大内刈に袖を絞らせたままの右袖釣込腰と良い技を2連発、かえって試合は動き始めたという印象。藤岡左背負投を見せるが後手を踏み始め、一方の山本は両襟の右体落に袖釣込腰、小外刈とじわりと有効打が増え始める。GS2分に差し掛かるところで山本の攻勢に抗うべく藤岡が釣り手で背中を抱えて押し返し、左体落を仕掛けて前に潰れんと上体を倒す。しかし機と見た山本素早く反応、体を入れ替えて相手の内側に入り込むと反時計周りに振り回す。脚は掛からなかったが左体落を右体落に切り返した形、山本が胸を合わせるように浴びせるとこの技決まって浮腰「技有」。

試合時間6分10秒、階級を変更したばかりの山本が最終学年で初の全日本学生体重別制覇を成し遂げることとなった。

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81kg級優勝の山本悠司

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81kg級入賞者。左から山本悠司、藤岡将吾、釘丸将太、山下恭平。

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準々決勝、山下恭平が尾方寿應から左大腰「技有」

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準々決勝、釘丸将太が佐々木健志から背負投「一本」

【入賞者】

優 勝:山本悠司(天理大4年)
準優勝:藤岡将吾(東海大3年)
第三位:釘丸将太(国士舘大3年)、山下恭平(日本大4年)

山本悠司選手のコメント
「相手は組み手が強いし、得意技の大内刈が警戒されていて苦しい試合でした。最後に勝てて良かったです。階級を変更してから意識したことは、今まで以上に地力をつけること。大きい選手と組み合って稽古することで技の威力、組み力、全体的なパワーを強化しようとしてきました。高校で得意だった『立ち背負い』がなかなか掛からなくなって苦労しましたが、その形だけではダメだといろいろやって来て、今日は準決勝までは背負投が決まっていた。やって来たことが間違っていなかったと感じられた1日でもありました。素晴らしい指導をしてくださった監督、コーチ、応援してくれたチームメイトのためにも必ず日本一になろうと思っていました。次の目標は尼崎の体重別団体で優勝すること。天理を日本一にするために、頑張ります」

【準々決勝】

釘丸将太(国士舘大3年)〇背負投(2:30)△佐々木健志(筑波大3年)
山本悠司(天理大4年)〇背負投(1:11)△村上陣亮(天理大3年)
藤岡将吾(東海大3年)〇背負投(1:51)△立野宏輔(帝京科学大2年)
山下恭平(日本大4年)〇GS技有・大腰(GS2:20)△尾方寿應(東海大4年)

【準決勝】

山本悠司(天理大4年)〇GS反則[指導3](GS3:03)△釘丸将太(国士舘大3年)
藤岡将吾(東海大3年)〇優勢[技有・一本背負投]△山下恭平(日本大4年)

【決勝】

山本悠司○GS技有・浮腰(GS2:09)△藤岡将吾

取材・文:古田英毅

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