PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

[速報]濵田尚里が全試合一本勝ちで圧勝V、男子最重量級はリネールが制す・グランプリザグレブ大会2017最終日5階級

(2017年10月4日)

※ eJudoメルマガ版10月4日掲載記事より転載・編集しています。
[速報] 濵田尚里が全試合一本勝ちで圧勝V、男子最重量級はテディ・リネールが制す
グランプリ・ザグレブ大会2017最終日5階級(男子90kg級、100kg級、100kg超級、女子78kg級、78kg超級)
■ 90kg級 クリスティアン・トートが優勝、小林悠輔はトートに敗れるも3位を確保
eJudo Photo
90kg級3位決定戦、小林悠輔がツラル・サフグリエフから左大外刈「技有」。

(エントリー30名)

【入賞者】
1.TOTH, Krisztian (HUN)
2.MACEDO, Rafael (BRA)
3.MUNGAI, Nicholas (ITA)
3.KOBAYASHI, Yusuke (JPN)
5.MAGOMEDOV, Magomed (RUS)
5.SAFGULIYEV, Tural (AZE)
7.KUKOLJ, Aleksandar (SRB)
7.DEDEIC, Rijad (BIH)

今年のヨーロッパ選手権王者であるアレクサンダー・クコル(セルビア)に2014年チェリャビンスク世界選手権2位のクリスティアン・トート(ハンガリー)、ママダリ・メディエフ(アゼルバイジャン)とツラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)のアゼルバイジャン勢2人やマゴメド・マゴメドフ(ロシア)などの強豪が参戦。世界選手権直後という開催時期からするとなかなかにレベルの高いトーナメントとなった。

決勝まで勝ち上がったのはノーシードからスタートした2014年世界ジュニア選手権王者ラファエル・マセド(ブラジル)と第2シードのトート。マセドは1、2回戦をいずれも「一本」で勝ち抜くと、準々決勝ではクコルとの「技有」4つ対「技有」3つという壮絶な投げ合いを制してベスト4入り。サフグリエフとの対戦となった準決勝では相手に隅返「技有」をリードされながらも右内股「一本」(2:31)で逆転勝ちを果たして決勝へと辿り着いた。 

一方のトートは2回戦から登場するとボスコ・ボレノヴィッチ(セルビア)に右背負投「一本」(3:56)で勝利。小林悠輔(旭化成)との準々決勝では「指導2」の同点で迎えたGS延長戦を右小外掛「一本」(GS2:32)で勝ち抜き、続く準決勝でもニコラス・ムンガイ(イタリア)をGS延長戦の左小外刈「技有」(GS0:47)で撃破。しっかりと決勝進出を果たした。

決勝はトートが組み際の担ぎ技による先制攻撃でペースを掴み、最後はマセドが奥襟を叩いたタイミングに左方向への「やぐら投げ」を合わせて一本勝ち(2:31)。トートは昨年6月のグランプリ・ブダペスト大会以来となるワールドツアー制覇となった。強敵との対戦は小林戦のみであったが、4戦して3つの「一本」という見事な内容で健在ぶりをアピール。一方のマセドは世界ジュニア制覇以来なかなか結果が出せずにいたが、4月のパンナム選手権3位に続いて今大会でも2位を獲得。ブレイクの兆しを見せ始めており、今後も注視が必要かと思われる。

日本代表の小林は前述のとおり準々決勝でトートに敗退。それでも敗者復活戦でリヤド・デデイッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)に大外刈「一本」(3:47)、3位決定戦でツラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)に袈裟固「一本」(3:50)としっかり以降の試合を勝ち抜いて表彰台を確保した。水準以下の選手にはすべて一本勝ちも、唯一評価の基準になり得るトートに敗北で、評価は現状維持というところかと思われる。今季世界選手権に代表を送れず、人材払底の90kg級にあってトートに勝利となれば来季に向けて大きなアドバンテージを得られるところであったが、惜しくもそのチャンスは逃した格好だ。

【日本代表選手勝ち上がり】

小林悠輔(旭化成)
成績:3位


[1回戦]
小林悠輔○崩上四方固(0:43)△ヤッコ・アッリ(フィンランド)

[2回戦]
小林悠輔○大外刈(0:41)△セバスティアン・テメシ(オーストラリア)

[準々決勝]
小林悠輔△GS技有・小外掛(GS2:32)○クリスティアン・トート(ハンガリー)

[敗者復活戦]
小林悠輔○大外刈(3:47)△リヤド・デデイッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

[3位決定戦]
小林悠輔○袈裟固(3:50)△ツラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)

■ 100kg級 豪華トーナメントの勝者はミクロス・サーイエニッチ、階級変更の西山大希はヴァーラム・リパルテリアニに苦杯を喫す
eJudo Photo
100kg級決勝、ミクロス・サーイエニッチがホルヘ・フォンセカの裏投に右小内刈を合わせて「一本」

(エントリー26名)

【入賞者】
1.CIRJENICS, Miklos (HUN)
2.FONSECA, Jorge (POR)
3.LOPORCHIO, Giuliano (ITA)
3.LIPARTELIANI, Varlam (GEO)
5.FREY, Karl-Richard (GER)
5.MAMMADOV, Elkhan (AZE)
7.PACEK, Martin (SWE)
7.BORODAVKO, Jevgenijs (LAT)

ブダペスト世界選手権2位のヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)と同大会3位のエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)が継続参戦。さらに今年のヨーロッパチャンピオンであるエルハン・ママドフ(アゼルバイジャン)、2015年アスタナ世界選手権2位のカール=リヒャード・フレイ(ドイツ)、ミロス・サーイエニッチ(ハンガリー)、ホルヘ・フォンセカ(ポルトガル)、マーティン・パチェック(スウェーデン)と階級の上位選手が一同に顔を揃えた。もともと人材の多い階級ではあるが、それでもこの時期ここまでの選手が揃うのは少々異様。純世界選手権とでも呼ぶべき分厚い陣容だ。

この豪華トーナメントを最後まで勝ち上がったのはサーイエニッチとフォンセカの2人。サーイエニッチは第4シード配置から大会をスタートすると2回戦でジョセフ・テヘック(フランス)を右払巻込「一本」(1:07)で下して初戦を突破。巴投師マーティン・パチェック(スウェーデン)とマッチアップした準々決勝では試合終了間際に右一本背負投「技有」を得て勝ち上がり、準決勝では今年絶好調の2013年世界チャンピオン・ママドフを右払巻込からの右小内巻込「一本」で破って決勝へと駒を進める。

一方のフォンセカは初戦でレオナルド・ゴンサルヴェス(ブラジル)を「技有」4つを奪った末の横四方固「一本」(3:35)に仕留めると、続く準々決勝ではリパルテリアニと対戦。勝負どころとなったこの試合を「技有」同点で迎えたGS延長戦での右背負投「技有」(GS1:06)により勝ち抜き、準決勝ではダークホースのジュリアーノ・ロポルチオ(イタリア)を相手に僅か1分41秒の間に「技有」3つと縦四方固「一本」(2:45)を奪って完勝。持ち味である投技の威力を存分に発揮しての決勝進出となった。

決勝は試合開始直後の17秒にフォンセカが右背負投「技有」を先行したものの、そこからサーイエニッチが地力の高さをテコに「指導2」まで追い上げ、最後は相手の裏投に右小内刈を合わせて「一本」(2:45)を獲得。5月のグランドスラム・エカテリンブルグ大会に続く2度目のワールドツアー制覇を果たした。サーイエニッチはすべての試合においてフィジカルで相手を圧倒していた印象があり、今後はトップ選手の1人に数えても良いかと思われる。実力明らかながら成績が安定せず実はツアーの決勝進出も今回が初めてであったフォンセカも、一段階段を登った感あり。

階級を変更するなり実業個人選手権を制した西山大希(新日鐵住金)は初戦(2回戦)でリパルテリアニに敗退。90kg級時代からの課題である攻めの遅さが出てしまい、「指導2」を失った末にGS延長戦での内股透「技有」(GS0:21)で畳を去ることとなった。

【日本代表選手勝ち上がり】

西山大希(新日鐵住金)
成績:2回戦敗退


[2回戦]
西山大希△GS技有・谷落(GS0:21)○ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)

■ 100kg超級 テディ・リネールが順当に優勝、上川大樹は準決勝で敗れて挑戦かなわず
eJudo Photo
100kg超級決勝、テディ・リネールがステファン・ハイギから右払腰「一本」。

eJudo Photo
100kg超級3位決定戦、上川大樹がベンジャミン・ハーメグニースから払釣込足「一本」。

(エントリー18名)

【入賞者】
1.RINER, Teddy (FRA)
2.HEGYI, Stephan (AUT)
3.KAMIKAWA, Daiki (JPN)
3.SIMIONESCU, Vladut (ROU)
5.HARMEGNIES, Benjamin (BEL)
5.CULUM, Zarko (SRB)
7.HORAK, Michal (CZE)
7.ALLERSTORFER, Daniel (AUT)

8月のブダペスト世界選手権を制したばかりのテディ・リネール(フランス)が参戦、危なげなく優勝を飾った。リネールは初戦でムスタファ・アブダラオウイ(モロッコ)に「指導3」の反則(2:01)で勝利すると、準々決勝ではベンジャミン・ハーメグニース(ベルギー)に右大外刈「一本」(2:44)、準決勝ではザルコ・クルム(セルビア)に「指導3」反則(2:55)と結果からわかる通りの慎重な試合運びで決勝に進出。迎えた決勝では若手のステファン・ハイギ(オーストリア)を右払腰「一本」(1:44)で一蹴してあっさりと表彰台の頂点へと辿り着いた。

リネールの出場意図は不明だが、試合内容と時期を考慮すると11月の無差別世界選手権に向けた調整である可能性が高い。もし出場となれば2010年東京世界選手権の準優勝(現在リネールが最後に黒星を喫した試合)から7年越しでの無差別優勝なるかというなかなかに面白いチャレンジ。注目したい。

今大会には前述の東京世界選手権でリネールを破った上川大樹(京葉ガス)も出場していたが、上川は準決勝でハイギに「指導3」反則(GS1:05)を奪われてトーナメント本戦から脱落。3位決定戦でハーメグニースを払釣込足「一本」(2:42)で下して3位を確保したものの、リネールとの対戦は実現しなかった。

試合を見る限り上川は決して良い状態とはいえず、敗戦の場面は疲労困憊の末に自らの出足払で躓いて体勢を崩した直後食った偽装攻撃の「指導」によるもの。今大会は実業個人の王者を一律機械的に派遣しているわけだが、同大会での上川は大会終了直後のインタビューで「あまり試合という気分にならなかった」と発言している。上川らしく斜に構えた、キャラクターを踏まえれば苦笑で済ませるべきコメントであるが、このコメントと調整不足が明らかな内容を考えあわせれば、今大会の印象決して良くはなし。現在の上川は全日本選手権に合わせたスケジュールで柔道を作っているのではないかと推察するが、これでは以後国際大会に「選ばない」エビデンス作りに送り込まれたようなもの。派遣の是非にまで論を進めるべき、不出来であった。

上川に勝利したハイギは19歳、ブダペスト世界選手権で原沢久喜(日本中央競馬会)を「指導2」(GS1:43)で破った選手だ。コンディション不良であったとはいえ、原沢と上川の強者2人をこの短期間に続けざまに撃破したことはやはり評価すべきだと思われる。先日のヨーロッパジュニア選手権でも2位を獲得しており、まずは世界ジュニア選手権でどのような活躍を見せるのかに注目したい。

【日本代表選手勝ち上がり】

上川大樹(京葉ガス)
成績:3位


[2回戦]
上川大樹○GS内股(GS1:19)△ルアン・イスクイエルド(ブラジル)

[準々決勝]
上川大樹○内股(1:26)△ヴラドゥート・シミオネスク(ルーマニア)

[準決勝]
上川大樹△GS反則[指導3](GS1:05)○ステファン・ハイギ(オーストリア)

[3位決定戦]
上川大樹○払釣込足(2:42)△ベンジャミン・ハーメグニース(ベルギー)

■ 78kg級 濵田尚里が「秒殺」連発で圧勝V、全試合を得意の寝技で決める
eJudo Photo
78kg級決勝、濵田尚里がサマアワ・カマハを後方に引き込んで腕緘「一本」

eJudo Photo

(エントリー10名)

【入賞者】
1.HAMADA, Shori (JPN)
2.CAMARA, Sama Hawa (FRA)
3.RAMIREZ, Yahima (POR)
3.MALZAHN, Luise (GER)
5.FERRARI, Valeria (ITA)
5.ZIECH, Maike (GER)
7.SHMELEVA, Antonina (RUS)
7.LEON, Karen (VEN)

上位選手の参加はルイーズ・マルツァン(ドイツ)のみであり、参加人数も僅か10人と少々寂しいトーナメント。その中を第2シードの濵田尚里(自衛隊体育学校)が全試合で寝技による「一本」、それも全て違う技で勝利するという素晴らしい内容で優勝を飾った。3試合の合計時間が2分を切るという、まさしく圧勝だった。

濱田は準々決勝から登場するとまずマイク・ツィーヒ(ドイツ)に腕緘の形で腕をロックしたまま後方に引き込んでの縦四方固「一本」(1:14)で勝利。続く準決勝ではヤヒマ・ラミレス(ポルトガル)を左小外刈「技有」からの腕挫十字固「一本」(0:35)で破って決勝進出を決める。決勝では若手の有望株であるサマアワ・カマハ(フランス)を僅か9秒で初戦のツィーヒ戦と同じ形からの腕緘「一本」(0:10)に仕留めて優勝を果たした。

この日の濵田の戦いぶりはまさに圧巻。相手にほとんど何もさせないまま(決勝は文字通り何もさせず)一方的に寝技で「一本」を積み重ねた。以前から様々な場所で言われていることではあるが、パワー柔道が全盛の78kg級において濵田レベルの寝技は十分世界の頂点へと至る梯子として機能するはず。これまで何度も弾き返されてきた国内の壁を突き崩すためにも、まずは直近の講道館杯に勝利してグランドスラム東京大会の出場権を獲得したいところだ。

【日本代表選手勝ち上がり】

濵田尚里(自衛隊体育学校)
成績:優勝


[準々決勝]
濵田尚里○縦四方固(1:14)△マイク・ツィーヒ(ドイツ)

[準決勝]
濵田尚里○腕挫十字固(0:35)△ヤヒマ・ラミレス(ポルトガル)

[決勝]
濵田尚里○腕緘(0:10)△サマアワ・カマハ(フランス)

■ 78kg超級・ラリサ・セリッチがグランプリ・ザグレブ大会2連覇、稲森奈見は準決勝で敗れて3位に終わる
eJudo Photo
78kg超級3位決定戦、稲森奈見が右払巻込でカミラ・ヤマカワを攻める。

(エントリー12名)

【入賞者】
1.CERIC, Larisa (BIH)
2.PAKENYTE, Santa (LTU)
3.INAMORI, Nami (JPN)
3.M BAIRO, Anne Fatoumata (FRA)
5.YAMAKAWA, Camila (BRA)
5.ADLINGTON, Sarah (GBR)
7.CHIBISOVA, Ksenia (RUS)
7.KARPATI, Emese (HUN)

もともとトップ選手が出場大会を絞りがちな78kg超級。世界選手権直後という時期もあり一線級の参加はなく、第2グループの選手が中心のトーナメントとなった。こ

れを決勝まで勝ち上がったのはラリサ・セリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)とサンタ・パケニテ(リトアニア)の2人。決勝でパケニテを右払巻込からの腕挫脇固「一本」(3:55)で破ったセリッチが、昨年に続くグランプリ・ザグレブ大会2連覇を飾った。

日本代表の稲森奈見(三井住友海上)は準決勝でパケニテに大内返「技有」を奪われて敗退。3位決定戦ではカミラ・ヤマカワ(ブラジル)に横四方固(1:44)で勝利して表彰台を確保したが、国内78kg超級の層の厚さに鑑みると非常に厳しい結果となった。講道館杯での奮起に期待したい。

【日本代表選手勝ち上がり】

稲森奈見(三井住友海上)
成績:3位


[準々決勝]
稲森奈見○崩上四方固(2:39)△サラ・アドリントン(イギリス)

[準決勝]
稲森奈見△優勢[技有・大内返]○サンタ・パケニテ(リトアニア)

[3位決定戦]
稲森奈見○横四方固(1:44)△カミラ・ヤマカワ(ブラジル)

文責:林さとる/eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版10月4日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.