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第48回全国中学校柔道大会・男子個人戦8階級レポート

(2017年9月28日)

※ eJudoメルマガ版9月28日掲載記事より転載・編集しています。
第48回全国中学校柔道大会・男子個人戦8階級レポート
■ 50kg級 2年生後藤颯太が優勝、決勝で伊藤大輔との投げ合い制す
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伊藤大輔(左)と後藤颯太による50kg級決勝

決勝に進出したのはともに技の切れ味が売りの伊藤大輔(御野場中・秋田)と後藤颯太(鎌ヶ谷第二中・千葉)の2名。東北、関東それぞれのブロック大会の王者による争いとなった。

伊藤は2回戦で川上雄三(吉川南中・埼玉)を相手に「指導」2つを失いながらも「技有」優勢で勝ち抜くと、以降は一本勝ちを連発。3回戦で岡田悠二(光陽中・福井)に背負投「一本」(1:40)、準々決勝では山科雄也(三雲中・三重)を大内刈「一本」(1:07)、準決勝は大藪太郎(大成中・愛知)をあっという間の払腰「一本」(0:31)に仕留めて堂々の決勝進出決定。

一方の後藤は2回戦で西村樹己矢(鶴山中・岡山)を小内刈「一本」(1:14)、3回戦で鹿原琉海(上北中・青森)を背負投「一本」(0:37)と早い時間の一本勝ちを並べて快調な滑り出し。準々決勝は宮内翔吾(広陵中・奈良)を相手に「指導2」の優勢勝ちだったが、準決勝では南遥稀(瑞浪中・岐阜)から小内刈「一本」を奪って勝ち抜け。伊藤同様、4戦して3つの一本勝ちという好内容で決勝の畳に臨む。

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後藤が伊藤の左払腰を反応良く隅落で切り返し「技有」

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最終盤、伊藤が起死回生の大腰「技有」でタイスコアに持ち込む

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GS延長戦、後藤の右小内刈が閃き決勝点となる「技有」

【決勝】

後藤颯太(鎌ヶ谷第二中・千葉)〇GS優勢[技有・小内刈](GS0:15)△伊藤大輔(御野場中・秋田)

伊藤が左、後藤が右組みのケンカ四つ。伊藤先んじて左大内刈で攻めるが取り切れず、後藤は得意の右小内刈で伊藤を腹這いに転がして反撃。ともに技が切れるタイプゆえ、息の抜けない攻防が続く。2分8秒に後藤に偽装攻撃による「指導」が入り、スコア上は伊藤に状況が傾く。拮抗も試合の主導権はジワリと伊藤が握るという印象。

しかし1分26秒、勝負を焦った伊藤が近い間合いからやや性急な左払腰。後藤見逃さず相手が片足になった瞬間釣り手側に移動、伊藤が作用足を振り上げた瞬間にはもう体を捨てているという攻防一致の隅落見事に決まって「技有」。
伊藤激しく追い掛けるが、クロージングを意識した後藤はこれまでと異なり仕掛け合いに容易に応じず。伊藤は突如間合いに入り込めずなり明らかに攻略の道が閉ざされた感あり、1つのミスが重くのしかかる。

それでもあきらめずに技を積み続けた伊藤、左の肩車であわやというシーンを作ってプレッシャーを掛けると、残り15秒でついに密着に成功。抱いたまま間髪入れずに左の大腰で投げつけて執念の「技有」を得る。これでスコアはタイとなり、試合はGS延長戦へ。

伊藤追いついた勢いを背に動き鋭く相手に迫るが、その動きの俊敏さは後藤の足技の好餌。延長開始15秒に後藤が右小内刈を閃かせると伊藤大きく崩れ、後藤は素早い反応でこれを追い掛けて被さり「技有」。これで試合決着、日本一を決めるにふさわしい見ごたえある投げ合いは、後藤に凱歌が上がることとなった。どこからでも技が出る、そして思い切りの良いタイプ同士でどちらが勝ってもおかしくない試合であったが、ビハインドの時間が長かった伊藤は精神的に息切れした感あり。最初のチャンスを見逃さなかった後藤の「技有」が大きく生きた一番だった。

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50kg級優勝の後藤颯太

【入賞者】
優 勝:後藤颯太(鎌ヶ谷第二中・千葉)
準優勝:伊藤大輔(御野場中・秋田)
第三位:南遥稀(瑞浪中・岐阜)、大藪太郎(大成中・愛知)
第五位:宮内翔吾(広陵中・奈良)、赤石聡一郎(みずき中・群馬)、田中克輝(青葉中・開催地)、佐藤尚貴(青梅第三中・東京)

後藤颯太選手のコメント
「自分は足技が得意。足技で投げて勝とうと思っていました。決勝はまず気持ちで負けないことを意識しました。稽古を受けてくれた人たちの気持ちを持って、戦ったつもりです。2回投げましたけど、最初の技で『一本』を取りたかった。小学生の全国大会は準決勝で負けてしまったので、そこを超えることが今回の目標でした。まだ2年生なので全中連覇が次の目標、筋力アップが課題です」

【準々決勝】

大藪太郎(大成中)〇反則[指導3](GS1:46)△佐藤尚貴(青梅第三中)
伊藤大輔(御野場中)〇大内刈(1:07)△赤石聡一郎(みずき中)
後藤颯太(鎌ヶ谷第二中)〇GS優勢[指導2](0:38)△宮内翔吾(広陵中)
南遥稀(瑞浪中)〇払腰(GS1:32)△田中克輝(青葉中)

【準決勝】

伊藤大輔〇払腰(0:31)△大藪太郎
後藤颯太〇小内刈(1:27)△南遥稀

【決勝】

後藤颯太〇GS優勢[技有・小内刈](GS0:15)△伊藤大輔

■ 55kg級 吉田泰生が優勝、ブロック大会に続いて中島瑞貴を決勝で下す
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5kg級準決勝、吉田泰生が小倉元輝から内股「一本」

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吉田と中島瑞貴(左)による55kg級決勝

決勝に進んだのは九州ブロック王者の吉田泰生(城南中・福岡)と中島瑞貴(元岡中・開催地)の2名。九州ブロック大会決勝の再現カードとなった。

吉田は2回戦で柏谷旭範(明和中・三重)から、僅か35秒の間に「技有」、さらに内股「一本」と立て続けに奪う圧勝で大会をスタート。3回戦は山城暁仁(修徳中・東京)から「技有」と3つの「指導」を奪って勝ち抜け(2:54)、準々決勝は増田神(桜木中・熊本)を「技有」優勢で下すと、準決勝は九州大会3位の小倉元輝(戴星学園中・大分)を内股「一本」(2:44)で破る。圧倒的な強さを見せつけての決勝進出。

一方の中島も全試合で投技によるポイントをマークしての決勝進出。予選の結果ゆえシード権こそ得られなかったが、1回戦で谷川壱星(瑞浪中・岐阜)から2つの「技有」を奪って勝利すると、2回戦は東北ブロック王者の成田駿(弘前第三中・青森)から「技有」、さらに背負投「一本」(2:35)と立て続けに奪う完勝。続いて3回戦では宮部真臣(見川中・茨城)、準々決勝は糸数未来斗(南風原中・沖縄)、準決勝は室谷歩武(田島中・埼玉)からそれぞれ「技有」を挙げて勝利し、みたび吉田との決勝に挑むこととなった。

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決勝、吉田が中島の左内股を透かして「技有」

【決勝】

吉田泰生(城南中・福岡)〇優勢[技有・内股透]△中島瑞貴(元岡中・開催地)

吉田が右、中島が左組みのケンカ四つ。吉田開始から肩車を連発して攻勢、さらに右内股で中島を引きずると、1分30秒中島に「指導」。これに奮起した中島は攻勢に出、2分6秒に左内股。しかし吉田これを透かして被さり主審は「技有」を宣告。落ち際の確認のため持たれた合議の末にこの技の効果は認められ、吉田のリードが確定。

以後は双方なかなか引き手を取れず決定打が生まれ難い展開。試合時間が少なくなると吉田は相手の技を潰し、寝技でしっかり時間を使うクレバーさを見せる。逆転を期した中島が小外掛に打って出たところで終了ブザーが鳴り響き、試合終了。九州ブロック大会に続きこの全国大会本戦の決勝も吉田に凱歌が上がることとなった。

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55kg級優勝の吉田泰生

【入賞者】
優 勝:吉田泰生(城南中・福岡)
準優勝:中島瑞貴(元岡中・開催地)
第三位:小倉元輝(戴星学園中・大分)、室谷歩武(田島中・埼玉)
第五位:増田神(桜木中・熊本)、糸数未来斗(南風原中・沖縄)、田中健渡(松山西中・愛媛)、田中隼(大成中・愛知)

吉田泰生選手のコメント
「得意技は足技。決勝で透かした場面は特に狙っていたわけではなく、体が自然に動きました。これからは、まずケガをしないようにして、継続して稽古が出来ることが大事だと考えています。一戦一戦を大事に戦える選手になりたいです」

【準々決勝】

吉田泰生(城南中・福岡)〇優勢[技有]△増田神(桜木中)
小倉元輝(戴星学園中・大分))〇背負投(1:14)△田中健渡(松山西中)
室谷歩武(田島中・埼玉)〇GS優勢[技有](GS1:12)△田中隼(大成中・愛知)
中島瑞貴(元岡中・開催地)〇優勢[技有]△糸数未来斗(南風原中・沖縄)

【準決勝】

吉田泰生〇内股(2:44)△小倉元輝
中島瑞貴〇優勢[技有]△室谷歩武

【決勝】

吉田泰生〇優勢[技有]△中島瑞貴

■ 60kg級 辻岡慶次が団体・個人の2冠を達成
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60kg級準決勝、辻岡慶次が松井諭を左体落「一本」に仕留める

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決勝、辻岡が秋山将大を大内刈で追う

決勝に進んだのは秋山将大(東京学館浦安中・千葉)と辻岡慶次(大成中・愛知)の2人。

秋山は関東ブロック大会の覇者。この日は2回戦で一井雄太(東部中・大分)を内股「一本」(0:44)、3回戦では岸武蔵(報徳学園中・兵庫)をGS延長戦の「技有」で下す。準々決勝では上野弘行(誠之中・広島)を大外刈「一本」(0:46)に仕留め、準決勝では九州ブロック王者の光岡岳人(白銀中・福岡)に「指導2」対「指導3」の反則累積差で勝利(2:14)。4戦して3つの一本勝ち(相手の反則負け含む)という好成績で決勝の畳へと駒を進めて来た。

一方の辻岡は主将として団体戦全国制覇を牽引した今大会の主役の一。この日も自信にあふれた柔道を展開、2回戦で内田寿大(春木中・大阪)を送襟絞「一本」(0:51)、3回戦は叶尚基(山形第二中・山形)から「技有」を2つ奪っての優勢、準々決勝は中村太樹(国士舘中・東京)を相手に「指導」2つを失いながらも「技有」を奪って勝利し、準決勝は松井諭(広陵中・奈良)を会心の体落「一本」で畳に沈める。団体・個人の2冠なるか、勢い十分で今大会最終戦に臨む。

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GS延長戦、辻岡が「やぐら投げ」で秋山の体を持ち上げる

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右への浮腰でフィニッシュ「一本」

【決勝】

辻岡慶次(大成中・愛知)〇GS浮腰(GS0:15)△秋山将大(東京学館浦安中・千葉)

決勝は秋山、辻岡ともに左組みの相四つ。足技の応酬を経てガッチリ組み合うこととなるが、ここで辻岡の技が止まり、54秒辻岡にのみ「指導」。辻岡奮起して袖釣込腰を連発、1分44秒には秋山にも「指導」が与えられることとなる。
その後辻岡の袖釣込腰、秋山の左大外刈とポイントが想起される技が放たれたが、いずれも具体的なポイントには至らず。試合はGS延長戦に縺れ込むこととなる。

延長開始早々、意を決した辻岡が相手の釣り手を潜り抜けて背を抱き「やぐら投げ」の大技。持ち上げた相手を反時計回りに投げ落として腹を合わせ浮腰「一本」、これでついに勝敗が決することとなった。辻岡は団体、個人と合わせて全国中学校柔道大会二冠を達成、充実の1日だった。

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60kg級優勝の辻岡慶次

【入賞者】
優 勝:辻岡慶次(大成中・愛知)
準優勝:秋山将大(東京学館浦安中・千葉)
第三位:松井諭(広陵中・奈良)、光岡岳人(白銀中・福岡)
第五位:中村太樹(国士舘中・東京)、上野弘行(誠之中・広島)、幸田朗(末吉中・鹿児島)、射羽陸(箕郷中・群馬)

辻岡慶次選手のコメント
「自分が望んでいたのはあくまで優勝。そのために1年生の時から稽古を続けてきたし、誰にも負けない努力をしてきたつもり。自信はありました。まだ優勝の実感はないですが、努力がかなったなという達成感はあります。得意技は内股と足技、両方出せたのが良かったです。(-担ぎ技、『やぐら投げ』、体落でも『一本』を取っていますね。切れる投技のコツは?)コツですか?最後まであきらめずに掛け切ることだと思います。この先はまずマルちゃん杯で団体優勝すること、将来は・・・、まずしっかり高校と大学で全国優勝すること、それからシニアに進んで、オリンピックで金メダルを獲りたいです。」

【準々決勝】

秋山将大(東京学館浦安中・千葉)〇大外刈(0:46)△上野弘行(誠之中・広島)
光岡岳人(白銀中・福岡)〇内股(1:33)△射羽陸(箕郷中・群馬)
松井諭(広陵中・奈良)〇小外掛(2:56)△幸田朗(末吉中・鹿児島)
辻岡慶次(大成中・愛知)〇優勢[技有]△中村太樹(国士舘中・東京)

【準決勝】

秋山将大〇反則[指導3](2:14)△光岡岳人
辻岡慶次〇体落(1:10)△松井諭

【決勝】

辻岡慶次〇浮腰(GS0:15)△秋山将大

■ 66kg級 朝田隼が優勝、消耗戦制して初の全国タイトル獲得
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66kg級決勝は高田顕矢(左)と朝田隼が相譲らず攻め合う、拮抗の展開

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決勝に進んだのは高田顕矢(曽根中・福岡)と朝田隼(広陵中・奈良)のシード選手2名。

九州ブロック王者の高田は2回戦で武井佑磨(箕郷中・群馬)に「指導2」対「指導3」の反則累積差(3:28)で辛勝。しかし以降は大枠危なげなく勝ち上がり、3回戦は村岡廉(山形第四中・山形)を送足払「一本」(1:10)、準々決勝は岩下幹人(おゆみ野南中・千葉)を「技有」優勢で破り、準決勝は浅野元輝(協和中・栃木)を相手に「指導」2つを失いながらも「技有」優勢で勝ち抜け。地元開催大会での全国制覇を狙って決勝の畳に挑む。

一方の朝田は2回戦で榊田夏陽(足立学園中・東京)を送襟絞「一本」(0:22)、3回戦は後藤れん(日進西中・愛知)を「技有」優勢で下し、準々決勝は遠藤尊(埼玉栄中・埼玉)を「技有」優勢、準決勝は中村将大(三雲中・三重)をあっという間の出足払「一本」(0:27)で下して決勝進出決定。

【決勝】
朝田隼(広陵中・奈良)〇反則[指導3](GS2:06)△高田顕矢(曽根中・福岡)

決勝は右相四つ。互いに釣り手を落とし合ってしっかり組めない状態が長く続き、47秒双方に「取り組まない」咎による「指導」。続くシークエンスの終了時の1分9秒には高田に片襟との判断で「指導2」が宣告されて、早くも試合が煮詰まる。高田はここから奮起、右背負投に右小外刈と次々技を積み、残り22秒で朝田に消極的との裁定が下され「指導2」付与。試合はタイスコアのままGS延長戦に縺れ込むこととなる。

延長戦もまず釣り手の落とし合いとなったが、高田が右小外刈と大外刈で前進。しかしGS1分半過ぎからは朝田が組み際の右大外刈に巻き込み気味の体落、さらに左小外刈と盛り返して勝敗の行方は読みがたい状況。GS2分6秒、朝田がさらに右内股。頭を下げられていた高田と朝田はもつれあったまま1回転。主審はここで試合を止めて合議を持つ。あるいはこの内股、あるいは内股返へのポイント付与をめぐる招集かとも思われたが、出された裁定は高田への「指導3」宣告。試合時間は5分6秒(GS2分6秒)、これで朝田の優勝が決まった。

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66kg級優勝の朝田隼

【入賞者】
優 勝:朝田隼(広陵中・奈良)
準優勝:高田顕矢(曽根中・福岡)
第三位:中村将大(三雲中・三重)、浅野元輝(協和中・栃木)
第五位:外村宗太(上宮中・大阪)、岩下幹人(おゆみ野南中・千葉)、井桁拓海(結城中・茨城)、遠藤尊(埼玉栄中・埼玉)

朝田隼選手のコメント
「3年間の努力が実りました。卒業された先輩方が強くて、稽古をつけてもらうのは凄くきつかったけど、それが良かったと思います。出るからには優勝しかないと思っていました。初戦の相手が小学校の時に全国大会の予選で負けた相手で、4年ぶりの対決。勝って『自分は強くなっている、いける』と自信が出ました。得意技は内股。(-自分の長所はどこだと思いますか?)受けが強いところです。膝を伸ばさずしっかり受ける。強い先輩たちに鍛えてもらいましたので、これは自信があります(笑)。将来は日の丸をつけて試合に出たいです」

【準々決勝】

浅野元輝(協和中・栃木)〇背負投(0:58)△外村宗太(上宮中・大阪)
高田顕矢(曽根中・福岡)〇優勢[技有]△岩下幹人(おゆみ野南中・千葉)
中村将大(三雲中・三重)〇払腰(0:07)△井桁拓海(結城中・茨城)
朝田隼(広陵中・奈良)〇優勢[技有]△遠藤尊(埼玉栄中・埼玉)

【準決勝】

高田顕矢〇優勢[技有]△浅野元輝
朝田隼〇出足払(0:27)△中村将大

【決勝】

朝田隼〇反則[指導3](GS2:06)△高田顕矢

■ 73kg級 津嘉山稔が全試合一本勝ちで圧勝V、決勝は地元対決を制す
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北野隼佑(左)と津嘉山稔、決勝は地元・福岡勢同士の対決となった。

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津嘉山が右出足払で北野を転がすが、惜しくもノーポイント

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津嘉山の左小外刈が「技有」

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そのまま抑え込んで津嘉山の勝利が決定

決勝に進んだのは津嘉山稔(大蔵中・福岡)と北野隼佑(沖学園中・開催地)。55kg級に続いての地元・福岡勢同士の対決となった。

津嘉山は2回戦で川辺俊(広陵中・奈良)から大外刈「一本」(2:18)、3回戦は日比野元(大成中・愛知)から「技有」を2つ奪った末の横四方固「一本」(2:57)で勝利。山場と目された準々決勝は小田桐美生(国士舘中・東京都)を「技有」奪取からの送襟絞「一本」(2:41)で退け、準決勝は伊藤好誠(矢渕中・三重)をあっと言う間の大外刈「一本」(0:27)で一蹴。他を寄せ付けぬ全試合一本勝ちで決勝へと駒を進めて来た。

一方の北野はノーシードから、こちらも全試合で攻撃ポイントを挙げての勝ち上がり。1回戦で小林晴(八頭中・鳥取)を払腰「一本」(1:02)、2回戦でシード選手木下颯王(灘中・姫路)を袈裟固「一本」(3:00)で下す良い滑り出しを見せると、以降は3回戦の木村亮太(あずま中・群馬)戦、準々決勝の中矢琉斗(松山西中・愛媛)戦といずれも「技有」を2つ奪っての危なげない勝利。準決勝も宇津山英弥(湖東中・静岡)を「技有」優勢で下し、決勝進出決定。

【決勝】

津嘉山稔(大蔵中・福岡)〇横四方固(1:21)△北野隼佑(沖学園中・開催地)

決勝は右相四つ。開始早々に津嘉山が鋭い右出足払で北野を大きく浮かす。津嘉山の技をよく知る北野なんとか手を畳に着いて落下、津嘉山押し込むもギリギリでポイントには至らず。以降は組み手争いの中で津嘉山が位押しに押して攻勢、北野は小外刈で応戦してチャンスを待つ。
1分2秒、津嘉山が左小外刈。足を捕まえた感触を得るや一気に抜きあげ、叩き落して「技有」奪取。そのまま崩袈裟固、横四方固と繋いで万全のフィニッシュ。1分21秒「一本」が宣告されて試合終了となった。津嘉山は全試合一本勝ち、すべて延長なしの時間内決着という圧倒的な出来での戴冠であった。

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73kg級優勝の津嘉山稔

【入賞者】
優 勝:津嘉山稔(大蔵中・福岡)
準優勝:北野隼佑(沖学園中・開催地)
第三位:伊藤好誠(矢渕中・三重)、宇津山英弥(湖東中・静岡)
第五位:廣井柊也(小杉中・富山)、小田桐美生(国士舘中・東京)、中矢琉斗(松山西中・愛媛)、野地鴻介(金目中・神奈川)

津嘉山稔選手のコメント
「うれしいです。地元対決は『おー』という感じ。前回は出足払で一本勝ちしていますが、舐めていたらやられるなと思って気合いを入れなおしました。最初は硬かったですが、ちょっとずつ体が動いてきました。(-お兄さんが強い選手ですが、意識はしますか?)超えてやろう、といつも思っています。組み手とか、アドバイスも貰います。今日は超えたな、と思います(笑)。得意技は・・・わからない。堂々と逃げずに戦うことを考えてやっています。(-将来の夢は?)ちゃんと就職できるようにしっかりやりたいです。」

【準々決勝】

伊藤好誠(矢渕中・三重)〇内股(1:10)△廣井柊也(小杉中・富山)
津嘉山稔(大蔵中・福岡)〇送襟絞(2:41)△小田桐美生(国士舘中・東京)
北野隼佑(沖学園中・開催地)〇優勢[技有]△中矢琉斗(松山西中・愛媛)
宇津山英弥(湖東中・静岡)〇反則[指導3](GS1:44)△野地鴻介(金目中・神奈川)

【準決勝】

津嘉山稔〇大外刈(0:27)△伊藤好誠
北野隼佑〇優勢[技有]△宇津山英弥

【決勝】

津嘉山稔〇横四方固(1:21)△北野隼佑

■ 81kg級 阿河陸人が全試合で投げ決めて戴冠、決勝は鎌田直人との投げ合い制す
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81kg級準決勝、阿河陸人が松永蓮太郎から袖釣込腰「一本」

決勝に進んだのは阿河陸人(口田中・広島)と鎌田直人(私立高知中・高知)の2名。
阿河は2回戦で宇積空輝(阿波中・徳島)から崩袈裟固「一本」(1:22)、3回戦で小林隼(男衾中・埼玉)から払腰「一本」(1:22)と上々の滑り出し。最大の勝負どころと目された準々決勝は徳持英隼(曽根中・福岡)を相手に「指導」2つを失いながらも「技有」優勢で勝ち抜け、準決勝は松永蓮太郎(津幡中・石川)から僅か22秒の袖釣込腰「一本」。4戦して3一本勝ち、準決勝は「秒殺」という素晴らしい内容をバックに決勝の畳に臨む。

一方の鎌田は全試合一本勝ちと圧倒的な勝ち上がりを見せての決勝進出。2回戦で松本匡平(国士舘中・東京)に大外刈「一本」(1:45)、3回戦は石本慎太郎(鹿本中・熊本)に大内刈「一本」(3:14)、準々決勝は田中佑弥(旭中・茨城)を「技有」からの横四方固「一本」(2:03)、そして準決勝は僅か26秒、竹嶌真慧(京都学園中・京都)を大外刈「一本」に仕留めて決勝進出決定。

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決勝、阿河は開始早々に鎌田直人から右払腰「技有」

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阿河は続いて袖釣込腰でも「技有」を奪って大量リード

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鎌田が反撃、阿河の右体落を抱え返して「技有」。

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81kg級優勝の阿河陸人

【決勝】

阿河陸人(口田中・広島)〇優勢[技有・袖釣込腰]△鎌田直人

右相四つ。開始から阿河が積極的に前へ、鎌田が受けて立っている間に先んじてペースを掴んで32秒に思い切った右払腰。鎌田頭から畳に落下、次いで背、腰と順に着地し、主審はこの一撃に「技有」宣告。勢いを得た阿河は直後の50秒にも左袖釣込腰で「技有」を追加し大幅リード。

鎌田はここから体勢を立て直し、右内股、右小外刈で追撃開始。阿河がうまく捌いて間合いに入らせずいずれもノーポイントで凌ぎ続けるが、鎌田の執拗な仕掛けの前に残り時間1分半を切ったあたりから手が詰まり始める。1分55秒には阿河に「指導1」。阿河苦境を脱すべく片腕を抱えて右体落を仕掛けるが、待ち構えた鎌田過たず釣り手を効かせて相手の体を制すると、阿河が耐えんと畳に着いた手の支えを後方に距離を出すことで無力化、見事に返して「技有」奪取。

この時点で残り時間は44秒。鎌田は左の担ぎ技も交えて猛攻、阿河の巧みな間合い管理のため技を継げず独立単体の大技連発という体ではあるが、ここに至って主導権は完全に鎌田に移る。しかし決定打には至らず、阿河に2つ目の「指導」が宣告されたときには残り時間僅か10秒。鎌田突進、抗した阿河の支釣込足を右小外掛に切り返すが、これも獲り切れず終了ブザー。結果「技有」1つの差で阿河の勝利が決まった。

【入賞者】
優 勝:阿河陸人(口田中・広島)
準優勝:鎌田直人(私立高知中・高知)
第三位:松永蓮太郎(津幡中・石川)、竹嶌真慧(京都学園中・京都)
第五位:髙階裕斗(桜町中・北海道)、徳持英隼(曽根中・福岡)、田中佑弥(旭中・茨城)、久保真之介(金目中・神奈川)

阿河陸人選手のコメント
「優勝出来るとは思っていなかったです。準々決勝で前に負けた徳持選手と対戦することになっていたので、そこで勝って初めて『いけるかな』という気持ちになりました。得意技は袖釣込腰、好きな選手はベイカー茉秋選手です。大内刈をしっかり覚えようと、今手本にして勉強中です。将来は・・・高校でもインターハイで頂点を獲りたいです。スタミナがないので、まずはここが課題だと思っています」

【準々決勝】

松永蓮太郎(津幡中・石川)〇優勢[技有]△高階裕斗(桜町中)
阿河陸人(口田中・広島)〇優勢[技有]△徳持英隼(曽根中)
鎌田直人(私立高知中・高知)〇横四方固(2:03)△田中佑弥(旭中)
竹嶌真慧(京都学園中・京都)〇内股(1:34)△久保真之介(金目中)

【準決勝】

阿河陸人〇袖釣込腰(0:22)△松永蓮太郎
鎌田直人〇大外刈(0:26)△竹嶌真慧

【決勝】

阿河陸人〇優勢[技有・袖釣込腰]△鎌田直人

■ 90kg級 戸髙淳之介が執念の逆転、残り数秒の「技有」で佐々木健翔を下す
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90kg級決勝は佐々木健翔が内股、大内刈で戸髙淳之介を攻めて攻勢

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残り時間僅か、戸髙が起死回生の払巻込「技有」

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決勝に進んだのは佐々木健翔(大成中・愛知)と戸髙淳之介(八王子第六中・東京)。

大成中のエースとして大活躍、団体戦優勝を牽引した佐々木はこの日も全試合一本勝ちと素晴らしい勝ち上がり。2回戦は船橋悠馬(志賀中・滋賀)を内股「一本」(0:04)、3回戦は笠原勇馬(香長中・高知)から「技有」を奪った末の内股透「一本」(1:05)、準々決勝は成松昭一郎(富合中・熊本)を「技有」奪取からの上四方固「一本」(1:28)、準決勝は九州ブロックの覇者近藤那生樹(大刀洗中・福岡)の挑戦をあっと言う間の小外刈「一本」(0:37)で退け、大会二冠を目指して決勝の畳に臨む。

一方の戸髙は関東ブロックの王者。2回戦は稲垣遼(三滝中・三重)を大内刈「一本」(2:05)、3回戦は宗石聖音(阿波中・徳島)から「技有」優勢、準々決勝は佐藤良平(磐梨中・岡山)を「指導2」対「指導3」の反則累積差(2:14)で下し、準決勝は工藤海人(松浪中・神奈川)を「技有」優勢で退けて決勝進出を決めて来た。

【決勝】

戸髙淳之介(八王子第六中・東京)〇優勢[技有]△佐々木健翔(大成中・愛知)

決勝は佐々木が右、戸高が左組みのケンカ四つ。釣り手の位置争いを経て内股の応酬となるが、徐々に組み手、地力ともに佐々木の優位が明らかになっていく印象。佐々木は小外刈で惜しい場面を作り、一方の戸髙は組み手で後手を踏みなかなか自分の形が作れない。この様相が中盤からスコアにも反映されはじめ、52秒、そして1分29秒と戸髙に2つの「指導」。
終盤も佐々木が右内股から大内刈に繋いであわやポイントという場面を作り、大枠の様相に変化なし。しかしGS延長戦突入が想起されはじめた残り8秒、戸高がこれまでと手立てを変えて組み際に右払巻込。まさしく鬼気迫る表情で放たれたこの一撃を佐々木防ぎきれず、転がって「技有」。
様相一変、まさしく起死回生の一撃。残り時間はほとんどなく、このまま戸髙の優勝が決まった。

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90kg級優勝の戸髙淳之介

【入賞者】
優 勝:戸髙淳之介(八王子第六中・東京)
準優勝:佐々木健翔(大成中・愛知)
第三位:工藤海人(松浪中・神奈川)、近藤那生樹(大刀洗中・福岡)
第五位:佐藤良平(磐梨中・岡山)、成松昭一郎(富合中・熊本)、鈴木太陽(明洋中・和歌山)、飯田恒星(野坂中・広島)

戸髙淳之介選手のコメント
「相手は団体戦で優勝しているチームのポイントゲッター。チャンピオンに挑むつもりで戦いました。力も強く、実力もあってとにかくいくしかない、なんとかして勝ちたいと何も考えずにとっさに出た技(ポイントを奪った払巻込)。この技に賭けました。今後はまず全日本カデ。挑戦者としてしっかり戦いたいと思います」

【準々決勝】

佐々木健翔(大成中・愛知)〇上四方固(1:28)△成松昭一郎(富合中・熊本)
近藤那生樹(大刀洗中・福岡)〇GS優勢[指導2](GS0:15)△飯田恒星(野坂中・広島)
戸髙淳之介(八王子第六中・東京)〇反則[指導3](2:14)△佐藤良平(磐梨中・岡山)
工藤海人(松浪中・神奈川)〇大内刈(2:37)△鈴木太陽(明洋中・和歌山)

【準決勝】

佐々木健翔〇小外刈(0:37)△近藤那生樹
戸髙淳之介〇優勢[技有]△工藤海人

【決勝】

戸髙淳之介〇優勢[技有]△佐々木健翔

■ 90kg超級・中野智博が優勝、勝ち上がり抜群の菅原光輝は決勝で涙
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90kg超級準決勝、菅原光輝が海堀陽弥から内股「一本」

決勝に進んだのは菅原光輝(天王中・秋田)と中野智博(大刀洗中・福岡)の2名。

菅原は東北ブロック王者、団体戦でも全試合一本勝ちでチームのベスト16入りを牽引した注目の大物。この日は2回戦でカフレジオバニ(土浦第四中・茨城)を大外刈「一本」(0:39)、3回戦で中村雄太(八木中・奈良)を「技有」奪取からの横四方固「一本」(3:00)、準々決勝は小田春樹(長岡中・静岡)をGS延長戦「技有」で退け、準決勝は海堀陽弥(灘中・兵庫)を払腰「一本」に仕留めて決勝進出決定。

一方の中野は2回戦で西方謙仁(燕中・新潟)を支釣込足「一本」(1:19)、3回戦で村岡英哉(紀見北中・和歌山)を「技有」優勢、準々決勝は中村心(大成中・愛知)を内股透「一本」(3:47)で退け、迎えた準決勝はここまで全試合一本勝ちの関東ブロック王者岡田陸(国士舘中・東京)を「技有」優勢で下して決勝へと駒を進めて来た。

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決勝、菅原の攻撃を中野智博が柔らかく受け切る

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終盤、中野が左背負投で菅原を右に抜け落として「技有」

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【決勝】

中野智博(大刀洗中・福岡)〇優勢[技有]△菅原光輝(天王中・秋田)

決勝は菅原が右、中野が左組みのケンカ四つ。体格に勝る菅原が内股を中心に攻勢をとり、1分1秒にはフェイントを入れてひときわ思い切った右内股。しかし中野うまく捌いてポイントには至らず。以降も菅原が大外刈、内股、払腰と大技を繰り出すが、重心が低い中野は十分間合いを取り、かつ柔らかく受けていずれも凌ぎ切ると、支釣込足に出足払と足を飛ばして流れを取りに掛かる。2分11秒に菅原が右大外刈、しかしその戻り際に中野が左背負投に座り込む。深く入り過ぎて菅原の体は釣り手側に流れるが、中野上体の引き込みを緩めず相手の体を逆から抜け落として決定的な「技有」獲得。

奮起した菅原は猛攻、残り4秒には低い右背負投の奇襲も見せるも叶わず、このままタイムアップ。「技有」優勢で中野の勝利が決まった。

中野は序盤に相手の技をすべて受け切ったことで流れを掴んだという印象。菅原は終始攻めていたが逆に手詰まり感が強くなり、失点はやや自滅の感ありだった。

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90kg超級優勝の中野智博

【入賞者】
優 勝:中野智博(大刀洗中・福岡)
準優勝:菅原光輝(天王中・秋田)
第三位:岡田陸(国士舘中・東京)、海堀陽弥(灘中・兵庫)
第五位:中村心(大成中・愛知)、小田春樹(長岡中・静岡)、湯川魁(小杉中・富山)、岡田綾太朗(松江第二中・島根)

中野智博選手のコメント
「自分の実力を出せば優勝は出来ると思っていました。得意技は内股。背負投はあまり得意ではないけど、大きい相手にはこういう技も使わなければ、と仕掛けたら掛かりました。好きな選手は大野将平さん。『一本』を取れず決め技があることに憧れます。課題は組むのが遅い、掛けるのが遅い、といっぱいあります。(-自分ではどんな性格だと思っていますか?)コツコツやるほうだと思います。3年後にまずインターハイでも優勝して、将来はオリンピックに出たい。」

【準々決勝】

海堀陽弥(灘中・兵庫)〇優勢[技有]△岡田綾太朗(松江第二中・島根)
菅原光輝(天王中・秋田)〇GS優勢[技有](GS0:33)△小田春樹(長岡中・静岡)
岡田陸(国士舘中・東京)〇送襟絞(1:38)△湯川魁(小杉中・富山)
中野智博(大刀洗中・福岡)〇内股透(GS0:47)△中村心(大成中・愛知)

【準決勝】

菅原光輝〇払腰(1:37)△海堀陽弥
中野智博〇優勢[技有]△岡田陸

【決勝】

中野智博〇優勢[技有]△菅原光輝

取材・文:古田英毅

※ eJudoメルマガ版9月28日掲載記事より転載・編集しています。

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