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国士舘中が2連覇、『大成にもう1度挑む』合言葉に全国中学校大会のリベンジ果たす・平成29年度マルちゃん杯全日本少年柔道大会中学生男子の部即日レポート

(2017年9月24日)

※ eJudoメルマガ版9月24日掲載記事より転載・編集しています。
国士舘中が2連覇、『大成にもう1度挑む』合言葉に全国中学校大会のリベンジ果たす・平成29年度マルちゃん杯全日本少年柔道大会中学生男子の部即日レポート
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連覇を果たした国士舘中学校

団体戦で小年、中学カテゴリの柔道日本一の座を争う平成29年度マルちゃん杯全日本少年柔道大会が24日、東京武道館で行われ、47チームが参加した中学男子の部は国士舘中学校(東京)が2連覇を果たした。

8月の全国中学校大会準決勝で大成中学校(愛知)に敗れて3位に終わった国士舘中は「(全国中学大会で)正直力尽きていたが、優勝しようというよりも、大成に勝とうという一念だけ」(川野成道監督)を胸に、隙のない戦いを続けて決勝進出。決勝の大成中戦は先鋒戦を「技有」優勢で落として先行されたが、副将岡田陸の内股「一本」で逆転。1-1の内容差で優勝を決めた。

戦評、入賞者と川野監督のコメント、準々決勝以降の対戦詳細は下記。

■ 戦評
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準々決勝、国士館中の中堅・岡部陽人が朝飛道場の北尾大樹を上四方固で抑え込み「一本」

ベスト4に残ったのは国士舘中学校(東京)、曽根中学校(福岡)、大成中学校(愛知)、大蔵中学校(福岡)。今シーズンこれまでの戦いぶりと結果、そしてこの日の組み合わせからして、ほぼ予想通りの順当な顔ぶれと言える。

国士舘中は2回戦で前戦で全国中学校大会ベスト8の松山西中学校(愛媛)を破った山田中学校(福岡)と対戦、2-1でこの試合を勝ち抜くと3回戦では静岡学園中学校(静岡)を4-0、準々決勝では前戦で南淡中学校(兵庫)を下している朝飛道場(神奈川)を3-0で破って準決勝進出。

全国中学校大会2位の曽根中は2回戦で大胡柔道スポーツ少年団(群馬)を4-0、3回戦で阿波中学校(徳島)を3-0、準々決勝では永山中学校(北海道)を3-1で下してベスト4入り。

夏の王者・大成中は無失点での勝ち上がり。初戦から白銀中学校(福岡)という強敵を畳に迎える難しい組み合わせだったがこの2回戦は3-0、3回戦は鶴田中学校(青森)を5-0で一蹴。準々決勝は金目中学校(神奈川)を4-0で下して余裕を持って準決勝へ。

12月のサニックス旗と3月の近代柔道杯を制しながら全国中学校大会県予選決勝で曽根中に敗れ、本戦でも準々決勝の国士舘中戦で苦杯を喫した大蔵中にとっては、今大会はどうしても意地を見せたい大会。この日は2回戦でつくばユナイテッド柔道(茨城)を5-0、3回戦で広陵中学校(奈良)を3-0で下すと、準々決勝は志誠塾(兵庫)を4-1で下してみごとベスト4に勝ち残った。

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準決勝、代表戦で国士舘中の岡田陸が引込返、山本航勢を寝技に引きずり込んで抑え込みに繋ぐ。

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大成中の先鋒辻岡慶次が大蔵中・伊藤隆祐から内股「技有」

【準決勝】

国士舘中学校〇0代―0△曽根中学校

準決勝第1試合では国士舘中と曽根中が対戦。曽根中の次鋒・徳持英隼を須山健介がチャンスをほとんど与えないまま引き分けで止め、一方国士舘中の副将・岡田陸の猛攻を山本航勢が耐え切って引き分けと双方が相手のポイントゲッターをしっかり潰し合ったこの試合は我慢比べが続いた結果、5戦連続の引き分けとなる。代表戦にどのカードが選ばれるかが非常に重要だったが、ここで運は国士舘中に傾き、抽選の結果は副将戦の再戦。迎えた代表戦では岡田が早々に立ち姿勢からの引込返で山本を寝勝負に引きずり込み、絡まれた脚を引き抜いて横四方固で抑え込む。この一本勝ちで熱戦決着、国士舘中が決勝へと進むこととなった。

大成中学校 2-1 大蔵中学校

大成中―大蔵中の試合は、大成中の先鋒・辻岡慶次がポイントゲッターの責を果たして内股「技有」で優勢勝ち、これで試合の流れが決した感あり。次鋒戦は大蔵中の津嘉山稔を大久保竜希が止め、中堅戦では逆に大成中のエース佐々木健翔を小谷優太が止めてと引き分けが2試合続いたが、副将戦で大成・中山康が糸瀬大輝から2つの「指導」をもぎ取る優勢勝ちを果たして大成の勝利が確定。大将戦は甲木碧の一本勝ちで大蔵中が一矢を報いたが、スコア2-1で大成の決勝進出が決まった。

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決勝、大成中の先鋒辻岡慶次が小田桐美生の密着を小外刈に切り返す

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崩れた相手を押し込んで「技有」

【決勝】

国士舘中学校 ①-1 大成中学校

先鋒戦は国士舘中の小田桐美生、大成中の主将辻岡慶次ともに左組みの相四つ。小田桐は良いタイミングの右出足払で先制攻撃、一方の辻岡は左小内刈で大きく小田桐を崩すと、その立ち上がり際に突っ込んで左大外刈と持ち前の機動力の高さを見せつける。取り味十分のこの連続攻撃でペースを掴むと、さらに左体落に左小内刈と技を積んで1分45秒小田桐に「指導1」。

辻岡を止めればそれでひとまずミッション達成のはずの小田桐だがこの「指導」失陥に奮起したか、直後辻岡の奥襟襲来に反応し、右で脇を差して抱きつきの小外刈に打って出る。しかし辻岡投げ合いは望むところとばかりに体を捌いて透かすと左小外刈で刈り返し、崩れた小田桐の体を押し込んで「技有」奪取。
残り26秒で小田桐に片袖を絞り込んだ咎で「指導2」。逆転を期す小田桐は抱きついての一発を狙いに出るが、辻岡これも「やぐら投げ」を試みて投げに出、降り際に突進して来た小田桐に内股をもう一発見舞う貪欲さを見せて跳ね返す。結果、この試合は辻岡の「技有」優勢による勝利に終わった。辻岡相手に試合を動かすことの危険をよく知る小田桐は勝負どころを絞って慎重に試合を進めていたが、辻岡の勝負勘と、攻め手を緩めず相手の焦りを引き出した攻撃意欲の高さの前に屈する形となった。

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大久保竜希が須山健介を大外刈で攻める

須山健介と大久保竜希による次鋒戦は右相四つ。互いに試合を壊すまいとの緊張感ゆえか横変形の絞り合いに先手の巻き込み技、引き続いての寝技と比較的リスクのない形での攻め合いが続く。どちらかというと攻めに出るのは大久保、相手の右腕を抱え込んでの右大外落で明らかに取りに出た直後の1分22秒には須山に「指導」、2分3秒には双方に「指導」が与えられ、累積警告は2対1。須山は後がなくなってしまう。大久保あと1つの「指導」を奪わんと足を飛ばして前進するが、国士舘ベンチからも「足を出しておけ!」と激しい指示。須山も足技を細かく出し続けることで終盤戦は横変形での蹴り合いの様相となり、スコア動かぬままこの試合は引き分けに終わった。

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佐々木健翔が良いタイミングの内股を見せるが心得た岡部陽人はことごとく耐える

中堅戦は国士舘・岡部陽人と佐々木健翔がマッチアップ。全国中学大会準決勝で壮絶な投げ合いを演じた末に佐々木が内股「一本」で逆転勝利を収めているこのカードは、佐々木がその再現を狙うべくのびやかに内股を仕掛け、岡部がこれを凌ぎながら足技で攻め返すという展開。58秒に岡部に「指導」が与えられてペースは佐々木にあったが、直後岡部が膝車で大きく振って佐々木を崩すと、以後は攻め合いの様相。片襟の右大外刈に組み際に釣り手を叩き入れながらの右内股と取り味のある技を放つのは明らかに佐々木だが、岡部は的確に技を打ち返して展開自体は譲らず。この試合は引き分けに終わった。

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副将戦、岡田陸が中山康から内股「一本」

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岡田は沸き立つベンチを手で制す。優勝決定直後も飛び出す同僚を制して、チームの規律の高さを垣間見せた。

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入来院大樹が中村心との大将戦を手堅く戦い、しっかり引き分けを得る

そして迎えた副将戦で試合が大きく動く。前回対戦では波風立たぬまま引き分けに終わっているカードだが、国士舘・岡田陸が開始早々に右のケンケン内股で中山康を追い込み、ステップに合わせて体を捨てると中山滞空時間少なく意外なほどあっさり畳に落下。開始から僅か18秒、主審が迷いなく「一本」を宣して岡田の勝利が決定。観客席に陣取った国士舘中の大応援団が熱狂するなか、岡田は喜ぶベンチの仲間たちを「騒ぐな」と手で制し、落ち着きはらって開始線に戻る。スコアは1-1、これで内容差で国士舘中が逆転。

大将戦は国士舘の2年生大将入来院大樹に、大成・中村心がマッチアップ。前回対戦ではビハインドに焦った入来院が肘を極めたまま投げを打つミスを犯して「反則負け」で決着しているカードだが、入来院はケンカ四つの中村を相手に、むしろ上から目線で落ち着いた試合運び。20秒に「待て」の後ながら「一本」級の内股で相手を投げ捨ててペースを掴むと、釣り手を巻き返しての左大外刈に相手を引きずりながらの左釣込腰と着々技を積む。奮起した中村の突進に位置取りを誤って1分25秒には意外な場外「指導」失陥、形上はミスの許されないスコアとなるが、続く中村の払腰にも動き鋭く隅落を合わせて不安感はなし。出足払、内股と最後まで攻め続けたまま試合を締め、この大将戦は引き分け。結果スコア1-1の内容差で国士舘中の優勝が決まった。

感極まった選手たちが握手を交わす中、国士舘中ベンチは川野成道監督をはじめとする指導陣が先んじて涙。「全中で勝たせてやりたかった」(川野監督)との無念と執念、そして国士舘の稽古の熱さが伝わる場面だった。

入賞者と川野監督のコメント、準々決勝以降の対戦詳細は下記。

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優勝の国士舘中学校

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優勝決定直後、選手を称える川野成道監督

【入賞者】
優 勝:国士館中学校(東京)
準優勝:大成中学校(愛知)
第三位:曽根中学校(福岡)、大蔵中学校(福岡)
最優秀選手賞:岡田陸(国士館中)
優秀選手賞:辻岡慶次(大成中)、徳持英隼(曽根中)、小谷優太(大蔵中)

国士舘中・川野成道監督のコメント
「今年のうちのメンバーは強くなく、夏までずっと負けて来ました。一生懸命頑張っているのでなんとか全中だけは獲らせたいとやってきたのですが、自分の力不足でこれも果たせず。あまりにも全中に掛け過ぎていたために選手は皆力尽きてしまい、正直モチベーションも低かったんです。なかなか切り替えられず、苦しい時期でした。意地を見せられるチャンスだ、大成中という大きな壁にもう1回挑もう、と話してなんとか、ようやく立て直してきました。優勝したいというよりも、大成に勝ちたいという一念、その勝利だと思います。(-全国中学大会での大成戦の負けや、厳しい組み合わせは以後の選手の糧になりましたか?)十分に生きたと思います。大成戦に関していえば、先鋒戦を落としても『取られても流れを取り戻そう』という意志が徹底していて慌てていませんでしたし、全中できつい場面ばかりを任された入来院は明らかにメンタル的に伸びました。(-来年のチーム作りに向けて一言お願いします)今の3年生は体も小さくなかなか勝てませんでしたが、『生きざまを後輩に見せろ、試合場にすべてを置いてこい』と鼓舞して畳に送り出しました。最後に勝って十分に意地を見せてくれたと思いますし、来年引っ張っていく立場になる入来院にも感じるものがあったと思います」

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準優勝の大成中学校

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第三位の曽根中学校

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第三位の大蔵中学校

【準々決勝】

国士舘中学校(東京) 3-0 朝飛道場(神奈川)
(先)小田桐美生〇小内刈△望月心人
(次)須山健介×引分×秦峻馬
(中)岡部陽人〇上四方固△北尾大樹
(副)岡田陸〇横四方固△八田京麿
(大)入来院大樹×引分×工藤海人

曽根中学校(福岡) 3-1 小杉中学校(富山)
(先)高田顕矢×引分×鈴木将大
(次)徳持英隼〇大外返△廣井柊也
(中)永竿慶弥〇内股返△小井八尋
(副)山本航勢〇後袈裟固△前川洋輔
(大)松尾宣貞△払腰〇湯川魁

大成中学校(愛知) 4-0 金目中学校(神奈川)
(先)辻岡慶次〇優勢[僅差]△菊川純平
(次)大久保竜希〇肩固△平野蒼空
(中)佐々木健翔〇払腰△野地鴻介
(副)中山康〇一本※△岸田耕平
(大)中村心×引分×久保真之介

※公式記録に記載なし

大蔵中学校(福岡) 4-1 志誠塾(兵庫)
(先)伊藤隆祐△支釣込足〇木下颯王
(次)津嘉山稔〇大外刈△山尾直矢
(中)小谷優太〇優勢[僅差]△常隂司竜
(副)糸瀬大輝〇優勢[僅差]△河田征剛
(大)甲木碧〇優勢[技有・払腰]△海堀陽弥

【準決勝】

国士舘中学校〇0代―0△曽根中学校
(先)小田桐美生×引分×高田顕矢
(次)須山健介×引分×徳持英隼
(中)岡部陽人×引分×永竿慶弥
(副)岡田陸×引分×山本航勢
(大)入来院大樹×引分×松尾宣貞
(代)岡田陸〇横四方固△山本航勢

大成中学校 2-1 大蔵中学校
(先)辻岡慶次〇優勢[技有・内股]△伊藤隆祐
(次)大久保竜希×引分×津嘉山稔
(中)佐々木健翔×引分×小谷優太
(副)中山康〇優勢[僅差]△糸瀬大輝
(大)中村心△内股〇甲木碧

【決勝】
国士舘中学校 ①-1 大成中学校
(先)小田桐美生△優勢[技有・小外刈]〇辻岡慶次
(次)須山健介×引分×大久保竜希
(中)岡部陽人×引分×佐々木健翔
(副)岡田陸〇内股△中山康
(大)入来院大樹×引分×中村心

取材・文:古田英毅

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